ロシア連邦宇宙局(Roskosmos=ロスコスモス)は、モスクワ時間9月13日00時17分(UTC協定世界標準時9月12日21時17分、日本時間9月13日06時17分、米国東部夏時間9月12日17時17分)、3人のISS(国際宇宙ステーション)乗組員を乗せた有人宇宙船「Soyuz-MS-06」を載せたソユーズ-FG(Soyuz-FG)ロケットを、カザフスタン共和国のバイコヌール・コスモドローム宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)LC-1/5発射施設から打ち上げた。


Soyuz-MS-06打ち上げSoyuz-FGロケット

ソユーズ-FGロケットは順調に上昇し、打ち上げから8分48秒後に、宇宙船「Soyuz-MS-06」を分離、ISSへ向かう軌道に投入した。
その後、「Soyuz-MS-06」はソーラーパネル展開、通信アンテナ配置を行い、打ち上げから約5時間40分後の、UTC協定世界標準時9月13日02時57分49秒(日本時間9月13日11時57分49秒)に、ISS(国際宇宙ステーション)のポアスク・ドッキングポートに無事ドッキングした。
Soyuz-MS-06ドッキング



Soyuz-MS-06のドッキングモジュール
ISS(国際宇宙ステーション)の現在の軌道は401km × 407kmである。


Soyuz-MS-06搭乗員3名
乗組員は、ロシア連邦宇宙局(Roskosmos=ロスコスモス)のアレクサンダー・ミスキン宇宙飛行士と、米航空宇宙局(NASA)のマーク・バンデ・ヘイ宇宙飛行士とジョー・アカバ宇宙飛行士の3人で、これでISSには、6人の宇宙飛行士が滞在している事になる。




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ASTRO-H_ひとみX線天体衛星
X線天文観測衛星「ひとみ」、質量2700kg

2016年2月17日に打ち上げられ、人為的なミスで機体が壊れ、1カ月余りで運用を断念したX線天文観測衛星「Astro-H(Hitomi=ひとみ)」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月5日、失敗の主な原因の1つは、大手電機メーカー「NEC」が作成したプログラムのミスだったとして、運用を担当していたNECがJAXAに解決金5億円を支払う内容で、東京簡易裁判所で調停が成立したと発表しました。
ひとみlaunches_Astro-H


「Astro-H(Hitomi=ひとみ)」は、ブラックホールなど宇宙の謎に迫る為、日本が中心となり、米欧との協力で開発したX線天文観測衛星で、開発費の日本負担分は打ち上げ費用を含め、およそ310億円。

しかし約1カ月後の3月26日、本格的な観測を始める前に通信が途絶え、姿勢異常を起こしたのち、太陽電池パネルが分離破壊するなど、機体が異常な回転を起こし、遠心力でバラバラに壊れたと見られ、観測はおろか、コントロールさえ不可能になり、昨年4月、運用が断念されました。
ASTRO-Hひとみ軌道分解



ASTRO-H軌道分解
地上から高度565kmで捉えられた、「Astro-H(Hitomi=ひとみ)」の残骸」

この衛星の存在は、宇宙で見られますが、その後のJAXAの調査で、この失敗の主な原因の1つは、衛星のエンジンを制御する姿勢指令用パラメーターを、不適切に設定した「プログラムミス」だった事などが判明。担当していたNECが、衛星のデータを誤って入力したとして調停を申し立てていた。

解決金の5億円は、国庫に返納される。


ASTRO-H
「「Astro-H(Hitomi=ひとみ)」は
今も幾つかの破片となって宇宙空間を漂流する。


今回の調停について、NECは、「JAXAの期待に応えられなかった事への反省と、道義的責任を感じた為、調停案を受け入れました。社内では、再発防止のプログラムを立ち上げ、徹底を図っています」と、コメントしています。

またJAXAは、「今回の事象は複数の原因によって発生し、宇宙と言う実際に確認する事が出来ない場所で起きた為、大変困難な問題だった。そうした状況の中で、双方が真摯(しんし)に問題解決に取り組み、民事調停と言う法的な場で、解決に至る事が出来たので妥当な結果だと評価している」と、コメントしました。



このNECのプログラムミスは、原因の一端に過ぎないかもしれない。
しかし、どんな分野であれ、コンピュータのプログラムミスが頻発する事は、実生活でも大きな支障を来すばかりでなく、故障した時の復旧が、素早く出来るか出来ないかで、日常生活の滞りも深刻になる。
その修正技術が、後輩に継承されているかどうかに関わってくる…。

利用する事は得意でも、新たなプログラムを世に送り出した時、そのプログラムが不具合を起こした際、再構築可能な人材が育っているのだろうか…?
進みゆく技術と、その技術に追いつけない若者世代の格差は、バグ (bug) を見つけ出す速さにも関わっている。
それがこの先、深刻にならない事を祈りたい。





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オービタルATK(Orbital ATK Inc.)社はアメリカ東部夏時間08月26日02時04分(UTC協定世界標準時06時04分、日本時間同日15時04分)、米国国防総省(U.S-DoD)米国空軍(USAF)の弾道ミサイル早期警戒衛星「ORS-5(SensorSat)」を載せた「ミノタウロ-4オリオン-38(Minotaur-IV Orion-38)」ロケットを、米フロリダ州ケープカナベラル空軍基地のLaunch Complex-46(LC-46)複合発射施設から打ち上げた。


Minotaur-4_Orion-38_ORS-5打ち上げ

ミノタウロ-4オリオン-38(Minotaur-IV Orion-38)ロケットは、米空軍宇宙ミサイルシステムセンターと、米マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所が、今回の、「ORS-5(SensorSat)」を打ち上げるために開発した、5段式の固体燃料ロケットシステムで、これが最初で最後の打ち上げとなる。


ケープカナベラル空軍基地LC-46
ケープカナベラル空軍基地SLC-46
LC-46は突端にある。


打ち上げられたロケットは順調に飛行し、打ち上げから36分48秒後に「ORS-5(Operationally Responsive Space 5)」を予定の低軌道に投入した。

更に、第5段が軌道上にある間に、3個のCubeSatを放出し、打ち上げスケジュールは全て成功した。


ミサイル早期警戒衛星ORS-5
弾道ミサイル早期警戒衛星「ORS-5」

「ORS-5(SensorSat)」の詳細な性能については公表されていないが、目標軌道は高度600km × 600kmで軌道傾斜角0°、打ち上げ時質量140kgで、ほぼ円形の赤道軌道で運用される予定と公表されている。





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