Plazma / BOW AND ARROW (通常盤) [ 米津玄師 ]
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米津玄師/ソニー・ミュージックレーベルズ
小説や漫画の映画化でギュウギュウに詰め込むテンポで、急ぎ足でも感情が揺さぶられると、それは映画が成功したのか、原作や事件を思い出す装置として機能したのかどちらなのか。機動戦士Gundam ジークアクスは、1stとZ、逆シャアに目配せしながら仮想戦記として、ジオン軍が地球連邦軍に勝つ世界を描いた。ファンは驚き、散りばめられた歴史の「もしも」を膨らませながら先行劇場公開+12話を堪能した。圧倒的にアニメ巧い。しかしあれは、ファーストガンダムのシャアとアムロ、ララアに40数年付き合った者たちを揺さぶる装置として、気づけばハッピーエンドを届けてみせた体験会のような、ファンの集いのような時間だった。→
松任谷由実/ユニバーサルミュージック
ユーミンの1stから最新までの作品を順番に聴いてゆくというチャレンジをしたというか、ウォーキング中に流しっぱなしで聴き続けた。その時代ごとに、どんな視点でどんなパワーを送り込むか。特に80年代中盤以降からの、日本の中での個人のあり方に沿う、あるいはカウンターを見舞うような歌詞と、間違いなく日本最高水準のポップスの音像に慄きつつ、その実どうでもよいラジオのように聞き流した。累計24時間以上かかり2011年を超え2016年で、あれれ?一貫したブランドはそのままに「愛してる」と「負けへんで」を色んな形で唄うのはそのままに「なんか初老のおばあさんがフガフガ言ってる」と我に返る瞬間。ともに歳をとったね。→
紫 今/ソニー・ミュージックレーベルズ
新しい曲をどうやって知るか?若者層に流行り始めた曲は、ライバーといわれる配信者のカラオケ。「この歌みんな唄ってるな」と原曲より先に一般人のカラオケバージョンで何度も耳にして、運が良ければどこかで本物を聴き「あ、これ本人か」。ラジオ局が広告費を得て、特定の曲を過剰に繰り返し放送するパワープレイとか本当にどうでもいいじゃん。信頼してるのは、ゲーム、コミック、カルチャーを紹介するInter FM伊織もえの電脳らじお。こういうのがスキでしょ?というストライクゾーンが守られていて、オンエア曲をメモする事が多い。作詞・作曲・編曲ムラサキイマもその1つ。これは、あのバンドやあのアイドル聴いて育った新星か。→
ClariS/SACRA MUSIC
出身高校の近くに東京スカイツリーが建ち、すっかり観光地になっている。当初「スカイツリーでお土産を買って帰るだけ、誰も地元の店には来てくれない」状態だったが、地元の努力で下町の商店や銭湯など飾らない魅力をアピールし、乗り放題切符も出来て周辺も賑わっていった。押上〜錦糸町のアニメという『リコリス・リコイル』のスタンプラリーをクリア後に初鑑賞。黒髪長髪と金髪ショートがハードな格闘ガンアクション、これは人気なわけだ…ふと実写版の同髪型コンビ「べいびーワルキューレ」を思い出し、見覚えあるロケ地を確認すると二人が動物の着ぐるみで喧嘩してた場所が、スタンプラリーで歩いたリコリコ聖地のキラキラ橘商店街だった。→
村松崇継/Rambling RECORDS
2025年春東京開催の火の鳥展を見に行ったら、研究者の福岡伸一が「未完の最後の1コマはこんな画になったのでは」と、火の鳥から森羅万象の命が放出するラフ画を提案していた。根拠として、全ての生き物の魂が火の鳥に向かう1コマを引用していた。だが生原稿では、そのコマの集中点部分の鳥はホワイトで消され真っ白な光に修正されている。そこを読み解くと、研究者の発表したラフ画は「いや違うんじゃねぇの」と疑問符。手塚治虫本人が監修していない火の鳥に関しては、他人の要約版として味わうのはアニメ版を通してよく理解している。それでも出版し続け、露出し語り続けないと、名作とて作品に出会う人たちが減っていってしまう。→
PSY・S/ソニー・ミュージックレコーズ
シンセサイザーを使う枠の中で、ファンク、ロック、バラード、ストリングスアレンジなど百科事典の様に積み重ねた歩みのラストシューティングに、直球ど真ん中ストレートなテクノサウンドをやってくれた。ドラムというよりリズムループ。フレーズというよりアルペジエーター。『be with YOU』である。テクノの中でも、クラブ系低音4つ打ちでなく、あくまで歌ものポップスであるサイズの証明。恋の浮遊感にサーキットのスピード感。未来的音像にもボーカル加工無しで合わせてくるチャカの歌声の凄さ。あえて和文の語感を乗せている「感電、幽体離脱、素粒子」、繰り返すPSYCHICまで「超能力使い」と被せるワードチョイス。→
meiyo/Virgin Music
ドラマ「鉄オタ道子、2万キロ」が辺境駅で「ここどこだよ…」を繰り返した後、西武鉄道タイアップで秩父編があった。観光神社には行かず隣の横瀬駅へ歩き、ただずーっとある場所が目に入る感じにシンクロした。私も横瀬駅まで同じ道を歩いたよ。気になる場所へ鉄道遠征に行く様になったこの数年。千葉埼玉神奈川のダムや献血ルームは行き尽くし、茨城栃木群馬。歴まちカード、マンホールカードもほぼゲット。新たな目的地、まだ誰も注目していない場所を目指すことりっぷ。BANDAIプラモデルのリサイクル回収ボックスの設置場所へ行き、ガンプラのランナーを投ずるショート動画を撮っている。現時点で51箇所訪問済。「それどこだよ…」。→
浦小雪/SKID ZERO
誰もがSNSで気持ちを述べる様になって「この意見、政治家の方、見てますか?」とポストするだけで気が済んでしまうのだから、ガス抜き装置にガス吐いて踊る風船だ。「日常の絶景」というテレ東の深夜ドラマが、見惚れる風景として埠頭や砂防を扱い、小旅行の魅力を伝えていた。あまりにも良いドラマだったので、初めてテレビ局のご意見窓口から直接的な高評価を送った。実験的な企画だったのか全3話だったので、絶賛続編を要望した。最終話は秩父の滝沢ダム。バスの本数が少なく、ループ橋を歩いて渡っていたのは、私と同じ行程だった。主題歌『ロングロングハイウェイ』を聴くと、あのループ橋を走り抜けていったツーリングのバイカーたちを思い出す。→
筋肉少女帯/トイズファクトリー
カセットテープの処分を始めた。SONY WALKMANより太いディスカウント屋の遊歩人サイズのプレイヤーをUSBでパソコンに繋ぐと録音できる。90年代の録音「ファンファントゥデイ」で上柳昌彦が休み大槻ケンヂが代打出演。聴取率調査週間トライアスロンウイークの告知で「オーケンと上ちゃんが、リスナーの作ったカレーを家まで食べに行くから、はがきに家までの地図を書いて応募してくれ!」という。そうだ、それくらいのことを深夜ラジオは普通にやっていた。深夜隠れ家での熱狂。リスナーとの信頼関係。私が聴けば懐かしく、誰かにとっては意味の無いカセットテープ。『詩人オウムの世界』は「昔、昔のお話しです」のセリフから始まる。→
My Little Lover/トイズファクトリー
行徳にあった、学生のオケやブラバンばかりを撮影するスタジオでバイトしていて、クラシックに詳しくなった。譜読みの音大生君と片耳インカムで「次、金管から木管に引きながらパン」とやり直しのきかないビデオ収録。ある夏の日、千葉の高校生ブラスバンドの発表会。青春としか形容できない楽しいポップスコンサート。『白いカイト』を演奏していて最高だった。その日のカメラマンたちのチーム、青森出身の二川目さん、実家が肉屋の葉山くん、今何してるのかな。懐かしいヒット曲を聴いて、全力だった事を思い出して、辛くなる年齢が来るなんて、不思議だね。記憶の中で生きていける?懐かしさもまるごと忘れたあとは平穏なのか。→