SMART PANEL -88ページ目

Making Music For Sunday Jet Lag

Making Music For Sunday Jet Lag

 

マーブルトーンズ/MIDI

 アレンジャー、エンンジニア、プロデューサーのユニット。曲つくる人も、演奏する人もいないじゃん!マンションの一室のスタジオにこもりひたすら既存曲をマニピュレート。ビートルズ、スザンヌベガ、スティービーワンダーなどの曲を、ソフトなラウンジ対応に。邪魔な音は一切無くおしゃれに聴き流しやすいBGM。どこかで聞こえてきたとしても「こ、このサウンドは、一体どんなバンドが!?」とはならないタイプのデパート上階テナント飲食街の有線放送的、顔のない音楽。ライナーノートによると名前はケンイシイ『ジェリートーンズ』と掛けたらしいが、音はとくに影響の片鱗は無く別モノ。リスペクトが感じられない引用は隠し通すか辞めておいた方が吉。

セロ弾きのゴーシュ、蜘蛛の糸

セロ弾きのゴーシュ、蜘蛛の糸

岸田今日子、松下修也/音楽の友社
 宮沢賢治と芥川龍之介の文学作品。静かだが、ぐるぐるとした心模様の描かれた2作品を、チェロの演奏とのセッションで読み上げる本作はライブ録音。コンサート大ホールで度々、朗読コンサートを行っている。一度は生で聞いてみたい。あと、ムーミンの声で自分の名前読んでもらいたい。渋谷BUNKAMURAで緒川たまきの出てるお芝居観に行ったときに、販売機のコーヒー飲んでる姿を目撃。現実にいらっしゃるのか、何度か見返してしまうほど向こう側が透けるように透明感のあるお方でした。岸田今日子の朗読はファンが多いけど、ちゃんとした音源で持っている人は少ないのでは?と調べたら『白昼夢』という10枚組CDを発見してゲットしました。

山下達郎単曲全集

山下達郎単曲全集

 

山下達郎/KIDIGITAL MEDIA

 音楽で飛び抜けて人の心をつかむ事ができれば、商業ペースと関係なく納得いくまで音をいじったり、ラジオで秘蔵レコードかけてマニアックな話したり、面白い顔してても、キレイな奥さんと協作したり、イロイロやってもこれといった妬みバッシング無しですよ。ヒットチャートに絡みながら大人の音楽界を体現するヤマタツ。『Let's Dance Baby』から『When You Wish Upon A Star』まで2時間27分2枚組シングル全集。夏全開サーフィン映画の主題歌『The Theme From Big Wave』が聴きたくて購入。一人コーラス重ねワークは冬担当北欧の歌姫より繊細じゃないすか。日本の宝。

 

 

 

普通になりたい

普通になりたい

3LDK/TOSHIBA EMI
 リビング(Vo&G)、ダイニング(Vo&営業)、キッチン(Vo&ペット)の3人組。ぶっちゃけ正体はキャイーンですけど。2曲とそのカラオケ。歌はともかくブックレットに小ネタ満載。3LDKメンバーの生まれてからのヒストリーがウソ満載。スペシャルサンクスのクレジットに浅井企画の矢島、楠野など名前が乗っている。それはギャグじゃないのだろうけど分かる人にはツボ。まさに「メガうま、ラジオバーガー」。歴史的には、谷口宗一の音源ということでそっちで語られ、キャイーンの恥部というクレジットまで至らず。なんでか?その訳はこの数年後、ポケットビスケッツ、ブラックビスケッツで、キャイーンはヒットチャートで大暴れするのだ。

亞 MIRAGE OF THE EAST

亞 MIRAGE OF THE EAST

 

SORMA/PACIFIC MOON

 アンビエント東南アジアシンセ幻想。もうひとつのアルバム『幻 ILLUSION』が怪物の潜む森だとするならば、『亞 MIRAGE OF THE EAST』は人間と共存する森の息吹のようだ。バイオリンでもチェロでもない、擦弦楽器の音。インド女声ボーカルをフューチャーした曲は、音ネタとしてでなく、崇高なる歌モノ。本当にこういうのが歌として広く評価されて欲しい。世界の名立たるシンガーを、インドで出会った無名の少女の録音が打ちまかしてゆく、そんな夢さえ見たくなる完成度。別の話だが、奄美民謡の元ちとせが民謡の心技体でヒットチャートに渋滞しているJ-POPシンガーの上に立った瞬間は、私にとって痛快であった。

 

 

 

BALI

 

 写真が太陽燦々でなく月が出ている意味。ズバリ楽園音色による楽園アンビエント。完全昼寝対応!「ハンモックで寝たいけど部屋が狭くて…」という方、このCDでハンモック気分満喫。しかも、リゾートホテルのエステ受けたあと。スタッフがデカイ葉っぱであおいでくれちゃう。ガムラントリップですわ。寄せ集め的な民族楽曲で無く、一貫して静かなシンセパッド楽園系なので、いつまでもつづく「ふわ~」と浮遊するバックトラックを追尾するとゆるく気持ちの良い風景が変化してゆく。かけっぱなしで寝ても途中で起こされる心配無し。夏の間中は何度でも聴けるリラックスCD。しかも、ジャケットケースにお香がついている。いい香り。

 

 

 

collection of creators TRAVEL 2002

collection of creators TRAVEL 2002

 

石川友美&スパ子、DJ teru、カトック、Yesyesman、タケヤユウヘイ、Ruraloop、Vexation、Daisuke.W、shuntsu、D.Irie、kankanmusa/r2 records

 2000年のコンピレーション。レーベル色も異なる多種多様のテクノアーティストが「夢に描いた未来であり、間近に迫った現代である2002年」をテーマに表現。D.Irieの「EOS」が、和モノ四つ打ちでエキゾチック高純度キラートラック。ノーブルママレーベルは書き下ろし英語詞ガールユニット石川友美&スパ子で参加。曲順で『ロケット』は1曲目に抜擢され、未定だったCDタイトルがTRAVELになる。これは石川友美の曲の完成度の影響でしょ!

 

 

 

TECHNO CREATERS MEETING 2000

Tcm Compilation 2000

R-9、misutrax、dj-inspire、wavescan、Ta.Ka-ki、大脱走兄弟、トラストンキーポン、e-303、Hir_o、Yasuhiro Tsuchiya a.k.a Unplug/FRAMEBIT
 テクノはプロとアマを区別するのは難しい。あえて言えば一人で10曲つくって10曲テンションが続かないのがアマかな。その点、ショーケース的に個々のベストを持ち寄るコンピは得策。渾身の一撃が満載!似た様な音でも、区別化されて聞かせるセンス、メロディで頭一つ出てる人、ライブの音源を収録する事で一瞬で俺ゾーンを広げる曲など出揃っている。良盤。2000年の「今」って感じも受け取れる。大事に育てた一匹で闘う、ポケモン勝負みたい。

skyline

skylin Pagtas

Pagtas/OZ Disc
 パグタスを気に入ってしまう単純なワケ。CASIOのミニキーボードSAシリーズのリズム音を、まんま使ってればCASIOラブな人にも保存盤です。編成はジョシ2人組らしい。このアルバムは、かき氷のイチゴシロップを水で薄めて、「はい、いちごジュースよ」と、ニコニコ出されるイメージ。10倍薄まって、ゼリーとして固まらなかったカヒミ?ウイスパーに耳をこらすと、演奏がジャマ!ジャマは言い過ぎた、ヘロヘロの演奏も実はツボ。ポップというより、フューチャーフォークかな?ジャケットを開くと、飛び出す絵本的な切り込みが入っていたりして、彼女らのスナップ写真が見られたり。CD時代の、ひと手間かけたニッコリがあるいい製品だよね。

FAKEVOX

FAKEVOX

 

Plus-Tech Squeeze Box/VROOM SOUND

 ギターポップ。自由自在の切り張りと、毒素のなさそうなガールボーカルがセンチメンタル。エルメスの粒子砲を警戒しているウチに、ビットからのオールレンジ攻撃を食らう感じ。わーっと慌ててると「だいじょうぶ」と眉間にマチルダさんの白いニュータイプフラッシュ!リミックスにミクロマッハマシーンが参加してて、買った動機はほとんどミクロマッハ切っ掛け。トーストくわえながら疾走する魔性のピコポンロック。数年後の再プレス盤が紙ジャケでなく通常ケースになっていた。通常ケース好きとしては、紙ジャケを手放して買い直しを考えたけど、ソコまでのものではない。『ロケットコースター』は一冬の思い出。