豪華絢爛

ビートたけし/Victor
世界の北野、1988年のアルバム。作詞作曲本人ビートたけしの『中国人孤児の唄』以外は全詩を阿久悠が書いている。『東京子守唄』はオールナイトニッポンのエンディングテーマでした。ぼーっとしてたら谷山浩子がはじまったっけ。たけしwithカウントダウンという懐かしいユニットもあり。声はあいかわらず良いのだけど、当時のシンセの音色が軽すぎのオケとなり安っぽい。軍団カウントダウンと一緒の曲はライブツアーなどでの盛り上がり用。あとスーパージョッキーで唄ってたかな。ミュージシャン枠のたけし軍団構成員、グレート義太夫のエッセイを読んでから、カウントダウン時代のたけしのコンサート活動の舞台裏を知って再評価するようになった。→
入道雲アワー
杉並ヶ浜高校 軽音楽部/NOBLE MAMA
いまや北関東代表のエーツーが十代の最後に全面参加。リアル高校教師のいやーん先生のウクレレ弾き語りによるローカルCMコピー。トウキョーの建てた(だから都立!)杉並ヶ浜高校の軽音楽部員による夏のアルバム。アカペラ、ウクレレ、あばれ太鼓。夏の雨の中を走り抜けた青春。制服のキミとボク。サザンやチューブはもう誰かの青春だから、この夏、私のテーマソングはこの『入道雲アワー』って決めたんだ。いっぱい聴いて、1曲1曲が今年の夏の思い出と結びついたら、この青春アルバムは完成する。CD入れた瞬間の表示にビビれ!全82曲。プラスミド、dok-s project、いやーんの実家のお母さん等、隠れゲストも多数。→
Sail

田中亜矢/OZ Disc
インディーズマガジン付録CDに1曲入ってたデモを聴いて即買い。ギター一本弾き語り。2000年に歌を作り始めたって!これは作って数カ月後に世に放たれた。「漂ってるしかなかったんだー」それを唄うためにギターを取ったというのか。心地よくささやかれる「ギター」と、細くも底深く鳴る「歌声」が、一人の部屋に深々と積もってゆく。雑誌の記事をよく見かけるけど、やっぱ、これをほっておいたらダメだってくらい感受性のアンテナに応答する。メッセージでなく、なにげない歌なのだけど、初期衝動とか、創作者の内面性の波紋とか、無常が滲む純度の高い詞。瞬くフィラメントみたいな「揺らぎ」が、ミドルトーンの張り上げない声に目立たず溶けている。→
★★★★★

オレンジプランクトン/みかんレーベル
フリーペーパー「ジャングルライフ」Web版のプッシュで取り上げられてた期間にダウンロード聴きで発見。オレンジは夕陽の様に、ロウソクの炎の様に、ぽっかり心に灯った。ポップやらロックやらバラードやらをギターとキーボードのアレンジ比率で表情を変えるギターポップ。歌が、伝わる詩として完全にノッているので、気持ちが前に出てきて心地いい。いわゆる「カワイイ」ボイスなのだけど、かわいいバンドととして一括りにまとめたくない感じ。スローテンポなのに、くるくると見せ場が変わる『会おう月の夜に』で、切ない系ガールポップに隠したプログレ的な実力が見え隠れ。4分少しで、結構な事を演り切った。自主盤CDRなのに音良いよ。→
アタシの心は土足厳禁!

塔もこ/DAIPRO-X
曲タイトルなどキャッチなので、若干のユーモアを求めて購入。そういう歌モノのストーリー要素もあるけど、音のせいで全体がお手軽感に満ちてしまっている。音色とか音符の刈り揃えられた打込みとか、疑わずにそのまますぎ。だが、これが妙な80年代っぽさを醸し出している。言葉の乗せ方が『ザ・ベストテン』全盛時代の女性シンガーソングライターを彷佛とさせるといいますか『シュガー』ってこんな感じじゃなかったかな。しかし、店で売るならもうちょっとなんとかマスタリングのしようがあるんじゃないか。YAMAHA プレイヤーズ王国でも、もうちょっと良い音源使ってオケつくってるぞ。ダイプロ・エックスも予算あげろ。ケチっても良いことないぞ。→
MSX WORKS

YASUO MACHINE/eri-rin
FM音源+PSG+1ノイズを駆使しての全15曲。オールMSXサウンドアルバム。FM音源の「ペクッ」っというキック&ベースはウエハースのようにパンチがないが、キラキラの上モノや、1ノイズのハイハット「シーチッチ、シーチッチ」と絡むと、あの頃のMSXゲームの事や、BASIC画面を前にSOUND文を書いて自動演奏させていた事を思い出します。ヤスオマシーンはムーディーなリスニングハウスをつくる人だけど、こういう形でトンガリ具合を示されれば、もう降伏せざるを得ません。サンプラーばりばりのディスコアルバムも良かったけど、少ない重なりでのサウンド構成もうまい。全ての『MSX2+♪』ユーザーの愛蔵盤に。→
SPACE POLYPHONY

ロジックシステム/アルファレコード
タージマハルと基盤のCGコラージュジャケット。インドものかな?と思ったら、全部中国語詩。曲は、昭和の歌謡曲をカバーしてたり、なんだこりゃ!サウンド的にシンセサイザーミュージック。正体はYMO第四の男、松武秀樹のプロジェクトでした。超オリエンタルなアプローチと、ピキュピキュというテクノ音は、さすがイイ仕事してますね。「Merry Christmas Mr.Lawrence」(戦メリ)の中華テクノ風カバーもYMOがやったらこうなるだろうな、という音色&リズムだと思いつつ「やはりYMO利権は、教授だけがかっさらってくんじゃなくて、関わった人たちでうまく分け合わないといかんよね」なぁーんてゴニョゴニョ。→
SOLID STATE SURVIVER(USA版)

YELLOW MAGIC ORCHESTRA/RESTLESS
世界のYMO、2枚目のアルバムです。世界のというだけあって、この手元にあるCDは海外版。レコードジャケをそのままスキャン原稿にした様に赤みが濃すぎる色調が違法ものっぽいけど、一応ちゃんとしたものらしい。中身は、国内版や再発版とほとんど変わらないけど、けっこう、レコードからマスターおこしたやつだったりして。そんなわけないか。全英語表記、RESTLESS RECORDSのロゴマーク。裏面クレジットの Producedby Harry Hosono の文字を確認すればワールドワイドな外観。『TECHNOPOLIS』『RYDEEN』も、初めて聴いたのは小学校3年生だったかな。→
SONIC SKATE SURVEYOR
ORIENTAL MAGNETIC YELLOW/サイトロン
怪物YMOの衝撃を受けたYMOエイジの崇高なるトリビュート。原曲を思い起こさせる曲の数々はコード進行的に盗作にはならないという事を特筆しておこう。「権利的にはスレスレのオリジナル扱い」という事実に、プロの職人芸と愛情を感じる。練られていながらも楽しげ。メンバーは『ドラゴンスピリッツ』の細江さんら。曲的にクリアしててもジャケはパクリ判定くらうと思うんですけど?その辺どういう許可を取っているのか謎。音色の一つをとってみても骨の隋までYMOテクノ魂。私はナムコ時代のめがてん坊やこと細江慎治の生演奏を見たことがある。虎ノ門ニッショーホール、ラジアメのクリスマスコンサートだった。→
METAL SERVICE

YELLOW METAL ORCHESTRA/アルファミュージック
偉大なる巨人YMO様のリミックソとかいってパロディみてぇな企画ものばっか出して、セコイ商売してる後追いテクノ外道め!卓の前でコチョコチョと本家の曲をマネてリミックスだのリマスターだのやってるテクノ商人どもが気に食わねぇ。ユキヒロさんは汗かいてドラム叩いてたんだぜ、打ち込みじゃねぇよ!バンドだよ!このCDはライディーンも東風も全部ヘビーメタルコピー。思わせぶりなスローイントロから始まってチャーリーラーでキタキタキター!の『RYDEEN』。元々尖ってる『Key』の英語詞のボーカル曲のカバーも鬼カッコイイ。青白いテクノ少年は買わなくてよし!あーメタルギターが大好きだ~。→