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Bastard EYES

Bastard EYES

J、Charlie Clouser、Pitchshifte、Praga Khan、DJ Swamp、Tweaker、I.N.A.,D.I.E. & K.A.Z、Schaf、他/Cutting Edge
 hideの死後、布袋とかグレイとか清春とか集めて作られたどことなく商業的雰囲気のトリビュート盤が売れていた。コッチはこっちで同じ死後盤なのだけどコアなつくりのリミックス集。死んでから「優しくてナイーブで良い人」風にしか語られなくなったhideのサウンド的に凶暴な部分を知ってる人たちによるジルチのリミックス。名前聴いても「あんた誰?」風のスタジオではスゴそうな面子が、ド悪魔な曲をとにかくヘビーに、マジンガーにショッカーに仕上げている。

3・2・1

3・2・1

zilch/Cutting Edge
 1996-97年にレコーディングが済んでいたが、98年7月発売。98年5月のhide死去により、死後盤となった。「ひざまづけ虫ケラ!」全てにおいて重く、厚く、全編英語のエフェクトボーカル。私の中では、芸能界向け歌謡ロックに大成功したhideが、世界の音楽シーンへ向けて放ったロケットアンカーという解釈です。J-POP扱いになっても、ジルチやってれば「ロックの魂忘れてないっす」って男気。美談で固めたテレビの追悼特集などでは(何故か?)全く触れられてなかった(当然か!)、凶悪なデジロックの毒牙ジルチ。『SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN』は、DJ-MIXやるときによく使った。

X JAPAN on Piano

X JAPAN on Piano

Hiroyuki Kozu編曲、Yasuharu Nakanishiピアノ/ビクター音楽産業
 弦楽奏&ピアノでシンセがちょと入っている。アルバム『ダリア』のバラード曲に加えて、『Alive』はインディーズ時代と、過去作のアルバム曲をピアノ協奏曲的にアレンジ。シンフォニック・エックス企画シリーズの後継として、YOSHIKIの泣きメロ『Forever Love』『The Last Song』がピアノコンチェルトで味わえるのは嬉しい。『DALIA』が未収録なのは残念、気合いを見せてほしかった。これアルバム「BALLAD SELECTION」と同じ選曲か。ピアニスト中西康晴は錚々たるポップスアーティストのレコーディングに参加していますね。

A music box for fantasy -YOSHIKI-

A Music Box For Fantasy -YOSHIKI-

編曲:Mutsuhiro Nishiwaki/SONY RECORDS
 オルゴール仕掛けのファンタジー・YOSHIKI作品集~ワールドミュージックボックスオーケストラ~という名義になっているが、オルゴールの実機を作り上げたわけで無い。シンセ音色なので木箱の反響は無い。内容的には廉価CDで流行したクリスタル歌謡曲シリーズ。全編YOSHIKIの曲。始めとラスト『プロローグ』『エピローグ』にゼンマイを巻くSEと、オリジナルイメージ曲が入っていることから、なんとか一歩上を目指そうとする企画努力は認めよう。ただこれ、エックスのファンがエックスのグッズだから買うという以外に、誰がどんな時に聴くのか想像が出来ない。天下のソニーからの発売でした。

Symphonic Silent Jealousy

Symphonic Silent Jealousy

東京アカデミー室内管弦楽団/ビクター音楽産業
 YOSHIKIをして「こんなアレンジにしやがって!(怒)」と言わしめ『Eternal Melody』発売の切っ掛けになったシンフォニック・エックス。アレンジはほどよく崩してあって落ち着いて聞けるが、メロディを弦でなぞるだけで本当の意味で管弦楽を使い切っていないですよね。YOSHIKI以外のメンバー作曲の交響曲バージョンが聞けるのは良い。hide作曲の『Love Replica』など、へーこうなるのか!と。ヨシキの怒りに触れたのか、権利がきつくなったのかわからないが、『Symphonic DALIA』が発売されないのは残念。興味半分だが出せばいいのに。チャレンジしろよなっ!レコード会社。

Symphonic BLUE BLOOD

Symphonic Blue Blood

東京アカデミー室内管弦楽団/ビクター音楽産業
 薔薇のステンドグラスのジャケットのXのオーケストラアルバムもあったけど、あっちは最悪の印象。エンドレスレインの主旋律をアルトサックスがなぞるという「伊勢崎町ブルースかよ!」ってつっこみたくなる編曲だった。それにひきかえ、こっちのシンフォニック・エックスシリーズは、木管、低弦を上手く使った編曲で歌謡曲っぽさを極力押さえている。アートワークや表記も控え目で、アイテムとしてもかっこいいんじゃないだろうか。『Rose of Pain』は大河ドラマのサントラみたいな…いや、よくがんばった。『Endless Rain』はアンニュイ版と可愛い版の2バージョン。『紅』はスパイス程度ピアノも絡めている。

ASTROSCAPE

Astroscape WAVESCAN

wavescan/FLAMEBIT recordings
 トランスが広く聴かれる時代になりました。コレ買っとけば間違い無いです。超硬派、超学級委員長なノンストップトランス。派手でゴテゴテした海外アーティストとは違い、日本人好みのマナーで、未来感、浮遊感抜群。各サウンドの音色、定位まで文句無し。緊張と解放、破壊力と創造力。所々でロボ声がアラートを伝えるあたりツボが分かっているなぁー!『Warped Planet』からスネアロールが二度交錯する『Psychrops』『Heavenly Body』の流れがエキサイト!発表後しばらく経ってから、TVK放映ドラマのテーマ曲に起用され「どこで買えるんですか?」との問い合せが私のとこにまで来た。

マウントマッシュルーム

マウントマッシュルーム

MT.MUSHROOM/independent*
 ガリガリの攻撃的なテクノでなく、いわゆる歌ものポップスで機材的にテクノなセット。張らずに高音でフワッと唄う声が、かわいすぎるほど透明感で耳に浸透し、インスト曲にもその精霊のような声が聞こえてくる。インタビューでは「山登るのすき。頂上で聴く用の音楽」と、アウトドア指向っぽい。確かに街の排気ガスとか生活感の部屋ではない、山頂の緑の空気と見下ろす湖のサウンド。あと、すいません、惚れました。山に誘われて不思議なキノコを食べたいです。楽曲もそうだが、パッケージやサイトデザインも洗練されててキレイ。この写真の衣装からNEURONというクラブ系ファッションのブランドを知って、けっこう買い集めた。

night

SMART PANEL-night

小谷美紗子/東芝EMI
 英語の比率多く、ドライブしながら聴けるアルバムとのインタビューだったが、ドライブそっちのけで感涙に浸りそうな「誰かの誠実な生き方」を沢山唄っている。普通の人が集まって悲惨なことが起きる。ほんの少し立派な人を目指そう。コレきっかけに買いそびれていたアルバム揃もえたよ。ピアノデュオのインストでも歌が感じられる。ピアノからにじみ出てくる体温というか湿気。曲も胸に迫るのだが、音楽の魔法を感じる。曲をタイヤにした感情というボディが軽やかに夜のハイウェイのカーブを走っている。ボンネットの向こうに星空が見える。夜空を見たくなる。夜を走っている。看板の明かりもない、夜更けだ。誰に会いたいのか、会えばいいのか、はっきりする。

夏

松田マヨ/MIDI inc.
 エレクトリックピアノの弾き語り。記憶、波打ち際、短い日、夏、恋、水。シンセのモジュレーションホイールに左手を掛けたようなワァァァという余韻ビブラートが残る寂しげな歌声。夏がモチーフだが、夏を回想する時期、心に秋風が吹いた日の様な隙き間風の美学。魅力的なメロディが、1曲として出なく1パートとして耳に残る。6曲中のどのメロディがどのメロディに繋がったか覚えられない。全部通しての組曲っぽいかも。バイオリンもまた寂しげで、寂しい好きにはたまらない美メロ。曽我部恵一プロデュースだが、ドラムなどバンドの音が鳴っていない、これは松田マヨのエレピから溢れでた世界。小泉今日子に曲を提供すれば声質的にもピッタリだと思う。