ウクライナは、軍事力の規模から考えてロシアには勝てない。

だから、ゼレンスキーは、早期にロシアに降伏するか、プーチンに大幅に譲歩してでも停戦に持ち込んだ方がいい

このまま、本土決戦(市街戦)が続くよりは、その方がはるかにマシだ。さもないと、戦闘の長期化によって、あまりにも多くの民間人が犠牲になってしまう可能性が高い。

なんといっても、自国の国土を戦場とする戦争が続くこと以上に悲惨なことはない。ウクライナの為政者は、何よりも国民の命を守ること、戦争を止めることをこそ、第一の使命とすべきだ。

 

テリー伊藤さんと橋下徹さんの主張は、要約すれば上記の内容になると思う。

もっともな考えだと私は思う。

もともと、この2人の政治的立場は180度異なる。橋下徹さんは右派リバタリアンだし、テリー伊藤さんは左派リベラルだ。しかし、なぜか、今回、ウクライナ戦争についての見解では、両者の意見が一致した。

そして、テレビ番組での討論相手だったウクライナ人学者、櫻井よしこさんなどに、猛烈に反発され、ネット上の言論においても、孤立無援の状態で、連日、猛烈な非難を浴びている。

 

私が不思議なのは、上記の主張は、本来なら、この国のリベラルの主流となるはずの当然の論理・主張であり、多くの日本人にとって、違和感が少ない考え方であるはずなのに、なぜ、彼らの主張は、今の日本でこれほどまでに孤立するのか、ということだ。

 

キエフに踏みとどまって、徹底抗戦を国民に呼びかけていることで、ゼレンスキーは、ウクライナのみならず西側諸国民にとっての英雄となった。

それは確かだが、戦後の日本人は、一般にそのような考え方をしてこなかった。戦後の日本人は、国のために自分も命がけで戦い、国民にも命がけで戦うことを呼びかける〝英雄〟には、強いアレルギーがあった

 

平和憲法を大切にする護憲派リベラルの徒であれば、普段通りなら「侵略するより、された方がいい」「殺すより、殺された方がいい」「戦うくらいなら、降伏した方がいい」「愛国心などいらない」と主張しているはずなのだ。

それなのに、今回に限っては、「絶対に降伏しない」「最後まで戦い続ける」と、断固たる意思で戦争を継続するゼレンスキーを、なぜ、彼らが褒め称えるのか、私には訳がわからない。

 

ウクライナでは、ソ連のスターリン統治下でホロドモール(ウクライナ飢饉)が起こり、数百万人が餓死させられた。スターリンの故意による計画的な餓死であったとも言われる。

だから、「死んでもロシアの支配下にはならない!」とウクライナ人は言う。 ロシアに降伏したら、国民は皆殺しにされると言うのだ。

 

しかし、である。

アイルランドでも、イギリスの支配下でジャガイモ飢饉があった。総人口の20%が餓死し、15%が国外に脱出した。

だからといって、北アイルランドの武力解放を目指したIRAが、絶対正義だったわけではない。 

 

中国にしても、数千万人の餓死者を出した大躍進があった。 その後は、多くの文化人・政治家・学者が拷問・虐殺され、軍の武器庫を襲った大学のセクト同士が、我こそが真の紅衛兵であると、大学構内で殺し合った、悪名高い文化大革命が10年も続いた。 元凶は、すべて毛沢東だ。

そして、今だに、中国は毛沢東親派の習近平の天下なのだが、だからといって、今、中国人民の大多数が不幸のどん底というわけではない。 

 

正義は常に相対的なものだ。

 

日本だって、本土決戦を叫んで、竹槍訓練していた頃は、ひめゆり学徒隊の少女が、武器も持たずにアメリカ兵に突撃して撃ち殺されていた。 10代の少女たちが、鬼畜米英に立ち向かって、無惨に殺されたのだ。

当時の日本人にとっては、その無謀な突撃が正義だった。

 

9世紀にノルマンの族長リューリクによって建国されたキエフ公国は、10〜11世紀のウラジミール1世の治世に全盛期を迎えた。ウラジミール1世は、ウクライナ各地のスラブ系部族を征服し、東ローマ皇帝の妹と結婚し、正教会派キリスト教を国教として導入した。

13世紀、スラブ系の大国であったウクライナは、当時世界最強の大帝国だったモンゴルの大軍にキエフを包囲された。降伏勧告を受けても降伏せず、徹底抗戦した末に、キエフは陥落した。このモンゴルとの戦いで壊滅的打撃を受けたことによって、ウクライナは衰亡し、それ以降、700年間、異民族の支配を受けることになった。

 

その一方で、当時の北方の辺鄙な田舎、現在のモスクワ近辺に住んでいたスラブ系弱小部族のロシア人は、戦わずにモンゴルに降伏し、その庇護のもとで、ロシア帝国の基礎を築いた。

自分達が、死力を尽くして戦った仇であるモンゴル人に可愛がられて力を増していくロシア人を見ているのは、異民族に虐げられていたウクライナ人としては、噴飯物の裏切り行為に思えただろう。

こうして、19世紀には、強大となったロシアが南下して、オスマン帝国からウクライナを奪取した。

 

ウクライナが、モンゴル帝国に徹底抗戦したことは、正しかったのだろうか?

 

正しい、間違っている、ではなく、それが民族の血のなせるわざだと言うのなら、それはそうかもしれない。どれほど絶望的な状況であっても死ぬまで戦い続けるのが、ウクライナの国民性だというなら仕方がない。

しかし、どの民族にとっても、歴史から学ぶということは大切だろう。

 

今回、プーチンはウクライナへ侵攻し、侵略者と呼ばれている。

侵攻・侵略は、間違いなく悪である。それは間違いない。けれども、100%プーチンだけが悪いのか、というと、そういうわけではないと思う。

プーチンは絶対悪ではない。プーチンを支持するロシア人の7割も然り。

 

実際、アメリカは、ウクライナへの核配備をちらつかせて、プーチンを心理的に追い詰め、ウクライナ侵攻へと誘導したが、これは、アメリカのお家芸とも言える典型的な他国操作のやり方だ。目的は、ロシアの立場を弱め、徹底的に叩くためだ。この目論見は、見事に成功した。

だから、ウクライナ戦争の責任は、アメリカ・NATOにもあるのだ。

 

例えば、真珠湾攻撃は、アメリカ人にとっては絶対悪だが、日本人からすれば、一概にそうとも言えない。当時、イギリスを助けてドイツを叩きたいローズヴェルトが、日本を石油禁輸措置で締め上げて、日本に対米戦を決断するように追い込んだのは事実だ。そして、「パール・ハーバー」のニュースを、アメリカの大戦参加を実現するために、ローズヴェルトが、国民を煽動するプロパガンダに利用したのも確かだ。

 

ちなみに今回、米連邦議会でのアメリカ人に向けての演説で、ゼレンスキーは、「真珠湾攻撃を思い出せ!」と呼びかけたが、アメリカ人に対しては実に効果的だった(※)と思う。

しかし、日本人からすれば、言いたいことは山ほどある。その言いたいことを集約すれば「太平洋戦争において、日本は絶対悪で、アメリカは絶対正義だったのか?」という疑問だ。

アメリカ人や中国人は、日本を絶対悪ということにしておきたいのだろうが、日本人からすれば、冗談ではない。

 

同じように、ロシア側から見れば、ゼレンスキーは、スラブ系民族の裏切り者だ。

ロシア人は、シリアやセルビアの例からわかるように、身内・味方は、とことん大切にする。何があろうと見捨てない。命がけで最後まで面倒を見る。たとえ悪であっても、決して見限ったりしない。裏切ることもない。その一方で、裏切り者に対しては容赦がない。敵には冷酷で残虐だ。地の果てまで追いかけてでも殺す。

ロシア人は、熱いハートの持ち主ではあるが、身も凍るほど恐ろしい面もある。

冷酷な面もあるが、だからと言って、人間として、まったく信頼できない人たちというわけではないし、温かい思いやりがないわけでもない。

 

結局、ゼレンスキーとウクライナ人が、100%正義というわけではないのだ。

ウクライナにウクライナの正義があるように、ロシアにもロシアの正義がある

アメリカ、特にバイデンと民主党とCNNなどリベラル・メディアが、ゼレンスキーとウクライナへの強烈な贔屓をするのは、彼らなりの動機や目論見があるためだ。

日本のメディアも、そうした海外リベラル・メディアの強い影響下にある。したがって、日本の報道姿勢も、大概、偏向している。

彼らの合言葉は「自由と民主主義を守れ!」「侵略者を許すな!」「弱者に寄り添え!」というものだ。こうしたスローガンは、西側諸国においては絶対正義だが、それ以外の国々では、必ずしも、絶対的な価値を持つものではない。

 

右派コミュニタリアンの私の感覚では、ウクライナの姿勢も、プーチンの決断や行動も、いずれも理解できるし、いずれの正義も、納得できるものだ。逆に、アメリカの思惑こそが、曲者だと思う。

一方で、右派リバタリアンの橋下徹さんとしては、プーチンの決断や行動は認められないが、成人男性の国外脱出を禁じたゼレンスキーの方針も間違っていると主張しているように思える。それは、市民の自発的な愛国心の発露を求めるものではない。むしろ、国家によるナショナリズムの押し付けだ。

ゼレンスキーが、「オレは逃げない!」「みんな、逃げないで戦え!」と言えば、暗に「今すぐ、戦争を終わらせて!」という国民の正直な声を封じてしまう。これは、国家による抑圧だ。個人の純粋な自己責任による決断を邪魔する、このような事態を嫌って「ウクライナ人は、男性も、どんどん逃げるべきだ」と橋本さんは言う。

アメリカがプーチンをウクライナ侵攻の決断へと追い詰めた手腕は、見事だが憎たらしいと思っているのだろう。「『ウクライナ人、頑張れ!』って、いつまで頑張らせるんだ、そんなことを外野から言うくらいなら、アメリカも欧州も、戦闘機も送れ、自分も戦え!」と言う。画策した本人たちが、火の粉をかぶるべきだと言いたいのだと思う。

さらに、左派リベラルのテリー伊藤さんからすれば、プーチンの行動は言語道断ではあるが、アメリカやNATOもまったく信用できないと思っているかもしれない。その上で、ゼレンスキーは、国民を犬死させるべきでないと主張している。「ウクライナとロシアでは、戦ってもウクライナは勝てないから、犠牲が増える前に、戦うのはやめるべきだ」「降伏も止むを得ない」と言うのだ。いかにも、日本の左派リベラルらしい考え方だと思う。

 

そして、テリー伊藤や橋下徹の言い分は、どちらも間違っているとは言えないのではないか、というのが私の感覚だ。

少なくとも、私は、「戦争の犠牲者を減らすことに最善を尽くすことこそが、為政者の最重要の使命だ」という彼らの言い分には、それぞれに一理あると思うのだ。少なくとも、彼らの寄って立つ思想的立場は、少しもぶれていない。

それに対して、二人の言動に対して批判的な人々の主張には、「ウクライナは絶対的な正義だ」と信じ込む、危ういナイーブさを感じずにはいられない。二人を批判する側こそ、実は、思いっきりブレており、バイアス(偏見・偏向)がかかっているのではないか?

 

 

 

 

※ウクライナのゼレンスキー大統領が、今度、日本の国会で、キエフからリモート演説をする時には、「広島・長崎への原爆投下による無差別殺戮、東京大空襲の市民への無差別爆撃を思い出せ!」「この痛みは、経験した者にしかわからない!」「日本人は、ウクライナを無視できないはずだ!」と、訴えるかもしれない。

また、もし、そう言わないなら、なぜ、米連邦議会でアメリカ人に対しては「9.11、真珠湾攻撃を思い出せ!」と強烈に煽ったのか、意味不明である。

ともかくアジテーションが巧みな大統領ではある。

魅力あふれる挙動で周囲を魅了し、巧みな言動で相手の痛いところを突き、自分の破滅を目の前にして綱渡りを楽しむ。

度胸満点で、才気煥発で、危機が迫るほどエネルギッシュになる。

それが、サイコパスの特徴でもある。

「金よりも武器をよこせ!」

「オレは最後までキエフにとどまる!」

「みんな、武器を取れ!」

「18歳以上60歳未満の男は、全員、国を出ずに戦え!」

正義の男。勇敢な戦士。英雄的リーダー。

もはや、誰も彼に逆らえない。

知らず知らずのうちに、誰もが彼の動きに巻き込まれる。そして、それと知らずに操られる。

熱狂の中、血が流され、命が失われる。

彼こそが、現代のハメルーンの笛吹きだ。

そう考えるのは、杞憂だろうか。

 

 

 

 

バイデンは、ロシア軍のウクライナ侵攻前から、「たとえ何があろうと、アメリカは、ウクライナに派兵しない」と公言していた。侵攻後も、「ウクライナに軍を送ることはしない」と、繰り返し言い続けている。

バイデンは、初めから「アメリカは、血を流すリスクを負わない」「紛争には関わらない」と、一線を引いているのだ。

だから、ポーランドの大統領が何を言おうと、NATO軍のウクライナ派兵は絶対にあり得ない。アメリカ及びNATOは、ウクライナ紛争に直接手を出す気は一切ないということだ。

 

その一方で、アメリカは何年も前から、ウクライナへの核の設置可能性をちらつかせて、ロシアを挑発し、あたかもNATOがウクライナの加盟を認めるかのように気を持たせて、ウクライナを誘惑してきた。

プーチンが、ウクライナ=アメリカ同盟に疑いを抱き、ロシアの安全保障に危機意識を強く感じて、心理的に追い詰められるように、徐々に追い込んでいったのだ。そして、巧妙な策略をもって、見事にロシア軍のウクライナ侵攻を誘導した

その意味では、プーチンは、バイデンにうまく嵌められたのだ。

 

アメリカの目的は、ウクライナで調査が進展中だったバイデンの息子のロシア疑惑をうやむやにしてしまうこと、バラバラだったNATO軍の結束を図ること、国際世論と経済封鎖と消耗戦でロシアを徹底的に叩くこと、中間選挙に向けて、これまで低迷中だった国内のバイデン人気の回復を図ること。この四つだ。

現在までのところ、これら四つの目的は、見事に達成されつつある。戦争が続くにつれて、バイデンの顔色が良くなり、生気に満ちて、イキイキしてきていることからも、そのことがよくわかるだろう。

 

結局のところ、ゼレンスキーは、アメリカの駒として、アメリカの国益に都合よく動くように、うまく焚きつけられ、利用されただけだ。

ウクライナ市民の犠牲者の映像や情報は、今、現在、余すところなく、アメリカの利益になるように、世界中でのプロパガンダに使われている。

バイデンとしては、ウクライナ紛争が長引けば長引くほど、アメリカの国益に適うことになるので、紛争の早期解決に力を尽くすことなど考えていない。

その意味では「絶対に降伏せず、あくまでも徹底抗戦する」と国民を鼓舞するゼレンスキー大統領は、アメリカにしてみれば、非常にいい仕事をしてくれているわけで、大いに評価しているはずだ。

 

中国とインドは、この状況の意味するものを、ほぼ正確に理解しており、自らに火の粉が飛んでこないように、極めて冷静に、情勢の推移を眺めている。中印にしてみれば、「ロシアの味方をしている!」と西側諸国の批判の矢面に立つのは御免被るが、アメリカの世界戦略に乗って、わざわざアメリカを利する上に、ロシアの恨みを買うのも馬鹿らしいし、腹立たしい。

だから、中国・インドは、うまく中立を保って見せている。ウクライナにも、ロシアにもつかない。立場を敢えて鮮明にしないのは、賢いやり方だ。

 

NATO諸国の思惑については、決して一枚板ではないと思われる。

ロシアに隣接するバルト三国やポーランドなどと、イギリス・フランス・ドイツなどとは、相当に温度差があるようだ。

特に、フランスとドイツは、表立ってはアメリカに反抗はしないが、バイデンの思惑や画策については、かなり苦々しく思っている面もあるだろう。内心は「これ以上、アメリカの思い通りにさせてなるものか」と、憤っている面もあるかもしれない。

 

しかし、どこよりも無邪気にナイーブに、アメリカ民主党系CNNなど、西側メディアのプロパガンダを素直に信じ込み、欧米発進の情報を無批判に取り込んで、〝プーチンは絶対悪〟だと迷いなく思い込み、ロシアと国境を接している自国の地政学的な微妙さや危険を省みることなく、思い切ったロシアへの経済封鎖とウクライナ支援に突き進み、ロシアに完全に敵認定されてしまったのが、世界から〝お花畑〟の〝お嬢さま〟と呼ばれる我が国日本である。

ほとほと愛想がつきそうなほどの頭の悪さ、国際感覚の鈍さだ。

 

ロシアに敵認定されても、アメリカの場合は、痛くも痒くもない。NATO諸国も、集団安全保障の性質上、日本ほど脆弱ではない。

しかし、アメリカの犬となった〝スラブの裏切り者(←とロシアからは見えている)〟ウクライナの肩を持って、東アジアで唯一、周囲から孤立して、ロシアを完全に敵に回してしまった日本は、そう安心できる状況ではない。

ウラジオストクのロシア艦隊は、日本を敵として行動を開始している。日本は、アメリカにハシゴを外されたら、核大国ロシアに対抗する術がない。

 

シリアのアサド政権やセルビアの例からも分かるように、ロシア人は、いったん味方・身内として認めた者は、何があろうと絶対に見捨てない。家族や身内には、甘々で、本当に甘やかす。失敗しようが悪かろうが、責めないし、裏切ることもない。

だが、敵に対しては、恐ろしく冷淡で残虐にもなれる。特に、裏切り者には容赦しない。トロツキーもそうだが、たとえ外国に逃げようと、地の果てまで追いかけて行って始末する。絶対に許さない。

それが、ロシア人の国民性だ。決して、プーチンが特別なわけではないのだ。

 

繰り返すが、今回、日本は、ロシアに敵認定されてしまった。

アメリカの存在感が目に見えて低下していく中で、ロシアを完全に敵に回すことの危うさを、岸田内閣は、多少なりとも自覚しているだろうか。

もし、その自覚がまったくないのだとしたら、あまりにもロシア人について無知すぎる

同じことは日本国民にも言える。『この国民にしてこの内閣あり』だ。

国民が阿呆だから、内閣が抜け作になる。どうしようもない。

 

プーチンのロシアは、アメリカに嵌められた。そして、その負債を、今、払わされている。

今、相当に窮地に追い込まれているだろう。

だが、持ち前の頑固さと意地の強さと忍耐力で、あくまでも強気を崩さず、ケンカで絶対に引かないのが信条のロシア人は、この危機を乗り越えるだろう。

加えて、ロシア人は、経済制裁と国際世論の非難には、冷戦時代以来、慣れている

それに、いよいよ危なくなったら、中国は必ずロシアを助ける。

だから、ロシアは耐え抜くだろう。

 

しかし、日本が、愚かな判断をした代償を払うのは、まだまだこれからだ。憂鬱な話である。

自国の安全保障は、すべてアメリカ頼りという、依存性が強く、ひ弱なこの国の国民は、危機に際して、ウクライナのように、ロシアのように雄々しく踏ん張ることができるだろうか

とてもそうは思えないというのが、正直なところである。

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キエフの陥落は、ほぼ確定事項である。 

ロシアとウクライナでは、人口で3倍以上、経済力・軍事力で10倍以上の差がある。

かつてのアメリカ軍と旧日本軍との太平洋戦争の戦いより、はるかにウクライナに分が悪い。圧倒的な戦力差である。

甚だしい戦力差を、愛国心でカバーできるものではない」ということは、かつてアメリカと戦った日本人が1番よく知っている。

しかも、ウクライナは、すでに本土決戦が行われている状況だ。

実際、今、おこなわれている市街戦では、民間人の死傷者がいたずらに増えるばかりだ。

 

戦いの素人である国民に、火炎瓶の作り方を指南して徹底抗戦を呼びかけるゼレンスキーは、竹槍で本土決戦を叫んだ旧日本軍と変わらない。 

強大な敵に怯まぬ、大和魂ならぬ、ウクライナ魂のありようは、勇ましいこと、この上ないが、国民の命を守る責任を負う指導者としては、勝てる見込みのまったくない戦いの業火に、全国民を突入させるのは、蛮勇を超えて、無謀で浅はかと言うより他ない。

 

以前は、そこまで思わなかったが、事ここに至り、最近では、私は、失礼を承知で言わせてもらうが、ゼレンスキーはサイコではないかと思うのだ。

首都キエフにとどまるという、自分の命をかえりみない勇敢さは立派だが、他人の、特に国民の命をかえりみない方策を選択するのは、為政者として許されるものではない。

どれほどの犠牲を払おうとロシアには屈しない」と、口で言うのは簡単だが、実際にそれをやってしまっては話にならない。

 

旧日本軍とは異なり、ウクライナには、西側の援助があり、ロシアは世界的な経済包囲網に晒されている。日中戦争に例えると、言わば、ウクライナに援蒋ルートがあり、ロシアはABCD包囲網が狭まっている状況ではある。

 

しかし、中国の習近平は、ロシアへの経済封鎖には参加しないと、西側の要請をはねつけた。さらに、習近平は、プーチンが、NATOの東方拡大を、ロシアの安全保障上の重大な危機と捉えたことに、一定の理解を示した。中国もまた、アメリカの影響力が、ユーラシア大陸で、これ以上、大きくなることに、危機意識を抱いているからだ。

 

今のところ、中国・インドのアジア二大国は、ロシアを見捨てる気配はない。だから、ロシアは、容易に屈服しないだろう。経済封鎖に慣れているロシア人は、辛抱強く、長く耐えるに違いない

その間も、否応なく戦いが続くことで、この先、ウクライナ国民にどれだけの犠牲が出るか、想像もつかない。

現在の戦況は、決して、ウクライナ国民に、希望を持たせてくれるものではない。

 

アメリカのバイデンも、ドイツのシュルツも、自分たちは安全な地にいて、命を脅かされているウクライナ国民に向かって、頑張れ、頑張れと、火に油を注ぐように、あるいは輸血を繰り返すように、武器や食糧を提供し、どこまでも戦わせようとするのは無責任も甚だしい。

ジョー・バイデンもカマラ・ハリスも、急に生き生きとして見える。他人の不幸が実に嬉しそうではないか。ロシアを叩くことでNATOの結束を図り、低迷していた支持率も上がり、これで選挙に勝てると思っているのだろう。

「他人の戦争で遊ぶな!」と言いたい。 

 

そもそも、NATO加盟によるウクライナへの核設置の可能性をちらつかせて、ロシアを挑発した黒幕は、巧妙かつ老獪に、ゼレンスキーを焚きつけ、「核を持つぞ!」と、暗にロシアを威嚇させたバイデン自身だろう! 

ゼレンスキーは、アメリカにとって、大変利用価値のある有用な駒になっているが、ウクライナ国民にとって、果たしてそれでよいのだろうか。

アメリカは、ロシアの攻勢を防いではくれない。バイデンは「何があっても派兵しない」と言う。EUも、「ウクライナのEU加盟には、長い年月がかかるだろう」と言う。ウクライナは、欧米にハシゴを外されたかたちだ。この状態で、徹底抗戦は、無謀に過ぎるだろう。

ゼレンスキーは、国民を袋小路に誘うハメルンの笛吹き男になってはいないか?

 

アメリカのブリンケン国務長官は、「最終的にはウクライナが勝つんじゃないか?」と、ひどく呑気で無責任な発言をしたが、そう簡単にはいくまい。

最終的な勝利とやらのために、どれほどの犠牲を払うつもりだ?

その犠牲がアメリカ国民の命であっても、ブリンケンは同じことが言えるのか?

 

第一に、ロシアが、そう簡単に負けを認めるものか! 

ウクライナは玉砕戦法のしぶとさだが、ロシアのしぶとさは、もう一味違うと思う。

そもそも国民の過半数は、プーチン支持だ。

2月28日の世論調査では、国民の68%がウクライナ侵攻を支持しており、反対は22%だったという。プーチン大統領の支持率も71%に上昇している。※

ロシア国内の反プーチン勢力に、それほど力があるとは思えない。 

だから、戦争は続くのだ

 

ウクライナの国民の犠牲を肴にして、世界中の強国のお偉方たちが、身勝手に、どんちゃん騒ぎを続けている。

そして、その煽りをくうのは、世界中の名もなき庶民たちだ。

原油価格は上昇し、航空機の航路は遠回りに変更され、地政学リスクによって、日本株は低迷する。

なぜ、バイデンの号令で、日本もロシア叩きに動かなければならないのだ?

 

ロシア、中国、北朝鮮と向き合う日本の地政学リスクは、半端ではないのだ。しかも、どの国とも領土紛争を抱える日本の地理的緊張の際どさは、シャレにならない。

そのストレスを感じないのは、国際関係に恐ろしく鈍感な日本人ぐらいだ。

私は、日本がロシアとコトを構えるのはよろしくないと思う。

 

戦争は終わらない

ウクライナは、外部から装着された人工臓器や輸血に頼りながら、全身に癌細胞が転移して、断末魔の悲鳴を上げ続ける。

ロシアは、経済制裁と戦争の膠着によって、真綿で首を絞められるように、徐々に追い詰められる。

やがて、ロシアの恨みは日本に向かうかもしれない。

 

一般的に、ロシア人は、アメリカは大っ嫌いだが、日本のことは大好きだ。これは、ソ連時代から続く、ロシア人の、かなり、伝統的な感覚・情緒なのだ。 

プーチンにも、そういう反米・親日の情緒を持つという面が、少なからず、あるのではないかと思う。 

北方領土についても、「日本には返してもいいのだが、島に米軍基地が置かれるのは絶対に許さない」というのがロシア人の本音。 また、実際、「返還された北方領土には米軍基地が置かれるかもしれない」と日本の外交官が言っちゃったもんだから、ロシアの態度は急激に硬化して「返さない!」となったのだ。 

今回も、西側の制裁に足並みを揃える日本にだけは、プーチンは、情緒的に、裏切られた感を持つかもしれない。 

そういう微妙なところが、多くの日本人には、わかっていないんじゃないかな。

 

目に見えて力が衰えていくアメリカが、今よりさらに内向きになり、東アジア情勢に関心を失っていったとしよう。

その時、プーチンが北海道に侵攻したら、あるいは、習近平が尖閣に侵攻したら、どうだろう。

その時、バイデンは、今と同じように、日本に対しても「頑張れ、頑張れ」と言うかもしれない。

バイデンならば「第三次世界大戦を起こさないため、アメリカは、紛争には直接介入しないが、最大限の援助を日本に与えるつもりだ」などと言う可能性は大いにある。

これは、台湾有事の際には、なおさら言えることだ。

いずれ、ウクライナに次いで、台湾はもちろんのこと、日本もまた、アメリカに、ハシゴを外されるかもしれない。

日米同盟に、依存しすぎないことだ。

 

結局、日本が、独自の核抑止力を持つことを目指す以外に、現状を打開するすべはない。

 

 

 

※プーチンの支持率については、独立系の世論調査機関でも政府系世論調査機関でも、ウクライナ侵攻前には60%台だったのが、侵攻後は10ポイント上昇し、70%台になっている。いずれにしても、国民の過半数(およそ7割)が、ウクライナ侵攻後も、プーチンを支持しているという状況は、現実として認めなければならないだろう。

ファンタジー オールタイムベスト120

 

1位   クラバート             プロイスラー

2位   ナルニア国物語           C・S・ルイス

3位   ゲド戦記1・2・3                              アーシュラ・K・ル・グウィン

4位   石の花               バジョーフ

5位   風の妖精たち            メアリ・ド・モーガン

6位   オズの魔法使い           ライマン・フランク・ボーム

7位   グリム童話集            グリム兄弟

8位   魔女とふたりのケイト        キャサリン・M・ブリッグス

9位   忘れ川をこえた子どもたち      マリア・グリーぺ

10位    思い出のマーニー          ジョーン・G・ロビンソン

 

11位    不思議の国のアリス         ルイス・キャロル

12位    トムは真夜中の庭で         フィリパ・ピアス

13位    ジャングル・ブック         キップリング

14位    時の旅人              アリソン・アトリー

15位    ガリバー旅行記           スウィフト

16位    はるかな国の兄弟          リンドグレーン

17位    ニルスのふしぎな旅         セルマ・ラーゲルレーヴ

18位    ハウフ童話集            ハウフ

19位    妖精ディックの戦い         キャサリン・M・ブリッグス

20位    ピノッキオの冒険          カルロ・コッローディ

 

21位    みつばちマーヤの冒険        ワルデマル・ボンゼルス

22位    モモ                ミヒャエル・エンデ

23位    バンビ               フェリークス・ザルテン

24位    北風のうしろの国          ジョージ・マクドナルド

25位    アラビアン・ナイト         ディクソン編

26位    アンデルセン童話集         アンデルセン

27位    長靴下のピッピ           リンドグレーン

28位    とぶ船               ヒルダ・ルイス

29位    魔法のベッド            メアリー・ノートン 

30位    人形の家              ルーマー・ゴッデン

 

31位    グリーン・ノウの子どもたち     ルーシー・M・ボストン

32位    ほらふき男爵の冒険         ビュルガー

33位    ドリトル先生航海記         ヒュー・ロフティング

34位    ウォーターシップダウンのウサギたち リチャード・アダムス

35位    かるいお姫さま           ジョージ・マクドナルド

36位    さすらいのジェニー         ポール・ギャリコ

37位    信じられぬ旅            シーラ・バーンフォード

38位    森は生きている           マルシャーク

39位    幸福な王子             オスカー・ワイルド

40位    イワンのバカ            トルストイ

 

41位    ミオよ、わたしのミオ        リンドグレーン

42位    おとぎ草子             大岡信

43位    西遊記               呉承恩

44位    ジェニーの肖像           ロバート・ネイサン

45位    ゲイルズパークの春を愛す      ジャック・フィニイ

46位    7つの人形の恋物語         ポール・ギャリコ

47位    ペロー童話集            ペロー

48位    だれも知らない小さな国       佐藤さとる

49位    冒険者たち ガンバと15ひきの仲間   斎藤惇夫

50位    龍の子太郎             松谷みよ子

 

51位    ピーター・パンとウェンディ     ジェームス・M・バリー

52位    夢を追う子             ハドソン

53位    北欧神話              P・コラム

54位    水滸伝               施耐庵

55位    南総里見八犬伝           滝沢馬琴

56位    ドン・キホーテ           セルバンテス

57位    はてしない物語           ミヒャエル・エンデ

58位    クリスマス・キャロル        ディケンズ

59位    ささやき貝の秘密          ヒュー・ロフティング

60位    大力のワーニャ           プロイスラー

 

61位    マチルダは小さな大天才       ロアルド・ダール

62位    星の王子さま            サン・テグジュペリ

63位    夢の国をゆく帆船          ロバート・ネイサン

64位    愛のゆくえ             ブローティガン

65位    笑いを売った少年          ジェイムス・クリュス

66位    喜びの箱              ジョン・メイスフィールド

67位    シートン動物記           シートン

68位    三人のふとっちょ          ユーリイ・オレーシャ

69位    宝のひょうたん           張天翼

70位    イギリスとアイルランドの昔話    石井桃子編

 

71位    リトルベアー            リード・バンクス

72位    アーサー王と円卓の騎士       シドニー・ラニア

73位    十二国記              小野不由美

74位    守り人シリーズ           上橋菜穂子

75位    光車よ、まわれ!          天沢退二郎

76位    デルフィニア戦記          茅田砂湖

77位    ふしぎなオルガン          リヒャルト・レアンダー

78位    アトランの女王           ジェーン・ギャスケル

79位    クシエルの矢            ジャクリーン・ケアリー

80位    魔術師の帝国            レイモンド・E・フィースト

 

81位    キノの旅              時雨沢恵一

82位    マリオンの壁            ジャック・フィニイ

83位    青い鳥               メーテルリンク

84位    コーンウォールの聖杯        スーザン・クーパー

85位    終末期の赤い地球          ジャック・ヴァンス

86位    シャンブロウ            C・L・ムーア

87位    ターン               北村薫

88位    大江戸神仙伝            石川英輔

89位    狼男だよ              平井和正

90位    家族八景              筒井康隆

 

91位    カメレオンの呪文          ピアズ・アンソニイ

92位    リプレイ              ケン・グリムウッド

93位    ハリー・ポッターと賢者の石     J・K・ローリング

94位    リリス               ジョージ・マクドナルド

95位    杜子春               芥川龍之介

96位    夢館                佐々木丸美

97位    竹取物語              作者不詳

98位    古事記物語             福永武彦

99位    フィオリモンド姫の首飾り      メアリ・ド・モーガン

100位  ギリシャ神話

 

101位  葬送のフリーレン          山田鐘人/アベツカサ

102位  妖精国の騎士            中山星香

103位  異世界居酒屋「のぶ」       ヴァージニア二等兵/蝉川夏哉/転

104位  ポーの一族             萩尾望都

105位  異世界ピクニック          宮澤伊織/水野英多/shirakaba

106位  漂流教室              楳図かずお

107位  ベルセルク             三浦建太郎

108位  クレイモア             八木教広

109位  本好きの下剋上           香月美夜

110位  シルクロード・シリーズ       神坂智子

 

111位  クリスタル☆ドラゴン        あしべゆうほ

112位  BUD BOY                                        市東亮子

113位  死役所               あずみきし

114位  じいさんばあさん若返る       新挑限

115位  ダークグリーン           佐々木淳子

116位  ワン・ゼロ             佐藤史生

117位  イティハーサ            水樹和佳子

118位  観用少女              川原由美子

119位  百億の昼と千億の夜         光瀬龍/萩尾望都

120位  はみだしっ子            三原順

 

 

 

※自分の熟読・完読したものに限り、独断と偏見によるベストです。101〜120位までの20作品は、すべて漫画作品です。内容は、私が読んでファンタジーと感じたものを、ファンタジーとして選出しました。

また、明らかに、これは名作であると知っていても、自分が読みきっていないものは、選びませんでした。代表的なものとしては、トールキンの「指輪物語」「ホビットの冒険」があります。