Santo, Subito! 〜 その2 福者カルロ・アクーテイス | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。


2006年、白血病のため15歳の若さで帰天されたイタリア人尊者カルロ・アクーテイスが2020年10月10日アッシジににて「福者」に列福された。
 
そして去る7月2日、ヴァチカンにて、列聖案件をめぐる枢機卿会議を開催され、福者カルロ・アクーテイスをはじめとする15名の福者の列聖が承認されたのは記憶に新しい。
 
カルロ以外の14名の列聖の日取りは10月20日ということだが、カルロだけはまだ未発表。
 

カルロは、「ミレニアル世代」の最初の聖人として注目を浴びている。

 

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その彼が通ったパロッキア(小教区教会)であるサンタ・マリア・セグレータ教会でに出かけてきた。仕事の前後の時間だとしまっているので、午前中買い物がてら足を伸ばしてみた。「最後の晩餐」のサンタ・マリア・デッレ・グラッツィア教会とは目と鼻の先の位置。
 

 

教会には映画館や劇場が併設されているところもあるが、この教会は流石にお金があるのだろうか?立派な映画館であった。

 


教会の入り口には、「カルロ・アクーテイスまもなく聖人に!」とあり、ミラノの若い福者の取り成しによって起きたイタリアに留学中であったコスタリカ人女性の奇跡に関する教令がパパ様によって承認された、と補足されている。



 
フィレンツェに留学中であったヴァレリア・バルベルデさんは、2022年7月2日自転車事故に遭い、頭部に瀕死の重傷を負った。脳内の圧力を軽くするための緊急開頭手術を受けたものの、命を取り留めることはとても難しいと言われていた。

 

母親のリリアナさんはすぐさまカルロ・アクーティスに執り成しを祈ると共に、7月8日にアシジに巡礼し、カルロの墓に癒しを願う手紙を残したと言う。

 

手紙を残したまさにその日、ヴァレリアさんは自発呼吸を取り戻し、翌日には上半身の機能が回復、少しだけながら会話もできるようになったのだそうだ。

 

7月18日、ICUから一般病棟に移ると共に、CTスキャンにより脳挫傷が消えたことが確認。8月11日から始めたリハビリは、なんとたった1週間で卒業してしまったのだという。

 

ヴァレリアさんはあっという間に健康を取り戻すと、9月2日、母親のリリアナさんと共に、完治を感謝する巡礼に出た。

 

いやいや、科学的には証明できない「奇跡」というものは起こる。必ずしも超常現象のようなものではなく、自然現象、人間の活動、ただの偶然などでは説明のつかない出来事が「奇跡」と呼ばれるわけだが、だからといって、キリスト教は奇跡を云々する教えではない。

 

ところで、お昼過ぎの教会内は誰もおらず、そろそろ門を閉める時間なのだろうか?お御堂の向こう側から鍵を鳴らしながらやって来る人の足音が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

カルロは、9歳の時からご聖体の奇跡に着目し、世界各地で起きた「ご聖体の奇跡」を紹介するWEBサイトを一人で立ち上げ、良き伝道師として、骨身を惜しまず、人々が信仰を深める助けとなるより新しい方法を模索してきたわけだが、大聖年を目前に、自ら聖人になることで、彼の霊的活動と信仰を今もなお証ししてくれている。

 

今日の一句

サント・スービト! 神のインフルエンサー カルロ・アクーティス