あさひのブログ -120ページ目
「大宋提刑官 II」第八集1分あたりから。
宋慈は湖州で回収してきた白骨を調べたが手がかりは得られなかった。副葬品の龍の彫られた宝石から、今上皇帝の兄で18年前に亡くなった済王である可能性が高いが、皇族が荒山に埋葬されていた理由がわからない。宋慈は白骨を前に頭を悩ませる。

* * * * *

「骸骨にはわずかの傷もなく、中毒の症状として現れる黒斑もない。犯人は結局のところどんな手段を使ったのだろう。驚くべきことに殺された痕跡はみじんも残されていない。これ正に山の外に山あり、天の向こうに天ありだな(→謎は果てしなく続いている)。どうやらわたしは今回本当に名手(難敵)に出遭ったようだ。」
 骸骨を前に思案していると、いつの間にか目の前に髪をふり乱した白装束の男が立っていた。
「貴方は誰だ?」
「おそれずともよい、宋提刑よ。」
「わたくしは小さい頃からねずみの喧嘩ですら恐れたが、今まで幽霊では(恐れたことは)ない。」
「それはよかった。おぬしは実は早いうちから私が誰なのか知っておったのであろう。」
「貴方のその長い髪をかき分けて、わたくしに貴方の尊貌をお見せください。」
「私は人ではない、幽霊だ。幽霊に姿などない。」


「幽霊に姿はなくとも、名はおありだ。貴方は昔の皇太子の趙泱(チョウ・オウ)でしょう。」
「しかし今や帰る場所を求め彷徨う幽霊と成り果てた。」
「貴方がわたくしを求めるのは、何か(私に)託したいことがおありなのでしょう。」
「当時宋提刑がおれば、本王(わたし)も18年も冤罪に苦しむことにはならなかっただろうに。」
「古来より、皇家の子孫らは皇位を奪うために骨肉の争いが起こった。(それは古来より)絶えたことのないことです。貴方は皇家にお生まれになったからには、その全て(皇位争い)は宿命であったのです。どうして冤罪だと言うのですか。」
「その通りだ。人々は皆皇族に生まれつくことはなんと尊く素晴らしいことかと言う。だが皇家が私にもたらしたのは、尽きることのない傷と痛みだ。私趙オウは生まれた時から大きな願いを叶えることはできず、死してもまた求めることは叶わぬ。私が求めるはただ趙家の墓に入ること。その清らかな地に入ること叶えば、安らかな眠りにつけようぞ。おぬしが私を手助けしてはくれぬか。」


「(手助け)いたしましょう。しかし(そのためには)十八年前の真相をわたくしにお教えいただかねばなりません。」
「だめだ。それはできぬ。」
「なぜですか?貴方がわたくしに真相を教えていただかねば、わたくしは何を根拠として朝廷に働きかけ、貴方を皇家の墓に迎え入れることができましょう。」
「私がぬしに真相を告げれば、この大宋王朝に再び混乱が訪れようぞ。」
「随分と心配しておられる。」
「ぬしは信じぬのだな。」
「私は、私は何を元に貴方を信じればいいのですか。」
「どうやら、私とぬしとでは話が合わぬようだな。では私はぬしに何を求めようというのか(もう何も求めない)…。」
「行かないでください。行かないで、お待ちください!お戻りください!」
 と、そこで目が覚めた。
「夢か、夢なのか…。」

* * * * *

ミステリ劇でこういう予知夢みたいなファンタジー要素が入ってくるのは珍しいと思う。怪奇現象を認めたらミステリは成立しないしな…。


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「大宋提刑官 II」第七集33分あたりから。
宋慈の妻・玉貞は今回の事件が危険なものだと知り、夫に捜査を中止するよう説得するため義母の協力を求め宋慈の故郷へ。義母は趣味の植樹をしており玉貞もそれを手伝う。

* * * * *

「お義母様。」
「玉貞さん、あなたはこの樹が何て名前かわかるかしら?」
「あなたの息子の妻(→わたくし)はわかりません。」
「あなたはもちろんわからないでしょう、だってこの名前は私がつけたのだから。四季雪松というのです。ここに全部で398本植えてあります。この数字がどういう意味かわかるかしら?」
「わたくしは愚かで見当もつきません。」
「あなたが見当もつかないのも無理はないわ、私は誰にも話したことがないのだから。あなたはね、この事を知る最初の人なのですよ。あなたの舅(→宋慈の父)が刑獄の仕事をしていた当時、(彼が)冤罪を雪ぎ不当な刑の執行を止めさせ、何度も難しい事件を解決しました。あなたのお義母さん(→わたし)は彼のためにこの樹を植えました。彼が一つの事件を解決する度に、私は彼のために一本の樹を植えたのです。彼は全部で199件の事件を解決したので、私は彼のために199本の樹を植えました。そして冤罪を晴らすという意味を暗に含めて四季雪松と名付けたのです。」


「ですがお義母様、お義父さまは全部で199件の事件を解決なさったのですよね、あなたはどうして398本の雪松を植えられたんですか?」
「あなたは父の仕事を受け継いだ子(→宋慈)のことを忘れたの?彼の父親が(仕事から)手を引いてからは、私は息子のために樹を植えてます。彼の父親は一生で199件の事件を解決しましたが、慈は今ちょうど199件の変わった大きな事件を解決しました。私は息子のために199本の松を植えたのです。見てごらんなさい、この四季雪松は四季の春(のような活気)を思わせるでしょう。」
「お義母様。」
「玉貞さん、私はあなたが心の中で焦っていることはわかってますよ。あなたたちは夫婦なのだから、(お互いを)深く知るべきですよ。人がこの世で生きていく上で、(それぞれが)すべきこと、またすべきことがあるのです。私は母として、今まで息子の選択を疑ったことはありません。この点ではね、私はあなたよりも気持ちを落ち着かせていられますよ。」


「お義母様、ことわざに言います、当事者は迷うが傍観者にはよく見えると。あの人がこれまでずっと死の理由を調べる(事件を捜査する)のに、彼が確かな事情(証拠)を認めているのなら、誰も(彼の捜査を)止めませんでした。けれど今回は、今回の事件は今の聖上(陛下)に関わっているのです。ただごとではありません。彼がもし(この件から)手を引かなかったら、恐らく時すでに遅しということになるでしょう。お義母様、あの人は親孝行な息子で、これまでずっとあなたの言う事を聞いてこられました。おそらく今彼は危険な崖の上に立っているようなもので、また前へ一歩踏み出そうものなら彼はきっと…。ここに至っては、わたくしには本当に方法がないのです(どうすればいいのかわからない)。あなたが京へ戻っていただければ、すぐに彼を止めることができるでしょう。彼に危機の瀬戸際で踏みとどまらせてください。」
「わかったわ。玉貞さんが苦しい胸の内をぶつけてくださったのだから、とにかく一緒に(京へ)行くことにしましょう。でも私が行ったとしても、必ずしもあなたが止めさせたいと思っている人(→宋慈)を止めさせることができるとは限りません。ことわざに言います、双方から話を聞くのは聡明であり、片方からしか聞かないのは暗愚であると。そうでしょう?私は今回京へ入ったら、降服を勧めるかそれとも戦うことを勧めるか(→捜査を止めさせるべきか続けさせるべきか)、これはあなた一人の話を聞くだけではいけません、私は我が息子が言う事も聞いてみる必要があります。」


「お義母様、あなたが(京へ)行ってくれるだけで、わたくしには頼りになり心の拠り所となります。私の心はとても安定します(→安心します)。」
「でもあなたがこの老骨(わたくし)を京へ連れて行って、お役に立つかしらねぇ。」
「お義母様、あなたは彼をちょっと説得してくださるだけでいいのです。」
「わかったわ。宋さん(※同伴してる執事)、私が不在の間、この家の事はあなたに任せます。覚えておいて、私が今回京へ行って、息子を説得できてこの事件を放棄させたなら、長くても10日約半月で戻ってきます。私がもし半月で戻ってこなかったら、あなたは(私の代わりに)また一本の四季雪松を植えてちょうだい。どういうことかわかるかしら?」


「わかってますよわかってますよ。もし半月で戻ってこなかったら、それは若さまがまた大きな事件を解決されたということ。(その時は)わたくしが、一本の雪松を植えましょう。そうすると第399本目ですな。」
「99…でもこれは大難の数ね。」
「どうして大難の数でしょうか、これは良い数ですよ。」
「大難の数だとか吉兆の数だとか、私達宋家は今まで忌み嫌ったことはないわ。そんなのは信じないで、信じないで。覚えておいてちょうだい、その時になったら、あなたは399本目の四季雪松を植えることを。いいわね。」
「わかりました。」

* * * * *

この母にしてこの子ありなエピソードで好き。


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「大宋提刑官 II」第六集3分あたりから。※ネタバレ有
牢の曹墨の元に、監査院の王中丞の部下で科挙(国家公務員試験)の同期でもある鄒少卿がご馳走を持ってやって来る。まもなく牢から連れ出されると聞いた曹墨はいよいよ処刑されると察知し酒をあおる。

* * * * *

「曹兄さん、(酒を注ぐのを)ちょっとにした方がいいですよ。酒ってものは飲み過ぎるときっと体に障るよ。」
「酒を注いでくれ…。」
「はいはい、注ぎますよ。」
「満杯に注げ!」
「満杯、満杯ね。曹兄さんよ、我々二人とも飲んで(お互いに)ちょっと話をしようじゃないか。」
「話をするって…お前は何を話そうというのだ?」
「曹兄さんよ、去年の都の試験(科挙)であんたと僕は同じ科で(受験して)、結果は曹兄さんが状元(首席)になって小弟(わたくし)は畏れ多くも次席だ。あんたに対して嫉妬があったかというと、ちょっとあったけど、でも僕はこれまであんたを恨んでないし、恨むなら自分の学が浅く才能がない事を恨むべきだと思うよ。実は小弟は曹兄さんを五体投地するほど心から敬服してるんだ。」


「少卿兄さんよ…本当にいい奴だな。そんな話(見え透いたお世辞)はいつもならきっと私は全身鳥肌が立つことだろう。しかし今日は、この曹墨はまさに断頭台の端に上らんとするところ…少卿兄さんが酒を飲んで言った真実の言葉に、私の心は感動し嬉しい(→お前の言葉はうわべだけだろうがそれでも私は嬉しいと思う、もう死ぬという奴に気を使ってくれているのだな)。いい奴だ、本当にいい奴だな、さあ、飲もう!」
「ええ。曹兄さん、僕の言う事を聞きなよ、あんたはもう飲まないほうがいいよ。」
「少卿兄さん、お前とは腹を割って話し始めたんだ、私には腹の奥にしまってることがあるのだ。」
「曹兄さん。」


「私の話すことを聞いてくれ。鳥がもう死ぬという時の鳴き声が哀しく響くように、人がもう死ぬという時の言葉は善だ。少卿兄さん私の言う事を聞いてくれ。あんたや私は皆十年寒々しい窓に耐え忍び出てきた(苦労し勉学に励み出世した)、読んだのは(多くの)聖人賢人の書物で、修めたのは儒家の道徳だ。人となれば小人の心を抱くべからず、官吏となれば貧しい考えを持つべからず、臣下となれば皇帝の聖なる命令に背くべからず。どうしてこの曹墨一人の命を掛けるに惜しいというのか(国や皇帝のためなら命など惜しくはない)!聖上(陛下)とお知り合いになれた(→官吏として採用してもらえた)ご恩に報いるためなら、この曹墨は命を犠牲にして尽くし、たとえ死んでも悔いはない。」
「曹兄さん、あんたは何の話をしてるんだい?何が人が死ぬ時の言葉は善で、何が命を犠牲にして尽くし死んでも悔いはないだ?(→どうして死ぬなんて言い出すんだ?)曹兄さんが言った聖人賢人の文章については、かつて聖人賢人はこう言ったんだよ、天がまさに大きな役目を人に与えたなら、(与えられた人は)必ずその筋骨をもって励め(全力を尽くせ)と。曹兄さん、牢獄を出たら、あんたの前途は無限に広がっているじゃないか。」


「少卿兄さんはこの曹墨の(処刑台への)旅立ちを送っていくのではないのか?」
「そうだよ(出獄を見送るんだよ)。」
「この曹墨を断頭台へ送るのではないのか?」
「曹兄さん、あんたは何の話をしてるんだ?…そうか、そうか。小弟をお怨みなさい(私が悪かった)、小弟がはっきり説明しなかったのが悪かった。今日今頃、皇上(陛下)は曹兄さんの件で中丞さまと、吏部・刑部のお二方の尚書さまを召集されて、皇上はこれまで五品の官吏(→曹墨のこと)の職務の事案をお読みになったが(罪を)問われなかった。曹兄さんは皇上としてはこの朝廷の一品、二品の臣下をも当然超える人だとお考えなのだと、僕は信じてますよ。お三方の大臣さまが戻ってこられたら、(彼らは)きっと曹兄さんの冤罪を正し名誉を回復する聖旨を皇上から賜っておられてるはずだと僕は確信してる。(だから)小弟は曹兄さんの出獄祝いをするために前もってやってきたんだよ。曹兄さんが(その後)とんとん拍子に出世していっても、どうか小弟を導いてやってくれよ(→気にかけていろいろ便宜をはかって欲しいな)。…曹兄さん、どうしだんだい?何か言ってくれよ。」

* * * * *

曹墨役ソン・トウ(孫涛)の熱演光るシーン。
そしてこの少卿はモブかと思ってたら実は後々も曹墨にからんでくる味のあるキャラ。


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今見てるドラマ「大宋提刑官 II」で苦悩の皇帝陛下を演じるタオ・ザール(陶澤如)の出演映画を探してみた。

「ションヤンの酒家」 (2003年 原題「LIFE SHOW」 監督/フォ・ジェンチイ 主演/タオ・ホン)
106分

ションヤンの酒家 [DVD]/東宝

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酒家と書いて「みせ」と読む。タイトルからして地味で玄人好みっぽい雰囲気だが…。

――昔からある屋台街に店を構え鴨首料理を売るションヤン。母親は幼い時に亡くなり父親は京劇女優と駆け落ち。苦労しながらも今の生活を築いてきた。兄は結婚しているが嫁の言いなりでションヤンに息子のトアルの世話を押し付ける。弟はアマチュアミュージシャンだったが麻薬に手を出して捕まり更生施設に入っている。
ションヤンはこのところ、毎日のように屋台街へやってきて彼女をじっと見つめている男の事が気になっている――

[ここからネタバレ--------
弟と交際していた店の従業員アメイが自殺未遂を起こす。
父が劉氏に貸した家を劉氏の息子が不当に占拠している。ションヤンはその家を取り戻して弟が出所したら住まわせてやりたいと思い弁護士に相談する。
兄夫婦はトアルを預けっぱなしだ。ションヤンは夜の商売のため彼の相手をしてやることはできない。トアルはいつも寂しそうにしている。
屋台街にやってくるあの男は卓といい、高級車を乗り回してるようなけっこうな金持ちらしい。

ションヤンはアメイに弟の事はもう忘れるようにと勧める。弁護士の息子が、多少精神に病があるようだが良い青年のようなので、仲介してアメイと結婚させる。
ションヤンはプライドを捨てて自分たちの苦労の元凶ともなった父と義母を訪ね、貸し家の名義を自分に移し家を取り戻すことに成功した。
ションヤンと卓氏の距離は徐々に縮まってくる。彼女はバツイチだが、卓氏も妻に逃げられ孤独の身だという。

兄夫婦がションヤンの屋台にやってくる。身勝手な兄嫁とついに衝突しトアルの目の前で派手に喧嘩をしてしまう。
屋台街の仲間から、国の政策でもうすぐここの屋台街は取り壊されて自分たちは立ち退きを迫られると聞く。
結婚したアメイを訪ねると、アメイは幸せだというが、彼女の体には青あざができていた。
ある日ションヤンは卓氏と山の上の見晴らしの良いホテルへ。二人は一夜を共にするが、卓から再婚する気はないとはっきり告げられる。さらに彼の仕事が屋台街の土地の区画整備に関わっていると知り、裏切られた思いで別れる。

弟が出所してくる。アメイが結婚したことを教えると弟は本当に彼女の事が好きだったのにと嘆く。
ションヤンは茫然として店に座っている。そこへ一人の画家がやってきて、彼女の肖像画を描きはじめる。明日もここにいるかと尋ねる画家に、ションヤンは自分はずっとここにいると答えるのだった。(終)

----------ここまで]

うーーーーーん、これは…。(´Д`;)
予想通り、地味。

物語がこの手のジャンルではありがちというか、まったくよくある話で。文芸書の地味小説なジャンルで、特に女性作家が書く話でごまんとあるよなぁ。こういう現実に即した恋愛ものって好きな人は好きなんだろう。
この手の話って、主人公は不幸っていうほどどん底ではないけど決して恵まれてるわけでもなくて、日常からなんとか小さな幸せを見出して力強く生きて行こうとしてるんだけど、実際はそうそううまくは行かずむしろやることなすこと裏目に出て、どうせ私は不幸なんだわーってパターン。最後はバッドエンドってほどどん底にはいかないけどハッピーエンドではなく、結局最初と何も変わらないっていうね、もうこのパターンは確立されててあとは味付けが少々違うだけ。で、この作品もまぁ見事に先が読めてしまうのでつまらん。
とりあえず若者にはおすすめしない。若い人は多分半分も行かないくらいで眠くなる。大人のラブストーリーというか、いやそれがメインなわけではないけど、地味などこにでもいそうな一人の女性の暮らしを描いてるだけだから。映画に「現実を忘れさせてくれる時間」を求めている人にとっては、なんで映画で現実的な日常の苦労を見せられなあかんねんって。疲れる…。

主人公ションヤンを演じるタオ・ホン(陶紅)は、ちょっとこういう役を演るには美女すぎんだろという気が。古いごちゃついた屋台街で一人だけモデルみたいで明らかに苦労人ではないし、芝居も表情があまり変わり映えしないので内面の苦悩とかそんなに伝わってこない。現代的(都会的)な顔立ちをしてるので、後の方でションヤンが意外と保守的な考え方だったとわかった時に「えっそうなの??」ってビックリしてしまった。いや人を見た目で判断してはいけないけど、ちょっと違和感…。
で、陛下はションヤンの相手役の卓氏。どこにでもいそうな冴えないサラリーマンつうか…別段恰好いい役でもないし実に、実に普通。「大宋提刑官 II」でも正直偉そうに見えない普通のおじさんな皇帝陛下だけど、この人普通な芝居が良いよw

ひと昔前、あるいは田舎を舞台にした映画だと思ってたら普通に現代だし(作られたのが10年前であっても)今の日本でもまったく変わらない雰囲気。だからこういう映画をわざわざ中国のを見る必要はないかな。日本でもごまんとありそうなドラマ。特に中国らしさとか中国だからというのはなかった。


TSUTAYA DISCAS
2枚ずつしか借りられない。そしてひと月に4枚借りねば損…。
5勝3敗2引分け。


ションヤンの酒家 (小学館文庫)/小学館

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原作は文庫本があるようだが、私はこの映画観て読む気にはならんなぁ・・・。



長いものに巻かれろ

「大宋提刑官 II」第三集18分あたりから。
湖州の新任知事の曹墨は公的資金横領の疑いで逮捕される。曹墨の妻・玉娘から龍が彫られた宝石を手渡された宋慈は、この宝石の出所を聞くため牢獄の曹墨を訪れる。

* * * * *

「宋さま、(こんな)深夜にあなたさまに来ていただくのは、本当に申し訳ないと思ってます。」
「貴方はこんな焼き芋(※1)を私に放り投げておいて、普通の人が穏やかに眠れるとでも?」
「ということは、玉娘はそんなにも早く宋さまにお会いできたのですね。私は安心しました。」
「十年前貴方達はひとつの苦難を乗り越えたが、困難を抱えた夫婦(※2)になるとは本当に思わなかった、まったく得難い事だな。」
「お恥ずかしい、全ては宋さまのおかげです。宋さまがあの時太平県で私のために冤罪を雪いで下さらなかったら私は今すでに刀を振り下ろされ(冤罪のために処刑された)亡者となっていたでしょう。」

※1 曹墨が玉娘に託した宝石のこと。厄介な代物→手を焼く物→焼きたての芋、という言葉遊び的な表現。
※2 曹墨は右腕がない障碍者のため「患難夫妻」と表現されるのかと思われる。


「(さらに)まったく、ある昔の言葉で言えることだ、大きな災難を逃れることができたならその後は必ず福がやってくる(災い転じて福となす)。貴方はあの時まさに生死に関わる関門をくぐり抜け、ようやく高中で状元となり錦の刺繍の(ように華やかで素晴らしい)将来(が約束されている)、なんと喜ばしいことか。」
「宋さま、冷やかさないでください。」
「私のいう事は事実ではないか。十年前貴方は自ら殺人事件を偽証しもう少しで(自ら)不当に命を落とすところだった。だがそれは閣下(曹墨)が無実の玉娘を助けたいとの想いから(彼女の)嫌疑を晴らし一人罪をかぶったことで、その徳のある行為は素晴らしいことだ。
しかし貴方が今回も型どおりの行いで(→前回と同じように)、また(実際に犯罪を)行った人の代わりに自ら罪を認めるつもりだというのなら、私はもはやどのような評価もすべきでない(→とても褒められたものではない)。」
「この曹墨は罪があると言えます。誰かがやった罪の身代わりとは言いません。私は本当にお話できることはないのです。」
「人に言えない秘密があると言った方がいい(→秘密があるのだろう)。」


「恩人どの、この曹墨が貴方さまに早くお会いしたかったのは、他でもないこの"焼き芋"のためなのです。玉娘がすでに恩人どのにお会いしたのであれば、この曹墨も安心しました。恩人どのはどうぞお帰り下さい。」
「貴方は私が深夜にここへ来て、十年前のように貴方のために判決を覆す(ために動いてくれる)とお思いなのか?私が提刑官として冤罪を(防ぐため)調べ(不当な罪の)執行をやめさせるのはすなわち天職だ。だがこれまで暇な事件を取り扱ったことは多くはない(→暇だったことは殆どない、忙しいのだ)。貴方がどうしてここで、何の罪を犯し生きるのか死ぬのか、私はこの件に対して何の関心もない。十年前に私が一度あなたを救ったからといって、二度目があるわけではないぞ。私がここへ来たのは、ただこの"焼き芋"のためだ。」
「宋さま、私は実はあなたよりも多く知っているわけではないのです。」
「そんなわけはなかろう。もし貴方がこの物(宝石)を(正体を調べるため)手に取ってみたりしなければ、どうして玉娘が私を求めて姿を現わしたというのだ(→貴方が玉娘にこの宝石を私に渡すように指示したのだろう)。」


「恩人どの、私はただ、この(宝石に彫られた)図形は、普通のものではないと思うのです。」
「もし普通のものだったら、貴方は(この)災いを私に押し付けぬであろうな。」
「恩人どののおっしゃる事は重要です(→本当だと思います)。」
「(私の)言う事が重いか重くないか(本当か本当でないか)は、この物になにかしらの秘密があればわかる。」
「実際私は本当にこの物(が何か)を知らないのです。ただ私は、もし宋さまがこの物に何も秘密がないと判断されるのなら、それ(宝石)にはきっと本当に何の秘密もないのだろうと敢えて言います(→宋さまがこの宝石に秘密はないようだと言うのなら単に私の思い過ごしでしょう)。」
「私は五穀雑穀を食べる普通の俗人で、神ではない。私は他に長じるところもなく、ただ一つ良い眼力を父母が授けてくだすった。その眼力をもってついにとある(気になる)点を見出した。」
「恩人どのは何を発見したのですか?」
「このひと塊(宝石)は、墓の穴の中から取られた皇家の物だ。」
「恩人どのは本当に神だ!」


「これはやはり墓の中の物だと言うのか。」
「その通りです。姜汝成はこの(宝石)のため悪い風邪(※)にかかりました。」
「悪い風邪とは?」
「あの時の大水害で一つの無名の墓塚が崩され流されてきて、骸骨が砂浜(河岸)に(流れ着いて)現れました。この物(宝石)はまさに、あの流れ着いた骸骨から取りはずしてきたものです。」
「貴方は姜汝成が悪い風邪にかかったと言ったが、またどうしてそうなったのだ?(→どうして骸骨の話から姜汝成が倒れることになったのか)」
「あの時姜汝成はこの墓塚について事情を知っているようでしたが、彼はあれ(骸骨)を見た後、(あの時)地にひざまずき、私がまさに彼に問いただそうとした時、突然一陣の悪い風が吹いて、姜汝成は突然倒れこんでしまい、気を失ってしまったのです。」

※この時代の風邪はただの感冒ではなく死に至るほどの重病難病を指す。陰風(邪悪な風)に当たることで発症すると信じられていた。


「大水害で誰かの墓塚が流されたため、墓の中の悪い霊魂を呼び起こしてしまった(ために病に倒れた)と言うのか。」
「姜汝成がふらついて地に倒れた時、その前に一言言ってました。」
「何と言った?」
「『天よ、我が大宋を滅ぼされるおつもりなのですか!』と。」
「その流れ着いた骸骨はどこにあるのだ?」
有姜老大人的前車之鑑(※)、地元の人は皆邪気にかかるのを恐れてます、骸骨はまだ砂浜(河岸)の上にあるはずだと思います。」
「曹墨よ、自分のために良くしなさい(ご自愛なさい)。失礼する。」

※「姜さまがあんなことになったので」という意味のはずだが…「前車の鑑」の訳がわからない。

* * * * *

まだ序盤でネタバレにはならないかなという所。いたって真面目なシーンだけど
中国語で見ると玉(宝石)の事を山芋山芋言ってるのがなんだか可笑しくって。


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