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Delsole

DёL SoLё

DёL SoLё/Wonder of The Record
 強烈なストリートミュージシャンを前にしていつも「私はおカネを払う人になるぞ」と。感動しましたとか言って、路上の本人捕まえて音楽談義とかウソだ。話しをしたくて、悪く言わない人が褒める言葉とか、もう私は絶対口にしないで、開いたギターケースに千円札をホイッと入れるよ。それで音源持って帰って、おカネを払った立場で、誉めたり貶したりするよ。デルソルはインストバンドで、高円寺の高架下で通りすがりに惹きつけられた。人間性に触れている様なバイオリン体験は初めてだ。楽器の相性が凄く良いのだろうか、擦弦ひとつの憂いが感情として溢れてくる。ヒーリングほど澄んでない。どの曲も夕焼けが似合うのだ。

2046 オリジナル・サウンドトラック

2046

梅林茂、Nat King Cole/レントラックジャパン
 川田社長が『恋する惑星』のビデオ持ってきて「ほらこいつ、オンフェイじゃないか!」。腕時計に埋めるダイヤを香港企業はよく偽のガラス玉で納品してきた。初期ロット以外全部欠陥とか。社長はよく抜き打ち検査で中国へ行き、香港で遊び歩いた。女の子がお酌をする飲み屋でママに「この子はこれから芸能界デビューするの、よろしくね」と紹介され、社長がツーショット写真を撮っていたのがフェイ・ウォンだった。『夢中人』は日本で愛されラジオが繰り返しオンエア。次の職場で私はDVD『2046』販売展開の店頭デザインを担当するんだけど「あ、こいつオンフェイだ」って叫んで、偽ダイヤと川田さんを思い出していた。

Trapeziste

Trapeziste

 

KAHIMI KARIE/ビクター
 フレックスのコア出社時間スレスレ10時に出社する、朝来ないデザイン室の朝子。Yo-Kingが好きなあまり髪型からファッションまでYUKIになったところまでが前回のあらすじ。この朝子、ライバルはカヒミ・カリィ。二子玉川のスーパーでよく見かけるらしく、やれ、肌の張り、髪の水分量、アタシの勝ちだの吹聴するのでハイチューを与えて黙らせた!カムカムごっくん by カヒミ。全部小山田の手柄と言われ腹たったらしいギターを置き去りにエレクトロニカへ。ライブとか、クラブとか、年齢的にもうよくない?!クイーンズ伊勢丹で生ハムとチーズ買って、カロリーヌの絵本めくって家飲みだよ。そりゃカヒミだってスーパーで買物するよ。

Vendome, La Sick Kaiseki

Vendome, La Sick Kaiseki

SPANK HAPPY/キングレコード
 動画サイトにあるスパンクハッピーの『PHYSICAL』のライブ映像に関しては、私だけで100回くらい再生してるんじゃないかと。ライブといっても、菊地成孔は楽器も持たずに岩澤瞳は口パクで、CDに合わせてふたり揃ってゆるく踊るという。チャイナドレスに黒手袋でしゃきっとしないくにゃくにゃした踊りなにあれ!あと、間奏中になんか内緒話してクスクス笑うし。曲の、夢の中にいる感じとここまでマッチするかと感激すら覚える。フランス語展開や女の子の脳内つぶやき系ラップとか、ポップスにして古くならないバックボーンの深さも見え隠れ。ステージで手ぶらで踊りながら、俺のサックス最高とか思ってんのかなぁ。なにこの多幸感。

リニアモーターガール

リニアモーターガール

Perfume/徳間ジャパン
 DTPオペの夕子、会うなり「このあと用事があるから長く居れない」と宣言しておいて、ワイワイ盛り上がったらてめぇが喋って気分良くなったのか、終電まで居るパターンって、あの初めの宣言はナンなの?!帰るタイミング「次の用事が!」で自由離脱って話法だろ?盛り上がり次第で居るとか気持ち悪い。用事あるならお前来なくていいぞ!だよ。集まった人は予定あけて来てるのに。それで自信満々、Perfumeがキテると言ってたが。パッパラ河合ワークスの頃から、ヤスタカ氏は金沢時代から知ってるよ、とか口に出すのヤメて受け流す。上機嫌酔っぱらい女を電車で送る途中、ヘッドフォン半分づつの仲良し並びで聴かされたのがこの鉄道ソングだった。

結晶世界

結晶世界

 

Zemankova/independent*  雨だれの叩く木琴。曲が走り出し、遅れて聞こえてくる呪文のような歌声とハミングで構成された1曲目『Dawn-lullaby』だけが今回唯一のボーカル曲。チャリンチャリンと金属のあたる何かを降っている音だけの2曲目『時計の部屋』。オルゴール仕立てでセピア色の時間を逆回転させてくる『夏の腐れ月』。小さな歯車、振り子が延々と同じ運動を繰り返すコトコトと幾何学的で固い音符。鬼才アフロチカ女史が「岸田今日子がバンドを組んだらどうなるか」という一見奇異なコンセプトを、ボーカル的な語りでなく、インストロメンタルのサウンド面で確実にやってのけたアルバム。岸田今日子ミーツSteve Reichのコラボだ。

白い人 遠藤周作著

白い人 遠藤周作著

 

平幹二朗/新潮社

 もはやCDの内容紹介を放棄して雑談が続きます。音楽だけが大好物でNo Music No Life? そんな訳ないじゃん!日々の私は文学の話しばかり。部屋にはマンガもプラモもテレビも無く、遠藤周作の全作品が詰まった本棚があるだけ。パソコンへ向かう時より、文学に触れる時が自分に戻る時間です。文学は人の長い一生を短時間で知れること。どんな他人にも深い人生があることを忘れないこと。尊敬の無い人間関係は、生活と呼べても人生の時間ではない。2002年発売3枚組『白い人』は何の企画盤だったのか?ドラマではなく長い朗読。年老いて小さい文字が読めなくなっても、遠藤周作の小説を楽しむ準備はコレ。私は生活ではなく、人生の方を生きます。

Nasca Explosion August 2000

NASCA EXPLOSION August 2000

 

Nasca Car&Fantastic Explosion/Beautiful Challenge

 怖いっす!目を閉じても耳を塞いでも、焼き付いて離れない古いテレビを録画したビデオ再生サウンドの数々。仁侠、怪物、UFO、暴走族、湧き水のように昭和ニッポンの呪文がくりひろげられる魔術師2人によるビデオ再生セッション。誤解釈もあるだろうが、凄いと同じくらい怖い。聞きながら寝ると、禍々しいものに追い掛けられる夢を見るので、そういう注意書きをしてもいいくらいだ。ライブ会場が伝説の中央線系レコード屋吉祥寺東風で、そのクレジットがまた貴重といえる。トラック32で「遠藤周作、違いの分かる男のゴールドブレンド」のCM音源が入っている。そこ保存版。

 

 

 

Sci-Fi Basso + Live in Berlin

Sci-Fi Basso + Live in Berlin

 

今沢カゲロウ/Q.I.Base

 六弦ベースで世界を渡り歩くベースニンジャ、今沢カゲロウ。発売元ドイツ盤の生サイン入りを阿佐ヶ谷の中古CD屋ブラックサブマリンで捕獲。この店、業界筋にルートがあるのか、希少な見本盤(既に閉店して時効だからいいでしょう)や、サイン入りとか置いてあって巡回するのが楽しかった。ジャケ買いでなく店を信頼する店買い。単純な音の中に、津軽三味線的な反復展開で、グルグルとしたイマジネーションが伝わってくる。音楽的には生だけどマシーン的なミニマルのグルーヴで、これ演奏するの凄いことは分かるけど、ライブで見ないと「どうなってんの?」と想像出来ない。録音が作品じゃなくて演奏が作品という部分は、CDでは説得力に欠けるかも。

Triple Best of 20th Anniversary

SMART PANEL-Triple Best of 20th Anniversary

 

金谷ヒデユキ、天空快、童心スチャラカ、サンダルバッヂ、他/キラキラレコード

 レーベルの20周年3枚組。大正九年のCDアンケートで杉並の会社と思ってたら、オレンジ☆プランクトン聴いてた頃、西早稲田でパスタ食べた店が事務所移転後のキラキラカフェだったり。キラキラからCD出した人を見に行ったらそれほどでもなかったけど、対バンのイカス人と仲良くなれたり。TVのインディーズ番組で見たなぁとか。ときめいた『さくら』のカセットテープってバンドがもう連絡つかないとか、『あの頃、オレンジの靴』の有刺鉄線が直球ど真ん中ビートパンクで好きだが、えー解散?!厳しいなぁ。バンドたち全56組、色んな影響受けていた事実がある。一瞬の輝きを永遠に保存したベスト。