中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。
[第七集]
郭嘉が逝き曹操は落ち込む。良い人材を失ったことに加え、彼が取り締まっていた校事府の仕事を誰に託せばよいのか…。子桓は信頼できる身近な者が務めるべきだと立候補。曹操は子桓に校事府の牌を渡し、郭嘉の遺した言葉を伝えた。
仲達は自宅でのんびりと絵など描いて過ごしていた。そこへ曹操が袁紹を倒して凱旋し丞相になったとの報せ。ついに曹操が帰って来た、脚が治っていることが判明すれば今度こそ…仲達は覚悟する。
凱旋した子桓は群衆の中に阿照の姿を見つけ、わざと彼女を呼んで父が「司馬懿を登用せぬなら殺せ」と言っていたことを教え伝えさせる。そして武装のまま司馬府へとやってきた。既に逃げ場なし…仲達は立ち上がり走って子桓を出迎えに。歩けないはずの仲達が走る姿に家の者は皆腰を抜かす。
仲達は曹子桓の前にひれ伏す。子桓は仲達に自分の補佐をするこれが最後のチャンスだと通告。仲達は承諾するがしかし丞相が今の自分を赦すだろうかと問う。
仲達は曹操に面会へ。自分の足で歩いている仲達の姿を見ても驚く朝臣はおらず、楊修は随分と長い間芝居を続けていたなと皮肉る。
曹操の前に平伏する仲達。曹操は顔を上げろと言うが仲達は畏れ入ってなかなか顔を上げない。噂では司馬家の次男は鷹のように燃える目と狼のような鋭い顔つきをしていると聞く、ちょっと見せてみろと言うと、やっと面を上げたこの司馬懿は人畜無害な犬のような顔をしている。
曹操は仲達を立たせ脚に問題がない事を確認すると特に怒るでも罰するでもなく、丞相府の馬の世話を命じ下がらせる。仲達が畏まって退室しようとしたその時、曹操は握っていた碁石を放り投げた。碁石が床に散らばる音が派手に鳴り響き思わず振り返った司馬懿、その一瞬の彼はまさに鷹のように燃える目と狼のような鋭い顔をしていた!やはりな、と曹操は呵々大笑する…。
うまく従順を装ったが最後の最後で嵌められ本心を覗きこまれた気分の仲達は帰り道に鏡を買って己の顔をまじまじと見つめるのだった。
ある昼下がり。曹操は可愛がっている幼い息子・冲公子に北方の献上品の酥糖(バタークッキー)を与えようと持ってこさせるが、酥糖は今朝がた楊修が持ち去って行ったと知らされる。怒った曹操は楊修がいる子建府へ向かう。
楊修は菓子を女官に配り美味いだろうと自慢する。子建は勝手に父の菓子を食ったら怒られるぞと呆れるが、楊修は菓子の箱に縦書きされている「一合酥」の字を指さし、ここに「一人一口酥」と書いてあるから一人一口ずつ酥糖を食えという意味だと言う。扉の外でその話を聞いた曹操は楊修のとんちに感心して怒りも消えた。
楊修は、丞相が好むのは詩文であり詩文とはすなわち洒落っ気、それは子桓公子にはないものなのだと、詩文を得意とする子建に言い聞かせる。子建は三男である自分が父の後継になる機会はないと言うが、楊修は丞相が目指すのは新時代、漢朝の古い慣習を打ち払い天下の民のために新たな制度を作り上げていくことであり、長子が後継になるという古い慣習に従う必要は全くないのだと説く。そして天下を治める気概があるのなら自分を腹心にと申し出た。楊修の言葉に奮い立たせられた子建は彼の手を取る。
そこへ曹操が入って来た。楊修は青くなるが、曹操は箱にまだ残っていた酥糖を手に取ると割って自分の護衛に分け与え食べさせた。ほっとする楊修に曹操は息子をよろしく頼むといって出て行った。
子建の馬を用意するため馬場へやってきた楊修はそこで馬の世話をする仲達の姿を見て、才能をこんな所で腐らせているとは嘆かわしいと言う。仲達は元々献策などの出世欲はなく馬の世話とて立派に世間の役に立つ事だと答える。楊修はこの短い間にいろんな事が起こり多くの者が死に仕える主も替わったが、お互い生きていることは幸せなことだなと言い仲達もそれに同意する。仲達は彼が丞相の側元で働くなら決して気を緩めてはならないと忠告し、楊修もうなづくのだった。
曹操は平定した河北の有力な諸侯である崔琰の娘を子建に娶らせると言い出した。甄氏に恋していた子建は突然降って来た婚姻話に愕然とする。
曹操の妻・卞夫人は兄を差し置いて弟の結婚を決めるなんてと不満を口にするが、曹操は子桓には甄氏を与えればよいと言う。長子に他人のおさがりを娶らせ弟には良い家柄の娘を娶らせるなんて道理に合わないという卞夫人に、曹操は子建には後ろ盾が必要だと言う。支持勢力がなければ子建は子桓と後継を争おうとはしない。だがこの戦乱の世を平定するためには戦の経験が必須なのだ、敵を倒し勝利を勝ち得る経験が無くばこの世は治めて行けないのだ!
[第八集]
馬場の仕事にもすっかり慣れた仲達。馬場の先輩からなぜここで働くことになったのかと問われ、曹操とのやりとりをおおげさに真似てみせて笑う。と子供の笑い声がして、見るとなんと冲公子を伴った曹操がこちらを見ていた。仲達は真っ青になって平伏する。
甄氏の元に卞夫人がやってきた。甄氏は子建公子が崔琰の娘と結婚すると聞いて少しがっかりするが、同時に自分があの冷たい子桓公子と結婚するよう命じられ、それだけは勘弁をと抗うが卞夫人に説得され泣く泣く子桓へ嫁ぐ。
子桓も父の意図をはかりかね、婚姻の夜も結局眠れず馬場へ出掛けて行って仲達に意見を聞く。仲達は曹家のお家事情をただの馬係がわかるわけがないと答える。何も言わないのはもう自分が後継に成り得ないからかと子桓が自嘲気味に笑うと、仲達はこの婚姻があなたの将来を決定するわけではないと言う。丞相の臣下の多くは昔からの儒教を重んじ嫡男長子が後継する制度を支持している。子桓公子には元々大きな地盤があるのに対し子建公子や冲公子には何もない。よく考えてごらんなさいと。子桓は彼のその恐ろしいほどの洞察力を見て、やはり自分に仕えて欲しいと頼むが、仲達は自分はただ平和に日々を過ごしたいのだと固辞する。
そこへ、阿照が春華に頼まれて夕食を運んできた。花婿衣裳を着た子桓公子の姿を見て阿照の表情は曇る。だが婚姻のめでたい日だと言うのに子桓の表情は暗く、祝いの杯を献じようとすると「なぜわざわざ自分で自分を苦しめるようなことをしてわたしを悲しませるのだ」と言って去って行った。子桓が自分の気持ちを知っていたと知り阿照は涙する。
冲公子が病で急逝。冲公子を溺愛していた曹操は深い嘆きと悲しみに襲われる。
冲公子の家庭教師を務めていた徐庶が職を辞して故郷へ帰りたいと申し出てきた。彼の故郷は荊州で、今は劉表が陣取っている。間もなく戦場となろうこの地へ戻るとは、よもや劉表に下るつもりでは…曹操は子桓と楊修を呼ぶ。
話を聞いた楊修は、徐庶はかつて劉備に仕えていたことがあり彼の軍師・諸葛亮とも交友関係にある、同じく荊州にいる劉備に下るつもりではと推測する。曹操は子桓に徐庶の件を一任する。
その直後に徐庶に声をかけられた子桓は、丞相はお前を放す気がないのでここに残り自分の下につくか、逃げるならば今夜中に発てと告げる。徐庶は感謝し、自分の代わりに司馬懿を登用することを勧める。既に断られていると答えるが、徐庶は司馬懿の才能を決して諦めるべきではないと言うのだった。
その夜、曹操が遣った暗殺者が徐庶の屋敷へ潜入するが寝室はもぬけの空。誰かが密告したため既に逃げ出したようだ…曹操は汲布を呼び徐庶を追い仕留めるよう命じる。
汲布は馬車に母を載せて走る徐庶にすぐに追いつき行く手をふさぐ。だが徐庶の老いた母が必死に息子を守ろうとするさまを見て手にかけることができず、二人を見逃してやる。
翌朝、曹操は皆の前に子桓を呼び出し、徐庶に情報を漏らした挙句、校事である汲布が徐庶を逃がし行方をくらましたこの事態の責任を問う。そして三日以内に汲布を捕えなければ軍法にかけると突きつけた。
荀令君が無茶ではないかと問うが、それは曹操もわかっていた。徐庶を追わせなければ皆に示しがつかず、彼が無事故郷へ帰るには汲布が徐庶を見逃すことが必須。曹操は元より彼を無理に引き留める気はなく、わざと仁義に篤い汲布を追っ手に遣ったのだ。かつて配下となった有能な将軍・関羽も厚遇した彼の元を去り、今もまた徐庶が離れて行った…優れた才能はなぜこうも離れていくのかと曹操はつぶやく。
校事府では会議が行われている。汲布の母を捕えて見せしめにし彼が出頭するのを待とうと言う者もあったが、弱者を晒すような真似をすれば名を落とす。汲布は元は江湖の剣侠、彼を庇う者は数多いるだろう。三日では到底探し出せない…。子桓は父が自分を罰し皆の前で恥をかかせるためにわざと無理難題を命じたのではと疑う。
子桓は馬場へ。仲達の家に汲布がいるのではないかと聞くが、仲達はしばらく家に帰ってないので知らないと答える。仲達はもし丞相がわざと汲布を追っ手に選んだのならば彼を捕えることはお父上の意図に反することですよと告げるが、子桓は父の狙いが徐庶や汲布を捕らえることではなく自分を陥れることなのだと答える。そして徐庶もお前を推薦していたと再度自分に仕え助けてくれるよう説くが、仲達は逃げるように帰って行ってしまった。
司馬府の納屋には、やはり汲布がいた。春華が庇って隠していたのだ。迷惑がかかるので自首すると言う汲布を春華は必死に引き留め、仲達も曹操が本気でお前を捕えようとしているわけではないと説明する。仲達はそれにしても汲布が妻の事を馴れ馴れしく名前で呼ぶことには疑問と軽い嫉妬を抱くのだった。

[A] 司馬懿(仲達)
司馬家の次男。鋭い洞察力の持ち主だが争い事を嫌い仕官することを拒んでいる。
[B] 曹操(孟徳)
丞相(宰相職で皇帝に次ぐ権力者)。漢朝廷の事実上の支配者。
[C] 曹丕(子桓)
五官中郎将。曹操の長男。弟の曹植や曹冲に勝つために司馬懿に何度も助力を頼んでいるが応えてもらえない。阿照の事を好ましく思っている。
[D] 曹植(子建)
曹操の三男。詩や音楽に長ける。
[E] 楊修(徳祖)
司空主簿。知識と野心に溢れた才人。曹操が贔屓にする子建に近づき出世を目論む。
[F] 甄宓
曹操の敵・袁紹の息子の妻だった女。子建に心惹かれていたが…。
[G] 卞夫人
曹操の妻。子桓、子建の母。彼女だけが曹操を幼名の阿瞞と呼ぶ。
[H] 張春華
仲達の妻。元は江湖の剣侠のようだ。二児の母。
[I] 郭照
張春華の義妹。阿照と呼ばれる。子桓に恋するも司馬家と曹家の危うい関係に心痛める。
[J] 汲布
校事。元は江湖の剣侠。張春華と何かしらの縁があるようだが…。
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