こんぺいとう

マーガレットズロース/Oooit Records
阿佐ヶ谷の南口、SEGAのゲームセンター地下のライブハウスで、なんかの時に対バンで見て印象良く、次にマーガレットズロース目当てでライブ行ったら客がいっぱいで入れなかった。人気者めっ!なんだかんだでCD発見。「君の中の不安を僕が、ゆっくりゆっくり溶かしたいよ」イカしてないグループサウンズというか、古井戸の雰囲気もある。ルーツはフォークでしょうか。安アパートの学生が遭遇した胸いっぱいのときめきや悔しさとか。歌声ヘロヘロなんだけど、感情が先に流れてくるので染み入る。ちょっと油断すると、うるうるきてしまう木造アパート感。似てる名前のバンド、マーガレットラブランジェリーは相互関係あるのかな。→
PRISMIC(正規並行輸入盤)

YUKI/Epic Record (HONG KONG)
メジャーレーベルの見えない鎖といいますか、操る糸が見え隠れすると聴き手に思わせてしまったら、演出についていけてなくなっちゃうよ。いろいろ不利だよな。タイトルやイラスト、最後は引退メッセージまで本人の筆文字で雰囲気ある。バンドサウンドで歌謡系で刹那系。これがライブハウスでの出合いで見つけたならば、感情移入も素直だったと思うが。大メジャー販促から振り下ろされると「自作自演系のあれに似てるな。あれの後追いだな」と分類されてしまう。宣伝費が潤沢だった事が想像できるインタビュー番組や無料配布の多種ステッカーも。このブックレットを作り上げたデザイナーの丁寧な仕事ぶりのほうが気になる。違う場所で出会いたかった。→
20世紀ノスタルジア

広末涼子、原将人/ワーナーミュージック
宇宙人目線でビデオを回す青春ムービーのサントラ。広末涼子という強すぎるフィルターはひとまずおいといて。BGMでなく劇中曲の方の『ニューロンシティの夜』は、高校生がやっとこつくったようなテクノポップ。MP3サイトにゴロゴロあるようなザコ曲よりも安っぽいのだけど、このドラマにはそのような高校生が作った感じが必要だった。そして、なんの訓練もされてないような無防備な歌声。歌手の商品ではなく、ふつうの、通りすがりのインチキ歌レベルの、すばらしくないのに繰り返し思い出す歌声。その後、アイドル女優でブレイクせず、もしも『20世紀ノスタルジア』という作品だけで消えていった存在だったら、もっと心に残ったかも。→
COLOSSEUM I

TMN/Epic Sony Records
これのI&IIは、高速道路を走っている時にサービスエリアのカセットテープで買ったんだ。透明のケースに透明のカセットだった記憶。運転中に散々聴いて、何年か後でCDを揃えた。一曲目『Crazy For You』は、ほとんど歌無しで、女の子の話し声と伊集院光の高笑いがこだまする快作。「ワーハッハ!ナーハッハ!」小室哲哉よ、よくぞ伊集院光の声を選んだ!サンプリングボイスを楽器音と差し換える機材が普及し出した頃のTMネットワークライブベスト。収録場所、時期バラバラの録音を、CDにする時にさらにアレンジしていて、記録ではなくつくり込んだ仮想ライブ盤。キャロルステージ中心に80年代の最先端が疾走する。→
COLOSSEUM II

TMN/Epic Sony Records
疾走感の『Be Together』から木根バラード挟みつつ『Love Train』『DIVE INTO YOUR BODY』は、ドライビングソングだ。激しさよりも増して壮大なのだ。実際、高速で坂に差し掛かかり踏み込んだ記憶等々、思い出す。サポート、ギター松本孝弘、キーボード浅倉大介。「イェー」の叫び声大江千里。なんだろな、この頃は小室哲也の音もうっとおしい感じも無く、イントロの個性とか一つ一つ良かった。脇を締めてシンセの弾くのとか、キースエマーソン好きで、まねっこだったとか本人がキーボードマガジンで言ってたな。逆襲のシャア『Beyond The Time』も入って選曲的にもかなりベスト。→
月光蟲

筋肉少女帯/TOYS FACTRY
発売から十数年聴かずにいたのだが、ノーピアノのメタル筋少ならコレが最高との評判から購入に至る。ジャケの色合い、詩の世界から、月明かりの世界へ引き込まれる。『夜歩くプラネタリウム人間』では筋少オペラ声全般担当の久保田安紀がボーカルで歌っている。『風車男ルリヲ』の様な妄想を、考えている有象無象はたくさんいるだろうが、作品としてこの高まりを描けるのはこのバンドをおいて無いのだろう。ヴィジュアル系みたいな安っぽい狂気が漂わないのがナイス。重厚。田森赤貝が漫画化した『少年、グリグリメガネを拾う』の歌詞「ネコの中は薔薇」は、次のアルバム『断罪!断罪!また断罪!!』の『猫のおなかはバラでいっぱい』に繋がる。→
Symphony Of Enchanted Lands

Rhapsody/Victor
灼熱!シンフォニックヘビーメタルの炎。ヘビーメタルにしてもやっぱり、攻撃力より創造力が重要。激しい部分をドラマティックに聞かせる為の、静かな曲の配置もかっこいい。ピアノ一本からケルト民謡みたいな笛の音、オペラ声の様なボーカル。ケルティックなフォーク性を醸しつつ、ここぞという部分での太い男声合唱団の導入。後半『The Dark Tower Of Abyss』で弦楽奏バロックのイントロからギターへ引き継がれ、再び弦でテーマ演奏に転換する箇所でゴシック様式の頂点が見える。悪魔崇拝的な、暗黒、死、髑髏の様式美がロックTシャツに浸透した様に、正義、光、勇気のメタルも、日本のお茶の間に、思春期高校生の胸に届け!→
Emerald Sword

Rhapsody/Victor
閃光!シンフォニックヘビーメタルの剣。セカンドアルバム発売時の先行マキシシングル。アルバムから『Emerald Sword』。始めからズドドドと唸るドラム。短かめのイントロにバイオリンが響き、これでもかとばかりに軍楽隊の様な怒涛のコーラスがサビをもりあげる。このシングル盤でのみ聞ける『Where Dragons Fly』はアコギがメインの寂しい曲。『Land Of Immortals』はファーストアルバムのリメイク。1、3曲目ともわかりやすい爆裂系。正義っぽいメロディが痺れる。コンサート会場でエメラルドソードを歌う前にファビオが客席と掛け合う「スオーォーォード、スオーォーォード」のくだりかなり好き。→
幻魔大戦 -HARMAGEDON-

キース・エマーソン、青木望、佐渡國鼓童、ローズマリー・バトラー/VOLCANO
プログレバンドから映画音楽を手掛け始めたキース・エマーソンが「シンセサイザーはこう使うのだよ!」と教えてくれた名曲『地球を護る者』。独立したイメージアルバムだったら、全曲かっこいいのばっかり揃ったかもしれないが、サントラなので情緒ドラマBGMとシンセのSF楽曲が交互に流れるチグハグな構成。バッハ『トッカータとフーガ二短調』や、光のカーテンの様な『フライングフライング』など、コンピューターミュージックとは一味違う、古くならないシンセサイザー。当時レコード盤で、通常のボリュームになるまで小さな音で続く「タカタカタカタカ」を早送りできずにじーっと聴いていた。→→
作家の日記 四世同堂
原作:遠藤周作、三浦朱門、朗読:山本學、有川博/パルナス
サウンド文学館「パルナス」の朗読シリーズ、全60枚あるようです。好きな作家のを一枚ずつ集めて、あとNo.21〜30のインデックス本を買いました。遠藤周作、三浦朱門、北杜夫、佐藤愛子、曽根綾子界隈の解説文が載っている。『作家の日記』は講談社から文庫で出ている。フランス留学した1950年6月から1952年8月までに書いていた日記。遠藤周作が「『作家を志した青年の勉強日記』というのが正確な題名である」と語るように、遠藤周作氏の若き日の「心の記録」。戦後初の留学生。日本大使館もない時代のフランス、リヨン。『作家の日記』は既に文庫本で読んでるんだけど、寝ながら聞けるのでCDいいよね。→
