GAME OVER(R&S盤)

KEN ISHII/R&S RECORDS
日本で出てない海外版。コツンコツンしたエクストラ系と、ガチャガチャしたメタルブルーアメリカ系とに分けるなら後者。タイトル曲は『GAME OVER』だけど、ギターフレーズなりボイスなりのキャッチーなメロディが無いので、カップリングの『Mba2(METAL blue america 2)』2バージョンの方が強い印象に残る。メタブルのフロア特化型だが、テクノ者の期待を華麗に裏切る、限り無くデジロックなアプローチ。これは、テクノゴッド・ケンイシイの肩書がなければ、テクノのコーナーにCDが置かれているのが間違いだと思えるほど。ブレイクビーツとかこっち側のデジロックサウンドの新作も期待するでしょう。→
九階にある食堂

大正九年/KiraKira Records
そりゃないだろ!ってくらい大雑把な画像合成ジャケ。コラージュの方がよかったのでは?まぁ、キューネンぽいといえば、ぽいのでまあいいか。ストック全部出したか?!テクノPOPに混ざり『おっちゃん風船とって』などの言ってるだけ、言いたいだけの短い作品もあり「あんころもち食いてえー、いぇー」だけで1分とか、好きだ!そういうヒラメキと実力の結実する輝きが『コドモそんぐ』で見られる。おもちゃぎみ。全25曲、多いな。コロコロコミックにまさるボリューム&キャッチザハート。ちゃんとした曲(笑)『3つの世界』では、サウンドもシリアスに、自分録りコーラスも練られていて「ナメるな!」という気概も見えてカッコイイ。→
最後の聖戦

筋肉少女帯/マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
『221B 戦記』『山と渓谷』に登場するドーナッツ。『お散歩ネコちゃん若き二人の恋結ぶ』の詞を書き上げた場所がミスタードーナツ高円寺北口駅前店な訳だけど、これ発売された97年て改装前だっけ。もんじゃ焼きの一番星とか、新星堂が並びにあって、それで、1Fのミスドも店内はどうも空気がこもっていて、自称霊能力のある私の友人が「あそこは、なんか居るのよ。あたし、入れない」とか言ってた。アジア料理屋バーミィのレシートくじで当選者を貼り出す大きな紙に太マジックで大槻ケンヂ様と書かれていたこと。そんな歌は入っていないけど、おしゃれパワーを手に入れる前の魔窟みたいな高円寺をなんだか思い出す。→
色彩のブルース

EGO-WRAPPIN'/MIRRORBALL
『色彩のブルース』はピンク映画の映画祭のテーマか何かに選ばれて、その映画祭がちゃんとFMラジオとかのメディアでキャンペーンを張っていてよく流れていた。エゴラッピン的にはそれで濱マイクの主題歌につながったのかなぁ。どんなジャンルさえも日本歌謡にしてしまった頃の、昭和大作曲家の柔軟さと凄みを感じる、大人の為の音楽がここに。ちょうど港町の場末のキャバレーに、こんな才能は似合うでしょう。本気ジャズ感ただよう演奏に、英語、日本語使い分け。コップの水に一滴たらした墨汁のごとく、薄い波紋をたてて静かに沈んでゆく、比重の重い黒い液体。あぁ、これは、そういう風に割られ氷を舐めて注がれる酒なんだろうな。→
THE 吉田拓郎

吉田拓郎/FORLIFE
若者、吉田拓郎がスキと言うなら、ジャニーズと癒着する前のベスト盤くらいは持っておきたいもの。行き着いた渋い大人の居酒屋、八代亜紀の演歌以外で流れてきて許される曲は、拓郎の『旅の宿』『祭りのあと』で決まり。ならば旅立ちは『落陽』。このCDじゃ無いけど、かまやつの『我がよき友よ』も拓郎ですよ。ドラマを見る様な気持ちで聴ける歌。刑事物語「たけーし、ハンガー!木のヤツー!」の主題歌『唇をかみしめて』が入ってます。『夏休み』が、なんかレゲエバージョンで、本人も飽きてきて、新鮮にやりたかったのだろうか?!今じゃ、TVCMでラーメン持って唄ったり、ロケバスの中でフリップ持ってめくっていやがる。拓郎お願い、ちゃんとして!→
ピエタ

睡眠図書/NOBLE MAMA
ブックレットの中の解説より「このCDは道具であり、分類でいえば寝具である」という宣誓は、細心の注意を払って紡ぎ上げた聞かせたいサウンドを最後まで聴かせずに眠らせることこそがこのアルバムの勝利、という謎掛けを内包している。情報によって思い煩う現代人へのリセット魔法は、ムードだけのヒーリングではない、スキだらけのリラックスなどではない。悩む必要の無い情報の投入による玉突によって、負なるイメージを切り離す作業こそが積極。大人を寝かし付ける目を閉じて行う読書が睡眠図書。全70分。イメージの渦を起こすのは聴き手、このサウンドの集合は、その道具。朗読ではない、音楽でもない、これは、安心を約束された夢への参加だ。→
resonance mood
MATSURI PRODUCTIONS、Deflo、Slug、Lunar Asylum、Nervasystem、Manmademen、Anti-Matter、他/eastwest records
外国のトランスものは節奏が無く、派手過ぎでわびさびに欠ける。なーんて、平常時は思うのだけど。背中に矢が刺さって、握った刀も折れている様な、闘えないブルーな日にはこのCDでパワー充填。くどいほど攻めまくりのトランスを聴いてボルテージを上げてゆくしかないです。錯乱というより狂気ぎみに303らしき音がレゾってる。アシッドサウンドの進化過程がわかる時代の音ともいえるかも。人生やんなっちゃった私に、ドスドスいって脳内麻薬を与えて欲しい。ビヨヨーン。→
DARKNESS I

浅川マキ/TOSHIBA EMI
浅川マキに出会う為には運命の導き、そう、イカした偶然が必要なのだ。だからオススメしますとか、聴いてみなとか、書かない。たまたま、これを発見した人の頬が「ニヤリ」と緩むように『浅川マキ』に関するキーワードを、列記しておこうと思う。そのキーワードを見て「知らないけど、浅川マキを探してみようか」なんて人がいたら、それはステキな事だ。浅川マキの世界、裏窓、灯ともし頃、流れを渡る、寂しい日々、『ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので、演奏家たちのOKをもらった』、マイ・マン、幻の男たち、SOME YEARS PARST、『こぼれる黄金の砂 -What it be like-』、夜のカーニバル、黒い空間。→
DARKNESS II

浅川マキ/TOSHIBA EMI
浅川マキ周辺よりキーワードの抜粋。DARKNESS I~IIIのライナーノートから。寺山修司、北山修、かまやつひろし、山下洋輔、近藤等則、本多俊之、山木幸三郎、なかにし礼、成田ヒロシ、吉田健、つのだひろ、坂田明、坂本龍一、高中正義、渋谷毅、原田芳雄、白井幹夫、後藤次利、川端民生、泉谷しげる、板橋文夫、山内テツ、土方隆行、ホッピー神山、植松孝夫、山内テツ、BOBY Watson、J.Primrose、J.Crawford、Cecil Monroe、David C. Brown、Keith R. Haines、Ricky Lawson、Penelope Peabody。ゼロアワー、幻、浅川マキの世界。→
DARKNESS III

浅川マキ/TOSHIBA EMI
浅川マキ作品よりタイトルの抜粋。DARKNESS I~IIIのライナーノートから。ふしあわせという名の猫、淋しさには名前が無い、ゴビンダ、難破ブルース、めくら花、裏窓、あの娘がくれたブルース、あの男がピアノを弾いた、ちょっと長い関係のブルース、マイ・マン、電文「カツテニシテヨ」、あんたが古いブルースを歌えと言うから、こんな風に過ぎて行くのなら、港の彼岸花、あたしのブギウギ、眠るのがこわい、ちょうどいい時間、あたしたち、夜の匂い、あの男のウォークング・テムポ、TOKYOアパートメント、見えないカメラ、放出したエナジー、オールド レインコート、あの男が死んだら、港の彼岸花、アメリカの夜、ふたりは風景。→