中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。
[第二十六集]
曹洪、曹真(子丹)ら曹家の眷属らが集い飲み交わしていた。子丹は先王が臨終の際に自分は周の文王のようになりたいと言ってたエピソードを話すと、曹洪は早い所子桓を皇帝にして先王に帝称を贈り、自分たちは王を名乗ろうと言い出す。早速奏書を準備し、あの司馬懿はどうせ屁理屈こねて反対するだろうから彼には知られないように陳群に署名させて上奏しよう…。
朝議で子丹は漢朝に代わって新しい王朝を立てるべきと上奏する。仲達は新しい人材登用法を定めた「九品官人法」を上奏、将軍らは猛反対し、子桓は皆の意見は分かったと言って朝議を切り上げた。
子丹らは改めて王に面会し帝位に就くよう説得するが、子桓は時機尚早だと言う。夏侯玄が「九品官人法」は採用するのかと問うと子桓は議論する価値もないと言った。
曹一族はまぁ何度かこうやって要請すれば受け入れるだろうと楽観的だが夏侯玄だけは不安を抱く。子桓陛下のお考えはだんだんと読めなくなってきた、まるで、まるで先王さまのようだ…。
子丹はまた宴を開いて子桓に帝位に就くよう勧める。子丹はすでに許都のすぐ近くまで兵を出して脅しているので漢天子はひと月もしないうちにその位を差し出すだろうと。子桓はまだまだ先の話だとはぐらかすが、酔っぱらった曹洪は自分をどこの王に封じてくれるのだ等と発言しさすがに夏侯惇や夏侯玄も眉をひそめる。
その宴の最中に仲達は「九品官人法」の奏書を持って参内。子桓は無視しようとするが仲達は宴の席に入っていき子桓の目の前に書を差し出した。子丹がそれを取り上げ床に投げつける。そして宴に乱入したからには飲んで帰れと酒壺を突きつけた。酒に弱いはずの仲達だが酒壺を受け取り一気に飲み干す。そこまでしてこの「九品官人法」にこだわるわけは何だ?子桓が訊くと仲達は答える「先王さまのご遺志を叶えるためです。」そして退室していった。彼が退室するため振り返ったその時、まるで鷹のような鋭い目そして狼のような険しい表情をしていたことを、陰から覗いていた柏霊筠は見逃さなかった…。
「皆が酔っているのに、お前だけは醒めているのだな…。」子桓はニヤリと笑う。今のは天下のために戦う意志はあるのかという問いだ、その答えとして子桓は仲達に酔い覚ましの湯を送るよう命じた。
仲達の奏書を夏侯玄は拾って持ち帰り読んでみた。「九品官人法」とはざっくりいうと尚書台が統一試験を行って官吏を登用したり昇格させたりする制度だ。この制度が施行されれば従来の親族のコネによる登用昇進ができなくなる。その話を聞いた子丹はやはり司馬懿が曹家の力を削ごうと謀っていると確信する。
仲達が寝る間も惜しんで「九品官人法」の奏書を書いているのを見て父・司馬防は曹家を敵に回す気か、命が惜しくないのかと怒る。仲達はこれが子桓が真に必要としているものだといって譲らない、たとえ死んでもこの法だけは通さなければならないと言うのだった。
曹一族は「九品官人法」の脅威について議論する。もしこの法が通ったら陳群や司馬懿ら文官が勢力をつけ曹一族を朝廷から追い出すやもしれぬ。しかし夏侯玄はこの法の精神は先王が度々口にしていたものと同じ、子桓陛下は採用するかもしれないと言う。曹洪はあの司馬懿を黙らせてやると言い出し、夏侯惇が止めるのも聞かず司馬府へ向かって行った。
その司馬懿は…父と弟と共に田舎へ出掛けていた。なんでも父が昨晩水害に遭う夢を見たとかで都から避難しなければと言うのだ。司馬家が曹家から迫害される暗示だと。仕方なく付き従う仲達と叔達。
と、道中で百姓らを脅して米を不正に搾取しようとしている下っ端の役人の姿を見かけた。
[第二十七集]
役人の鄧艾は同僚らの不正を見過ごせず米を百姓に返そうとしたためリンチを受ける。その様子を見て叔達は止めようとするが父が制止する。この一帯は曹洪将軍の領地、彼には関わらぬことだ…。仲達もこんな下っ端を罰したところで不正は無くならないと言い、やはり国のために逃げることはできないと都へ戻って行く。
司馬府を曹洪の兵が取り囲み門扉に矢を射かけて嘲笑する。春華が剣を抜いて曹洪に対峙するがその時仲達が戻って来た。仲達は朝臣同士がこのように争っているところを見れば民は不安になり国が乱れる元となると言い、これは国を平和に治めたいという王の意志に反するものだと鋭く切り込む。曹洪は甥が自分を罰することなどないと強気だが、仲達は漢王室劉家でも皇帝は親族を処刑したではないかと言う。曹洪は苦々しくも撤退する。一連の様子を窺っていた柏霊筠は噂通りの仲達の機知とその妻の度胸を記憶に留めるのだった。
叔達は本当に曹一族と戦ってでも新制度を訴え続けるつもりなのかと兄に聞く。まだ陛下は一度も「九品官人法」の奏書を見てくれないじゃないか。仲達はそれは彼の一族の手前、敢えて見ないようにしているのだと言う。仲達は分かっていた、子桓は仲達を利用して強くなりすぎる親族の力を削ごうとしているのだ。王のために国のためにここは退いてはならないのだ…。
曹洪が司馬府の門に矢を射かけたと聞いて子桓は激怒する。夏侯惇が、曹洪を罰すれば一族の団結がばらばらになってしまうと擁護。しかし子桓はこの無法を赦せば国民の心がばらばらになってしまうと言い、曹洪を減給に処した。
曹一族は陳群に連名させ王に帝位に就くよう何度も何度も上奏させるが子桓は門前払い。しかし陳群は王がいつか根負けするのではと心配し、仲達に早く「九品官人法」の勧奏書を追記して上奏してくれと頼みに来た。だが仲達はまあ焦るなといって陳群を帰す。
ずっと朝議を休み続ける子桓の元に、司馬懿が奏書を持って参内したとの報せ。それも車一杯の書を積んできたという。やっと動いたか…子桓はニヤリとする。
朝臣らが皆騒然として見守る中、王の侍従がやってきて王は面会しないと伝える。仲達は、では車に積んである書は薪にでも使ってくださいと言って置いて帰った。朝臣らは皆興味本位で書を手に取る。そしてこの「九品官人法」は人づてに渡り、やがて城下の塾で盛んに議論が交わされるようになった。
子桓は曹家ゆかりの地である譙県の宴に招かれるが喪中であるので、南征という形で武装して出かけることに。それを知った曹洪らはいよいよ許都へ押しかけて漢王朝劉家から帝位を奪う決心をしたのだと前祝いする。
子桓は南征へと出立する。仲達は皆が集う出発の儀式で再度「九品官人法」を上奏するつもりだったが寝坊してしまい慌てて出掛けた。
予想と違って仲達が姿を現さないので子桓は諦めて出発しようとしたがそこへ仲達が現れ、意気揚々と上奏しようと奏書を開いた。が、彼は慌てて出たため間違えて白紙の書を持ってきていた!子丹はふざけてるのかと怒り仲達を罰するよう求めるが、子桓は罰するにも前例がないと言って処遇を陳群に任せそのまま出発していった。陳群は今のパフォーマンスにも何か意図があるのかと訊くが、いや単なる間違い、大失敗だと言って仲達は自ら牢へ入っていった。
鍾会の通う塾では「九品官人法」が大いに支持されており、この度司馬懿が投獄されたと聞いて彼を助けてほしいと皆陳述書を書く騒ぎになっている。鍾会も父・鐘繇に彼を救ってほしいと言うが、鐘繇は何も心配いらないと答える。
[第二十八集]
牢の仲達の元へ鐘繇が食事を持って現れる。仲達は牢で「九品官人法」の詳細を詰めていた。この牢内はある意味安心して仕事ができる。仲達と王の意図を知る鐘繇はこれから強敵と戦っていくことになる仲達を同じ志を持つ者として励ますのだった。
譙県の宴は和やかに進む。だが子桓が今年の収穫を尋ねると役人らは皆押し黙り、叔父や子丹らは視線をそらす。調べさせると土地の多くを曹一族が勝手に占領して社などを建てたため大幅な収穫減に陥っていたのだ。一族の益に走り国の益を見ようとしないと子桓は憤る。
そこへ漢天子の使者が聖旨を持ってきた。「漢天子は魏王に禅譲(天子の地位を譲る)する、受け入れられよ。」しかし子桓は聖旨を受け取らず帰らせた。
続いて鐘繇がやって来た。留守を任せた彼がやって来るとは何か大事が起こったかと不安になるが、鐘繇はにこにこして三つの書を差し出す。一つ目は彼が書いた推薦書、二つ目は仲達が牢内で書き上げた新制度十か条、三つめは「九品官人法」を支持する才人や学生ら多くの署名だ。
新制度を施行する環境は整った、だがこれからが戦いだ。曹一族ら保守派の矢面に立たされる仲達と陳群、そしてこの新制度をどう守っていくか…。
漢天子・劉協は魏王・曹丕に禅譲を提示しているのに受け入れてもらえないため自ら出向いて頼んでみると言い出し、側近らはそれは天子に相応しくないと行為だと反対する。しかし彼にしてみればこの30余年、天子として相応しかったことなど一度もないのだ、今更何が相応しくなかろうか…。
天子からの再三の要請でようやく子桓は皇居へ赴く。劉協は腰低く出迎え彼の手に玉璽を握らせる。劉家の天命はもはや尽きているのだ、民の平和のためにこの自分ができることは曹家にこの玉璽を託す事だけなのだと…。玉璽を眺め、子桓は禅譲を受け入れると答え、劉協は新しい皇帝に膝をつき拝礼する。劉協は、宮殿に押し込められ常に生きた心地のしなかったこの天子の位から解放されたら今度こそは人々の役に立ちたい、医術を学んで人々を救いたい、そうすれば自分が生きてきたことも無駄にはならないだろうと言う。その言葉に感じ入った子桓は彼を山陽公に封じ、自由に生きよと告げる。
曹丕の皇帝即位の儀式を厳かに執り行われた。その儀式の最後に曹丕は司馬懿に詔を読み上げよと言う。都で投獄されてるはずの司馬懿が現れた。そして新たな王朝の創立とともに新制度を立ち上げるという詔を読み上げたのだった。
子桓は翌日には仲達を都へ帰らせる。早速子丹や夏侯惇が面会を求めてきた。子丹は新制度を採用するならもはや将軍として補佐することはできないと憤るが、子桓は「九品官人法」がすでに民にも広く知られ支持されていることにより、これを施行せねば皇帝への期待と信頼が保てないのだと説く。
仲達の馬車は皇帝の命令で風光明媚な屋敷へ。そこで待っていたのは美しい娘。娘は柏霊筠と名乗り、皇帝の命で御史中丞のお世話をすることになったと言い寄って来る。仲達は自分には妻子もいるので家へ帰ると辞退するが、柏霊筠は皇帝の命令に背く気かと迫る。

[A] 司馬懿(仲達)
御史中丞。鋭い洞察力の持ち主。
[B] 曹丕(子桓)
魏国王。その育った境遇からとても疑り深い性質。
[C] 陳群(長文)
尚書令。
[D] 曹真(子丹)
鎮西将軍。子桓の従兄弟。仲達とは昔からうまが合わない。
[E] 曹洪(子廉)
曹操の弟、子桓の叔父に当たる。短気で荒っぽい性質。
[F] 夏侯惇(元譲)
大将軍。曹操の従兄弟に当たる老将。かつての戦で左目を失った。
[G] 夏侯玄(太初)
曹家と縁深い夏侯家の若者。
[H] 張春華
仲達の妻。元は江湖の剣侠のようだ。
[I] 鐘繇(元常)
廷尉。古書の研究家としても知られる。
[J] 鍾会(士季)
鐘繇の息子。聡明な学生。仲達を策士として尊敬している。
[K] 柏霊筠
曹操に献上される予定だった聡明な美女。子桓の命で仲達を監視する。
[L] 劉協
漢天子。献帝と称される。曹操の力で帝位に就いたが終始傀儡皇帝であった。
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