2月1日、デンマークが、ワクチンパスポート、マスクの義務化、行動制限、休業要請など、あらゆる規制を撤廃しました。「もはやコロナは、社会生活を脅かす感染症ではない」という判断です。

その判断は正しいと思われます。なぜなら、たとえオミクロン株において、デルタ株と同程度の死者数がカウントされ、メディアが「オミクロンもデルタなみに怖い!」と言いたてたとしても、その数字の意味する中身がまるで違うからです。

もともとコロナの死者数は、厚生労働省の方針で、老衰や癌や脳卒中や交通事故など、コロナ以外の原因で亡くなった人も、コロナに感染して陽性であれば、無条件で、すべてコロナ死者数としてカウントされてきました。

この場合、当然ですが、感染者数の母数が大きければ大きいほど、コロナ以外の死因で亡くなった人をコロナ死者としてカウントする数字が増えることになります。

そして、オミクロン株の感染力は非常に強く、そのため、感染者数は、デルタ株とは比べ物にならないほど増えています。総人口が日本の20分の1以下のデンマークでも、1日の新規感染者数は5万5000人を超えています。日本でならば、1日に100万人以上の感染者が出ている状況です。また、デンマークのコロナ死者は直近1週間の1日平均で20人ぐらいです。日本と同じ人口規模の国であれば、1日で400人以上亡くなっている状況です。

しかし、感染者の母数が増えているわけですから、当然、コロナ以外の死因で亡くなった人が、コロナ死者としてカウントされる数も、相当に増えているはずです。

しかも、オミクロン感染者の重症化率は、デルタ株よりかなり低く、ウイルスの弱毒化は明らかです。デンマークでも、集中治療室に入院する人の数は、感染者数の圧倒的な増加にも関わらず、それほど増加していません。

ですから、オミクロン株のコロナ死者数のかなりの部分が、死因がコロナ以外の原因の人をカウントしたものと考えられます。そのことを、デンマーク政府は把握しており、その上での規制解除の決断だったと思われるのです。

日本政府も、その辺の細かい数値の質の差に早く着目して、正確なデータを集めるようにしないと、いつまでたっても科学的に正しい判断ができないままです。発症致死率とかも、恐ろしくいい加減な水増しパーセンテージになっているわけです。これでは「正しく恐れる」ことなどできません。

例えば、1月の山梨県のコロナ死者は6人ですが、重症者はゼロです。1ヶ月間、重症者がいないのに、なぜ死者が6人もいるのかというと、直接の死因は、6人ともコロナではないからです。単に、死亡時にコロナ陽性だっただけです。

けれども、「コロナの死者6人」と言われれば、「コロナが原因で亡くなった人が6人」と、誰でも思ってしまいます。ですから、この「山梨県の1月のコロナ死者6人」という情報は、一種のデマ情報ということになります。

沖縄では、現在、オミクロン感染のピークは過ぎていますが、これまでに死者は9人発表されています。そのうち7人は、いずれも90代の男女です。死因については公表されていませんが、十中八九、コロナが直接の原因ではないと推測されます。

ちなみに沖縄県専門家会議座長藤田次郎氏によると、現在(2月6日)までの第6波における沖縄県の感染者は3万人で、実際の死者は2人、重症者は現時点で5人だそうです。感染致死率は0.007%になります。これまでの行政の発表とは全く違う数値です。このデータから考えると、日本人にとっては、オミクロン株の脅威は、季節性インフルエンザレベル(感染致死率0.1〜0.001%)の範囲内と考えられます。

また、上記したように、日本では、コロナが直接の死因でなくとも、死亡時に陽性であればコロナ死としてカウントしているのに対して、インフルエンザに関しては、直接の死因がインフルエンザでないものはカウントしません。同じ基準でカウントしていない数値を比べても、そもそも意味がないとも言えます。インフルエンザと同様の基準で、オミクロンの死者をカウントしたら、死者数は半分以下になってしまうでしょう。

そもそも日本は、欧州の優等生であるデンマークと比較しても、人口あたり累計では、圧倒的に重症者・死者が少ないのです。ブースター接種率61%というデンマークより、ブースター接種率5%の日本の方が、第6波の現状においても、致死率が低いのです。さらに、日本国内(ワクチン2回接種率79%)で、もっとも接種率が低い沖縄県(65%)が、早々にピークアウトしました。南アフリカ(ワクチン2回接種率28%)でのオミクロン早期収束の例と同様に、ワクチン接種率と感染の収束が、データ上、まったく連動しない例の一つとなっています。

それでも、メディアや野党は、あらゆるデータを無視して「ブースター接種が遅いから、オミクロンで医療崩壊の恐れがどうのこうの」と騒ぎ続けるのですから、これは、製薬会社の陰謀か、医師会のデマゴークか、日本沈没を目指す勢力の企みか、専門家の傲慢さゆえか、ともかく「日本人にコロナを異常に怖がらせよう」という宣伝工作が、なんの批判も受けずに、まかり通っているとしか思えない状況です。

「オミクロン怖いよ〜、重症化するよ〜、みんなブースター打ちなさいよ〜、死んでも知らないよ〜、子どもも、みんな、ワクチン打ちなさいよ〜、マスクもしなさいよ〜」というわけです。

ところが、コロナ感染に関しては、度重なるワクチン接種によって人工的に獲得される抗体免疫より、東アジア圏の人がもともと持っていた免疫力の方が強いことは、統計資料から明らかなのですから、この脅しは、あまり適切ではありません。

デンマークが、「もはやコロナは脅威ではない」と判断できるなら、日本は、より容易に積極的に「もうコロナは怖くない」と言えるはずです。政府は、早急に感染症2類相当から5類に指定を変更するべきです。

オミクロンの次にくる変異株は、さらに弱毒化するでしょう。そうなれば、ただのコロナ〝風邪〟です。

幼児にマスク着用義務とか、世界から180度逆行する日本。何をどう考えたら、そうなるのだろうか。マスクは幼児にとっては、コロナよりはるかに危険なんですが。「2歳児に無理なくマスク着用は可能」と誰が判断するのでしょうか。幼児にマスクを強要して、何かあれば、それこそ責任問題になります。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない(マスク、みんなですれば怖くない/ブースター、みんなで打てば怖くない)」と、国家規模の集団ヒステリーを起こして、悪魔の方針を打ち出すのはやめて欲しい。

メディアも、学識者も、こういう迷走を止めるのが使命でしょうに、ブーストさせてどうするんですか。

 

 

2月2日(概算)

国名    1日の新規感染者数 1日の新規重症者数 1日の死者数 総人口

デンマーク  5万5000人     40人       20人      583万人

日本     9万5000人     25人       50人   1億2580万人