時の少女

谷山浩子/ポニーキャニオン
イラストは猫の宮沢賢治漫画の人、ますむらひろしで、歌のゲストでコンサートにも出たらしい。ベスト盤に入らない愛聴曲『ROLLING DOWN』『時の少女』収録。相変わらずメルヘン雪化粧。真っ白い雪の下には残酷性がドロドロで、春の頃にはグチャグチャになるんだろう。暗い曲調の中での片思いの可愛い詩や、勇気の出る言葉がピカピカと光る。泥道で見つけたビーダマみたいにポケットで拭いて宝箱にしまい込む。『ジャンク』の歌詞、「見たこともないのにまぶたに浮かぶ」深夜に初めて聴く谷山浩子の歌で、その体験は山のようにある。想像の森、朝日、風、想像の街、踊る人形。ミュージックビデオなど撮らなくともイマジネーションは無限だった。→
YOURS
フェアチャイルド/ポニーキャニオン
「言わなくてもDon't you know?」戸田誠司の曲&コンピューターによるバンド。打ち込みドラムって事で、1988年当時のデジタル機材を使ってるPSY・Sの名盤『シグナル』前後にサウンド的に近いような印象も。ブックレット写真で思いっきり流し目してるギターが、歌声やバッキングの雰囲気とは全然違う尖ったサウンドで、持ち時間きっちりギターソロを激弾きしてるのが味がある。このバンドと呼んでもいいのか迷うポップユニットで、やりたいことは出来ていたのかい?ボーカルが、おばあちゃん顔でおもしろい事を言う人だったなぁ。最後はギターがボーカルをぶん殴って解散だっけ。もうひとりが止めに入ってトバッチリだっけ。→
Legendary Tales

Rhapsody/Victe
伝説をつくるとは、こういうことだ。1997年発売、ラプソディーのファーストアルバム。剣と魔法の世界で起こる善と悪との覇権争いをテーマにしたエメラルドソードサーガ。その物語りを音楽で描ききるオーケストラ+ヘヴィメタルは既存のシンフォニックメタルとは区別する自称ハリウッド・メタル!アルバム四部作に、途中発売されたミニアルバムも加え2002年まで続くことになる。一作目といっても音的に見劣りする事は全く無く、フルート、ハープシコード等の楽器にも見せ場があり、弦楽隊に呼応するメタルギターの多重録音が繊細かつ轟音。このRPGの世界の住人達=リスナーが、ライブ会場に集り大合唱する日が来るとは、この時はまだ夢だった。→
UFOと恋人

筋肉少女帯/トイズファクトリー
高円寺庚申通り商店街をカップルで歩きながら「高円寺満喫だねー」なんて話してたオーケンをたまに見かけた。結婚してないし、彼女さんなのかな?確認のしようがないので未確認歩行物体です。そんな時によく『UFOと恋人』と心の中で言ってた。迷走かと疑うほどのコミックソングから、調子のいいCMソングとか、どうかしているアルバム。でも、高円寺のドーナッツ屋で女友達の話し相手をしながら作詞したエピソードなどを知ってから『高円寺心中』で「愛のパル通り」とか「ゲーセンで猫の背を撫でた」などの歌詞で、あの時の風景を思い起こして特別な気分になる。アジア料理店バーミィに「レシートくじ今月の当選者大槻ケンヂさん」と貼ってあった。→
孤独の太陽
桑田佳祐/ビクターエンターテインメント
サザンオールスターズは苦手な私が、唯一持ってる桑田佳祐ソロ活動のアルバム。人間の、男の、いやしい心が、そこはかとなく見えかくれする感じがいいです。『真夜中のダンディ』『すべての歌に懺悔しな』が入っている時期のソロなのにシングルの『祭りのあと』が未収録なのは残念。ちなみにコンサートビデオ『すべての歌に懺悔しな』のエンドロールは弾き語りで『ヨイトマケの歌』。これもCDに入れればよかったのにっていうか、あのビデオがそのまんまCDで出ればいいのによー。CD未収録のライブでやったカバーが聴けるよ!っておまけを設けてCD購入者にもセル版ビデオ買ってもらわないと儲からないのか。私が見たのはレンタルだけど。→
雨にぬれても
menbous/Bad News Record
メンボーズがバート・バカラックの名曲をカバーしたマキシシングル。1970年ビルボード第1位にして映画『明日に向かって撃て!』挿入歌『雨にぬれても』そして『バースディ』『つつんでひらいて』『雨にぬれても/カラオケ』の4曲。ギターもボーカルもあんな感じなのでみごとにメンボーズの曲になっている。カラオケがついているのは巷のJ-POPシングルには平均的にカラオケがついてるからなんだろうけど、メンボーズ演奏のカラオケバージョンはレベル高い。最上級のなごみサウンド。インストギター、サックス入りで、ぬくぬくコロコロしていて柔らかさではゴンチチを超えている。デパートの売場でかかってそう。いい意味で。→
POP

トーストガール/philter records
よく知らないんですけど、頭にトースターをのせてる人です。「パンの焼ける時の「チーン」て鳴るポップアップがかわいいので、そのトースターの魅力を世の中に広めるため」という事らしい。サウンドはゆったりぼそぼそのボーカル入り。トースターのベルは無し。英語多め日本語少なめの曲で、はじけたテンションでなく普通に聞ける。低音がモワッっとかなり太い事に気づく。歌詞カードはあるが、作曲&エンジニアの表記は無い。自分を表現したい素人が、まず歌を出してCD屋の棚へ露出するのは、顔を売りたい女優がとりあえずCDを出して、テレビの歌番組を一巡するのと同じ。音楽作品がキャンペーン行脚のステップの一つなのだろう。→
マツエジュンのゲバゲバ宣言

松江潤、バッファロードーター・リズムセクション/ミディ
SPOOZYSの人。鴨川つばめのイラストジャケだったので買った。そういえば『マカロニほうれん草』でもロックネタ多いもんなー。絵のタッチからポップなのかと思ったらけっこうロックだった。普通にかっこいいバンドの音。といってもスプージーズ聴いたこと無いし、そもそもギターバンドに対してどうでもいいと思ってるので、他のバンドの名前が浮かんで「この曲は○○みたい、今の曲は××みたい」ってその程度しか受け取れない。インターネット通販のWEBサイトでHMVと新星堂の両方が『ゲバゲバ白書』っていう登録ミスが共通なんだけど、もしかするとデータベース入力した業者が一緒?一方が他方のコピペしたとか?→
伊丹十三です。みんなでカンツォーネを聴きながらスパゲッティを食べよう。
伊丹十三、高梨木聖(いたみじゅうぞう、たかなしこみな)/Solid
伊丹十三がスパゲッティに関するウィットに富んだテーブルトーク連発。区切りごとにイタリア人の微妙な日本語カンツォーネが流れる。TFMアバンティのカウンターの様だ。うんちく王のウィットを含んだトークにキャッキャ!喜ぶ高梨女史の笑い声がめちゃめちゃカワイイ。この笑い声におカネだしてもいい!レコードの再発CDなので「針を戻してもう一回聞け」などと言う。それに、アナログ盤サイズで読み物になる体裁の4段組みレイアウトのコラムが、CDサイズだと1文字が1ミリ弱。虫眼鏡で読む。伊丹十三の料理では「マヨネーズ+アジの開き+カイワレをトーストにのせて」ってのが私の生涯ベストパンの具。→
TB-303 EXPERIENCE

DJ MAX/independent*
TB-303をカフェでいじってる女の子の写真をジャケットにするバランス感覚を持った303好きを見つけて大笑い。思わず購入。こうゆうおもしろい人が、地方の場末のテクノCDショップにCDR作品を出しているといううれしい事実。まだまだ世界はおもしろいな。全6曲ともBPM140キッカリで6分以上の長さ。初心者DJならどこからでも使いやすい。曲はTB-303満喫にとぼけた上モノがあったり、逆にどの曲も中盤になると全く同じ音色のアシッドな展開になるので1曲ごとの特徴はとくになく、どれも同じ。イイじゃないか開き直れば。駄作ではないが全部同じ!これのレビュー書いたら、酷い扱いの無断リンクが増えたよ。恐ぇ~。→



