「龍族的后裔」(全30話)のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。
[第十一集、第十二集:李姓 木子之恩]
商王朝帝辛32年の冬。紂王(帝辛)は美しい妃に溺れ奸臣に惑わされ残虐非道を繰り返し、諌めた叔父の比干までもが心臓をえぐられる酷刑に処された。忠臣・理徴は比干に代わって自分が諫言せねばと決死の覚悟で宮殿へ。だが奸臣・費仲は王に諫言するのは野心の表れだと批難する。理徴は費仲をにらみつけ、このままでは国が亡ぶと訴える。その言葉に激高した紂王は理徴と彼を支持した臣下を皆処刑し首をその城門にさらした。
理徴の護衛の理原は夜半にその首を奪回しようと試みるが捕らえられるが、その危機を朝臣・陶高の部下に救われた。理原は急ぎ理家へと戻り留守を預かる執事の光斗に、費仲が理一家を皆殺しにするため兵を率いてやって来ると伝え、力尽きた。
光斗は急ぎ理徴夫人と一人息子の理利貞を連れて逃げ出す。費仲の兵が迫り、光斗は自ら囮となって親子を山へと逃がした。
親子は道なき道を必死に逃げるが、理利貞は高熱を出して倒れてしまった。夫人は泣きながら何か手立てはないかと山の中を探し回る。ようやく薬になる木の葉を見つけ息子に食べさせた。
もう何日もろくにものを食べていない。必死に探し回りようやく赤い実のなる木を発見した。これは天の救いだ…夫人はその場にひれ伏する。夫人は実をたくさんもいできて息子に食べさせた。甘酸っぱくておいしいと息子は喜んで食べた。これは何という果実なのかと訊かれ、夫人はわからなかったが「木子(木の子の意味)」だと答えた。
費仲は山をくまなく捜索させていた。だが一向に手掛かりがない。そこで焚き木を炊いて煙でいぶり出そうとする。立ち込める煙に追われる親子の姿が目撃され費仲は必ず捕まえ殺すようにと厳命するが、急報が来たため自身は都へと戻る。
傷を負った夫人はとうとう動けなくなった。息子が代わって薬になるような木の葉を摘んできた。その人為的に折られた木の枝を発見した兵士長は親子が近くにいると確信する。周辺を捜索しついに親子が隠れている洞穴を発見した。親子は震えるが、兵士長は自分が陶高の部下で密かに二人を保護するよう命じられていたと明かす。
兵士長によって密かに山から脱出した親子は実家へ身を寄せようとしたが、実家も既に費仲によって皆殺しに遭っていた。それを知った夫人はショックで倒れてしまった。理徴の人徳は広く知られていたため、地元の商家が理夫人と理利貞を憐れに思い匿ってくれた。
三年後、商が滅び周が建った。18歳になった理利貞は姓を李に改め軍に志願した。理姓を捨てたのはもはや理家は商の臣下ではないという意志、そして李姓にしたのはあの時木の実によって命を救われたからだ。李利貞は軍の受付にいた将士に呼び止められた。姓を変えても人の心は変わらないぞと言われ、彼があの時自分たちを救ってくれた兵士長だと知ったのだった。
[第十三集、第十四集:宋姓 以民為天]
商王帝辛が姫発率いる軍勢に攻め込まれ大敗し、ここに商王朝は滅び周王朝が立った。
帝辛に追放された異母兄の子啓は田舎の微の地でその報せを知った。帝辛は自刎しその息子・武庚は姫発に捕らえられたらしい。商王家を支持する人々は子啓に新たな王に即位し先王の仇を討ってほしいと訴えるが、弟の暴虐な政治を見て来た子啓はもはや商王家に民の心をまとめる人徳は残されておらず滅びるのは運命だったのだと諭す。さらに今自分が旗印となって立てば甥の武庚は間違いなく殺されてしまうだろう。
姫発の前に引き出されて来た武庚。姫発は以後忠誠を誓うなら土地を与えるので遺族と共に暮らすがよいと勧めるが、商王家跡継ぎとしてのプライドがある武庚は折れず姫発を散々罵ったため牢へと送られた。その報せを聞いた子啓は姫発が武庚を殺す気はないと知り急ぎ参内する。腰低く姫発を大王様と敬い拝礼し、同じ祖先を持つ華夏族がこれ以上争いを続ける事には同意しないと忠誠を誓った。感服した姫発は従来通り暮らしていきなさいと彼を微に封じた。
子啓は牢獄内の武庚に面会させてもらった。自分がやすやすと姫発に降伏した事をさぞかし怨んでいるだろうと問うが、武庚は怨むべきはあの時父を止められなかった自分だと答える。あの時帝辛は諫言した叔父の比干を処刑し子啓を都から追放した。武庚は子啓を引き留めたが、子啓は帝辛を止めることはできない今は命令に従うしかない、将来お前が王位を継いだら都へ戻って来て補佐をしようと約束し別れたのだった。
武庚はまだ姫発に投降する気にはなれなかった。父を死に追いやった仇人に降伏するなどあの世の父が浮かばれないではないか。そう言う武庚に子啓は、帝辛が生前娯楽のために庶民を残酷な刑に処していた、彼らの恨みはどう晴らせばよいのかと問いかける。そして今大切なのは恨みを晴らすために戦い死ぬことではなく、始祖・湯王から続く王家の血を残していく事だと説いた。
武庚は殷の地に封じられ、その周囲に姫発の弟・管叔鮮らが封じられた。武庚や子啓が何か不穏な動きを見せればすぐに抑え込めるよう監視と牽制の意味が込められていたのだ。
帝辛に迫害された木族の末裔の姫・東璃は保護され姫発の母の養女となった。周王朝が建ち彼女も都へと戻って来た。そんな折、姫発は旧王族と婚姻関係を結ぶことによって彼らの造反を防ごうと思いついた。その白羽の矢が立ったのが東璃公主だった。
妻のいない子啓の元に東璃公主は送られた。だが子啓は歳の差があり過ぎると婚姻は辞退し、彼女を養女として迎え入れることにした。
民思いの子啓が治める微国は栄え人が集まってくるようになった。管叔鮮はある日微国で旅の娘を見初め、嫌がる娘を強引に連れて行こうとする。通りがかった子啓は領民への狼藉はたとえ王族であっても看過できないと管叔鮮を捕え棒叩きの刑に処した。管叔鮮は周王に対する反逆だと叫ぶが、子啓は自分は商王でもなく周王でもなく、民に忠誠を誓うのだと宣言した。
子啓が祭事のために祖先の廟へ赴くと、甲冑を身に着けた武庚がその行く手を遮る。彼は密かに兵を鍛え周王朝を倒すことを考えていたのだ。武庚は今こそ立ち上がり父の仇を討ち先祖の威光を取り戻そうと訴えるが、やはり子啓は民のために平和のために謀叛は起こしてはならないと言う。すると武庚は東璃公主に剣を突きつけ人質に取った。だが子啓は武庚の剣を奪うと自らの腹に突きつけ、東璃公主を放さなければ自分はここで自害して果てると言う。さらにその剣を実際に腹に刺したため武庚は糧食を寄付してくれるだけでもいいと折れた。
戻った管叔鮮は姫発に子啓が周王朝に逆らう気だと訴えるが、彼が微国で白昼堂々一般人の娘を連れ去ろうとした事は既に姫発の耳に届いており、一族の恥さらしだとこっぴどく叱られた。しかし姫発の元には武庚が新兵を鍛えているという噂も届いており、姫発は密かに弟の周公旦に前王朝一族をよくよく監視しておくよう命じる。
糧食を差し出せば東璃公主を返すという条件に、子啓は糧食を馬車に積み込み出発する。それを知った管叔鮮はすぐに兄に訴える。さすがの姫発も怒り、殺してでも子啓の馬車を止めろと周公旦に出兵を命じた。だが子啓の車列はなぜか王宮に向かって来ていた。その意図が分からず旦も様子を見ていると子啓は王宮にやってきて姫発の前に参内した。子啓は持ってきた糧食を飢饉で苦しむ衛国のために使ってくれと申し出る。姫発や弟らは勘違いを恥じて皆感服した。ただ一人、管叔鮮を除いて…。
伯父が自分に協力するどころか敵に糧食を送るような真似をしたことに武庚は怒り、なぜ一族のために戦おうとする自分にこんな仕打ちをするのかと嘆く。東璃公主は商王家がすでに天から見放されており子啓が周王家に仕えることを天が支持している証拠だと告げる。武庚は憤るがそれを否定する根拠もなく、糧食を得ることもできなくなったため東璃公主を伯父の元へと返した。
管叔鮮は子啓への恨みを晴らすべく武庚に協力を持ち掛けた。武庚に旧王家の栄光を取り戻せとけしかける。兄は弟・旦ばかり重用している、自分が権力を得るためには事を起こすしかない…。
武庚の元に管叔鮮が訪ねて来ていたと東璃公主から聞いた子啓は管叔鮮の狙いに気付く。すぐに武庚へ使いを遣った。
子啓は東璃公主と侍従を連れて管叔鮮を訪ねた。そして武庚と造反を起こせば必ず死が待っていると諌めた。だが管叔鮮は兄に告げ口するつもりならここで殺すと迫る。子啓は自分を殺せば肉親である武庚がお前と協力することは なくなると言い立ち去った。子啓の侍従に化けていた周公旦は三兄が本当に造反を目論んでいると知り青くなる。だが姫発は病床にあり今彼にその事実を話すことはためらわれた。子啓は管叔鮮が怪しい動きをしないか見張りいざとなれば周公が抑えてほしいと頼む。
子啓の使いが武庚の元へやってきて、玉玦(C型をした宝石)と一本の柳の枝を差し出した。この玉玦は帝辛が子啓に与えたもの。前王朝の権威に何の価値があろうかという意味だ。そしてこの柳の枝は商の都・朝歌に生えていた柳で、先の戦で元の木は既に燃えてなくなってしまったと言う。つまり本体(商王朝)は無くなってしまっても一枝(武庚)さえ残っていればいつかまた大木に成長できるだろうという意味だ。
ある夜、刺客が子啓を襲う。だが東璃公主が子啓をかばって応戦した。賊は衛兵に捕えられたが東璃公主は賊に刺され倒れる。子啓の腕の中で東璃公主は自分が木族の生き残りであることを明かす。前王朝帝辛によって木族は滅ぼされた、それを止めることができなかったのは比干を救えなかったことと同様に子啓の心残りであったのだった。東璃公主は育ての母の友人であったにも関わらず自分たちを助けに来てくれなかった子啓をはじめ怨んでいたが、彼の一心に民に尽くすさまを見てその気持ちは消えたのだと告白する。木族がなくなっても民は困らないがあなたがいなくなったら民が困る…そう言って公主は息絶えた。
姫発が亡くなり息子の姫誦が跡を継ぎ、周公旦が監国(宰相の位)に就いた。監国は兄である自分がなるべきだと管叔鮮は嫉妬の念を燃やしついに造反を決意する。
管叔鮮が武庚と組んで造反する様子だと知った子啓は甥の元へ行き必死に制止するが、武庚は既に心を決めており、もし失敗したら一族は子啓が守っていって欲しいとあの柳の枝を手渡すのだった。
管叔鮮は二人の弟と武庚と組んでクーデターを起こしたが失敗し、武庚は位牌となって子啓の元へ戻って来た。
子啓は微の国号を宋とし姓も宋と改めた。前王朝時代から受け継ぐ国名を無くすことに一族は反対したが、子啓は国名を改めることで現王朝への謀反の意図はないことを明白に示すためであり、そうでなければ代々受け継いできた商王家の血と伝統を守りきっていくことはできないのだと説いた。宋という字は空(ウかんむり)に向かって木がすくすくと伸びる様子を表している。一族と領民が空(天下)を支えるような立派な人物に育ってほしいという願いがこめられていた。
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「龍族的后裔」(全30話)のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。
[第七集、第八集:熊姓 文王之師]
商王帝辛は美しい王妃・妲己に夢中で政治を顧みず人々は圧制に苦しんだ。蛮族の首長・鬻熊は500年続いた商王朝もそろそろ潮時だと悟る。そんな折、賢人と名高い姜尚がやって来た。彼もまた現在の商王朝は救い難く、おそらく西伯侯・姫昌が立ち上がり諸侯を率いて新しい国を造り上げるだろうと予測していた。鬻熊は共に姫昌の元へ参じ、苦しむ商国民を救うため彼を導いて行こうではないかと誘うが、姜尚はまだ自分が出ていく時期ではないと言って帰っていった。そこで鬻熊は単身西岐へと向かった。
姫昌は鬻熊を客人として迎え入れたが将軍・太顛や軍師・散宜生らは鬻熊がスパイなのではないかと疑う。
姫昌の長男・伯邑考に西岐を案内された鬻熊は麦田を見て、いくらか苗を間引いた方が沢山穂が付き収穫が増えるとアドバイスする。原理を聞いて納得した伯邑考と一緒に苗を間引いていると見張っていた兵士に捕えられた。散宜生はやはり鬻熊がスパイで西岐を弱らせるために苗を抜いているのだと突きつけるが、鬻熊は商王の命令で西岐へ来たのではなく、まさに天の命令で姫昌を援け民を助けるためにやってきたのだと答える。そこへ息子から話を聞いた姫昌もやってきて、兵士らにも手伝わせて麦田の苗を間引くよう命じた。
皆で苗を間引いていると、商太師・聞仲がやってきたとの報せ。近年力をつけてきている西岐を警戒して視察にやってきたのだ。聞仲は麦田で百姓だけでなく兵士まで使って麦の苗を抜いている光景を不審に思う。
出迎えた姫昌に聞仲は人を集めて謀反を企てているのではないかと突きつけるが、鬻熊が進み出てなにやら囁くと納得した様子。後で姫昌が何を話したのか問うと鬻熊は自分が西岐の力を削ぐために嘘を言って苗を引き抜かせたのだと聞仲に言ったのだと答えた。
翌朝聞仲は西岐領内の視察に出かけて行った。鬻熊はその後を伯邑考につけさせる。すると聞仲は山の中の湖の堰を切って水を放流しはじめた。西岐の風水(水の流れ。水の流れは運気の流れを左右すると信じられていた。)を変えるつもりだ。それを知った鬻熊はその下流に兵を集めさせ田畑へ通じる側流を掘らせた。
鬻熊の機転で聞仲は今回帰っていったが、商王が西岐を潰そうとしていることははっきりわかった。鬻熊は商王朝に代わって姫昌が中原をまとめ王となるべきだと説き、今から密かに練兵し力を蓄えるよう勧める。姫昌は鬻熊の前に膝をつき師として仰ぎたいと拝礼した。
秋が来た。西岐の収穫は例年の三割増しとなったと聞き、聞仲は鬻熊に騙されたと知る。話を聞いた帝辛もすぐに姫昌に召喚命令を出した。
西岐では誰もが行くべきではないと反対する中、鬻熊は行くべきだと言う。命令に従わなければ王朝軍が攻めて来るだろうがまだ対抗できるだけの兵力が揃っていない、それに姫昌は広く民心をつかみ支持されているので商王とて捕らえてすぐ殺すようなことはできまい。その言葉にうなづき姫昌は都・朝歌へと 向かった。果たして朝歌へ着いた姫昌は有無を言わさず捕えられ投獄された。
父を救うため伯邑考は単身朝歌へ。帝辛に面会する。そこには彼の幼馴染である妲己もいた。彼女の一族はいわれのない罪で王朝軍に襲われ、美しい彼女は連れ去られ王の妃とさせられたのだ。だが今や帝辛を翻弄する彼女は昔の彼女とはすっかり別人になってしまったと伯邑考は心を痛めていたのだった。
伯邑考は自分が代わりに捕まるので父を釈放してほしいと訴える。だが妲己が彼の言葉は信用できないので殺してその肉を姫昌に食べさせてしまえと驚くべき発言をする。彼女が王朝軍に捕えられた時、伯邑考は彼女を助けようとするも一人ではどうにもできなかった。父に頼んで必ず助けるから…そう約束した。だが姫昌とて相手が商王ではどうすることもできなかった。妲己はあの約束は嘘だったと伯邑考と姫昌を逆恨みしていたのだ。
姫昌の前に肉の入ったスープが差し出され、それが彼を助けに来た息子のなれの果てだと告げられる。飲むよう迫られた姫昌は慟哭しながら一気に飲み干した。
鬻熊の侍女の安女は伯邑考と恋仲になっていたのだが、彼が殺されたと知り安女は鬻熊に黙って単身朝歌へ向かった。舞姫として宮中に上がった安女はすぐに帝辛の目に留まる。安女はとっておきの舞を披露するので満足いただけたら 西伯侯を釈放してほしいと申し出た。安女はセクシーな舞を見せ帝辛はすっかり魅了される…。
解放された姫昌が西岐へ戻って来た。姫昌はすぐに病床の鬻熊を見舞う。そして自分が安女によって解放された事、安女は寝所で帝辛を暗殺しようとして殺されたことを告げ、必ず商を倒し息子と安女の仇を討つと誓った。鬻熊は渭水に住む賢人・姜尚を訪ねるよう勧める。彼が必ず西岐を勝利へと導いてくれるはずだ。そして伝家の宝剣を姫昌に授けると鬻熊は息を引き取った。
紀元前1042年、姜尚は姫昌の次男・姫発を補け10万の兵を率い商王と戦った。鬻熊の孫・熊狂はその大戦で功を上げ、後の周の成王は鬻熊のひ孫の熊繹を荊楚の地に封じた。楚国は春秋五覇に数えられる大国となり800年続いた。
[第九集、第十集:陳姓 陳胡同源]
商王朝末期。紂王の圧政に苦しむ商国の民は次々と他国へと逃げ出していった。王家御用達の陶芸職人であった遏父の一家も西岐へ亡命した。
遏父は聖王虞舜の子孫で代々その陶芸の高い技術を受け継いでいたが、西岐を治める西伯侯は彼に豪奢な食器ではなく井戸に使う無骨なレンガを焼かせた。今必要なのは君主が楽しむ食器ではなく民を救うための井戸だったからだ。井戸のレンガの完成度に満足した西伯侯は遏父を宴に招く。そこで遏父の一人息子の妫満は以前出会った少女に再会した。それは西伯侯の孫の太姫だった。
七年後、西伯侯・姫昌は商王朝を倒すという志半ばにして病に倒れ、後を息子の姫発が継いだ。
妙齢になった太姫に母は将軍の息子の散宜峰との結婚を勧めるが、実は太姫の心は妫満にあった。だが身分の差もあり母には言えなかった。妫満はいつか功を立てて堂々と太姫を迎えに行くと誓う。
紂王との決戦に向けて武器の増産が進められた。青銅は全て武器に回されたため兵士の使用する食器は陶器にするしかなかった。だが陶器は行軍中に割れてしまうという欠点がある。遏父は姫発から陶正の職位を授かり行軍中でも割れにくい陶器の開発に着手する。また妫満は遠方への連絡のために矢につけて飛ばす陶器の笛を開発した。
やがて遏父が亡くなり妫満がその後を継いだ。妫満は割れにくい陶器とその梱包方法を確立させた。
いよいよ商との決戦。妫満ら職人も駆り出されたが、妫満は青銅武器よりも手慣れた物の方がいいと木枝で作った槍の投擲で遠距離攻撃を行った。
商王朝を倒し姫発は周王朝を建てた。妫満は足に怪我を負ったが無事帰って来た。彼ら槍投部隊は戦の鍵となる局面で大活躍したため妫満は英雄の一人と数えられた。だが太姫が散宜峰と結婚することになったと知り愕然とする。
散宜峰は太姫と妫満が相思相愛であることを知り妫満に戦いを挑みに行くが、妫満のその度胸と覚悟の大きさに太姫を娶るだけの器があると認め自ら身を引いた。太姫は母に妫満と結婚したいと懇願するが母は出自の卑しい妫満では無理だという。それを言うなら彼は聖王虞舜の子孫で立派な血筋だと太姫は説く。ついに母も折れた。
姫発は商王の息子を殺すことなく殷の地に封じ、その周囲に自分の三人の弟を封じて監視させることにした。自分が殺戮と恐怖で支配した商王とは異なることを世の中に知らしめる必要があったからだ。
姫発は親族や功臣ら70人余りを各地に封じ、その地名が後に姓となった。
分封の式典の最終日、妫満は突然宮殿に召し出された。職人として、そして戦士としてこの戦に最も貢献した彼に、褒美として太姫と陳の国が与えられたのだ。
妫満は陳の国をよく治め、死後は胡公と諡された。陳と胡の姓の起源はどちらも妫満なのである。
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中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。
[第七集、第八集:熊姓 文王之師]
商王帝辛は美しい王妃・妲己に夢中で政治を顧みず人々は圧制に苦しんだ。蛮族の首長・鬻熊は500年続いた商王朝もそろそろ潮時だと悟る。そんな折、賢人と名高い姜尚がやって来た。彼もまた現在の商王朝は救い難く、おそらく西伯侯・姫昌が立ち上がり諸侯を率いて新しい国を造り上げるだろうと予測していた。鬻熊は共に姫昌の元へ参じ、苦しむ商国民を救うため彼を導いて行こうではないかと誘うが、姜尚はまだ自分が出ていく時期ではないと言って帰っていった。そこで鬻熊は単身西岐へと向かった。
姫昌は鬻熊を客人として迎え入れたが将軍・太顛や軍師・散宜生らは鬻熊がスパイなのではないかと疑う。
姫昌の長男・伯邑考に西岐を案内された鬻熊は麦田を見て、いくらか苗を間引いた方が沢山穂が付き収穫が増えるとアドバイスする。原理を聞いて納得した伯邑考と一緒に苗を間引いていると見張っていた兵士に捕えられた。散宜生はやはり鬻熊がスパイで西岐を弱らせるために苗を抜いているのだと突きつけるが、鬻熊は商王の命令で西岐へ来たのではなく、まさに天の命令で姫昌を援け民を助けるためにやってきたのだと答える。そこへ息子から話を聞いた姫昌もやってきて、兵士らにも手伝わせて麦田の苗を間引くよう命じた。
皆で苗を間引いていると、商太師・聞仲がやってきたとの報せ。近年力をつけてきている西岐を警戒して視察にやってきたのだ。聞仲は麦田で百姓だけでなく兵士まで使って麦の苗を抜いている光景を不審に思う。
出迎えた姫昌に聞仲は人を集めて謀反を企てているのではないかと突きつけるが、鬻熊が進み出てなにやら囁くと納得した様子。後で姫昌が何を話したのか問うと鬻熊は自分が西岐の力を削ぐために嘘を言って苗を引き抜かせたのだと聞仲に言ったのだと答えた。
翌朝聞仲は西岐領内の視察に出かけて行った。鬻熊はその後を伯邑考につけさせる。すると聞仲は山の中の湖の堰を切って水を放流しはじめた。西岐の風水(水の流れ。水の流れは運気の流れを左右すると信じられていた。)を変えるつもりだ。それを知った鬻熊はその下流に兵を集めさせ田畑へ通じる側流を掘らせた。
鬻熊の機転で聞仲は今回帰っていったが、商王が西岐を潰そうとしていることははっきりわかった。鬻熊は商王朝に代わって姫昌が中原をまとめ王となるべきだと説き、今から密かに練兵し力を蓄えるよう勧める。姫昌は鬻熊の前に膝をつき師として仰ぎたいと拝礼した。
秋が来た。西岐の収穫は例年の三割増しとなったと聞き、聞仲は鬻熊に騙されたと知る。話を聞いた帝辛もすぐに姫昌に召喚命令を出した。
西岐では誰もが行くべきではないと反対する中、鬻熊は行くべきだと言う。命令に従わなければ王朝軍が攻めて来るだろうがまだ対抗できるだけの兵力が揃っていない、それに姫昌は広く民心をつかみ支持されているので商王とて捕らえてすぐ殺すようなことはできまい。その言葉にうなづき姫昌は都・朝歌へと 向かった。果たして朝歌へ着いた姫昌は有無を言わさず捕えられ投獄された。
父を救うため伯邑考は単身朝歌へ。帝辛に面会する。そこには彼の幼馴染である妲己もいた。彼女の一族はいわれのない罪で王朝軍に襲われ、美しい彼女は連れ去られ王の妃とさせられたのだ。だが今や帝辛を翻弄する彼女は昔の彼女とはすっかり別人になってしまったと伯邑考は心を痛めていたのだった。
伯邑考は自分が代わりに捕まるので父を釈放してほしいと訴える。だが妲己が彼の言葉は信用できないので殺してその肉を姫昌に食べさせてしまえと驚くべき発言をする。彼女が王朝軍に捕えられた時、伯邑考は彼女を助けようとするも一人ではどうにもできなかった。父に頼んで必ず助けるから…そう約束した。だが姫昌とて相手が商王ではどうすることもできなかった。妲己はあの約束は嘘だったと伯邑考と姫昌を逆恨みしていたのだ。
姫昌の前に肉の入ったスープが差し出され、それが彼を助けに来た息子のなれの果てだと告げられる。飲むよう迫られた姫昌は慟哭しながら一気に飲み干した。
鬻熊の侍女の安女は伯邑考と恋仲になっていたのだが、彼が殺されたと知り安女は鬻熊に黙って単身朝歌へ向かった。舞姫として宮中に上がった安女はすぐに帝辛の目に留まる。安女はとっておきの舞を披露するので満足いただけたら 西伯侯を釈放してほしいと申し出た。安女はセクシーな舞を見せ帝辛はすっかり魅了される…。
解放された姫昌が西岐へ戻って来た。姫昌はすぐに病床の鬻熊を見舞う。そして自分が安女によって解放された事、安女は寝所で帝辛を暗殺しようとして殺されたことを告げ、必ず商を倒し息子と安女の仇を討つと誓った。鬻熊は渭水に住む賢人・姜尚を訪ねるよう勧める。彼が必ず西岐を勝利へと導いてくれるはずだ。そして伝家の宝剣を姫昌に授けると鬻熊は息を引き取った。
紀元前1042年、姜尚は姫昌の次男・姫発を補け10万の兵を率い商王と戦った。鬻熊の孫・熊狂はその大戦で功を上げ、後の周の成王は鬻熊のひ孫の熊繹を荊楚の地に封じた。楚国は春秋五覇に数えられる大国となり800年続いた。
[第九集、第十集:陳姓 陳胡同源]
商王朝末期。紂王の圧政に苦しむ商国の民は次々と他国へと逃げ出していった。王家御用達の陶芸職人であった遏父の一家も西岐へ亡命した。
遏父は聖王虞舜の子孫で代々その陶芸の高い技術を受け継いでいたが、西岐を治める西伯侯は彼に豪奢な食器ではなく井戸に使う無骨なレンガを焼かせた。今必要なのは君主が楽しむ食器ではなく民を救うための井戸だったからだ。井戸のレンガの完成度に満足した西伯侯は遏父を宴に招く。そこで遏父の一人息子の妫満は以前出会った少女に再会した。それは西伯侯の孫の太姫だった。
七年後、西伯侯・姫昌は商王朝を倒すという志半ばにして病に倒れ、後を息子の姫発が継いだ。
妙齢になった太姫に母は将軍の息子の散宜峰との結婚を勧めるが、実は太姫の心は妫満にあった。だが身分の差もあり母には言えなかった。妫満はいつか功を立てて堂々と太姫を迎えに行くと誓う。
紂王との決戦に向けて武器の増産が進められた。青銅は全て武器に回されたため兵士の使用する食器は陶器にするしかなかった。だが陶器は行軍中に割れてしまうという欠点がある。遏父は姫発から陶正の職位を授かり行軍中でも割れにくい陶器の開発に着手する。また妫満は遠方への連絡のために矢につけて飛ばす陶器の笛を開発した。
やがて遏父が亡くなり妫満がその後を継いだ。妫満は割れにくい陶器とその梱包方法を確立させた。
いよいよ商との決戦。妫満ら職人も駆り出されたが、妫満は青銅武器よりも手慣れた物の方がいいと木枝で作った槍の投擲で遠距離攻撃を行った。
商王朝を倒し姫発は周王朝を建てた。妫満は足に怪我を負ったが無事帰って来た。彼ら槍投部隊は戦の鍵となる局面で大活躍したため妫満は英雄の一人と数えられた。だが太姫が散宜峰と結婚することになったと知り愕然とする。
散宜峰は太姫と妫満が相思相愛であることを知り妫満に戦いを挑みに行くが、妫満のその度胸と覚悟の大きさに太姫を娶るだけの器があると認め自ら身を引いた。太姫は母に妫満と結婚したいと懇願するが母は出自の卑しい妫満では無理だという。それを言うなら彼は聖王虞舜の子孫で立派な血筋だと太姫は説く。ついに母も折れた。
姫発は商王の息子を殺すことなく殷の地に封じ、その周囲に自分の三人の弟を封じて監視させることにした。自分が殺戮と恐怖で支配した商王とは異なることを世の中に知らしめる必要があったからだ。
姫発は親族や功臣ら70人余りを各地に封じ、その地名が後に姓となった。
分封の式典の最終日、妫満は突然宮殿に召し出された。職人として、そして戦士としてこの戦に最も貢献した彼に、褒美として太姫と陳の国が与えられたのだ。
妫満は陳の国をよく治め、死後は胡公と諡された。陳と胡の姓の起源はどちらも妫満なのである。
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「龍族的后裔」(全30話)のあらすじ。
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。
[第一集、第二集:姜姓 千古神農]
人々が狩猟生活から農耕生活へと移行し始めた頃。
農耕を広め病を治す薬草を発見した神農氏(氏は部族のこと)の長・炎帝は、暴力で人々を制圧し略奪を繰り返す蛮族の長・蚩尤を倒すため、軒轅氏の長・黄帝と同盟を組んだ。
神農氏の大巫祝(※天の声を聞く占い師で部族になくてはならない存在であった)はしかし戦を回避するために蚩尤に話し合いに行った。だが蚩尤に話など通じずすぐに捕えられた。
大巫祝はひそかに人を使って炎帝に記号を刻んだ 玉璧(占いに使用する美しい石でできた飾り)を送り無事であること、そして蚩尤が戦に備え兵器を改造していることを知らせた。大巫祝が玉璧を使って連絡を取っていると知った蚩尤は、自分たちの偽の動向を玉璧に刻んで炎帝に送った。だが炎帝はそれが嘘だと見抜き 逆にそれを利用して第一陣を打ち破った。
炎帝は自分達神農氏がまず蚩尤と戦って彼を疲弊させるので、軒轅氏がとどめをさしてほしいと黄帝に申し出る。
炎帝は襲って来た蚩尤に敗走するふりをして故郷の九隅におびき寄せようと図った。蚩尤は神農氏を追うか軒轅氏と戦うか迷い、大巫祝に占えと逼るが、大巫祝は自分は神農の巫女なので蚩尤を占う事はできないと言う。蚩尤は自ら野草を使って占おうとする。右手で摘んだ草と左手で摘んだ草、右手の草に天の意思が降りれば神農氏を、左手の草なら軒轅氏を追おう。その様子を見ていた大巫祝は草で占うなら草の生命の源となる水がなければ正しく占う事はできないと言う。蚩尤はそれもそうだと草を川の水につけた。すると右手の草がまっすぐに伸びた。これは神の意思だと蚩尤は神農氏を追撃することにした。
神農氏と蚩尤の戦いは三年続き互いに多くの犠牲者が出た。蚩尤の軍勢が充分疲弊した頃合いを見図って力を温存していた黄帝の軍勢が取り囲む。そうしてついに蚩尤の軍勢を倒した。
捕らえられた蚩尤は炎帝と黄帝の前に引き出された。蚩尤は負けを認めるが、そもそも九隅へ神農氏を追撃に行ったのが敗因であり、大巫祝に騙されたのだと彼女を罵る。大巫祝は確かにあの時、蚩尤が右手に摘んだ草が単子葉類で左手に摘んだ草が双子葉類だと見て水に浸けると単子葉類の葉がまっすぐ伸びることを知って言ったのだと白状するが、しかし右手に単子葉類の草を摘んだこと自体が天の意思であったのだと突きつけた。
こうして炎帝は中国統一を果たした最初の人物となった。炎帝と黄帝はこの後中国大陸で繁栄する漢民族の始祖とされる。
炎帝は姜水(※河川の名前)に居を構え姜姓を名乗った。姜姓は炎帝の子孫なのである。
[第三集、第四集:張姓 天賜良弓]
神農氏と軒轅氏が蚩尤を南へ追いやった後、中原はしばらく平安であったが、未だ狩猟生活を送る北方民族が彼らの食糧を奪いに襲ってくるようになった。
軒轅氏の子孫であるとある部族の長・揮は戦に敗け多くの民を失った。敵を倒せる強い武器が欲しい…。この時代の武器といえば青銅の剣だが希少であり、彼らが使うのはもっぱら木や石で作った棍棒や槍、斧だった。揮は近接攻撃では人数の少ないこちらが不利で、何か一気に遠くの敵を倒す方法はないかと考えていた。
敵が集落に向かってきているとの報せ。揮はすぐに皆を山上へと避難させる。山ではかろうじて水源を見つけたが食糧がない。揮は蜘蛛が巣を張っているのを見てひらめいた。木の皮を剥ぎ細く割いて撚り縄を作り、それを格子に並べて結んで行った。そうしてできた網を使って川へ下り、魚を沢山獲ることに成功した。
皆は木の枝に魚を刺して焙り焼きにして食べた。揮はふと魚を刺している木の枝を見て、この枝が敵にうまく刺されば武器になるのではないかと考えた。しかし木の枝を投げるなら石を投げた方が威力は高いだろう。
揮らが川で魚を獲って食いつないでいると知った敵が川に見張りを置くようになったため魚を獲りにいけなくなった。食糧はもってあと5日…。揮は夜空の星を見て新しい武器をひらめく。木の枝を火で熱して曲げ、木の皮で作った丈夫な縄を結び付けた。その弓で木の枝をつがえ放つと木の枝はいとも簡単に獣の皮を貫通した。揮はすぐにこの新しい弓という武器を沢山作らせた。張というのはこの弓を作る者の事である。
弓の要はその弦であった。木の皮で作った縄はすぐ切れてしまう。牛皮が丈夫で良かったのだが山にいる彼らに手に入れる術はない。大巫祝が囮になって敵を騙し牛皮のベルトと青銅武器を奪う事に成功したが彼女は捕らえられてしまった。
敵は大巫祝を連れて山へ攻めてきたが、揮らは弓と投げ網で戦う。見た事もない武器・弓矢の威力を目の当たりにした敵の首領は負けを認め大巫祝を解放し撤退していった。
揮の部族は弓のおかげで救われた。揮は弓を持つ者に張の姓を名乗らせた。
[第五集、第六集:呉姓 大義譲賢]
西岐を治める部族の首長・姫亶の孫の姫昌(後の周文王)は幼くして聡明で姫亶も目をかけていたが、姫昌は姫亶の三男の子であり家督を継ぐ機会はまずやってこないことを惜しむ。姫亶の長男の泰伯もまた姫昌の天賦の才に気づいており、常に周囲を見ながら最良の選択をしていくのが大丈夫(立派な男)の生き方だと甥を励ますのだった。
西岐は北方民族による略奪に悩まされていた。彼らは遊牧民で騎馬兵なので、歩兵ばかりの中原の村が対抗するにはやはり充分な数の兵馬が必要だった。しかし兵馬を鍛えるには時間が必要だ。そんな折また北方民族が侵略してきたとの報せ。
泰伯や次男の仲雍は断固戦うべきだと言うが、三男の季歴は民の安全のために戦を回避することが肝心なのでいっそのこと食糧や織物を渡してやったらどうだろうと提案する。皆はあきれるが、祝大臣も方法はともかく戦は回避するべきではないかと賛同するのだった。
泰伯は戦を回避する方法を探るため季歴にアイディアを求める。すると弟は彼らの毛皮とこちらの織物を物々交換する市を作ってはどうだろうかと言う。それなら一方的な搾取にならず部族の面子も保てる。その話を盗み聞きしていた姫昌は後日祖父の元へ行き、北方民族との間に市場を作り、彼らが持つ優秀な馬を買い付けひそかに練兵すればいいと申し出た。もちろんその案は伯父と父が話しているのを聞いたからと付け加えたが、姫亶は幼い孫の立派な発言に悦に入り、さっそく泰伯と仲雍を使者として向かわせることに。
泰伯は出発の前に父に面会し、姫昌の国を治める才能は放っておくに惜しく、あの子に将来西岐の采配を握らせるために後継の位を三弟に譲りたいと申し出た。先祖代々家督は長男が継ぐもの…そのしきたりに反する申し出に姫亶は怒りに震えるがしかし姫昌に後を継がせられればと思っているのも事実であった。
泰伯と仲雍は首尾よく馬を買い付けることに成功した。だがその頃姫亶は心労がたたって危篤に陥る。看病する季歴に姫亶は申し訳ない、しきたりを破ることはできないと泣いて詫びる。その言動を不審に思った季歴は、兄が将来姫昌に国を任せたいがために自分に後継の位を譲ろうとしたと祝大臣から聞いて真っ青になる。兄を差し置いて家を継ぐなど不義理にもほどがある、そんな事できるわけがない!だが祝大臣は西岐の将来を考えてのことで、姫亶もその事で悩み続けて体調が悪化したのだと明かす。
ようやく泰伯と仲雍が帰って来た。病床で姫亶は泰伯にやはりしきたりを破ってはならないと息も絶え絶えに訴える。そのあまりの形相に泰伯は父の言う通りにすると約束した。
事情を知った仲雍は兄の選択に間違いはないと支持する。そして二人で西岐を出奔すれば父は季歴を後継にするしかなくなるだろうと話し合う。その話を偶然耳にした祝大臣は慌てて制止するが彼らの意志はすでに固まっていた。二人は無事季歴が後継となるよううまく取り計らってほしいと祝大臣に後事を託すのだった。
翌朝二人が出立しようとした所へ季歴がやって来た。泰伯は不老長寿の薬を持つ賢人に会いに行くと言い繕う。季歴は早く帰って来てほしいと言うが泰伯と仲雍はその言葉には返答することなく背を向け立ち去って行った…。
季歴から泰伯と仲雍が薬を探しにいったと聞いた姫亶は、二人はもう戻ってこないだろうと言い、そして息を引き取った。そして本当に泰伯と仲雍は戻ってくることはなく、祝大臣をはじめ臣下らは季歴に家督を継ぐよう請願した。
泰伯と仲雍は西岐の国境に差し掛かった。明日には西岐を出て二度とこの地に戻ってくることはないだろう…。だがそこへ早馬がやって来て姫亶が身罷ったと告げる。仲雍は父の亡骸に最後ひと目見えたいと戻ろうとするが泰伯が制止する。ここで戻れば全ては水の泡になる、不義理だと言われようが礼を欠くと言われようが国の存続には変えられない、きっと父上も分かって下さるはずだ…。
二人は髪を切って使者に渡し断腸の思いで西岐を離れ母の出身地である梅里(後の呉)へ向かった。
彼らは荒れ地の梅里を開墾し、中原の文化や技術を伝達し人々を導いた。泰伯は人々の勧めでこの地の君主となり皆は敬意をこめて呉泰伯と呼んだ。彼には子がいなかったため死後は仲雍が君主を継いだ。後に姫昌の子・姫発が商を倒し周を建てた。姫発は仲雍のひ孫の周章を探し出し改めて呉の君主に封じた。その後周章は姓を姫から呉に改めた。
* * * * *
→インデックス
中国語版のざっくり解読なので間違ってるところもあるかもしれません。
[第一集、第二集:姜姓 千古神農]
人々が狩猟生活から農耕生活へと移行し始めた頃。
農耕を広め病を治す薬草を発見した神農氏(氏は部族のこと)の長・炎帝は、暴力で人々を制圧し略奪を繰り返す蛮族の長・蚩尤を倒すため、軒轅氏の長・黄帝と同盟を組んだ。
神農氏の大巫祝(※天の声を聞く占い師で部族になくてはならない存在であった)はしかし戦を回避するために蚩尤に話し合いに行った。だが蚩尤に話など通じずすぐに捕えられた。
大巫祝はひそかに人を使って炎帝に記号を刻んだ 玉璧(占いに使用する美しい石でできた飾り)を送り無事であること、そして蚩尤が戦に備え兵器を改造していることを知らせた。大巫祝が玉璧を使って連絡を取っていると知った蚩尤は、自分たちの偽の動向を玉璧に刻んで炎帝に送った。だが炎帝はそれが嘘だと見抜き 逆にそれを利用して第一陣を打ち破った。
炎帝は自分達神農氏がまず蚩尤と戦って彼を疲弊させるので、軒轅氏がとどめをさしてほしいと黄帝に申し出る。
炎帝は襲って来た蚩尤に敗走するふりをして故郷の九隅におびき寄せようと図った。蚩尤は神農氏を追うか軒轅氏と戦うか迷い、大巫祝に占えと逼るが、大巫祝は自分は神農の巫女なので蚩尤を占う事はできないと言う。蚩尤は自ら野草を使って占おうとする。右手で摘んだ草と左手で摘んだ草、右手の草に天の意思が降りれば神農氏を、左手の草なら軒轅氏を追おう。その様子を見ていた大巫祝は草で占うなら草の生命の源となる水がなければ正しく占う事はできないと言う。蚩尤はそれもそうだと草を川の水につけた。すると右手の草がまっすぐに伸びた。これは神の意思だと蚩尤は神農氏を追撃することにした。
神農氏と蚩尤の戦いは三年続き互いに多くの犠牲者が出た。蚩尤の軍勢が充分疲弊した頃合いを見図って力を温存していた黄帝の軍勢が取り囲む。そうしてついに蚩尤の軍勢を倒した。
捕らえられた蚩尤は炎帝と黄帝の前に引き出された。蚩尤は負けを認めるが、そもそも九隅へ神農氏を追撃に行ったのが敗因であり、大巫祝に騙されたのだと彼女を罵る。大巫祝は確かにあの時、蚩尤が右手に摘んだ草が単子葉類で左手に摘んだ草が双子葉類だと見て水に浸けると単子葉類の葉がまっすぐ伸びることを知って言ったのだと白状するが、しかし右手に単子葉類の草を摘んだこと自体が天の意思であったのだと突きつけた。
こうして炎帝は中国統一を果たした最初の人物となった。炎帝と黄帝はこの後中国大陸で繁栄する漢民族の始祖とされる。
炎帝は姜水(※河川の名前)に居を構え姜姓を名乗った。姜姓は炎帝の子孫なのである。
[第三集、第四集:張姓 天賜良弓]
神農氏と軒轅氏が蚩尤を南へ追いやった後、中原はしばらく平安であったが、未だ狩猟生活を送る北方民族が彼らの食糧を奪いに襲ってくるようになった。
軒轅氏の子孫であるとある部族の長・揮は戦に敗け多くの民を失った。敵を倒せる強い武器が欲しい…。この時代の武器といえば青銅の剣だが希少であり、彼らが使うのはもっぱら木や石で作った棍棒や槍、斧だった。揮は近接攻撃では人数の少ないこちらが不利で、何か一気に遠くの敵を倒す方法はないかと考えていた。
敵が集落に向かってきているとの報せ。揮はすぐに皆を山上へと避難させる。山ではかろうじて水源を見つけたが食糧がない。揮は蜘蛛が巣を張っているのを見てひらめいた。木の皮を剥ぎ細く割いて撚り縄を作り、それを格子に並べて結んで行った。そうしてできた網を使って川へ下り、魚を沢山獲ることに成功した。
皆は木の枝に魚を刺して焙り焼きにして食べた。揮はふと魚を刺している木の枝を見て、この枝が敵にうまく刺されば武器になるのではないかと考えた。しかし木の枝を投げるなら石を投げた方が威力は高いだろう。
揮らが川で魚を獲って食いつないでいると知った敵が川に見張りを置くようになったため魚を獲りにいけなくなった。食糧はもってあと5日…。揮は夜空の星を見て新しい武器をひらめく。木の枝を火で熱して曲げ、木の皮で作った丈夫な縄を結び付けた。その弓で木の枝をつがえ放つと木の枝はいとも簡単に獣の皮を貫通した。揮はすぐにこの新しい弓という武器を沢山作らせた。張というのはこの弓を作る者の事である。
弓の要はその弦であった。木の皮で作った縄はすぐ切れてしまう。牛皮が丈夫で良かったのだが山にいる彼らに手に入れる術はない。大巫祝が囮になって敵を騙し牛皮のベルトと青銅武器を奪う事に成功したが彼女は捕らえられてしまった。
敵は大巫祝を連れて山へ攻めてきたが、揮らは弓と投げ網で戦う。見た事もない武器・弓矢の威力を目の当たりにした敵の首領は負けを認め大巫祝を解放し撤退していった。
揮の部族は弓のおかげで救われた。揮は弓を持つ者に張の姓を名乗らせた。
[第五集、第六集:呉姓 大義譲賢]
西岐を治める部族の首長・姫亶の孫の姫昌(後の周文王)は幼くして聡明で姫亶も目をかけていたが、姫昌は姫亶の三男の子であり家督を継ぐ機会はまずやってこないことを惜しむ。姫亶の長男の泰伯もまた姫昌の天賦の才に気づいており、常に周囲を見ながら最良の選択をしていくのが大丈夫(立派な男)の生き方だと甥を励ますのだった。
西岐は北方民族による略奪に悩まされていた。彼らは遊牧民で騎馬兵なので、歩兵ばかりの中原の村が対抗するにはやはり充分な数の兵馬が必要だった。しかし兵馬を鍛えるには時間が必要だ。そんな折また北方民族が侵略してきたとの報せ。
泰伯や次男の仲雍は断固戦うべきだと言うが、三男の季歴は民の安全のために戦を回避することが肝心なのでいっそのこと食糧や織物を渡してやったらどうだろうと提案する。皆はあきれるが、祝大臣も方法はともかく戦は回避するべきではないかと賛同するのだった。
泰伯は戦を回避する方法を探るため季歴にアイディアを求める。すると弟は彼らの毛皮とこちらの織物を物々交換する市を作ってはどうだろうかと言う。それなら一方的な搾取にならず部族の面子も保てる。その話を盗み聞きしていた姫昌は後日祖父の元へ行き、北方民族との間に市場を作り、彼らが持つ優秀な馬を買い付けひそかに練兵すればいいと申し出た。もちろんその案は伯父と父が話しているのを聞いたからと付け加えたが、姫亶は幼い孫の立派な発言に悦に入り、さっそく泰伯と仲雍を使者として向かわせることに。
泰伯は出発の前に父に面会し、姫昌の国を治める才能は放っておくに惜しく、あの子に将来西岐の采配を握らせるために後継の位を三弟に譲りたいと申し出た。先祖代々家督は長男が継ぐもの…そのしきたりに反する申し出に姫亶は怒りに震えるがしかし姫昌に後を継がせられればと思っているのも事実であった。
泰伯と仲雍は首尾よく馬を買い付けることに成功した。だがその頃姫亶は心労がたたって危篤に陥る。看病する季歴に姫亶は申し訳ない、しきたりを破ることはできないと泣いて詫びる。その言動を不審に思った季歴は、兄が将来姫昌に国を任せたいがために自分に後継の位を譲ろうとしたと祝大臣から聞いて真っ青になる。兄を差し置いて家を継ぐなど不義理にもほどがある、そんな事できるわけがない!だが祝大臣は西岐の将来を考えてのことで、姫亶もその事で悩み続けて体調が悪化したのだと明かす。
ようやく泰伯と仲雍が帰って来た。病床で姫亶は泰伯にやはりしきたりを破ってはならないと息も絶え絶えに訴える。そのあまりの形相に泰伯は父の言う通りにすると約束した。
事情を知った仲雍は兄の選択に間違いはないと支持する。そして二人で西岐を出奔すれば父は季歴を後継にするしかなくなるだろうと話し合う。その話を偶然耳にした祝大臣は慌てて制止するが彼らの意志はすでに固まっていた。二人は無事季歴が後継となるよううまく取り計らってほしいと祝大臣に後事を託すのだった。
翌朝二人が出立しようとした所へ季歴がやって来た。泰伯は不老長寿の薬を持つ賢人に会いに行くと言い繕う。季歴は早く帰って来てほしいと言うが泰伯と仲雍はその言葉には返答することなく背を向け立ち去って行った…。
季歴から泰伯と仲雍が薬を探しにいったと聞いた姫亶は、二人はもう戻ってこないだろうと言い、そして息を引き取った。そして本当に泰伯と仲雍は戻ってくることはなく、祝大臣をはじめ臣下らは季歴に家督を継ぐよう請願した。
泰伯と仲雍は西岐の国境に差し掛かった。明日には西岐を出て二度とこの地に戻ってくることはないだろう…。だがそこへ早馬がやって来て姫亶が身罷ったと告げる。仲雍は父の亡骸に最後ひと目見えたいと戻ろうとするが泰伯が制止する。ここで戻れば全ては水の泡になる、不義理だと言われようが礼を欠くと言われようが国の存続には変えられない、きっと父上も分かって下さるはずだ…。
二人は髪を切って使者に渡し断腸の思いで西岐を離れ母の出身地である梅里(後の呉)へ向かった。
彼らは荒れ地の梅里を開墾し、中原の文化や技術を伝達し人々を導いた。泰伯は人々の勧めでこの地の君主となり皆は敬意をこめて呉泰伯と呼んだ。彼には子がいなかったため死後は仲雍が君主を継いだ。後に姫昌の子・姫発が商を倒し周を建てた。姫発は仲雍のひ孫の周章を探し出し改めて呉の君主に封じた。その後周章は姓を姫から呉に改めた。
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→インデックス
「龍族的后裔」(2019年 監督/張清、臧溪川)
全30話

※日本語版はありません。
タイトルは「龍族の後裔」。龍はもちろん中国のことを指す。
中国人の姓の起源にまつわる物語を二回ずつの短編ドラマで紹介する歴史教養番組。古くは伝説の黄帝時代、そして多くの姓が誕生した周代、春秋戦国時代を舞台にした時代劇となっている。
ローカルTV局制作らしくて出演者もほとんど名の知られてない人ばかり。バラエティの再現ドラマレベルかと思ってたら意外としっかりと作られていてセットも衣装もお芝居も本格的。(時代考証は甚だ疑問が多いけど…。)
時代劇としては非常に手堅く2000年代作品が好きな人には激オススメです。
#1 第1集~第6集
#2 第7集~第10集
#3 第11集~第14集
#4 第15集~第18集
#5 第19集~第22集
#6 第23集~第26集
#7 第27集~第30集、総括
(※先にOwndで公開した記事を再編集したものです。)
全30話

※日本語版はありません。
タイトルは「龍族の後裔」。龍はもちろん中国のことを指す。
中国人の姓の起源にまつわる物語を二回ずつの短編ドラマで紹介する歴史教養番組。古くは伝説の黄帝時代、そして多くの姓が誕生した周代、春秋戦国時代を舞台にした時代劇となっている。
ローカルTV局制作らしくて出演者もほとんど名の知られてない人ばかり。バラエティの再現ドラマレベルかと思ってたら意外としっかりと作られていてセットも衣装もお芝居も本格的。(時代考証は甚だ疑問が多いけど…。)
時代劇としては非常に手堅く2000年代作品が好きな人には激オススメです。
#1 第1集~第6集
#2 第7集~第10集
#3 第11集~第14集
#4 第15集~第18集
#5 第19集~第22集
#6 第23集~第26集
#7 第27集~第30集、総括
(※先にOwndで公開した記事を再編集したものです。)
日本の深夜の連続TVドラマ。
「面白南極料理人」(2019年 監督/有働佳史 主演/浜野謙太)
全12話

――南極大陸。昭和基地よりもはるかに内陸、富士山よりも高い標高に作られた日本の観測拠点「ドーム基地」。第38次南極観測隊の調理担当として参加した"大将"こと西村隊員ら7名はここで一年間の共同生活をスタートさせた。
官庁や大学から派遣された科学者である"金ちゃん"、"モトさん"、"兄ちゃん"、そして彼らをサポートする技術者の"主任"、"盆"、"ドック"、"大将"。若者からおじさんまで年齢はまちまちだが男ばかりのむさくるしい共同生活には笑いあり涙あり、大小さまざまな事件が起こる――
原作は海上保安官で料理人の西村淳の同名エッセイ。
10年くらい前にも「南極料理人」のタイトルで映画化されてたけど、今作はちゃんと"面白"とついてるだけあって笑わせどころが明確な、ドラマというかもはやコント。8分くらいのコント3本で1話が構成されてるので12話といっても実際は全36本のエピソード。1話で1か月が経過するという計算になっていて、例えば第2話は2月の話なのでバレンタインデーの、第7話は7月なので七夕のエピソードが出て来るという風に。
原作にもあるエピソードは1/3くらいで、あとはオリジナル。深夜番組なので下ネタもあり、またそれが監督に「(制作の)テレビ大阪にはコンプライアンスないそうです」と言わしめる…非常に問題ありまくりな攻めた表現もあってそのチャレンジ精神(脚本家と監督とテレビ局)には敬意を示したい
1話3本のうち大体1本は料理の話だけど他は料理関係なく「閉塞した空間で男ばかりが集まったらこうなる」のを描いている・・・のか?どうなんでしょう世間の男性諸君?女性としては引くか爆笑するかの二択。共感はない。
実際には9人だった越冬隊は7人に削減されキャラクターも改変されている。大将はどちらかというと自ら進んで悪ふざけするようなタイプだったのがドラマでは一貫してツッコミ役。無口で生真面目なはずの金ちゃんはなんかアレな趣味の典型的ボケ役だし、関西弁のツッコミ役だろうと思っていた兄ちゃんはきれいなトーキョー弁喋る好青年だしよ。
妙にハマってたのがドック役のマキタスポーツ。どんな時も常にやんわりとした口調なのがすごくそれっぽい。医者ってのはもっとまじめで怖くてというイメージがあるかもしれないけど、医者のプライベートな姿ってこんなものだと思う。
そして個人的にそのお芝居に引きつけられたのが盆役の山中崇!基本的に影の薄い、常に端や後ろに映ってるような役柄なんだけど、妙に初回からこのメンバーの中でも異質な雰囲気を漂わせてて、一言でいうとキモい。するとどうだろう、中盤になって彼が大活躍(??)する爆弾みたいな回が出て来て、ああーこの違和感てこれの伏線だったのかぁと納得。台詞とか動作で主張してるわけじゃないけど存在が主張してる。濃ゆーい。スキ。
深夜番組なのに男ばっかりって視聴率大丈夫かと心配されそうだけど大丈夫、脚本家もそこはちゃんと考えてチョイチョイ女性が出てくるように設定してる。たまに出て来るその女性達はグラビア界の新人ぽい雰囲気を醸し出す美女ばかり(ただし露出はなし。)
あ、二次元的な美女?はビキニ姿で登場します、乞うご期待。
原作のエッセイ。
「面白南極料理人」(2019年 監督/有働佳史 主演/浜野謙太)
全12話

――南極大陸。昭和基地よりもはるかに内陸、富士山よりも高い標高に作られた日本の観測拠点「ドーム基地」。第38次南極観測隊の調理担当として参加した"大将"こと西村隊員ら7名はここで一年間の共同生活をスタートさせた。
官庁や大学から派遣された科学者である"金ちゃん"、"モトさん"、"兄ちゃん"、そして彼らをサポートする技術者の"主任"、"盆"、"ドック"、"大将"。若者からおじさんまで年齢はまちまちだが男ばかりのむさくるしい共同生活には笑いあり涙あり、大小さまざまな事件が起こる――
原作は海上保安官で料理人の西村淳の同名エッセイ。
10年くらい前にも「南極料理人」のタイトルで映画化されてたけど、今作はちゃんと"面白"とついてるだけあって笑わせどころが明確な、ドラマというかもはやコント。8分くらいのコント3本で1話が構成されてるので12話といっても実際は全36本のエピソード。1話で1か月が経過するという計算になっていて、例えば第2話は2月の話なのでバレンタインデーの、第7話は7月なので七夕のエピソードが出て来るという風に。
原作にもあるエピソードは1/3くらいで、あとはオリジナル。深夜番組なので下ネタもあり、またそれが監督に「(制作の)テレビ大阪にはコンプライアンスないそうです」と言わしめる…非常に問題ありまくりな攻めた表現もあってそのチャレンジ精神(脚本家と監督とテレビ局)には敬意を示したい
1話3本のうち大体1本は料理の話だけど他は料理関係なく「閉塞した空間で男ばかりが集まったらこうなる」のを描いている・・・のか?どうなんでしょう世間の男性諸君?女性としては引くか爆笑するかの二択。共感はない。
実際には9人だった越冬隊は7人に削減されキャラクターも改変されている。大将はどちらかというと自ら進んで悪ふざけするようなタイプだったのがドラマでは一貫してツッコミ役。無口で生真面目なはずの金ちゃんはなんかアレな趣味の典型的ボケ役だし、関西弁のツッコミ役だろうと思っていた兄ちゃんはきれいなトーキョー弁喋る好青年だしよ。
妙にハマってたのがドック役のマキタスポーツ。どんな時も常にやんわりとした口調なのがすごくそれっぽい。医者ってのはもっとまじめで怖くてというイメージがあるかもしれないけど、医者のプライベートな姿ってこんなものだと思う。
そして個人的にそのお芝居に引きつけられたのが盆役の山中崇!基本的に影の薄い、常に端や後ろに映ってるような役柄なんだけど、妙に初回からこのメンバーの中でも異質な雰囲気を漂わせてて、一言でいうとキモい。するとどうだろう、中盤になって彼が大活躍(??)する爆弾みたいな回が出て来て、ああーこの違和感てこれの伏線だったのかぁと納得。台詞とか動作で主張してるわけじゃないけど存在が主張してる。濃ゆーい。スキ。
深夜番組なのに男ばっかりって視聴率大丈夫かと心配されそうだけど大丈夫、脚本家もそこはちゃんと考えてチョイチョイ女性が出てくるように設定してる。たまに出て来るその女性達はグラビア界の新人ぽい雰囲気を醸し出す美女ばかり(ただし露出はなし。)
あ、二次元的な美女?はビキニ姿で登場します、乞うご期待。
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