初恋に捧ぐ
初恋の嵐/Sony Music
神奈川TVKのSAKUSAKUだったか、東京MXTVの電リクBBだったか忘れたけど、山本太郎と緒川たまき出演の映画のようなPV『真夏の夜のこと』に胸を撃ちぬかれた。もう一回見たい、と思い静岡ケーブルTVのMusic Partyにリクエストしたら読まれて、録画したPVを夏の間中見ていた。「このバンド好きだ」って知った時、デビューCDが出た時には、すでにボーカルが他界していた喪失感がドラマを加速させた。小説や音楽が可能にする、きれいな思い出の捏造。こんなにも心をかきむしるロックバラードが1曲あれば、何度でも夏の匂いを嗅いで、偽物の失恋に酔うこともできたし、緒川たまきの演技の涙にだって憐憫を抱いたものだ。→
blossom - Hapiness Compilation Album Vol.3
EeL、IDOL TAXI、HI-TECH MATES、Phase 6、Stoned Soul Picnic、Qypthone、Jet Lopez、Airbus、他/Happiness Records ずるいっちゃ、ずるいけど、いいじゃないですか。何が?ジャケットが。ラテン感漂う生音がリミックスの手法でいじられた勢いの良いDJ曲。カワイイ系フレーズボーカルの入ったものが多く、それすらもサンプラーに仕込まれ済みでトリガー制御を思わせ、2000年時点の音楽制作環境の流行がわかる。聴いて楽しくなるコンピ。ゴリラアディクトやChelucyとかのCDとか自分は1枚も持ってない、と思ってたら、再生プレイヤーに名前出てきて吃驚。あぁこのCDか。→
tokyo.sora original soundtrack
菅野よう子/RED ALERT RECORDS
映画を見に行って良かったときにも、パンフレット買う習慣がない。余韻に浸るにあたっては、キャストの情報も、制作こぼれ話も必要ないし。好きな映画のサントラこそが、余韻に浸る為にはマストなアイテム。『tokyo.sora』は、映画の中に空白が結構あって、インタビューやフォトブックなどを読めば「実はこうだった」みたいな空白を埋める符号があるのかも。だから、むしろ目を通さないで、映画を初めて見たときに感じた印象だけで、ずーっと好きな映画にしておきたい。sky、sky、と繰り返す『トライフルソング』1曲だけでも、その時間は特別な気持ちになる。事故か自殺か分からないあの娘は飛行機雲になったのかな。→
moderate
fockea crispa/independent*
旅の人がサラサラっと書いたスケッチを置いていって、この絵上手くない?!ってサイン見たら山下清画伯だった、みたいな曲『農協前』。大正琴やギター他、弦をはじくものをメインに何種類もの楽器を使った三人のアンサンブル。一見リラックスムードの曲調なのだが、音数や技工とは別の、音楽としての静寂さも鳴り始める。苔や敷石、砂紋や植栽からの木漏れ日までもデザインされた日本庭園のような均衡の美しさだ。『ラジオスターの悲劇』は、世界中の多くの人が知っている曲をフォッケアクリスパのサウンドでカバーしたことで、青い目も黒い肌も皆連れて、枯山水の日本庭園を観光させる。海外対応の重要な曲になっていると思う。→
FIRST
トータス松本/Warner Music Japan ボーナス支給日で、ブラック会社の浮かれ野郎どもの酒盛りに誘われたが…断る!2009年のその日、ウルフルズ東京最後のライブ六本木ヒルズアリーナへ急いだ。整理券とれなかったけど声が聞ければいいよ。そんな人たちがオープンスペースに溢れ集まってた。最後にやった曲がこのソロの『明星』。集まったファンへ全人生、全判断を肯定する声は響いた。「なにもかも間違いじゃない、なにもかも無駄じゃない」皆、解散を噛み締めていた。数年後、聴いてたら幼稚園児が最後の曲知ってると歌い出した。『みいつけた』が子供番組のうただった。ちびっ子がトータスを唄う日が来るとは。たまに聴き、何度も支えられ、何度も泣かされた。→
RUMBLE
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT/日本コロムビア
ライブ行かないと本領を見れない?ことはない。テレビで魅せつけたのが生放送MUSIC STATIONのt.A.T.uドタキャン事件。急場しのぎでミッシェルガンが出番変更。出演者皆みな準備済みのカラオケ口パクで、t.A.T.u枠で開いた穴を対応できない半放送事故ムード。CM中やり取り「俺らもう一曲できるじゃん」からスタッフ頭下げ「お願いします!」がありーの、セットもない観覧席前での生演奏。タモリもV6も異常事態にノリノリという顛末。FACTORYよりも興奮した。このCDは『Get Up Lucy』『Automatic』ばかり聴いてた。オススメで人にプレゼントもした。→
All the Things She Said
t.A.T.u./ユニバーサルミュージック
英語バージョンとロシア語バージョンとがあるとか、トレヴァー・ホーンの仕事とか、リミックスとか、その辺は重要でない。まぁー朝子のレパートリーですよ。朝子っていうのは、朝必ず遅刻してきてたグラフィックデザイナーの実在職場女子で、日夜珍言妄言が素晴らしく、ずっと注目していた長髪ヒロインなんだけど。どんなメロディーにも「ほにゃらかさん」の繰り返しを乗せて唄うことで、洋楽も軽く口ずさんじゃう特技を持っていた。それで、ある時すれ違いざまに早口で「ほにゃらかさん、ほにゃらかさん、ほにゃらかせー」って唄っていたのが『All The Things She Said』だった。コーラ吹いた。これは、君の歌だ。→
We Are Shampoo
シャンプー/EMIミュージック・ジャパン
悪態ついたところでバイトには遅刻しないで、スーパーのレジ打ちがんばっちゃう田舎のハイスクールロック感もりもり。ファッションパンクが都会的で無く地方の燻りに見えた。かつてNHKの歌番組に出演して「お~お~、そろそろヤバい」とか日本語訳字幕がイケてなくて脱力し、引越しの時にブックオフで10円で売却したウイアーシャンプー。それが、中古屋の10円ワゴンセールを経て、今再び我が家に戻ってきた。やっぱり『Trouble』『Delicious』とかヒット曲の持つパワーはすごい楽しい。買ってきたのは物でなく、あの頃の思い出。2007年の再発盤でなく1994年の色あせた方。次にt.A.T.uが聴きたくなる。→
joy

YUKI/Sony Music
「変なバンドやめてよかったね」て書いたら賛否両論あったけど、反対派の君たちの結論は勝手に出せ。音楽は受け取った君のものだ。私にとってYUKIといえばデザイン事務所の同僚、遅刻常習犯の朝来ない朝子さん。「私、YO-KINGがタバコ吸う女嫌いっていうの読んでからタバコやめた」が朝子名言集No.1で、髪型もYUKIだ。もうYUKIイコール朝子っていうか、テレビで見てると朝子にしか見えない。『サイダー』『ティンカーべル』の異常なまでのキラキラ魔法は、青春感と見せかけて、青春全部知った上でのYUKI世代のフラッシュバック青春だと思う。朝子は絶対カラオケで『joy』歌っている「死ぬまでワクワクしたいわ~」って。→
Morning Tracks Volume 4
DJ-YODA/Horizon
1997年〜2000年このコンピタイトルはブランドだった。ある時、啓示に突き動かされ「風化させちゃイカン」とmixiにモーニングトラックスのコミュニティを作ったら、5年振りのVol.4発売のニュースを知らされる。音楽の持つ運命が無意識の人間を動かしてゆく、その一人に選ばれた快感があった。リリースと同時のパーティーなど期待感があり、夢を見させてくれるタイトルだ。しかし、Vol.4の内容はトランステクノ味が消えていた。2006年の今では正直このレベルなら後追いのDJたちが無料のmixをネット配信している。だからこそCDで出すならば、Vol.1+2がそうであったように青空の写真でスカッと決めて欲しかった。→






