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超・激戦士

超・激戦士

新日本プロレスオフィシャルアルバム/Victor
 『猪木1.2.3.ダー!』、『橋本真也1.2.3.ダー!』を初め松村邦洋のANNでも好オンエアされていた『新日道場の音』など、超保存版の「場の音」を挟みつつの 新日本プロレス ヒーローたちの入場曲集。ブックレットの読み物や、抜粋年表も非常に良く出来ているので、ファンなら今からでも捜しまわって手に入れるべき。武藤敬司、蝶野正洋、佐々木健介らは初期の懐かしいテーマ。『パワーホール/長州力』はエバーグリーンすら感じる。名曲『爆勝宣言/橋本真也』にはシンセブラスとメタルギターの絡み。ただ勇ましい曲でなく、喜び、怒り、悲しみ、思い詰めた心の真ん中の純潔な闘魂が『爆勝宣言』には込められている。

オレンジ☆プランクトン

オレンジ☆プランクトン

オレンジプランクトン/みかんレーベル
 詩の情景や信念みたいなものが、適格に音楽で伝わってくる。それを先に書かずして、オレンジプランクトンを『○○なバンド』と大別して紹介はできない。誰かが傍らにいてくれるような、よわっちい子だけど心の支えになってくれるような、そんなラブ&ピースが溢れている。それを先に書いた上でノリのいいポップなナンバーと紹介したい。直球のピアノイントロからでも、ちょっと歪んだギターイントロからでも、ゆみの気持ちいっぱいの歌声とのマッチが高く、次の曲次の曲と始まる瞬間の、感動の期待値が高い。そして、それを軽く叶える唄の表現力。どこまでも温かく優しい。CDR時代の2枚の手作りアルバムは、どちらも無垢な輝きを放っていた。

THE LEGEND OF 1900

海の上のピアニスト

Ennio Morricone/ソニークラシカル
 客船の中に捨てられた赤ん坊。戸籍上どこにも存在しない、一度も陸に上がった事のない海の上の伝説のピアニスト。ジャズを発明したという船に乗り込んできたピアニストとのバトル後に、ピアノ線の熱からタバコに火をつける!カーライターか。窓の向こうの甲板に立つ女性に「きれいな人だー」とみとれつつ、手だけはピアノを弾いていてレコードを収録してるシーンが一番好きなんだけど、周囲の友人は誰もそのシーンは印象に残って無いと言った。なんでだ。『海の上のピアニスト』で一番美しいシーンだと思うのだけど。その時の原盤だけが、彼が残した気持ちの記録となった。音楽は『ニューシネマパラダイス』のエンニオ・モリコーネ。

ピアノ・レッスン

ピアノレッスン

マイケルナイマン/TOSHIBA EMI
 映画の主人公同様、なにか暗くてぬめっとした、それでいて手触りの良いものを、ピアノという楽器に注いで放出している感じ。不安で切ないメインテーマはTV番組の事件再現ドラマなどでもよく耳にする。ジャケットは、映画の中で厳しそうにうねる寒くて暗い海。Piano or Die !「私にはピアノしかないんです」ってくらい内向的に燃える魂。情緒的と言うよりも、もっと深刻に揺さぶられるメロディー。よくサントラ盤で、印象的なシーンの音声が収録されているのがあるが、『ピアノレッスン』最後のシーンの曲に、主人公エイダの金属の義指が鍵盤に当たる「コツッ」という音も含めた演奏を収録すれば、心を打つ名盤になったかも。

あんみつステレオ

あんみつステレオ

 

DJ-マツザキマコト/NOBLE MAMA

 iBookG3クラムシェル2台を両手にDJブースにセットオン。左手にキーライム、右手にボンダイブルーの貝型MACがターンテーブルだ。人気クラブ「恵比寿みるく」のおしゃれイベントを狂気に導いた、あの夜のマツザキマコトワークス『あんみつステレオ』を完全収録。起動音とビープ音、やがて流れる蜜豆テクノに乗っけたあんこは、和風の極み五七五の川柳。神仏を思わせる宮造りの和装DJ曲に、真琴女史がたおやかに読み上げる川柳はジャスト百句。蜜柑色の着物姿で神明宮の鳥居をくぐる松崎真琴が、珍妙な言葉のおみくじを引きまくるVJスクリーンと共に、他には無いものを発信するプライドと過剰なサービス精神が暴走していた。

 

 

 

日本の音風景 魂 - 能楽囃子 -

$SMART PANEL-日本の音風景 魂 - 太鼓 -

大場一刀と北海グループ、御諏訪太鼓保存会、佐原ばやし保存会・若睦会、神田囃子保存会、助六太鼓保存会、冠船流川田琉球舞踊団、八丈町大賀郷・三根、秩父祭保存会、御陣乗太鼓保存会、尾張新次郎太鼓保存会、菊水鉾保存会・菊童会、地車講、小倉祇園太鼓保存振興会、屋慶名青年会、他
 日本縦断の太鼓囃子コンピレーション。世界進出する筋肉ムキムキのパフォーマンス太鼓ユニットのアルバムでなく、各地街角の祭り囃子をずっと継承してきた地元の人々の演奏です。北海太鼓、神田囃子、尾張新次郎太鼓、祇園囃子、だんじり囃子。太鼓の張りも違えば、その奉納的緊張感や祭りの高揚感まで、こんなに違うものかと、ギターポップのレーベルコンピくらいに楽しめる太鼓コンピレーション。

Floating Works 1996-1999

Floating Works 1996-1999

 

ENITOKWA/SONIC PLATE

 宇宙だ宇宙!外宇宙よりも広い精神的な深みの内宇宙を感じさせるスペイシーなテクノ。瞑想したまま23世紀。音色は違うのだけど、音符的には、計器が変動する値をしめす様な有機マシンイメージ。例えば「KENISHIIのアルバム『JELLY TONES』のエクストラ以外の曲の方が、精神的にシンシン沁みるじゃん」と感じるホログラム的音像が好きな人は買いでしょう。オーロラが揺れている音だけ、みたいな曲をよく残したな、音色の最適な色彩設計に確信もあったのだろう。キラキラした繊細なミニマルではキックの輪郭をあえて、もわっと柔らかく仕掛けているのだと思う。あと、ソニックプレートのレーベルのCDが欲しかったんだ。

 

 

 

blue drum

blue drum

OVER ROCKET/urban primitive
 オーバーロケットは、彼らがデビューした時のキーボードマガジンのインタビューで、QY-70の使い手ということが語られていて、『blue drum』をHMVだったかの通販で見つけて購入。ネット通販でCDを初めて買ったのがこれ。記事は「あのドラムの音色は?」「QY-70です」「あのパッドの音色は?」「QY-70です」。注意して聴くと、なるほどなぁと思う宇宙音が沢山。ボーカル処理は光沢でなくマットな質感。ぼやっとしていてインスピレーションが沸きまくる。ボーカルの質感的には好みとして100点満点。フロア向けのアプローチらしいが、ヘッドフォン聴きの漂い感も最高。きれいだなぁ、理想型だよ。

PYRAMID OF VENUS

PYRAMID OF VENUS

HAL FROM APOLLO'69/TOSHIBA EMI
 デビュー直後のミニアルバム。『Icecreaming』なんて、キュンとするカワイイ歌い方に聴こえる。まだサディスティックなオーラを纏っていない頃のハルは、静かな狂気というか、スタンリーキューブリックの描いた「HAL」の様だった。勝手に決めた『PYRAMIDOFVENUS』>『PSYCHIK』>『HI-JACK』と、私の心の中でのサイレント侵蝕系三部作の第一段。音楽イコール、タイムマシン。ある曲により思い出がよみがえるという概念があるが、HAL FROM APOLLO'69の曲は、未来体験できる情景描写。宇宙船の残骸の中で不安とか、50年先のロックを体験できた1994年。

BLUE PRINT

BLUE PRINT

Vexation/r2 records
 ミニマルテクノの良作。アールツーレコード作品の傾向だけど、キックがドガッと入る時に、ベースの役割を果たすズギョーン!みたいなエフェクトひねりが入るのが心地いい。ツマミLOVE。彼らの地元名古屋でのイベント名で「カットオフ」というタイトルを使っていたけど、まさにレゾナンス&カットオフで、シンプルでいて変化し続ける耳ざわりの快感を作り出している。デトロイトテクノ直系のムダを削ぎ落した、キック、スネア、ハイハット、そして303系アシッドベースライン。締めなどはドラムレスで、反響音だけをハウリングさせた揺らぐドローン長尺6分で、良質なチルアウトまで用意されている。モザイクに見えるジャケはドット文字。