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Decade ~Ayumi Live~

Decade ~Ayumi Live~	CD

 

中村あゆみ/ハミングバード
 棚から10万円の封筒が出てきて驚いた。音楽の趣味、音や文筆やイベントで黒字だった時に置いた、いつか使うつもりの現金だった。音楽を意識したのは、1985年NHK教育TV「ベストサウンド」で、難波弘之と中村あゆみは『翼の折れたエンジェル』より先に番組司会で知った。歌番組ではなく、バンドやスタジオの音作りの解説。人と楽器が集まりポップスになってゆく様子を目撃。それから何十年も音楽は最高に楽しかった。けどある時、意図的に距離をおいて、ライブチケットや楽器を買うことも無くなり、結局へそくりのお金は忘れていた。やがて私が辿り着いた、世界で一番の音楽。娘がピアノを弾いていて、妻がインチキな歌を口ずさむ、それが嬉しい。

 

 

 


 

 

 

 

これまでホームページをやめた時や、外部での連載が終わった時に、何度か最終回を書いていて、今回は4度目の最終回になります。
言ってないけど、タイトルを除き、アーティスト名とレーベル情報と本文の合計が320文字ぴったり丁度という縛りで書いて、1,000投稿になった。へそくりで本でも作ろうかな。

 

2021年7月25日 最終回

『micro』Quinka,with a Yawn

 

2012年9月10日 最終回

『アイデン&ティティ オリジナルサウンドトラック』峯田和伸、白井良明、大友良英、遠藤賢司、他

 

2011年8月10日 最終回

『HIDE YOUR FACE』hide

 

奇蹟のピアニスト~フジコ・ベスト&レア

奇蹟のピアニスト~フジコ・ベスト&レア

 

フジコ・ヘミング/Universal Music

 高円寺明石スタジオで無名劇団も観る習慣で、2002年劇団海老扇「シルエットロマンス」を観られた。同年末「微動リビドーナシゴレン」。翌年「Iniki In Wonderland」。作演出主演イニキZの全3作を追えた事は幸運だった。本棚・洋酒・ライダースジャケットも似合う写真が当時mixiにあり、黒と橙色の本を読む横顔が今も私の携帯ホーム画面なのは人生楽しかった奇蹟。何処へ行くのか解らない、退廃的かつ瑞々しい感性は日記にも溢れていた。イニキZが花屋の配達で訪れた邸宅、扉が開きフジコ・ヘミングに「お花はこちらへ」と家の中の花園に招かれた描写は、読みながら鮮明な脳内映像になって覚えている。

 

 

白馬の王子と薔薇色の私

白馬の王子と薔薇色の私

 

花耶/テイチクエンタテインメント
 NACK5早朝10分番組「花耶の耳たぶ」が2年間か。五七五に縛られない俳句も、一言でまとめる人生相談コーナーも、フワフワのお姫様感触を伝えるには充分だった。続くリリースも歌ウマ新人刹那味えげつないと驚愕。日比谷音楽祭出演と熱量があがるも、番組終了の2週後には忘れていた。生活習慣に入り込んでいたが、生活を超えて追えなかった。後年、知らない数年間を辿ってみると幅広い活躍。ただ、日本中の人がアーティストの新曲を買う時代は終わっていた。皆スマホを見つめ、カラオケ上手な人がネット配信する有名曲カバーに夢中。花耶も姿を変えてキャラ名義キャラソンで歌声が先に届き、やがて本人へ引き寄せる伝わりのマジックは令和的。

 

 

Tiny Screams

Tiny Screams

 

鬼束ちひろ/Victor

 大衆の羨望や批判を一身に集め、爛れた噂もあったアーティストのその後。四半世紀で落ち着き、生活できる規模のコミューンの中で唄っていることを知ると、安息の理想郷のような気がする。大衆の感情の受け皿という、消費される偶像ではなく、歌の好きだった少女として息長く活動すること。デビュー前後に弾き語り録音されたデモテープから新作をつくるなんて、それは表現者の幸福のひとつではないか。ドラマ「トリック」が地上波のコンプライアンスから離れ、配信作品「ガンニバル」の様な呪術的で土俗的な作品として復活するならば、その緊迫感を支える主題歌には、やはり彼女の唯一無二のテーマ曲が不可欠だろう。名曲メドレーのライブ盤は、歌が剥き出し。→

 

 

 

 

Candy

Candy

 

大東まみ/independent*

 早朝のFM「Raise on Saturday」で『Candy』が流れ、心の内側にそっと春風が触れる可憐な歌に心を奪われてオンエアリストを辿った。好きな系統の既聴感があり、何度か耳にするうちにVaundyの楽曲とマッシュアップできる旋律や構造の近さに気づく。調べると二人は一歳差。ひと昔前は知識より印象だけが先走り、作品同士を短絡的に比べるパクリ論争も多かったが、別々の場所で育っても同じ音楽や動画を浴びた世代の若者が似た表現へ向かうコホート効果がある。久々に次の世代という大きなうねりを感じた。二十代なかばのアーティストが共有する、文化的影響が創作に反映された同時性の息づかいを、今は味わい尽くそう。

 

 

 

 

星降る町の小さな風景 - ピアノのための28の小品 -

星降る町の小さな風景 - ピアノのための28の小品 -

 

作曲:轟千尋、ピアノ:三舩優子/ビクターエンタテインメント
 楽譜(全音楽譜出版社)同時発売で、ピアノ練習曲、発表会用の曲。初中級で弾けるやさしい小品というバックボーンがありつつ、ジャケット世界観に惹かれて購入。全編ピアノ1台での演奏。『雪あかり』『そよ吹く風』『忘れられたお人形』『冬の星』『風のゆりかご』『やさしい夢』など絵本チックなタイトルに1分前後のメロディ。長い曲でも2分25秒。28曲37分。バリエーションが豊かにありつつも、破綻する急な展開はなく『星降る町の小さな風景』を巡ってゆく。これ、好きなフレーズの曲目を自分なりにセレクトして、あるいは弾けるレベルに合わせて、思い通りの長さの組曲に再編することができるということかも。

 

 

 

RAPTOR: IkAZuCHi

RAPTOR: IkAZuCHi

 

INUWASI/ロックフィールド
  ラジオ日本のマキタスポーツの番組を聴いてて次の時間だったBiSを知った様に、InterFMの伊織もえの番組の次をやってたINUWASIを知る。ライカ&がるむコンビだった気がする。深夜、沖縄に住みたいみたいなラジオネームの人に、がるむちゃんがなにか激昂していたが、ほぼ値落ちしていた。ん?!今、なんて?「ほたっぴり」て言った?めちゃめちゃカッコいい曲のキメで「ほたっぴり」と言ってる。検索結果なし。オンエアタイトルを調べてCD購入。『World of Unreal』の歌詞「そう信じて hold a belie」これだ!EDM型のラウドロックアイドルでホーダべライの優勝ディクション、それが「ほたっぴり」。

 

 
 

 

 

Love Eating Alien

Love Eating Alien

 

DREAM DOLPHIN/FOA Records

 1996年は、イルカ・スピリチュアル・テクノがジャンルを越え、一つの精神的ムーブメントとして結晶化した年だった。「ガンダムX」が描いたイルカのニュータイプ、ゲーム「Depth」のイルカ体験、ジョン・C・リリー博士のイルカとの交信。ドリームドルフィンは、音色のチルさによりアシッドテクノの雑味を排し、アンビエントな質感と疾走するリズムで、インテリジェンステクノを先駆した。この1996年のCDは、2000年代日本テクノシーンに造詣が深いニューヨーク在住のお嬢さんに所有されていて、20数年後、海の向こうから日本の私へプレゼントして頂いた。日本アンダーグラウンドカルチャーのマスターピース。

 

 

 

 

夢のかけら

夢のかけら

 

冨田麗香/URAWA FLOWER RECORDS

 平成29年のCD。最高の写真が歌詞カードに使われている。持ち帰り寿司京樽シャッター前で路上シンガーが、広い人の輪を作っている。高円寺高架下文化を切り取った尊いスナップだ。車椅子や自転車を留めている人、立ち止まって聴いている十数名の老若男女。歌声が作り出した広い和やかな円。京樽の場所はマクドナルド拡張で路の構造が変わってしまった。あの時代、冨田麗華の歌声こそ高円寺夜の息遣いであり、極上の音楽だった。静かに沁みてくる弾き語りで「今日は疲れたけど、明日はがんばろう」そんな『重ねた時間』があった。彼女は、暗い顔で前を過ぎる男に「聴いてきなよ!」と声を掛けた。歌に救われたのはあの時の僕だ。

 

 

 

さっちゃん

さっちゃん

 

平賀さち枝/Kiti

 2011年のデービューアルバム。当時、曲のタイトル『阿佐ヶ谷の部屋』を見つけて、作風も知らず購入した。「洗いたての茶碗は水色、もう少しだけ君は寝たふりをしていて」という杉並区の小さな風景。ガットギターの弾き語りで、まるでなぎら健壱のおしゃべりの様なフォークソングを溢れ出る文字数で唄っていて、阿佐ヶ谷で部屋を借りていた誰の心にもある、あの頃を永遠に焼き付けているCDだった。歌詞の主人公が僕の側で、君という彼女がそばにいる物語を女声シンガーが唄ったら、もう小説。『高円寺にて』の歌詞「雨が上がるまでマクドナルドの窓際で」ってそれは、高架下再開発前の京樽があった時代のスケッチ。2018年にレコード盤で再発したという。

 

 

 

 

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