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ERHU 二胡

 

二胡獨奏精選/GAR RECORD
 China Folk Instrurnental Music Collection。中国胡弓、二胡でポップスとか歌謡曲とか弾いてる場合じゃ無いんですよ。二胡を手にしたのは『賽馬』で受けた大陸の風であり、目指す地平は『二泉映月』。輸入格安CDで演奏家の名前もわからないこの二胡の音色が、即席ヒーリングCDをバンバンリリースするメイクマネースター以上の大陸の風を大スクリーンで展開する。無名CDだからこそ持てる田舎演奏のイメージ。装飾しないからこそ美しい古典の曲を、抜群のテクニックで譜面通りに再現している。だからこそ、速弾きパートの理解の為に再生スピードを2分の1にして、数字譜を目で追う勉強にも使える。

Sweet Home

Sweet Home

 

松浦雅也/CBS SONY

 古い洋館が舞台のホラー映画『スウィートホーム』。母の怨念・愛情というテーマだけあって、恐怖心をあおる脅かし曲と情愛あふれる曲が弦楽器中心に構成される。NOKKO、古館伊知郎、伊丹十三らキャストが快演で、こんなホラーは今まで無かった。霊に狙われながらも、TVクルーだからカメラに収めようと逃げない。『ホームスウィートホーム』は怖いイントロから天上界のハープへ。コーラスも美しく天国への扉となる。PSY・Sの解散時点で、名曲「チャイルド」が収録されているアルバムはこれしか無かった。空の隙間から誰か見てるよ、この一曲の為に購入した人も多いのでは。そういえば、アニメ『To-y』も音楽松浦雅也でNOKKO出演だった。

紫式部 源氏物語

紫式部 源氏物語

細野晴臣/EPIC SONY
 確か細野晴臣が新しいスタジオを作った一発目の作品で初めて琴をいじりながら収録したと、新聞で読んだ記憶がある。幽霊っぽい音色の曲が多い和もののサウンドトラック。実際、『源氏物語』には楽器として琴が登場するが、平安時代の曲の記録は残されてはいない。事実は音楽歴史の闇。六条御息所など生霊になるあたりで、鋭利でいて怪しさの光る横笛の旋律をボリュームを落として上手く絡めている。既成の雅楽に寄せずに、端々に独特の手クセが出ていて『銀河鉄道の夜』っぽいメロディーが出てくる事も。『銀河鉄道の夜』が銀のジャケでこちらは金の特色印刷。ボツ曲を『源氏物語』に使ったと言う噂もあるので、私の中では合わせて金銀セットの表裏作品。

筋肉少女帯ナゴム全曲集

筋肉少女帯ナゴム全曲集

 

筋肉少女帯/ナゴムカンパニー

 1stから笑う『孤島の鬼』、2nd『マタンゴ』、『いくじなし』、3rd『最後の遠足』等々、メージャーデビュー後に、これ以上ない超絶アレンジになった曲は、こんな風にバンドで始まったんだなーと分かるインディーズ盤。音圧が薄いが、エディのピアノはもちろん、『ララミー』、『釈迦』では女声オペラコーラスが入り、全力でプログレッシブに構築する世界観はやはり筋少ワールド。ブックレットにはナゴムレコード発のアナログレコード時代の秘蔵資料も掲載。『外道節』と『猿の左手象牙の塔』のスタジオ録音が聴けるのはこのアルバムだけ?発売当時、大型CD店では全然見かけなくて、新宿紀伊國屋書店2Fの決して広くはないCD売り場にあった。

きみとスイマーズ

きみとスイマーズ

スイマーズ/CROWN RECORD
 「続いては、このバンドでーす」by 相原勇。知ってますか?スイマーズ。今さら説明したくないというか、これはもう、知ってる世代だけで「あったなー」と懐かしみましょうよ。元気イイのが一番です。元気があればなんでも出来る。発登場の時、イカ天武道館(正月だったかなー)の時、数々の名シーン。海パンとゴーグルで、バスタオルをマントにして暴れまくってました。近所の中古屋で発見し、6ヶ月様子を見て誰も買わなかったので救出しました。それで、あ!っと思ったんだけど、このバンド、キーボードいるのね。どんなに狭いとこだって、どんなに深いとこだって、泳いでいけるよスイスイ。ブームと共にスグ消えたけど、CDは漂着したよ。

功夫音楽

功夫音楽

 

デカパンチョ/珠式会社トレパンジム

 タマ式会社ってな~に?!「目指せ株式会社」らしい。ジャケット裏アーティスト写真は黒い功夫着のメンバー四人。表のジャケットはカモノハシ?みたいな動物イラスト。コーラスも器用にこなすガールズバンド。わかりやすい歌のミディアムナンバーが7曲。カンフー・ミュージックというタイトルで買ってしまったのだけど「アチョー!ホチョー!」と叫ぶような曲が全く入っていなかったのは残念。肩透かしこの上なし。タイトルを見たときには、ジャンルとしてのカンフー・ミュージックまで妄想がもくもくと盛り上がっていたのに。音楽にカンフー要素さえ入っていれば、もう少しキャッチに入っていけたが。これはB級カンフー詐欺だ!どうしてくれる。

 

 

 

 

愛・夢・ルパン三世

愛・夢・ルパン三世

ルー大柴、エド山口、影山ヒロノブ、沙羅さおり、ホシノケンジ、紅麗/COLUMBIA
 タイトルのアイムルパンの時点で既に怪しい。一応、ルパン三世30周年記念ミュージカルのスタジオ収録版サウンドトラック。ルパンといえば女声チュルチュチュコーラス、爽快なジャズバンド等のイメージだったが…なんなんですか?!打ち込みシンセブラスにルー大柴が言ったもん勝ちの「俺がルパンだ~!」。ハードロックやラップもどき、これがルパンのCDか。やめてくれ感満載。「婆ちゃんルパンのCD、パンチザモンキー買ってきてくれた?え、ナニコレ?!全然違うよ、コ・レ・ジ・ャ・ナ・イ!」。ルー大柴ファンに向けて、藪からスティックさを生け捕り標本にしたメモリアル的な記念盤だ。

ハイカラ・ガール

ハイカラ・ガール

capsule/YAMAHA MUSIC
 東京MXTVで『東京喫茶』を聴いて、静岡ケーブルテレビで二人を目撃。「今日は天気がいいみたいなのねー」とか「自転車にのって、赤い自転車で」とか、歌詞が洗練されてないヘナチョコ感が漂うピコピコテクノポップというか、非力に作ったピチカートファイブというか。1曲目からファミコン8bitアレンジ、チップチューンやってくれます。シングル以外の曲それほどピコってなく、ボッサのようなアイドルのような、わかってるテクノポップ確信犯。ファミコン世代とかいって、二人とも若いんだよなー。スーファミじゃないの?『粉雪』『花火』『さくら』など季節を織り込んだり、花、風、陽射しを感じる外に出たいウキウキが漂っている。

Love Clock Works 001

Love Clock Works 001

girl meets love/徳間ジャパン
 ガール・ミーツ・ラヴ!CDが廃盤になってからずーっと捜しまわってついにゲット。TB303のTシャツを着ていたT2ya。狙いも完成度も1996年では高い水準なのに、完全に小室哲也にかき消された。丁度「小室の曲みたい」のがあふれた年代だった。パクリじゃなくて、電子音楽好きで海外の動向にアンテナ張ってれば小室じゃなくてもこうなるよね。『Over The Rainbow』のイントロ&アレンジが96年的テクノ。このイントロを確かめたい理由だけで買った。ガールミーツラブでオリジナル曲、gml名義で有名ポップスのテクノMIXを手掛ける。ガールPOPに鬼TB303ベース。アルバムはこの001オンリー。

Aurora Psychedelica

Aurora Psychedelica

 

Satori、Psychopod、Deflo、Psyko Disko、Blue Planet Corporation、X-Dream、Etnica、Om-Puter、他/eastwest records

 テクノのジャンル分け成分から最適なアートワークをデザイナーが見つけ出した頃、フライヤーにも沢山の人の記憶に残る名作が誕生する。『レインボー2000』周辺の初期トランス。21世紀のサイバー・トランスなどサイケデリック・トランスの派生に過ぎない。残像を残しながら蛍光色に空中を暴れるシンセベース。SONYテクノ以外の方がカッコイイ気がして渋谷のレコ屋を掘っていてMATSURI PRODUCTIONSのグラフィックにやられた。1999年。