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Nasca Explosion August 2000

NASCA EXPLOSION August 2000

 

Nasca Car&Fantastic Explosion/Beautiful Challenge

 怖いっす!目を閉じても耳を塞いでも、焼き付いて離れない古いテレビを録画したビデオ再生サウンドの数々。仁侠、怪物、UFO、暴走族、湧き水のように昭和ニッポンの呪文がくりひろげられる魔術師2人によるビデオ再生セッション。誤解釈もあるだろうが、凄いと同じくらい怖い。聞きながら寝ると、禍々しいものに追い掛けられる夢を見るので、そういう注意書きをしてもいいくらいだ。ライブ会場が伝説の中央線系レコード屋吉祥寺東風で、そのクレジットがまた貴重といえる。トラック32で「遠藤周作、違いの分かる男のゴールドブレンド」のCM音源が入っている。そこ保存版。

 

 

 

Sci-Fi Basso + Live in Berlin

Sci-Fi Basso + Live in Berlin

 

今沢カゲロウ/Q.I.Base

 六弦ベースで世界を渡り歩くベースニンジャ、今沢カゲロウ。発売元ドイツ盤の生サイン入りを阿佐ヶ谷の中古CD屋ブラックサブマリンで捕獲。この店、業界筋にルートがあるのか、希少な見本盤(既に閉店して時効だからいいでしょう)や、サイン入りとか置いてあって巡回するのが楽しかった。ジャケ買いでなく店を信頼する店買い。単純な音の中に、津軽三味線的な反復展開で、グルグルとしたイマジネーションが伝わってくる。音楽的には生だけどマシーン的なミニマルのグルーヴで、これ演奏するの凄いことは分かるけど、ライブで見ないと「どうなってんの?」と想像出来ない。録音が作品じゃなくて演奏が作品という部分は、CDでは説得力に欠けるかも。

Triple Best of 20th Anniversary

SMART PANEL-Triple Best of 20th Anniversary

 

金谷ヒデユキ、天空快、童心スチャラカ、サンダルバッヂ、他/キラキラレコード

 レーベルの20周年3枚組。大正九年のCDアンケートで杉並の会社と思ってたら、オレンジ☆プランクトン聴いてた頃、西早稲田でパスタ食べた店が事務所移転後のキラキラカフェだったり。キラキラからCD出した人を見に行ったらそれほどでもなかったけど、対バンのイカス人と仲良くなれたり。TVのインディーズ番組で見たなぁとか。ときめいた『さくら』のカセットテープってバンドがもう連絡つかないとか、『あの頃、オレンジの靴』の有刺鉄線が直球ど真ん中ビートパンクで好きだが、えー解散?!厳しいなぁ。バンドたち全56組、色んな影響受けていた事実がある。一瞬の輝きを永遠に保存したベスト。

 

 

 

Metal Blue America

Metal Blue America

 

ケンイシイ/ソニーレコード
 発売後しばらくしてから『Metal Blue America』が、めちゃイケの何かのテーマで繰り返し使われてたよね。思い出せない。発売された当時は、変形CDケースが嫌で、結構気に入ったのに買わなかったんだ。高円寺珍屋で買い物すると入れてくれる坂本慎太郎(ゆらゆら帝国)イラストのCD袋が欲しくて、棚を物色してたら通常ケース版が出回ってた!めでたく購入。オリジナルの音細い?という印象だけど、曲はカッコイイ。テクノ歳時記でいうと、サンプラーを手にしたシンセ少年たちが、コンプレックスでもあった声やギターを、サンプリングすることでガンガン武器にしていった時期。その手法の見本も神ケンイシイが示してくれたということ。

ラフレシア

ラフレシア

 

エーツー/オフィスぎゃふん

 カセット録音で「ガチャッ」の音も作風の1要素だった彼女らが満を持して発表したファーストCD。CDでやるべき思想を備えてレコーディングエンジニアを迎えたHi-Fi作品。かつてFLIP-FLAPが「おなか痛いの~」と唄ったテーマをエーツーはトイレに駆け込みドアを叩くところまで突き進む『ハライタ組曲』。ハワイアン『夢のマダガスカル』かなりツボ。しかし、ウクレレもスティールギターも無い。アカペラだから!多くの創作者がエーツーを好きになる訳は、表現衝動のど真ん中を行くところだ。教室でホウキをギターに構えたドリーミングガーリーたちのサクセス像。たまの石川さんのお店「西荻ニヒル牛」で音楽の買物があるという縁も幸せだ。

The Man Machine

The Man Machine

Kraftwerk/Astralwerks
 『人間解体』っていう邦題が付いてんのすごいね。クラフトワークを聴いたのは、ごく最近。たぶんテクノ=3人という潜在意識から、4人の並びがピンと来なかったのかも。中古CD屋THE 55のおじさんを庚申通りの古道具屋で見かけて、そういやご無沙汰だなと歩いてって、店頭100円ラックで初めて手にとった。内容は当然イイに決まっていた。びっくりしたのは、聴いたことあるフレーズのほとんどが、伊集院光の番組中に使われるBGMで、関連記憶が頭の中にすでに結構あったこと。あれも『Machine』の声だったのか。記憶が色々開く、阿佐ヶ谷ゴーゴーレコードと高円寺THE 55の地図画像は何年も前に私が描いたものだ。

tomato organ

tomato organ

トマトオルガン/HANABI RECORDS
 沖縄の「Cdya」というCD屋さんのマスターのバンド。そのお店へ卸していたうちのレーベルのCDの売上を振込む前に、相殺してもらってCdyaの取扱いのインディーズCD-Rを何枚か購入した時にうちにやってきた思い出の1枚だ。from那覇のゆるいギターと、ピーとか音がはずれるリコーダーが落ち着く。キリンジ、キセルくらいかな?ガーゼのような弱い感触の男声ボーカル。この弱さは、あるものを唄えばいいんだ。何もえぐらなくていいし、責めなくていい。間奏で街のノイズが入る。川があり、道がある。いろんな情景をつぶやくけど、結局、ねこじゃらしをぶらぶらして近所の農道を歩いてる。これ聴いてると急がなくてすむ。

サンキュー

ワン・ツー・サンキュー

ワン・ツー・サンキュー!/THRASH ON LIFE RECORDS
 語り継ぎたい中央線のレコード屋について。ココに行けばなにか見つかるっていう高円寺サンレインレコーズ。ネットショップになっても買い物時に月刊CDRでいいバンドの紹介を続けている。文化を集めて紹介してくれる店との思い出は、今の自分への影響のルーツに当たる。パニックスマイルのライブ見に行ったとか、佐々木敦が雑誌「エクスポ」を作ってたとか。うまい棒グッズを集めていた自分にとっては、まさかのやおきん公認のうまえもんジャケット。駄菓子屋にも雑貨屋にも、普通のCD屋にも無いこの出会いをありがとう。サウンドは、あっけらかんガールズバンドで、高速パンクとかあって弁天レーベル的。

ASAGAYA FRIENDS~legend of banana skin バナナの皮の伝説

ASAGAYA FRIENDS~legend of banana skin バナナの皮の伝説

Kuma&Koutaro、A.LALA、井野信義、池田篤クァルテット、藤井伸昭、野本晴美、山下洋輔、akami、内山有希夫、アクターズ、他/東京あど弁舎
 家でインストの曲をかけてたら「吐夢にいるみたい」と言われた。そりゃそうだ。阿佐ケ谷の老舗ジャズバー「吐夢」&「鈍我楽」35周年記念コンピ。あと、ネットカフェなど無い時代に漫画喫茶の姉妹店「我楽亭」があったこともメモ。阿佐ヶ谷を愛すジャズメン、山下洋輔、友部正人、ねじめ正一、佐野史郎などなど、渋いのからおふざけまで。鈍我楽ライブ録音ものも入っている。ジャケ裏の寺山修司彫刻もイカス。地元徒歩ジャズバーに入り浸ること幾十年。大衆居酒屋の作法未だ分からず。浅川マキを知ったのも吐夢だった。

DARKNESS IV

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浅川マキ/TOSHIBA EMI
 訃報が走った日は、Ustreamで曲かけまくって追悼して「俺、今年喪中だからね。しょうがないよ、マイ・マザーが逝ったんだもの」とかそんな具合だった。DARKNESS IVには「どんな死に方がいい?」という質問に浅川マキが「寝たまま死にたいね。どこでもいいそれはどこでも」と答える会話が収録されててドキッとした。寝れる処こそ故郷なのだろう。連合赤軍事件の映画「光の雨」の喫茶店シーンに『夜が開けたら』が使われていて、合点がいった。きっと私の誕生日にも、どこかの喫茶店やバーで浅川マキがかかっていたはずなのだと思った。海辺で産まれた赤ん坊が聞いた波の音と同じく、私は都会で産まれて彼女の歌声を聴いていたのだ。