あさひのブログ -40ページ目
「大軍師司馬懿之軍師聯盟(全42話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第十五集]
楊修は牢獄の子建を見舞う。そして全ては司馬朗の指示だったことにしようと告げる。それでは彼が可哀相だという子建に、自分もあなたも、そして司馬一家もみんなが減刑を願い出れば王は殺しはしないだろうから大丈夫だと言う。

仲達は急ぎ崔家を訪ねるが、崔申はどちらが馬を御していたかは暗かったのではっきりとは見えなかったと言い、崔尚書からは事前にうちを訪ねて来てはあらぬ疑いをかけられるかもしれないと言われ、やむなく帰る。

卞夫人は子桓の元を訪ね、子建を助けるために王に情状酌量を願い出るようにと頼む。甄氏も義母の言う通りだと言うが、子桓はまたその物言いが気に入らない。これがもし逆の立場だったらお前はわたしのために情状酌量を願い出ろと子建に頼んだか?と怒って出て行ってしまった。

魏王の前に関係者らが呼び出された。崔申はあの晩子建は引き返せと命じたが酔った伯達がそのまま馬車を御して突っ込んでいったと証言し伯達は眼を剥く。
伯達は大理寺送りに。拷問を受け、子桓配下である仲達と謀って子建を陥れようとしたとの自白を強要されるがじっと耐える。

仲達は子桓に助けを求めに行くが口を開く前に「何も力にはなれないぞ」と釘を刺された。魏王は子建を救うためにあのわざとらしい崔申の嘘の証言を見過ごしたのだ。やはり父は子建を後継にしたいのだ、母も妻も、そして今臣下すらも皆が子建を救済しろと言ってくる、わたしが今どんな気持ちかも知らないで!
しかし仲達は今子建に助け舟を出してやらねば魏王の気持ちは離れて行くばかりだと説く。子桓はやはりお前は伯達に命じられて子建を助けようと図ってるのだろうと怒って出て行ってしまった。やはりだめか…彼の性格からいって望み薄なのはわかっていた。

仲達は汲布を探す。仲達の予想通り汲布は校事として事件直後から崔家を監視していた。仲達は崔尚書と丁儀が事前に密談していたことを記録した書を見せてほしいと頼み込む。
汲布の協力で楊修と丁儀が崔尚書に賄賂を贈っていた記録を入手した仲達はこれで二人の悪事を訴えることができると言うが父・司馬防がそれを止める。事が明るみに出れば子建公子の監督責任が問われ罰せられる。となれば必然的に伯達にも連帯責任が課せられる。このまま死罪になるよりかましだろうと訴えるが父は言う、後継争いとは理論や法ではなく関わりの濃さ(仲の良さ、コネクション)そして王の好みなのだ。今仲達が二人を訴えて子建公子の立場を失わせれば、王は後に必ずお前を、司馬家を陥れる、と。
成す術なくこのまま兄が死刑になるのを見ているしかないのか…と、司馬防が、かつて自分を救ってくれた時に力になってくれた御人はどうだろうかと言う。

仲達は荀令君に面会し、楊修と丁儀が崔尚書に贈賄し崔申に偽証させたことを魏王に訴えたいので一緒に来てほしいと証拠の書を差し出す。しかし事件は魏王自らが判決を出したものであり、今更この書を出しても王の機嫌を損ねるばかりかこの校事の書を盗み出した罪で罰せられるだろうと言われてしまった。それでも兄の命さえ救えれば自分の命は惜しくないと言う仲達。
「いつもそんなやり方で物事が解決すると思ってるのか?それがお前の"知恵"なのか!?」荀令君は一喝する。お前の兄を救えるのは私ではなく"形勢"であり"人の心"。多くの朝臣の同調があれば兄を救えるかもしれないが一人で突っ走るのは愚者の行いだ…その言葉に仲達は目が覚める。
荀令君はさらに言う、将来子桓を支えていく時も全て一人で行おうとせず周囲とよく協力し同調しながら、一人の人ではなく一つの国を支えていくことを常に念頭に置くのだ、と。

その夜、荀令君は魏王に面会する。そして事実を曲げて子建を救い司馬伯達を罰したことは世間に魏王の恐ろしさを見せつけることとなったと指摘する。
20年前、漢王室を救うために奮闘していた曹操に出会った荀彧は彼こそがこの乱世をまとめ漢王室の再興を実現してくれる英雄、"明公"であると信じ今までついてきた、しかし今はかつての明公の姿は見えない。あるのは司空でも丞相でも飽き足らず王位にまで就く欲深い男の姿。漢天子を保護し諸侯らの前で漢臣として忠義を尽くそうと皆に誓ったあの明公はどこへ…「あなたには失望した。」
荀令君のその言葉に曹操は驚き、漢王室の皇帝の座を要求するような真似はしない、いつまでも漢王室の臣下だと言うが、しかし荀令君はもはやついていくことはできないと言って拝礼し退室していった。
乱世を治め人々に平和を安心を与えるためにやってきたはずなのにいつからこうなってしまったのだ…曹操は愕然とし頭を抱える。

[第十六集]
荀令君の元に魏王から夕食の差し入れが。しかし食盒の中には何も入っていなかった。「もうお前を食わせる事はできぬ(お前に禄を与えることはできない、解雇する)」という意を悟った荀令君は官服を返還する用意をさせ、懐から小瓶を取り出した…。
翌朝、荀令君が服毒自殺したと聞いた仲達は愕然とする。

荀令君の自殺にはさすがの魏王もこたえた。棺に取りすがって涙を流す。
荀令君は生前記した書の殆どを焼き捨てていたが、魏王は残っていた書をかき集め、書に目を通し彼の遺志がわかるものがあれば報せよと楊修らに命じる。徹夜で書の仕分けをしていた楊修はその中に子桓から荀令君へ宛てたらしい書を発見しすぐに魏王へ報告する。それを見た魏王は激怒してすぐに子桓を呼びつけた。(※中身は魏王の悪口が書かれていたようだ…。)子桓はそんな書を書いた覚えはない、冤罪だと訴える。そして楊修をにらみつけるが、楊修はこの書は荀令君の書庫から魏王自ら取って来たものであり、しかも封がしてあったので偽造できるわけもないと答える。魏王は子桓を投獄。楊修はこの件を裁くのに通常の大理寺の人間では尻込みするであろうから西曹掾の丁儀が適任だと推薦する。

鍾繇の息子・鍾会は、父が楊修の頭の回転の良さを褒めるのを聞いて、それは真に賢いとは言えないと言う。争いを起こして自らの才を売り込めば必ず後で妬み嫉みと買う、真に賢い者は争わずして才能を認めさせることができるものだと論じ、鍾繇は感心する。鍾会はさらに言う、その賢人は目下三人しかいない。一人目は20年にわたって漢王室と魏王の関係を保ち続けた荀令君、二人目はわが父、そして三人目は子桓公子を背後で支える司馬懿だ。と、その司馬懿がやって来たとの報せ…。
仲達は子桓救出に大理寺を司る鍾繇にどうか力を貸してほしいと頭を下げるが、鍾繇は自分は荀令君のような君子でも勇者でもないので日和見させてくれとにべもない。


[A] 司馬懿(仲達)
文学掾。子桓の軍師。鋭い洞察力の持ち主。
[B] 曹丕(子桓)
五官中郎将。曹操の長男。後継の座を弟と争っている。
[C] 曹植(子建)
平原侯。曹操の三男。詩や音楽に長け、曹操のお気に入りの息子である。
[D] 楊修(徳祖)
主簿。子建の軍師。知識と野心に溢れた才人。
[E] 丁儀(正礼)
西曹掾。子建の軍師。片目が悪いことがコンプレックス。
[F] 司馬朗(伯達)
仲達の兄。楊修の企みで子建に仕えることになる。
[G] 曹操(孟徳)
魏王。彼の思惑は誰にも推し量れない…。
[H] 卞夫人
曹操の妻。子桓、子建の母。彼女だけが曹操を阿瞞と呼ぶ。
[I] 甄宓
子桓の正室だが、かつて子建に心寄せていたことから子桓からは冷遇されている。
[J] 荀彧(文若)
尚書令。令君と呼ばれる。曹操の古くからの臣下。
[K] 崔琰(季珪)
尚書。子建の妻の父。
[L] 崔申
公車令(宮殿の護衛を司る)。崔琰の甥。
[M] 司馬防(建公)
伯達、仲達の父。現在どのような爵位かは不明だがそれなりに高位であるようだ。
[N] 汲布
校事。仲達の知略で命を救われたことがある。
[O] 鐘繇(元常)
大理寺卿(検察長)。古書の研究家としても知られる。


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「大軍師司馬懿之軍師聯盟(全42話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第十三集]
曹操は子桓と荀彧に留守の間都を護る重責を任ずると告げて、出立していった。
都を託されたということは後継に一歩近づいたことだと仲達は言うが、子桓はまだ釈然としてなかった。彼の目にはまだまだ父が子建を贔屓にしているように見える。丞相が子建の詩才を気に入っていることは明らかだが、世を治める能力は子桓に遠く及ばないと知っていると仲達は言う。世を治める者は目の前の勝敗にこだわらず常に大局を見るべき…その事を丞相は誰よりもよく知っているのだから。

行軍に軍師として同行している楊修と丁儀は、出立直前に丞相が子桓を赦し釈放した意味を考え始める。つまり元々丞相は子桓を罰する気はなかったのだ、彼が司馬懿と二人でこの難局をどう乗り切るかを試していたにすぎない。そして難局を乗り越えて見せた今、丞相の中で子桓の株は上がったに違いない。丁儀は策を繰り出す司馬懿をまず消さねばと言うが、楊修は彼を殺さずとももっと賢い方法があると言う。司馬懿の兄・司馬朗を子建の下につけるのだ。

子桓は阿照と狩りに出かけ城へ戻って来たところを崔尚書に見咎められる。丞相が国の将来を負って出陣されたというのに留守を任されたあなたは遊び惚けているのですかと。阿照は崔尚書の言う事ももっともだと思い自重しようと子桓に言うが、子桓は崔尚書が子建の義父でありこちらに敵対心を抱いてるだけで、本気で相手にする必要はないと答える。
不安になった阿照は仲達に相談し、仲達は自ら子桓を説得し狩りの道具を焼き捨てさせた。崔尚書は娘婿のために諌めたのではない、国のためを思って諌めたのだ。そしてこの仲達も子桓公子がこの世を変えてくれる、平和で栄えた天下を作ってくれることを信じて諌めたのだと言う。
翌朝、子桓は崔尚書の元へ行き先日の指摘を真摯に受け止め狩りの道具は一切破棄したと告げ、今後もよろしくご教授いただきたいと膝をつく。

司馬朗(伯達)は平原侯(子建)府に異動を命じられる。仲達は反対するが伯達は元々丞相府の官員であるから異動命令には逆らえない。これが楊修の差し金であることは容易に見抜けた。兄を子建に仕えさせれば弟である自分は強く出られない、子桓を勝たせることは兄を追い詰めることになる…。と、春華から兄弟なのだから争わなければならないという道理はない、むしろ助け合えばいいと言われ、ふと考えを改めた。

狩りに出かけるのをやめて庭で弓の練習をする子桓。子丹は伯達が子建に仕えたら仲達も兄のためにこちらを裏切るのではないかと不安を口にする。と、司馬家の三兄弟が子供達を連れて城外へピクニックに出かけたとの報せが。わたしには遊ぶなと言っておいて自分たちは遊びに行くのか…?
なごやかな一家団欒の場で伯達は叔達に新たな結婚話を提じる。だが叔達は未だに阿照の事を引きずっていて頑なに応じようとしない。とそこへ子桓がやってきた。子桓は仲達を呼び、伯達が子建に仕えることをどう考えているかと問う。仲達は司馬家が子桓、子建いずれに仕えることもすべては丞相・曹操のためであり、もし子桓が後継の座を勝ち取れば兄・伯達を殺すような真似はしないだろうし、子建が勝てば…自分は子桓と運命を共にするだけだと答える。

曹操は赤壁の戦いにおいて孫権・劉備の連合軍に大敗、天下統一が容易ならざると判断した曹操は自分を魏王に封じるよう漢天子に迫り、魏国を建国し鄴城を都と定めた。

[第十四集]
建国からしばらくして落ち着いた頃、甄氏は仲達に、許都に残している子建公子を鄴城へ呼び寄せるよう子桓から魏王に頼むよう勧めてほしいと言う。仲達は子桓と子建が仲良くすれば魏王も喜ぶし、立派な息子らが魏王の脇を固めていることを民衆にアピールすることは良い事だと勧めるが、子桓はせっかく後継として有利な立場にいるのにわざわざライバルを呼び寄せまた戦うことになるのはおかしいと取り合わない。挙句、伯達の差し金だろうと言い出したので仲達はむっとして帰っていった。普段腰の低い彼が随分と頑なな態度を見せたため子桓は少し驚く。

翌日、子桓が担当した新庁舎のお披露目が行われるが仲達は出仕をさぼって子供たちと遊びに出掛けた。仲達が病で欠席すると聞いた子桓はまだ怒っているのかと呆れる。
お披露目に姿を現した曹操は立派な扉に「活」という文字を書き入れ、どういう意味かわかるかと皆に問う。朝臣らが顔を見合わせる中、楊修が進み出て「この扉はよろしくないので取り壊すべきだ」と言う。この門は大き過ぎて(闊)民衆の反感を買いそうだからだ。それを聞いて曹操は得たりと笑う。すかさず楊修は子建を都へ呼び寄せて王の補佐をさせるべきだと進言。
魏王は子建を都へ呼びたいと思っている、そのきっかけを待っているのだ…仲達の言葉を思い出した子桓は考え直し、自分も楊修の意見に賛成すると申し出た。朝臣らは皆顔を見合わせ、曹操は意味深に笑う。

荀令君は曹操が魏王に即位した頃から病と称して朝議に出てこなくなった。心配した曹操は医師を遣る。だが荀令君の病とは、漢王家と曹家の板挟みになる苦しみによるものだった…。

平原侯・子建が鄴城入りすることが決定。子桓が結局進言通りに魏王に勧めたと知った仲達は急ぎ子桓の元へ行き先日の態度を陳謝する。子桓は弟といがみ合わず協力することも国のためだと思い、まずは子建を宴席へ招くことに。子丹が同席すると聞いてまた酔い潰されてはかなわないと仲達は出席を辞退した。
やってきた子建は兄との再会を素直に喜ぶ。が、側に控える楊修と丁儀は先ず父母に会うのが道義だと言って帰らせようとする。だが卞夫人と甄氏が仕立てた着物を贈られ感激した子建は子丹にも強引に誘われ結局宴席に上がり、楊修と丁儀は苦々しく戻っていった。
いい気分に酔っぱらった子建に子桓は泊っていくよう勧めるが、子建はやはり父母に挨拶にいかねばと千鳥足で退席していった。共に酔っぱらった伯達が馬車を御するが、誤って天子専用通路である司馬門へ着いてしまった。引き返そうとするが子建が酔った勢いで馬車を暴走させ司馬門を通って宮殿へ乱入してしまった!曹操の怒りはまさに怒髪天を突く。司馬門を暴走するなど、不敬罪で死刑は免れない。卞夫人はどうか息子を助けてとすがりつくが、いくら"魏王"の力があろうとも世論が許さない大事件だ…。

子丹はこれで子桓が後継になることは決まりだと祝杯をあげる。遅れてやってきた仲達はそこで初めて子建が酔って司馬門へ突入した事、随伴していたのが兄である事を知り真っ青になり飛んで帰る。二日酔いでまだ寝込んでいる兄を叩き起こし昨晩の事を問い詰めると、子丹の言った通りの重罪を犯したと言い弟らは騒然とする。伯達は自分ではなく子建が馬車を暴走させたのであり、司馬門守衛の崔申がそれを見ているはずだと言う。だが子建は己の身を守るために伯達に罪を擦り付けるおそれがある、崔申に正しい証言をしてもらわねば!

崔申は叔父である崔尚書に昨夜のいきさつを話す。崔尚書は今は誰にも話してはいけないと口止めする。そこへ丁儀がやってきた。そして身内(娘の婿)である子建を助けるために崔申にすべて司馬朗がやったことだと証言させろと脅迫する。


[A] 司馬懿(仲達)
文学掾。子桓の軍師。鋭い洞察力の持ち主。
[B] 曹丕(子桓)
五官中郎将。曹操の長男。後継の座を弟と争っている。
[C] 曹真(子丹)
霊寿亭侯。子桓の従兄弟で腹心の将軍。子桓が仲達を重用していることに半信半疑。
[D] 曹植(子建)
平原侯。曹操の三男。詩や音楽に長け、曹操のお気に入りの息子である。
[E] 楊修(徳祖)
主簿。子建の軍師。知識と野心に溢れた才人。
[F] 丁儀(正礼)
西曹掾(人事部のような役職?)。子建の軍師。片目が悪い障碍者でそのため崔家との縁組が破談になった過去がある。
[G] 司馬朗(伯達)
仲達の兄。楊修の企みで子建に仕えることになる。
[H] 曹操(孟徳)
漢帝を強迫して自らを魏王に封じさせる。漢朝廷の事実上の支配者。
[I] 卞夫人
曹操の妻。子桓、子建の母。彼女だけが曹操を阿瞞と呼ぶ。
[J] 甄宓
子桓の正室だがかつて子建に心寄せていたことから子桓からは冷遇されている。
[K] 郭照
子桓の側室。仲達の妻の義妹。阿照と呼ばれる。
[L] 崔琰(季珪)
尚書。子建の妻の父。
[M] 崔申
公車令(宮殿の護衛を司る)。崔琰の甥。
[N] 荀彧(文若)
尚書令。令君と呼ばれる。曹操の古くからの臣下。


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「大軍師司馬懿之軍師聯盟(全42話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第十一集]
子桓は子建の事を好きな甄氏が自分を陥れるためにわざと酒席にやってきたのだと怒る。甄氏は誤解だと言うが、どうしてあの酒席の話が母に伝わるのだ。悪意ある者が密告した以外に考えられない。
実は密告したのは甄氏の小姓。楊修が彼女に金を積んで子桓を陥れようと図ったのだ。残念ながら司馬仲達は罰せられなかったが子桓の手足となる仲間らを排除できた。これで少しは子建に有利な流れを引き寄せられよう。

仲間を流刑に処され、周囲に心を開いて話せる人間が少ないと嘆く子桓。そして仲達に阿照をよこしてくれないかと頼む。阿照を子桓の元へ上げる、すなわち子桓の側室にする事には春華が猛反対。だが話を聞いて阿照はぜひともと飛びつく。春華は怒って阿照を部屋に閉じ込めた。話を聞いた叔達は傷心するが、子桓なら阿照を本当に幸せにしてくれるだろうと己は身を引き阿照を逃がしてやるのだった。
好きな人と一緒にいられると幸せに酔いしれる阿照だったが、子桓から仲達が変な行動を起こしたらすぐに知らせてほしいと言われた。子桓は自分を見初めたのではなく、義兄を監視するために娶ろうとしている…そしてそれを子桓は否定しなかった。だが阿照の事は本当に好きだから真実を話したと言って子桓は出て行った。
あまりのショックに動けない阿照の元に甄氏がやってくる。甄氏は何でも協力するので子桓に笑顔を取り戻させてあげてとやさしく声をかけるのだった。

荀令君は劉楨の減刑を曹操に願い出る。劉楨は身分こそ低いが漢王室の血を引いており、南方の劉表らが彼の血筋を利用して旗印にする恐れがあるからだ。また子桓の側近を罰したことで丞相が後継を長子ではなく次子末子にするのではという噂も立っている。それを聞いて曹操はふと思い出して袁紹との決戦前に荀令君と郭嘉に書かせた竹票を見せた。跡継ぎは誰がいいかと問うた答えとして、荀令君は「長子が継ぐべし」と書いた。郭嘉が記したのは…「賢子が継ぐべし」。さて賢子とは誰を指すのか、郭嘉亡き今それを知るすべはない。

曹洪将軍が南征に出発するにあたり東門から出立し令旗を届けるようにという命令を受けた子桓。将軍は南門外にいるのにわざわざ東門から出るのか?子桓は不審に思う。すると子建が同じように西門から令旗を届けに出ることになっているというのだ。
子建の元にも命令が届いた。楊修はこれは丞相のテストに違いないと踏む。東門、西門から南門までの距離は同じ。曹洪将軍は先に届いた令旗を持って出発する。馬の速さを競わせるわけでもなかろう、おそらく道中でなにかしら行く手を阻む者が現れる、そして二人の息子が臨機応変に事態に立ち向かえるかを試すに違いない。そしてはっきりしているのは、この争いに負けた方が命に背いたとして軍法で罰せられる。楊修はこうなったら明日現れるであろう邪魔者は有無を言わさず殺そうと言い出す。子建は罪のない者を殺すことなどできないと反対するが、楊修はこの乱世で自分の理想を実現するためには綺麗事だけでは進めない、この両手を血で染めることも必要なのだと説く。今我らの争いはただ勝敗を賭けているのではなく己の生死を賭けているのだ!

阿照はやはり出て行くことにした。子桓は無理には引き留めないと言う。やっぱり全部ウソだったんだと怒って出て行こうとする阿照の腕を子桓は掴み、普段から人を疑ってばかりで本心を表に出すことができない、本当は行かないでほしいと思っていると言う。その言葉に阿照は喜び機嫌を直す。

子桓は仲間らを集め良案を探る。子丹は行く手を阻むものを片っ端から切ってやると言うが、しかしその行く手を阻む者は丞相の部下だ、彼らを傷つけることは重罪。打つ手がない。そうして皆いつの間にか寝てしまい朝を迎えた。目覚めた子丹が慌てて兵を整えに出かけようとするのを仲達が制止する。何か良い策があるのかと思えば、何も思いつかないと言う。ただ、臣下の礼をわきまえ子としての礼をわきまえねばならない、と。それはつまり勝敗を争うなと?子桓は半信半疑ながらも落ち着いて出発の準備を整える。

子建と楊修は朝早く出立し西門へ行くが、丞相の命令で城門はすべて閉ざされていた。楊修は立ちふさがる門衛を刺し強引に門を開けさせた。
子桓と仲達は東門へ行くがやはり城門は閉ざされている。かっとなった子桓が剣を抜くのを仲達がなだめ、諦めて馬頭を返す。
はたして曹洪将軍の元には子建が令旗を届けた。

[第十二集]
この試練は二人の公子を試しているようで実のところは司馬懿と楊修の力量比べ…楊修は強引に門を突破し司馬懿は引き返させたという報告を聞いた荀令君はニヤリとする。

子桓と仲達は戻り丞相に命令を達成できなかったと陳謝する。曹操は軍令を帯びた身なら門衛の一人や二人殺して通ればよかろうと言うが、子桓は城門を閉めろという父の命令に背くような真似はできなかったと言い、自分が令旗を届けられずとも弟が必ず届けてくれると信じていたと答える。二人は自ら大理寺(拘置所)へ赴き沙汰を待つ。
子桓と仲達は何とはなしに兄弟の話になった。子桓には曹昴という勇敢な兄がいた。子桓が十歳の時、兄は宛城の戦いで自分をかばって矢の雨を受け戦死した。今でも兄の代わりに自分が死ねばよかったと思う、兄が生きていれば間違いなく父の後を継ぎ今こうして兄弟が争う事態にはならなかったはずだ…。子桓は仲達に自分に付いて来たことを後悔しているかと自嘲気味に尋ねるが、仲達は決して後悔はしないしこれからも付いて行くと答えた。

崔尚書は荀令君に、丞相の跡目となるべき子桓が投獄されるという一大事に朝臣がこのまま黙ってていいのかと詰問する。いくら丞相が子建を贔屓にしているといっても世の観念は長子が後継になるものでそれを崩しては人々の支持は得られずあの袁紹と同じ轍を踏む!すると荀令君はその言葉を待っていたと言う。部屋の奥から朝臣が次々と現れた。皆考えは同じだったのだ。崔琰を先頭に皆は丞相へ諫言に向かう。
甄氏と阿照に子桓の救出を頼み込まれた卞夫人は、あの日東門を閉じ子桓を追い返した門番を丞相への元へ連れていく。門番はあの時殺されても文句は言えない立場であったのに子桓が自分に老いた父母や幼い兄弟がいることを鑑みて引き返されたのだと、今子桓公子の代わりに自分が死罪になりますと申し出た。曹操は門番を赦してやるが、しかし未だ子桓を釈放しないのだった。

曹操自ら南征へ出立する。その見送りのため特別に釈放された子桓に、仲達は父の前で泣きなさいと指示する。
鎧に身を包んだ曹操がゆっくりと近づいてきた。子建が進み出て勇壮な詩をうたい見送る。士気を鼓舞するその勇ましい言葉に子桓はとても泣く気持ちにはなれない…。と、突然仲達がぴしゃりと顔を殴った。不意の痛みに思わず涙がにじむ。そのまま父の前へと押し出された。
子桓は涙を浮かべ、父が国の重責を担って出陣するというこの時に何の役にも立てず申し訳ない気持ちで一杯ですと土下座する。


[A] 司馬懿(仲達)
子桓に頼み込まれて彼の軍師となる。役職は文学掾(文学の教官)。鋭い洞察力の持ち主。
[B] 曹丕(子桓)
五官中郎将。曹操の長男。後継の座を弟と争っている。
[C] 曹植(子建)
曹操の三男。詩や音楽に長け、曹操のお気に入りの息子である。
[D] 楊修(徳祖)
主簿。子建の軍師。知識と野心に溢れた才人。
[E] 曹操(孟徳)
丞相。漢朝廷の事実上の支配者。司馬懿が己をも凌ぐ才能の持ち主ではと警戒している。
[F] 甄宓
子桓の妻。常に孤独を漂わせる子桓に惹かれていくが彼の心は固く閉ざされている。
[G] 張春華
仲達の妻。元は江湖の剣侠のようだ。二児の母。
[H] 郭照
張春華の義妹。阿照と呼ばれる。子桓に恋する。
[I] 曹真(子丹)
霊寿亭侯。子桓の従兄弟で腹心の将軍。子桓が仲達を重用していることに半信半疑。
[J] 荀彧(文若)
尚書令。令君と呼ばれる。曹操の古くからの臣下。


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「大軍師司馬懿之軍師聯盟(全42話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第九集]
曹子桓の腹心である曹真(子丹)将軍が兵を率いて司馬府に乗り込んできた。仲達が汲布を匿ってるはずだと捜索させる。春華が激高して子丹につかみかかろうとするのを仲達は止め、この件には実は重大な秘密があると言って子丹を部屋へ招くと同時に阿照を子桓の元へ走らせる。
仲達はのらりくらりと話をし、子丹がいい加減しびれを切らしたその時、背後から汲布が現れ子丹の首に剣を突きつけた。そのまま小一時間が経ち、やっと子桓がやってきて汲布を去らせ子丹を解放した。仲達は子桓に策があると提案する。

子桓と仲達は(他人に話を聞かれないように)舟に乗る。仲達からなぜ丞相が汲布の捜索をあなたに命じたと思うかと問われ、子桓は表向きは校事の不祥事の責任を取るという名目で実際は自分を貶め弟の子建を後継にするためだと答える。仲達は言う、丞相が子建公子を後継にするつもりならばすでに立太子しているのでは?そうしないのは、長男が後継になるべきと考える朝臣が多くあなたを支持している現実があるからだ。丞相が本当に抑えたいのはあなた自身ではなくその周囲を取り巻く朝臣の力。汲布を逃して中郎将の任を解かれても丞相は必ずあなたに別の位を用意しているはず、ここで汲布を捕えれば丞相や子建公子と正面切って対決することになり退路はなくなる、と。

子桓と甄氏の夫婦関係は最初から冷え切っており、子桓は甄氏が子建の作った恋の詩を大事そうに携えているのに冷ややかな視線を送る。甄氏はそんなに嫌いなら結婚を断ってくれればよかったのにと言うが、子桓は結婚はさせられたのであって、自分は何一つ思い通りにはさせてもらえないのだと言って去る。彼の冷たさの影にある悲しみに気付いた甄氏は彼を見る目が変わっていくのだった。

子桓は街頭の監察台に立ち「仁義」と書いた旗を立てる。汲布は命令に背いたがそれは老いた母を思う子の気持ちを汲んだ仁義の行いであり、本日中に自首すれば命はとらないと広報した。
仲達は汲布を連れていこうとするが、春華は夫が嫉妬に駆られて汲布を騙している思い派手な夫婦喧嘩となる。根っからの文人である仲達には武術に長けた妻に抵抗して汲布を連れて行くことはできなかったが、汲布自身が子桓を信じて自首すると言い、春華にも止めることはできなかった。
子桓はじっと待ち続ける。日が傾き噂を聞いた人々が集まって来た。離れた所には荀令君、満寵といった朝臣の姿も見える。そしてやはり汲布はやってきた。集った人々は本当に自首してきたこの仁義の男を殺すべきではないと口々に声を挙げる。子桓は公言通り汲布を殺すことはしないと人々に確約する。

子建に仕える楊修と丁儀は子桓が民衆の心をつかみ株を上げた事に危機を感じ、丞相に報告してすぐにでも汲布を処刑させようとするが、曹操は夜も更けたといって面会を拒む。楊修は子桓の今回の行いは司馬仲達が仕向けたものだと確信する。
曹操は密かに汲布を連れて来させる。誰に言われて自首したと問うが、汲布は子桓の仁義という言葉を信じ自らの意志で自首したと答える。それに逃げて野垂れ死ぬくらいなら英雄と名高い丞相の手にかかる方が本望だと。
曹操は満寵に今日の現場に司馬懿は来ていたのかと問うが、彼はこの一日ずっと家にいたことが密偵の報告からも明らかになっているとの返答。なんと司馬懿は山のように動かずこの事態の行く末を静観していたのか…。
続いて子桓がやってきた。命令通り汲布を捕えたが、命は助けてやってほしいと請願する。そんな条件を許した覚えはないがと言うと子桓はこう答えた、もし彼の命を救えば民衆は父の寛大さに心服することだろう、もし彼を処刑するというのならば、自分が民に対し嘘をついたと汚名を被るだけで父の名は決して傷はつかない、と。

[第十集]
いくら曹子桓が罪に問わぬと言っても曹操がひとたび命じれば汲布の首は簡単に落ちる…春華は心配でいてもたってもいられない。また伯達も曹家のお家事に首を突っ込むような真似をするなと仲達を叱る。大丈夫だと言う仲達の言葉を誰も信じようとはしない。

その夜、子桓は監察台にやってきて昼間に掲げたままの「仁義」の旗を眺める。父は明日どのような審判を下すのか…。仲達から授けられたのはこの「仁義」の二文字だ。彼は言ったのだ、今や丞相・曹操を恐ろしく思わない者はいない、だが彼もかつては一介の将軍で幾多の苦難を乗り越え己の力で道を切り開いてきた、そして彼の目的はこの乱世を平定し人々に安寧の暮らしを与える事なのだ。厳しいお父上はそのようなことを表面には出さないかもしれないが、必ずやこの「仁義」の二文字は心の中に存在しているはずだ、と。天下を治めるとは人々を思い通りに支配することではない、人々に平安を与えることなのだ。もし公子がその志を継いで行きたいと真に願うのなら、お父上の威厳を損なうことなく弱点を突け、そう言われた…。
阿照は気になって監察台へ行ってみると、そこにはやはり子桓がいた。阿照は子桓を励まし暖かい狐の毛皮のマフを渡し、しばらく二人で語り合う。
夫が一人監察台へ行ったと聞いた甄氏は毛皮のコートを持って行くが、監察台で少女と楽しそうに語り合う夫の姿を見てそのまま戻っていった。

翌朝、監察台に現れた曹丞相。縄をかけられた汲布が衆前に跪いている。曹操は「仁義」の旗を下ろし汲布の肩にかけた。そして民衆に向かって言う。「わしはとある事件を思い出した。麦畑の側を行軍していた時の事だ。わしは畑を荒らしてはならぬ、畑に入った者は斬首すると命じ、皆馬から降りて歩いていったのだ。ところがわしの馬が突然暴れて麦畑に入り苗をだめにしてしまった。わしは法を守らねば天下に顔向けできぬと自ら首を刎ねようしたのだが、そこにいた将士も百姓らも誰彼がやめてくれと申す。そこでわしは自分の首の代わりに髪を切って皆に詫びた。
さて、この汲布は法を破った。この違反者を殺さねば国の法は守られず、情け深い心をもつこの者を殺せば仁義に反する。わしは思った、天下の百姓(※一般人の意)の命だ、百姓らが彼を赦すべきと思うなら赦そうではないか!」曹操は刀を振るう…汲布の首が落ちるかと皆目を背けるが、刀は汲布の髷を切っただけであった。曹操は汲布に、お前の命はこの曹操が与えたのではなく天下の百姓が与えてくれたことを忘れるなと告げる。民衆は皆心服し万歳を唱えた。


子桓は校事府を統率するにはまだまだ力不足であったと牌を返還するが、曹操は約束通り汲布を見つけたのだから校事府は続けろと牌を再び託す。不意に曹操は盧という馬を知っているかと訊く。千里を走る駿馬だがその主に不幸を呼ぶと言う不吉な馬だ。曹操は今日お前を助けた奴(司馬スーマー)は明日にはお前に仇成す(盧馬ルーマー)かもしれんぞと笑うが、子桓は立派に御してみせるので安心してくださいと答えるのだった。
子桓は馬場へ。仲達ももう逃げはしなかった。
もう退路はないし退くことはしない、父の目指す天下の平安を実現するため前へと走り続けるのみだ。

仲達は子桓府に招かれ仲間達に紹介される。その中には曹子丹将軍の姿もあり、彼はまだ仲達に顔をひっぱたかれた(※身動きのとれない子丹の顔に蚊が止まったため仲達が叩いて退治した)事を根に持っている。兄弟の契りだと言ってひと甕の酒を強引に飲ませた。酔いつぶれた仲達は膳に突っ伏して動かなくなってしまい、その様子を見て皆大笑いする。
と、そこへ甄氏が酔い覚ましの湯を持って現れた。美しい甄氏に劉楨、呉質は茫然として見入る。まだ酒宴は始まったばかりだが突っ伏している仲達以外は皆酔い覚ましをおし頂いて飲み干した。
子桓の宴会の席で劉楨、呉質が甄氏に平伏せずじろじろ顔を眺めていたと聞いた卞夫人は大変無礼な事でそれを見咎めなかった子桓をも厳しく叱りつける。それを耳にした曹操は劉楨、呉質を流刑に処する。


[A] 司馬懿(仲達)
丞相府の養馬(馬の世話係)。鋭い洞察力の持ち主。
[B] 曹操(孟徳)
丞相。漢朝廷の事実上の支配者。司馬懿が己をも凌ぐ才能の持ち主ではと警戒している。
[C] 曹丕(子桓)
五官中郎将。曹操の長男。郭嘉の後を継いで校事府を司る。司馬懿を軍師に迎えようと何度も頼んでいるが応えてもらえない。
[D] 曹植(子建)
曹操の三男。詩や音楽に長ける。
[E] 楊修(徳祖)
主簿で子建の軍師。知識と野心に溢れた才人。
[F] 甄宓
子桓の妻。子建に心惹かれていたが子桓と結婚させられた。
[G] 張春華
仲達の妻。元は江湖の剣侠のようだ。二児の母。
[H] 郭照
張春華の義妹。阿照と呼ばれる。子桓に恋するも司馬家と曹家の危うい関係に心痛める。
[I] 汲布
校事。元は江湖の剣侠。張春華と何かしらの縁があるようだが…。
[J] 曹真(子丹)
霊寿亭侯。子桓の従兄弟で腹心の将軍。


→インデックス
「大軍師司馬懿之軍師聯盟(全42話)」のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。

[第七集]
郭嘉が逝き曹操は落ち込む。良い人材を失ったことに加え、彼が取り締まっていた校事府の仕事を誰に託せばよいのか…。子桓は信頼できる身近な者が務めるべきだと立候補。曹操は子桓に校事府の牌を渡し、郭嘉の遺した言葉を伝えた。

仲達は自宅でのんびりと絵など描いて過ごしていた。そこへ曹操が袁紹を倒して凱旋し丞相になったとの報せ。ついに曹操が帰って来た、脚が治っていることが判明すれば今度こそ…仲達は覚悟する。
凱旋した子桓は群衆の中に阿照の姿を見つけ、わざと彼女を呼んで父が「司馬懿を登用せぬなら殺せ」と言っていたことを教え伝えさせる。そして武装のまま司馬府へとやってきた。既に逃げ場なし…仲達は立ち上がり走って子桓を出迎えに。歩けないはずの仲達が走る姿に家の者は皆腰を抜かす。
仲達は曹子桓の前にひれ伏す。子桓は仲達に自分の補佐をするこれが最後のチャンスだと通告。仲達は承諾するがしかし丞相が今の自分を赦すだろうかと問う。

仲達は曹操に面会へ。自分の足で歩いている仲達の姿を見ても驚く朝臣はおらず、楊修は随分と長い間芝居を続けていたなと皮肉る。
曹操の前に平伏する仲達。曹操は顔を上げろと言うが仲達は畏れ入ってなかなか顔を上げない。噂では司馬家の次男は鷹のように燃える目と狼のような鋭い顔つきをしていると聞く、ちょっと見せてみろと言うと、やっと面を上げたこの司馬懿は人畜無害な犬のような顔をしている。
曹操は仲達を立たせ脚に問題がない事を確認すると特に怒るでも罰するでもなく、丞相府の馬の世話を命じ下がらせる。仲達が畏まって退室しようとしたその時、曹操は握っていた碁石を放り投げた。碁石が床に散らばる音が派手に鳴り響き思わず振り返った司馬懿、その一瞬の彼はまさに鷹のように燃える目と狼のような鋭い顔をしていた!やはりな、と曹操は呵々大笑する…。
うまく従順を装ったが最後の最後で嵌められ本心を覗きこまれた気分の仲達は帰り道に鏡を買って己の顔をまじまじと見つめるのだった。

ある昼下がり。曹操は可愛がっている幼い息子・冲公子に北方の献上品の酥糖(バタークッキー)を与えようと持ってこさせるが、酥糖は今朝がた楊修が持ち去って行ったと知らされる。怒った曹操は楊修がいる子建府へ向かう。
楊修は菓子を女官に配り美味いだろうと自慢する。子建は勝手に父の菓子を食ったら怒られるぞと呆れるが、楊修は菓子の箱に縦書きされている「一合酥」の字を指さし、ここに「一人一口酥」と書いてあるから一人一口ずつ酥糖を食えという意味だと言う。扉の外でその話を聞いた曹操は楊修のとんちに感心して怒りも消えた。
楊修は、丞相が好むのは詩文であり詩文とはすなわち洒落っ気、それは子桓公子にはないものなのだと、詩文を得意とする子建に言い聞かせる。子建は三男である自分が父の後継になる機会はないと言うが、楊修は丞相が目指すのは新時代、漢朝の古い慣習を打ち払い天下の民のために新たな制度を作り上げていくことであり、長子が後継になるという古い慣習に従う必要は全くないのだと説く。そして天下を治める気概があるのなら自分を腹心にと申し出た。楊修の言葉に奮い立たせられた子建は彼の手を取る。
そこへ曹操が入って来た。楊修は青くなるが、曹操は箱にまだ残っていた酥糖を手に取ると割って自分の護衛に分け与え食べさせた。ほっとする楊修に曹操は息子をよろしく頼むといって出て行った。

子建の馬を用意するため馬場へやってきた楊修はそこで馬の世話をする仲達の姿を見て、才能をこんな所で腐らせているとは嘆かわしいと言う。仲達は元々献策などの出世欲はなく馬の世話とて立派に世間の役に立つ事だと答える。楊修はこの短い間にいろんな事が起こり多くの者が死に仕える主も替わったが、お互い生きていることは幸せなことだなと言い仲達もそれに同意する。仲達は彼が丞相の側元で働くなら決して気を緩めてはならないと忠告し、楊修もうなづくのだった。

曹操は平定した河北の有力な諸侯である崔琰の娘を子建に娶らせると言い出した。甄氏に恋していた子建は突然降って来た婚姻話に愕然とする。
曹操の妻・卞夫人は兄を差し置いて弟の結婚を決めるなんてと不満を口にするが、曹操は子桓には甄氏を与えればよいと言う。長子に他人のおさがりを娶らせ弟には良い家柄の娘を娶らせるなんて道理に合わないという卞夫人に、曹操は子建には後ろ盾が必要だと言う。支持勢力がなければ子建は子桓と後継を争おうとはしない。だがこの戦乱の世を平定するためには戦の経験が必須なのだ、敵を倒し勝利を勝ち得る経験が無くばこの世は治めて行けないのだ!

[第八集]
馬場の仕事にもすっかり慣れた仲達。馬場の先輩からなぜここで働くことになったのかと問われ、曹操とのやりとりをおおげさに真似てみせて笑う。と子供の笑い声がして、見るとなんと冲公子を伴った曹操がこちらを見ていた。仲達は真っ青になって平伏する。

甄氏の元に卞夫人がやってきた。甄氏は子建公子が崔琰の娘と結婚すると聞いて少しがっかりするが、同時に自分があの冷たい子桓公子と結婚するよう命じられ、それだけは勘弁をと抗うが卞夫人に説得され泣く泣く子桓へ嫁ぐ。
子桓も父の意図をはかりかね、婚姻の夜も結局眠れず馬場へ出掛けて行って仲達に意見を聞く。仲達は曹家のお家事情をただの馬係がわかるわけがないと答える。何も言わないのはもう自分が後継に成り得ないからかと子桓が自嘲気味に笑うと、仲達はこの婚姻があなたの将来を決定するわけではないと言う。丞相の臣下の多くは昔からの儒教を重んじ嫡男長子が後継する制度を支持している。子桓公子には元々大きな地盤があるのに対し子建公子や冲公子には何もない。よく考えてごらんなさいと。子桓は彼のその恐ろしいほどの洞察力を見て、やはり自分に仕えて欲しいと頼むが、仲達は自分はただ平和に日々を過ごしたいのだと固辞する。
そこへ、阿照が春華に頼まれて夕食を運んできた。花婿衣裳を着た子桓公子の姿を見て阿照の表情は曇る。だが婚姻のめでたい日だと言うのに子桓の表情は暗く、祝いの杯を献じようとすると「なぜわざわざ自分で自分を苦しめるようなことをしてわたしを悲しませるのだ」と言って去って行った。子桓が自分の気持ちを知っていたと知り阿照は涙する。

冲公子が病で急逝。冲公子を溺愛していた曹操は深い嘆きと悲しみに襲われる。
冲公子の家庭教師を務めていた徐庶が職を辞して故郷へ帰りたいと申し出てきた。彼の故郷は荊州で、今は劉表が陣取っている。間もなく戦場となろうこの地へ戻るとは、よもや劉表に下るつもりでは…曹操は子桓と楊修を呼ぶ。
話を聞いた楊修は、徐庶はかつて劉備に仕えていたことがあり彼の軍師・諸葛亮とも交友関係にある、同じく荊州にいる劉備に下るつもりではと推測する。曹操は子桓に徐庶の件を一任する。
その直後に徐庶に声をかけられた子桓は、丞相はお前を放す気がないのでここに残り自分の下につくか、逃げるならば今夜中に発てと告げる。徐庶は感謝し、自分の代わりに司馬懿を登用することを勧める。既に断られていると答えるが、徐庶は司馬懿の才能を決して諦めるべきではないと言うのだった。

その夜、曹操が遣った暗殺者が徐庶の屋敷へ潜入するが寝室はもぬけの空。誰かが密告したため既に逃げ出したようだ…曹操は汲布を呼び徐庶を追い仕留めるよう命じる。
汲布は馬車に母を載せて走る徐庶にすぐに追いつき行く手をふさぐ。だが徐庶の老いた母が必死に息子を守ろうとするさまを見て手にかけることができず、二人を見逃してやる。
翌朝、曹操は皆の前に子桓を呼び出し、徐庶に情報を漏らした挙句、校事である汲布が徐庶を逃がし行方をくらましたこの事態の責任を問う。そして三日以内に汲布を捕えなければ軍法にかけると突きつけた。
荀令君が無茶ではないかと問うが、それは曹操もわかっていた。徐庶を追わせなければ皆に示しがつかず、彼が無事故郷へ帰るには汲布が徐庶を見逃すことが必須。曹操は元より彼を無理に引き留める気はなく、わざと仁義に篤い汲布を追っ手に遣ったのだ。かつて配下となった有能な将軍・関羽も厚遇した彼の元を去り、今もまた徐庶が離れて行った…優れた才能はなぜこうも離れていくのかと曹操はつぶやく。

校事府では会議が行われている。汲布の母を捕えて見せしめにし彼が出頭するのを待とうと言う者もあったが、弱者を晒すような真似をすれば名を落とす。汲布は元は江湖の剣侠、彼を庇う者は数多いるだろう。三日では到底探し出せない…。子桓は父が自分を罰し皆の前で恥をかかせるためにわざと無理難題を命じたのではと疑う。

子桓は馬場へ。仲達の家に汲布がいるのではないかと聞くが、仲達はしばらく家に帰ってないので知らないと答える。仲達はもし丞相がわざと汲布を追っ手に選んだのならば彼を捕えることはお父上の意図に反することですよと告げるが、子桓は父の狙いが徐庶や汲布を捕らえることではなく自分を陥れることなのだと答える。そして徐庶もお前を推薦していたと再度自分に仕え助けてくれるよう説くが、仲達は逃げるように帰って行ってしまった。

司馬府の納屋には、やはり汲布がいた。春華が庇って隠していたのだ。迷惑がかかるので自首すると言う汲布を春華は必死に引き留め、仲達も曹操が本気でお前を捕えようとしているわけではないと説明する。仲達はそれにしても汲布が妻の事を馴れ馴れしく名前で呼ぶことには疑問と軽い嫉妬を抱くのだった。


[A] 司馬懿(仲達)
司馬家の次男。鋭い洞察力の持ち主だが争い事を嫌い仕官することを拒んでいる。
[B] 曹操(孟徳)
丞相(宰相職で皇帝に次ぐ権力者)。漢朝廷の事実上の支配者。
[C] 曹丕(子桓)
五官中郎将。曹操の長男。弟の曹植や曹冲に勝つために司馬懿に何度も助力を頼んでいるが応えてもらえない。阿照の事を好ましく思っている。
[D] 曹植(子建)
曹操の三男。詩や音楽に長ける。
[E] 楊修(徳祖)
司空主簿。知識と野心に溢れた才人。曹操が贔屓にする子建に近づき出世を目論む。
[F] 甄宓
曹操の敵・袁紹の息子の妻だった女。子建に心惹かれていたが…。
[G] 卞夫人
曹操の妻。子桓、子建の母。彼女だけが曹操を幼名の阿瞞と呼ぶ。
[H] 張春華
仲達の妻。元は江湖の剣侠のようだ。二児の母。
[I] 郭照
張春華の義妹。阿照と呼ばれる。子桓に恋するも司馬家と曹家の危うい関係に心痛める。
[J] 汲布
校事。元は江湖の剣侠。張春華と何かしらの縁があるようだが…。


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