Borokitchen
ポスポス大谷/Scanning Disk
モンゴルやらトゥバやらの現地語で唄われる「ボエー」という民謡のCDを聴いた経験はあっても、意味のわかる日本語を使って宇宙や惑星、引力の事象を読込むホーメイは新鮮だった。アコーディオン弾き語りのライブを見たのが先でCDを買った。アコーディオンという楽器は空気を吹き出しながら音を出すので、肺から長い息を吐くノド歌との相性はベストマッチ。接弦楽器の馬頭琴より合うのかもしれない。ライブやリリースなど音楽活動のゴールは色々あるが「最終的に農作物に歌を聴かせてギャラをもらう」という今後の活動構想も、土着系音楽家のビジョンを確実に示している。種沢曼荼羅の「旅の途中でUFOをみつけて~」という詞が好きだ。→
MELODIES MELODIES

DAISHI DANCE/NEW WORLD RECORDS
ネット上にあふれるDJ活動者のMIXしたダウンロードフリーmp3に、ことごとくDAISHI DANCEの曲が使われているので、CD買わなくても全部タダいいところ聞けたんじゃん。でも、ダイシさん、俺はおカネ払って買ったよ。美音トランスに魅せられて以来、モーニングトラックス2のようなダンスミュージックはもう過去のものなのかと、そんな意識を吹っ飛ばしてくれたのはピアノの美メロハウスだった。みつけた!という初試聴の快感から即購入。そしたら、金原千恵子がバイオリン弾いている曲『MOONRISE……MOONSET/ feat. Chieko Kinbara』も入ってた。大当たり!!→
3songs

Little Star/HANABI RECORDS
男女ボーカルの大人しい叙情派のリトルスター。ある意味ではポップス的な批評を必要としない、とても素直なプライベート録音のような優しい3曲。『天気雨』『さくら』『惑星』と、目線は平行から空へと上がっていくけど、自分は日なたのベンチに座ったまま。楽しくもならないし悲しくもならないけど、楽しかった日や悲しかった日の気候を思い出す。どこにも行かない音楽だけど、どこへでも行けそうだった、春の日を思い出す。色紙に印刷してあるジャケット裏の写真を見ていくと2001年とのメモが読み取れた。私はこのCD-Rを2007年に手に入れた。とにかくあるシーズンの間、良く聞いた大切なCDなので表明しておく。→
Neue Musik

松任谷由実/EMIミュージックジャパン
先日4時間30分歩くということになってしまって、この2枚組ベストをずーっと聴いてた。『VOYAGER~日付のない墓標』の為に買ったんだけど、没頭しているとむしろ自分史の年表的なもので『Hello,my friend』の頃の友人とか、田舎へ帰って今どうしているんだろうとか、そっちに心を持ってかれた。スユアの波で東京へ来る事があったら連絡くださいよ。君はいつまでも心配なんだ。ユーミンは存在としてそういう一里塚になっているんだと思った。ほとんどの曲がいつかの記憶と結びついている。大メジャーって凄いな。ラジオで相談ハガキに返してた言葉「文章にカッコ書きが多いのは自信がない証拠」は自分の基準になった。→
鳥の歌

チェン・ミン/日本クラウン
二胡のCDの中ではブーム前のかなり初期のもの。昨今は、日本でリリースする二胡奏者も増えて、超絶技巧とか、シンセと合わせたり、バイオリンでも代用できるような企画ものだったり、いろんな路線があるのは悪い事じゃないけど。二胡のどんな音を聞きたいのか?という根源的な魅力を求めると、この初期盤がしっくり来る事が多い。弓のイメージトレーニングに最も適したCDだと思う。弓を弾き、押すのを想定しつつ、呼吸合わせて聴くのがいい。『我原做一只小燕(ツバメになりたい)』も入ってるしね。演奏家としても良いし、書いた曲が良いというのは否定出来ない。このCDの頃はまだ生徒をとって教室をやってたんだけど、今ではすっかり立派になって!→
CATCH

小谷美紗子/HIPLAND MUSIC
またもやこのリリース時も、レコ発ライブみてきた。トリオバンド編成に戸惑うファンも居るようだが、これが正調なアップデート。私は本当に世の中を見る目が無いので、多くの人が良いとするものを何とも思わなかったり、時々大きな選択ミスをして、路頭に迷ったりして、もう人の基準とか、売り手側のおすすめなどは全部広告費の範疇に聴こえてくるけど。小谷美紗子が「真実だ」と描くものに関しては全部自己責任で、信じていこうと思う。ついた価格をそのまま払い続けていく。ずーっと、100歳くらいまで私のところへ唄が聴こえてきたら、税金とかお布施みたいに、私はリスナーとしての解答として、おカネを払い続ける。真実を見せて欲しい。→
ブラームス:交響曲第1番〜のだめカンタービレ
R☆Sオーケストラ、千秋真一指揮/キング
これ買ったのは、二ノ宮知子による漫画作品『のだめカンタービレ』がドラマ化され、多くの人がのだめを堪能する直前くらいだった。アニメ化も今は未チェック。音の出ないメディアでの音楽の誇りに身震いをする体験は奇跡だった。漫画の魔法だ。このCDも結局、ジャケットの為に買って、読書時に聞いた音を手に入れたような気分を味わいたかっただけで、中身がどうのってのは別に無いです。ドラマ化以降、のだめのセリフは上野樹里の声にしか読めなくなってしまったよ。ドラマのサントラも、楽団のメンバーを演じた俳優がちらついてしまって買ってない。このCDはサントラじゃなくて、千秋真一指揮のアルバムですから記念に持っておきます。→
Party Chambers For Soldiers
マーブルトーンズ/MIDI
ネコのジャケットの『メイキング・ミュージック・フォー・サンディ・ジェット・ラグ』は、凄い初期に紹介してて、こっちのブタの方も、高円寺ヨーロピアンパパで見かけて、いつか買うだろうなと思いつつ、セール待ちだったり、忘れたりで、やがて10年。ついに買った。ヨーロピアンパパで10年売れなかったCDで、やっぱり私しか関心をもっていなかったらしいこのCD。住むところも、仕事も、コンポも、携帯プレイヤーも10年で移り変わったけど、好きなお店が変わらないでいてくれてありがとう。CDの中身は、銀のネコジャケと同様に所詮パンチの無いカバー曲集です。それほどたいした作品は入ってなかったです。買う前から分かってたのにがっかり。→
ちゅらさん オリジナルサウンドトラック
丸山和範、リチャード・クレイダーマン/Victor
ここ数年、新作でつくられた沖縄映画を100%見まくっている。ルーツはNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』での沖縄ものがたりからだろう。東京であたふたしても、沖縄につながれば、三線弾いてなんくるないさー。最後に、おばあが達観した良いこと言ってまとめる黄金パターン。半年間かけてじっくりと沖縄風土をお茶の間に浸透させた良いファミリードラマだった。CDにはKiroroの『Best Friend』は入っておらず、リチャード・クレイダーマン演奏バージョンで収録。あとの曲はテレビのBGMなので小品だったけど、国仲涼子のジャケットがとてもよくて、数十年経った後で懐かしい親戚の写真みたいになりそう。→
POPMUSIC

OVERROCKET/aten Recordings
ずばり『POPMUSIC』と銘打ってしまっているので、テクノポップに大喜びの子どもファンが群がった事もあったけど、本作は8ビットピコピコポンなんかではなく、こりゃぁ全編香港ディスコだよ。音的にライトになったけど、リズムはディスコ。どことなく墨汁感覚の漂う宇宙ロボット。POPじゃない方の壮大さがハンパねぇ。14曲も収録の大サービス。私的には『Sands』あたりのシリアスサウンドこそがオーバーロケットを買い続ける醍醐味で、はっきりとした歌物よりもスローで幻想的なボーカルの声の方が、連続する言葉が脳に入ってくる。『Tsuyu』に至ってはドラムレス、チップノイズの疑似雨音でリズム表現。→



