SMART PANEL -47ページ目

moderate

moderate

 

fockea crispa/independent*

 旅の人がサラサラっと書いたスケッチを置いていって、この絵上手くない?!ってサイン見たら山下清画伯だった、みたいな曲『農協前』。大正琴やギター他、弦をはじくものをメインに何種類もの楽器を使った三人のアンサンブル。一見リラックスムードの曲調なのだが、音数や技工とは別の、音楽としての静寂さも鳴り始める。苔や敷石、砂紋や植栽からの木漏れ日までもデザインされた日本庭園のような均衡の美しさだ。『ラジオスターの悲劇』は、世界中の多くの人が知っている曲をフォッケアクリスパのサウンドでカバーしたことで、青い目も黒い肌も皆連れて、枯山水の日本庭園を観光させる。海外対応の重要な曲になっていると思う。

FIRST

FIRST トータス松本/Warner Music Japan  ボーナス支給日で、ブラック会社の浮かれ野郎どもの酒盛りに誘われたが…断る!2009年のその日、ウルフルズ東京最後のライブ六本木ヒルズアリーナへ急いだ。整理券とれなかったけど声が聞ければいいよ。そんな人たちがオープンスペースに溢れ集まってた。最後にやった曲がこのソロの『明星』。集まったファンへ全人生、全判断を肯定する声は響いた。「なにもかも間違いじゃない、なにもかも無駄じゃない」皆、解散を噛み締めていた。数年後、聴いてたら幼稚園児が最後の曲知ってると歌い出した。『みいつけた』が子供番組のうただった。ちびっ子がトータスを唄う日が来るとは。たまに聴き、何度も支えられ、何度も泣かされた。

RUMBLE

RUMBLE

 

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT/日本コロムビア

 ライブ行かないと本領を見れない?ことはない。テレビで魅せつけたのが生放送MUSIC STATIONのt.A.T.uドタキャン事件。急場しのぎでミッシェルガンが出番変更。出演者皆みな準備済みのカラオケ口パクで、t.A.T.u枠で開いた穴を対応できない半放送事故ムード。CM中やり取り「俺らもう一曲できるじゃん」からスタッフ頭下げ「お願いします!」がありーの、セットもない観覧席前での生演奏。タモリもV6も異常事態にノリノリという顛末。FACTORYよりも興奮した。このCDは『Get Up Lucy』『Automatic』ばかり聴いてた。オススメで人にプレゼントもした。

All the Things She Said

All the Things She Said

 

t.A.T.u./ユニバーサルミュージック

 英語バージョンとロシア語バージョンとがあるとか、トレヴァー・ホーンの仕事とか、リミックスとか、その辺は重要でない。まぁー朝子のレパートリーですよ。朝子っていうのは、朝必ず遅刻してきてたグラフィックデザイナーの実在職場女子で、日夜珍言妄言が素晴らしく、ずっと注目していた長髪ヒロインなんだけど。どんなメロディーにも「ほにゃらかさん」の繰り返しを乗せて唄うことで、洋楽も軽く口ずさんじゃう特技を持っていた。それで、ある時すれ違いざまに早口で「ほにゃらかさん、ほにゃらかさん、ほにゃらかせー」って唄っていたのが『All The Things She Said』だった。コーラ吹いた。これは、君の歌だ。

We Are Shampoo

We Are Shampoo

 

シャンプー/EMIミュージック・ジャパン

 悪態ついたところでバイトには遅刻しないで、スーパーのレジ打ちがんばっちゃう田舎のハイスクールロック感もりもり。ファッションパンクが都会的で無く地方の燻りに見えた。かつてNHKの歌番組に出演して「お~お~、そろそろヤバい」とか日本語訳字幕がイケてなくて脱力し、引越しの時にブックオフで10円で売却したウイアーシャンプー。それが、中古屋の10円ワゴンセールを経て、今再び我が家に戻ってきた。やっぱり『Trouble』『Delicious』とかヒット曲の持つパワーはすごい楽しい。買ってきたのは物でなく、あの頃の思い出。2007年の再発盤でなく1994年の色あせた方。次にt.A.T.uが聴きたくなる。

joy

SMART PANEL-joy

YUKI/Sony Music
 「変なバンドやめてよかったね」て書いたら賛否両論あったけど、反対派の君たちの結論は勝手に出せ。音楽は受け取った君のものだ。私にとってYUKIといえばデザイン事務所の同僚、遅刻常習犯の朝来ない朝子さん。「私、YO-KINGがタバコ吸う女嫌いっていうの読んでからタバコやめた」が朝子名言集No.1で、髪型もYUKIだ。もうYUKIイコール朝子っていうか、テレビで見てると朝子にしか見えない。『サイダー』『ティンカーべル』の異常なまでのキラキラ魔法は、青春感と見せかけて、青春全部知った上でのYUKI世代のフラッシュバック青春だと思う。朝子は絶対カラオケで『joy』歌っている「死ぬまでワクワクしたいわ~」って。

Morning Tracks Volume 4

Morning Tracks Volume 4

 

DJ-YODA/Horizon
 1997年〜2000年このコンピタイトルはブランドだった。ある時、啓示に突き動かされ「風化させちゃイカン」とmixiにモーニングトラックスのコミュニティを作ったら、5年振りのVol.4発売のニュースを知らされる。音楽の持つ運命が無意識の人間を動かしてゆく、その一人に選ばれた快感があった。リリースと同時のパーティーなど期待感があり、夢を見させてくれるタイトルだ。しかし、Vol.4の内容はトランステクノ味が消えていた。2006年の今では正直このレベルなら後追いのDJたちが無料のmixをネット配信している。だからこそCDで出すならば、Vol.1+2がそうであったように青空の写真でスカッと決めて欲しかった。

 

 

 

星の王子さま reading and music

星の王子さま reading and music

 

小林麻耶、小笠原亘、小島慶子、斎藤哲也、安東弘樹、浦口直樹、駒田健吾、向井政生、岡田泰典、赤荻歩、豊田綾乃、小林 豊、ビューティフルハミングバード、野崎美波/nowgomix record  星の王子様。話しは好きだけどイラストがキライなので、部屋に置きたくない本なのでしたが、TBSが朗読で出したので買って聞いています。良いです。もやっとした表現を、どんな絵だろうか想像するのです。絵柄も構図も思いのままです。このCDはラジオCMで知ったのですが、BGMだったエンディング曲の『そっと目を閉じて』がステキな贈り物でした。おはなしとサントラの2枚組。「本当に大切なことは目に見えない」としたら、このCDドラマこそが『真・星の王子さま』だよ。

Dance with the Pappys

Dance with the Pappys

PAPPYS&/K.O.G.A Records
 ベテラン漫才師オール阪神巨人、往年のTVCM「車にポッピ~!」のメロディで「ダンスウィズパッピー!」とスタートするガレージロック。車にポピーとの繋がりは無いのかもしれないけど、ジャケットで車に乗っているので、デザイナーは意図しているのか。んなわけねぇよ。熱狂してるパーティーなコールや、3ピースをジャマしないような鍵盤もなにげに入ってるし、ギターもワウワウいってるし。パピーズにハズレ無し。かけた瞬間から没頭できる。6曲中ラストのミドルテンポの『Sweet Pain』以外全部2分台というまるでメドレーのような疾走感。ダウンロードの単曲購入とかしてる場合じゃない。トレーにディスクを放り込め!

胡弓インプロヴィゼイション

胡弓インプロヴィゼイション

 

向井千惠/P.S.F. Records
 発売時の1990年インターネットは無い。CDショップで商品を持ても透かしても、音楽は聴こえない。頼りになる情報誌が「良い」「酷い」と書いてもやっぱり音は聴こえない。そんな時代に、酷い商品が放たれている。胡弓というか、二胡を持っているようだが、音楽らしいフレーズは弾いていない。ジャケットの挿絵からすると、部屋に置いてある鉄板を叩いているようだが、音楽らしいリズムは無い。そんなCDを買って、持ち帰って再生した後どうするのか?ジャケットを見ながら必至に読み解き、払ってしまった数千円を取り戻そうと食らいつく。おカネ損したと思いたくないからだ。しかし、これは損失だと認めよう。あえて言うが、時間の無駄!