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心呼吸

心呼吸

 

Laマーズ/bananamix records

 高円寺の駅前で数度の遭遇から、十条のお風呂屋ソロコンサートまで追っかけて、このCDは教会でのコンサートの時に買ったんだ。レコ発ワンマンで、ゲストもCD参加のトイピアとかグラスハープの演奏家が入って、繊細な空気の振動を楽しむ良いコンサートだった。瓶を吹く息でつくった音楽は、まさに息づかい。そもそも演奏とは人力なのだけど、ここまで人力を感じる演奏は他に無い。カバーではなく、オリジナル曲のアルバム制作に挑んだ今作。演奏形態が先に分かってつくったオリジナルだけあり、以前時々見た瓶を複数持ち替えが間に合わない焦りもない。ビン笛が最大に活きるのはこういう曲なんだな。流暢な一体化を見せつけている。

Way of my attitude

Way of my attitude

hal/Victor Entertainment
 CD-EXTRA全盛期だったかも。パソコンに入れると、マクロメディアのディレクターで作られた、Flash的なメニューから、小さいサイズでQuickTimeのプロもビデオが見れたりする。halのCDジャケットは全部良いけど、中身は全部それほどでもない印象だった。この盤も、経年中古をけっこう前に買ったわけだけど『ヒッチ・ハイク』の一曲を手に入れたかっただけ。ティベリアで初ヒッチハイクをした時に、思い出したメロディ。でも、考えてみれば「あの頃に、FMでかかってたあの一曲だけを手に入れたい」っていう一曲が自分にある事が、きっとぼんやりした偶然ではなくて、音楽に込められたパワーなんだと思う。

モンドダイヤ

モンドダイヤ

大正九年/バップ
 コレは長いこと買わずにいたアルバム。売上評価がシビアなメジャー発の大正九年のCDを発売時に買ってなくて、後年自主制作に戻った『Rolling Boys & Girls』の頃に『モンドダイヤ』買ったんだけど。あらためて思うのは、アーティストの新譜を発売時に買うのって活動存続に対する支援だよね。その時の政策に対して一票投じるかどうかの統一俺選挙。もう打ち込みなんて単語はいらない。テクノポップというより、ミニマル色が強くなってカッコイイよ九年。『新開地から』『入会しました』はデトロイトミニマルでしょう。エンディングを作らずに、ハタと止まるループがイカスよ!「どいつどどいつ」もジャーマンエレクトロに対してのダジャレかな。

縫う

縫う

 

NUU/Boun DEE

 沖縄アーティストのコンピレーションで『悲しくてやりきれない』をカバーしていて、飛び抜けて気に入ったぬー。福岡Love FMの番組「さびしさ研究所」リスナーになり、そこからCDに辿り着く。愛情にしても、すごく身の回りのことを気づいたメモみたいに唄にしてて、伝票ラベルでなくボールペンで届け先の宛名が記されている様な確かさのある発信です。こういうの、タイアップだの広告枠だの電波=メイクマネーな東京の番組じゃ、なかなかオンエア曲に割って入る事が出来ない。首都圏とは違う地産のいいものを届けようとするFM局を聞ける地域が時々うらやましくなる。札幌、静岡、福岡のFMは特に、後々好きになるアーティストがぽこぽこ現われる。

 

 

 

Love Love Dreamer

SMART PANEL-Love Love Dreamer

YURIMARI/エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
 学校出たての若者が「パッパラー河合ワークス良いっすよ。ポケットビスケッツのスネアの音が今聴いても理想のスネアです」というので「ユリマリは聞いたか?」と返した。爆風スランプの様にワンアーティストで、コミック&シリアス両方こなせるパッパラー河合仕事はユリマリだけ。サンプラザ中野詞曲、パッパラー河合作曲コンビでプロデュース。爆風スランプの『大きなタマネギの下で~はるかなる想い~』(1989年シングルカット)の中で主人公の男の子と文通していた女の子側が、あの当日を思い出して手紙を書くアンサーソング『初恋~はるかなる想い~』を託した期待でも河合の思い入れを計る事が出来る。

BAKUFU-SLUMP SINGLES

BAKUFU-SLUMP SINGLES

爆風スランプ/ソニーミュージックエンタテインメント
 「早稲田大明神ステッカー」をもらった身としては、その頃でイイ思い出は結実してて、活動後半は実はよくわからないのだけど、猿岩石の応援歌『旅人よ』はやっぱりグッと来るパッパラー河合節だし。シングルを続けて聞くと、貸しレコード屋「友&愛」とか、昭和天皇崩御の前後『Runner』の秘話とか、学校の前を中野さんが通ってみんなで手を振ったとか、走馬灯。『大きなタマネギの下で』では武道館が特別な存在だったこととか。今やあんな感じのサンプラザ中野だけど、バンドブームより一歩先にデビューしてた際立つ異端児だったし、バンドマンの範囲内じゃなく世の中的に変人で、でも真剣だったから私は好きだったんだな。

Sweeter Than Suite

Sweeter Than Suite

HAL FROM APOLLO '69、Twelve、b-flower、インスタントシトロン、バターフィールド、ブルーアイズオブフォーチュン、WEFFER CRUIS、CALIN、パラダイス・ガラージ、 ネロリーズ、NANACO、他/TOSHIBA EMI
 プレミア高値の8cmシングル盤以外では、このコンピでHALの『Rocket Khaos』を聞けると知り10年探した。ギターのzoeが他界したあと。彼のWebでラストメッセージ的にアコギ弾き語りのロケットカオスが公開されたのと、ほぼ同時期。ついに買えた時には、初めから終わりまで聞き漏らすまいと緊張しながら再生ボタン押した。出てきたzoeの音は、やはり私にとっての未来のロックだった。

Borokitchen

Borokitchen

 

ポスポス大谷/Scanning Disk

 モンゴルやらトゥバやらの現地語で唄われる「ボエー」という民謡のCDを聴いた経験はあっても、意味のわかる日本語を使って宇宙や惑星、引力の事象を読込むホーメイは新鮮だった。アコーディオン弾き語りのライブを見たのが先でCDを買った。アコーディオンという楽器は空気を吹き出しながら音を出すので、肺から長い息を吐くノド歌との相性はベストマッチ。接弦楽器の馬頭琴より合うのかもしれない。ライブやリリースなど音楽活動のゴールは色々あるが「最終的に農作物に歌を聴かせてギャラをもらう」という今後の活動構想も、土着系音楽家のビジョンを確実に示している。種沢曼荼羅の「旅の途中でUFOをみつけて~」という詞が好きだ。

 

 

 

MELODIES MELODIES

MELODIES MELODIES

DAISHI DANCE/NEW WORLD RECORDS
 ネット上にあふれるDJ活動者のMIXしたダウンロードフリーmp3に、ことごとくDAISHI DANCEの曲が使われているので、CD買わなくても全部タダいいところ聞けたんじゃん。でも、ダイシさん、俺はおカネ払って買ったよ。美音トランスに魅せられて以来、モーニングトラックス2のようなダンスミュージックはもう過去のものなのかと、そんな意識を吹っ飛ばしてくれたのはピアノの美メロハウスだった。みつけた!という初試聴の快感から即購入。そしたら、金原千恵子がバイオリン弾いている曲『MOONRISE……MOONSET/ feat. Chieko Kinbara』も入ってた。大当たり!!

3songs

3songs

Little Star/HANABI RECORDS
 男女ボーカルの大人しい叙情派のリトルスター。ある意味ではポップス的な批評を必要としない、とても素直なプライベート録音のような優しい3曲。『天気雨』『さくら』『惑星』と、目線は平行から空へと上がっていくけど、自分は日なたのベンチに座ったまま。楽しくもならないし悲しくもならないけど、楽しかった日や悲しかった日の気候を思い出す。どこにも行かない音楽だけど、どこへでも行けそうだった、春の日を思い出す。色紙に印刷してあるジャケット裏の写真を見ていくと2001年とのメモが読み取れた。私はこのCD-Rを2007年に手に入れた。とにかくあるシーズンの間、良く聞いた大切なCDなので表明しておく。