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THE MUSICAL PHARMACY

THE MUSICAL PHARMACY

TOCO TONE、dok-s PROJECT、COVALT VIRGINIA、BAMBOOW、SHOW-KAKI、BAMBOOW、他/Omalu Label
 Omalu Label周辺のバンドを薬局として処方したコンピ。ただ「これの薬は実験です」と説明に書かれた薬品を服用できる人は、勇気ある医学への貢献か、藁をもすがる重病か、健常者ではわざわざ服用しなうだろう。トランポリンタンバリンの歌物『うわのそら』が、グッとくる。はっぴえんど細野晴臣的な叙情派領域。ヨーロッパ盤は若干曲の入れ換えがあった。ノーブルママレーベルからは、Lightningがウクレレ奏者いやーんをフューチャリングした夏の入道雲『サンダー・クラウド』で参加している。

天使の火遊び

映画「天使の火遊び」オリジナル・サウンドトラック

HIDEMASA KONDO/じんのひろあきの秘密基地
 女子高の頃好きだった先輩は、屋上でフルートを吹いていた。ウサギは先輩に憧れつつ、遠くから見てるだけ。毎日吹いているあの曲に勝手に詩をつけて唄ってみた。いつもの曲を吹いている間、こっそり唄っていただけの、先輩と一緒にすごした思い出。卒業後、突然失踪した先輩にウサギはラジオから唄いかける。今、どこかで元気でいますか?という、素人っぽい歌。全般的にDTM音源の薄さが気になるが、バンドネオンのようなロマンチックなイメージを多用している部分は好印象。中野武蔵野ホールに行った人の『天使の火遊び』映画評で「映画じゃなかった」っていう酷評があったけど、アイドルビデオで良いのだと思って見てた。

カリフォルニア・ドールズ物語

カリフォルニア・ドールズ物語

 

カリフォルニア・ドールズ/Stickopotamus
 「家が鍛冶屋だったので子どもの頃、鉄を叩く音とか、そういう音が楽しかった」と、NHKで近藤等則と小学生数十人の音響セッションをやっていて、このアルバムを思い出した。東風の露骨さんがすすめてくれた謎のディスク。カリフォルニアドールズは歌っている女の子がコアメンバー。エフェクターを重ねて作った様な工業機械の生々しい音や叫び声、楽譜以外の音で構成されている現代音楽。組み上がった鉄骨の柱を溶接でなく千歳飴の粘着で留めているバランス感。何年かして、ライター吉田アミを知るのだが、声とサウンドコラージュの作品履歴を辿っていったところで、カルフォルニアドールズが彼女のプロジェクトだったと知る。

Kangaroo Paw

Kangaroo Paw

 

カンガルー・ポー/深海レコード
 夜遅くにフワーっと過ごせる曲がよい。それを時間2倍にするとか、他の曲も硬い音を無くして、「フワーっと過ごすためのアルバム」にしてしまうとか、そうして欲しいくらいフワーっとしたものの無時間空間が出来かけてる。できかけていて、次の曲にかき消されちゃうのが不満足に繋がっちゃう。音響っぽいけど、加工声の静音ボーカルが入ってたり。イメージは、トラットリア(定食屋)のコーネリアスでなく、駄菓子屋のコーネリアス的な貧乏臭さが味になっている。ジャケット、タイトルともに意味は不明。これを「スゲー」とか言って聴くにはヒントが無さ過ぎる。荒野だけどピンク。カンガルーの肉球だけど深海レコード。どこを目指しているのだろうか。

Symphonic Suite AKIRA

$SMART PANEL-Symphonic Suite AKIRA

芸能山城組/DEMON RECORDS
 ヨーロッパ盤は一曲づつに切れてて聴きやすい。日本版はもってないけど、たしか全曲が4トラックに結合されていたはず。ジャケもアニメっぽい日本版のより漫画色が強くピクチャーCD。東洋文化のパレット的な能楽や詠いはもちろん、ガムラン、息づかいまで全て未来へと伝承してみせた芸能山城組のスピリッツ。『Battle Against the Clown』は「ドッドー」で有名だけど、誰も知らなくてなにか凄いパンチ力のある曲をかけたいDJ時に『Exodus from the Underground Fortress』を使っていた。疾走感とオリエンタルなパーカッションと囁きコーラスと。映画「アキラ」の攻撃的名曲。

廃園

$SMART PANEL-廃園 Eden

幼虫社/Club Lunatica
 待ちに待った『幼虫社』ファーストCDにして既に進化系。事実上の1stアルバムだったカセット『幼虫期』の曲をいくつも未収録にして、新曲で飛び越えたというのもあるけど、期待の上を軽く超えてくれた。イラスト藤原カムイ。封を開けケース外の帯をジャケットに組み合わせると、ツートンカラーのデザイン形状が完成する。計算されてるなぁ。和装イメージの強かったこれまでを引き継ぎつつ、海の波間や時間の歪みを感じさせる様な、はてしなくオリジナルな音世界。あり得ない様な、見たことある様な、風景の空撮をながめる異世界から来たアルバム。不可思議70%の潤んだ女性ボーカルは、夜中オレンジの小さな灯りで聴くFMラジオの様な質感。

REACH FOR THE SUN

REACH FOR THE SUN

TAKAYUKI SHIRAISHI/NSCOM
 ジャケットを見た時に「リアル・ゼビウス!」と直感したのですが、それほどゲーム質ではありませんでした。シューティング音込みでノリノリだったらよかったのに。ダンスものではないリスニングテクノですが、細かいところで割とハッキリしたメロディーも用いられていて、フュージョン2:電子8といった割合か。お茶を濁すような無駄な装飾音は入って無いので、フレーズはそれを聞くしかない意味で音楽性がある。だからフュージョンぽいのか。スッキリとした味わいで、じっくり展開するのでドラムが鳴ってもおとなしい。何か作業しながらのかけっぱなし。ラウンジでまったく気にならないで鳴っているタイプの最高点が20点の音楽。

ゼロゼロファイブ

ゼロゼロファイブ

 

Strawberry Machine/abcdefg*record

 初回版だ!当たり前だ!ピコピコポーンでへなちょこガール。バンド+サンプリングコラージュ音。チープとはいうもののアップテンポで賑やかしい。ボーカル女子の輪郭のぼやけて無さがイイカンジ。頭よさそうだけど、なめられてそう。なめられて言いたいこと言い返すタイプだろ!Plus-Tech Squeeze Boxのやったリミックス曲が入ってますが、彼等の「FAKEVOX」の中の曲と同じサウンドパーツ使ってたりして、レゴの別パッケージを混ぜて遊んでるみたいな、そういう意味でもピコピコ系のリンクがおもしろい。2nd時発売に再販になった方は、なんだか可愛い本人写真ジャケになってるね。

 

 

 

Mongolian Chop

Mongolian Chop

 

Rabi Rabi/WRNER INDIES NETWORK

 売り文句はモンゴルや民俗音楽系のキャッチコピーですが、フロア向けリズムトラックも取り入れている。三線イントロの『Koufuku No Ki』詞はほどよく乙女オーラは出てる。中央アジア音色や中近東歌唱、琉球音階など、どこまで引き出しが開くんだろう。もうちょっとボーカルが聖か邪かどっちかに振れた方がいいなぁ。スタジオワークの人たちなのか本人たちの興味が多岐に渡ってるのか、アジア系の弦楽器は生。打ち出した民族系キーワードのとおりユニークでバリエーションのある曲たち。しばらくしてサイトをみつけたら、音楽活動だけでなく、フリーマーケットに活発に出店することも活動告知してた、好感。

 

 

 

MEN OF LOVE

MEN OF LOVE

座・豚野郎/どぶろく音楽出版
 要注意人物、小林大輔。スゴイファンになったが、近寄りたくない。言葉の選び方がロッケンロールなのと、仮想「おまえら」を敵に見立て「それでいいのか?俺を見ろ」と追い込んでゆく様は、単なる目立ちたがり屋を悟られまいとする喧嘩殺法か?毒入りカレー事件を唄った『I Love 真須美』や、中古レコード屋のCMっぽい「ハンター!」絶叫の『トキメキハンター』は名曲。ギターで唄い語り雄叫ぶ。歌詞カード無いのでくり返し聴いて歌詞覚えた。覚えてどうするっていう目的も無しに刷り込んだ。惚れた腫れた。E-mailガンガン飛ばしたって触れ合えないぜ!ときめきメモリアルじゃときめかなかったはずだ!ハンター、トキメキハンターァーゥ!