友情
山、社長、Super Family、ASHITA/All Japan Records
全日本レコードのコンピvol.1。はぐれテクノレーベル、レイプで培った友情、スペシャルサンクスJASRAC、等ジャケットに意味なしコピーが並ぶ。おもしろテクノの多くの後続者がオタク臭を漂わせる中、先駆者にして王者、全日本レコードは常にフロアの熱気を漂わせていた。モンキーマジックもカントリーロードも、マスタリング調整無し、高音荒いコレの初期バージョンが一番好き。ドリフ、北斗、ファミコン曲の以外にロボット甲子園、ヤワラちゃん、ビーバップ、稲川淳二の怪談などゼンニチのキーワードを声のみ無造作に収録。ネタものサンプリングの全国バトル開戦前夜。1998年。→
Interdimensional Transmissions From Beyond
I-F、Sluts'n'Strings & 909、The Krooks、Shake、UNI、Synapse、Le Car、Flexitone、V.A/Disko B
テクノコーナーにCDは増えても依然として情報は薄く、リスナーは購入の目安に自分へのサイン、アイコンを欲した。インベーダー、巨神兵、ジャケ内には、戦闘モードに目を尖らせたナウシカ、大胆な引用アートワークジャケ。made in USAだが詳細不明の海外コンピ。TB-303とTR-909のシンプルな構成のアシッドハウス、エレクトロ。音のサンプリングは無いが、ロボ声が入ったり。シンプルなものをレゾナンス&カットオフで耳障りを与えるという303好きの定番スタイル。1998年。→
Golden Delicious Hour
斉藤和義/ファンハウス
ベスト盤『ゴールデンデリシャス』のライブ収録バージョン。夏休み明け、会わない間に髪の毛染めて大人っぽくなっていた同級生みたいに、今になって斉藤和義を聞いたら色っぽくなっててグッときた。初期はふわっとしてたけど、このライブの頃になると繊細かつ骨太で、ボーカルがズンッと響いてくる。キャーキャー言われずに我が道行ってる唄が目潰し照明のようにステージから会場に放たれている。鎖を噛み切れ!首輪を振り払え!『FIRE DOG』BABY!!中盤、ロックンロールショー展開で『ウナナナ』『I'm FREE』。終盤は言わずと知れた名曲『歌うたいのバラッド』でしっとりから一転の幻覚ロック『砂漠に赤い花』のつなぎの流れが鳥肌モノ。→
PROFILE - too early to tell
小谷美紗子/MCA Victor
デビューの時にオールナイト2部の誰かの番組で曲が流れて、3時を回った真っ暗の深夜に、どうしようもないやるせなさと、それにあえぐ自分への全肯定に満たされたんだ。誰の曲か分からずに長い間見つけられなかった。若い日本語ロックのバンドがカバーしたくなるのも頷ける程、曲は品があって詩には毒がある。真実を正面で描くと毒になる。こんな歪んだ世の中で私はどうしたらいいんだろうと思わせられるけど、その事実に私以上にもがく彼女が解答をくれるんじゃないか、と人任せに傍観する。さらにその傍観を断罪し、悲しみや歪みを認めつつ、その闇に友情や信念を灯を見せてくれる歌がたくさんの宣言を重ねてゆく。メッセージソングでは無いのに。→
Best Harvest
原田知世/FORLIFE
変型ジャケットきらいな私としては、これを待ってた。変革の予感は『100 LOVE-LETTERS』から。これはシングル買ったよね。I could be freeが新宿渋谷の街中を席巻したシーズンは、まさにCDショップと自分との蜜月期だった。『ロマンス』『シンシア』『恋をしよう』過去数年に渡る変型紙ジャケアルバムに収録された名曲が、通常CDケースにまとめられたベストオブベスト。アレンジの優れたスェーデニッシュポップス時代と、それ以外の曲調の開きがやっぱりあるかな。スエーデニッシュ姉さんの時代の、スイートビターな記憶を思い出してキュンとなります。こんなに、自分のある一時代を思い出す曲になるとは思わなかったよ。→
Plantation
ringo/Sublime Records
レコード屋にテクノコーナーはなく、少数派の試聴もない。それっぽいジャケに願いを込めて、クジを引くようにCDを買うしかなかった。いわゆるジャケ買い。かじられた林檎にApple Computerを重ね、辿り着いたテクノ草創期リスナーは少なくないはず。正体はススムヨコタ。水晶玉が浮遊するウオーターパレスの冒険のように、静かめにくり返されるジャストなリズム。踊らせるため、より体感的にグルーヴする21世紀のテクノでなく、90年代の精神的なトリップを促していたテクノとはまさにこれ。神聖な石碑。龍宮城サウンド。『Renkon』や『Sumire』はゲームDepthの元ネタなんじゃないかしら。1995年。→
96/69~地球あやうし!

CORNELIUS、岡村靖幸、想い出波止場、暴力温泉芸者、砂原良徳、シトラス、ドクロ隊、他/Polystar
通常盤とリミックス盤、1粒で2度リリースが当たり前になりつつあった1996年。「外国のスゴ腕エンジニアよりも、みんなが知ってる日本人ミュージシャンが料理したものを、楽しみに聴きたいんじゃないの」という小山田圭吾の采配により。コーネリアスの曲を国内の人気者!がリミックス。小西康陽、スチャダラパーは当然といえば当然。他ジャンルの畑から『VOLUNTEER APE MAN』を石野卓球、『HEAVY METAL THUNDER』をhideが手掛けている。この並びだけで興奮、コーネリアスそれほど好きじゃなくても。ツボおさえてるよな!→
Tune-Up hide Remixes
田中フミヤ、D.T.Construction、DJ Turbo from GTS、DJ YUTAKA & MONCHI TANAKA、AMAMIYA Bros.、V.A/LEMONED
バ科学がコンセプト『サイエンス』のリミックス。CD制作にhideは携わっていないが、CGアートによる目を引くプロモーション活動の広告展開は本人のアイディア。デジロックからレゲエまで、アレンジはバラバラ。出来の良い改造はクラブ向けだが、半分位はシャラシャラした驚きの無い軽い音。ロックとクラブの理解の壁か。hideの曲をとれまの田中フミヤがミニマルテクノにした『Pose』これが重要!ヴィジュアルファン達のステレオであのハードミニマルが鳴ってるのだから。→
00
hide TRIBUTE SPIRITS

hide、布袋寅泰、LUNA SEA、GLAY、清春、SIAM SHADE、トランスティック・ナーヴ、BUCK-TICK、ヨシキ、Zeppet Store、Shame、他/PONY CANYON
死んでトリビューされるより生きて新作を出して欲しかった。CORNELIUSは『ヘビーメタルサンダー』の恩を『ピンクスパイダー』のremixで返礼する。HOTEIのギター、YOSHIKIのピアノ、あとヴィジュアル系のもろもろの人々。いいものを見つけてリリースするレーベルオーナーの「トラットリア」小山田圭吾、「とれま」田中フミヤ、「レモネード」hideが、このCDと何枚かに分けて、お互いとファンの為にremix交差した事実がカッコイイと思う。→
Merry Christmas Mr.Lawrence

坂本龍一/MIDI
ビートたけし、坂本龍一、デビッド・ボウイ出演の映画「戦場のメリークリスマス」。もしかすると、映画よりも有名になっているのかもしれない、チャカチャカチャンのあの メインテーマ『メリー・クリスマス・Mr.ローレンス』に、デビット・シルビアンのボーカルがのってる『Forbidden Colours』のバージョンそっちも良い。多くの外国語は「悲しい」だけでも5~8種類の言い表わしがあるが、日本語はひとつの感情を表現する単語が少なくて困る。切なさと、プラスもやもやーっとした感情、でも、浸っていたい悲しさが底から湧いてくる。映画の役者、兵隊たちの合唱や、ソプラノボイスの少年が唄っていたトラックなどもそのまま収録されている。→