酔いどれぐっちの酒と映画と音楽と…
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映画「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」

を観てきました。

はっきり言ってワケが分かりませんでしたが(笑)、「やっと俺のクローネンバーグが帰ってきた!」という感じです。

この映画の監督デヴィッド・クローネンバーグは、鬼才の呼び名に相応しい才気溢れる作風(もしくはワケが分からないとも言いますが)で知られていまして、人間とハエが遺伝子レベルで融合してドロドログチャグチャになる映画「ザ・フライ」は観た事のある方も多いのではないでしょうか。

一応、あらすじを思いっ切り端折って述べておきますと、
そう遠くない未来、進化した人間の中には新たな臓器を生み出す者が現れだして、アーティストである主人公はパートナーと共に自らの身体から生み出される新たな臓器にタトゥーを施し、それを取り出すというアートパフォーマンスを行っていまして、その主人公に生前プラスチックばっかり食べていた少年の遺体をパフォーマンスに使ったくれないかという相談が持ち込まれて…
って全然分からないですよね(笑)

初期のクローネンバーグは「頭がバーン!と破裂する」とか「自分の腹に手を突っ込んで拳銃を取り出す」とかドロドログチャグチャみたいな作風が多かったのですが、ここ10年くらいは抑えた作風と言うかヴィジュアル的には地味な感じだったんですよね。

ですが、今回はやってくれましたよ!

主人公が寝てるベッドが肉の塊みたいだし、座っている椅子も生き物みたいなヌメヌメした感じで、初めてクローネンバーグを観る方は置いてけぼりになること請け合いです(笑)

ホラーではないんですが、あらすじでも述べたように主人公の仕事(?)が自分の内蔵を取り出すと言うものなので、そういうのが苦手な方にはまず無理でしょうね。

どうやら”食”が裏テーマとしてあるようで食べるシーンは多いんですが、どれもこれも全く旨そうに見えないのが流石クローネンバーグです(笑)

この感想で観に行きたくなる人はあまりいないと思いますが、配信などで見放題になった時にでも観て頂ければと思います。
 

映画「ランディローズ」

を観てきました。

皆様明けまして。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、この映画はオジー・オズボーンのギタリストとして一躍ギターヒーローとして脚光を浴びたものの、飛行機事故によって25歳の若さで亡くなってしまったランディ・ローズのドキュメンタリー映画です。

自分がオジー・オズボーンを聴き始めた中学生の頃には既に亡くなっていて、ギタリストも代わった後でしたが、ランディがギターを弾いているファーストアルバム収録の「I Don't Know」はカラオケに行くと大体歌ってしまうフェイバリット・ソングになってます(笑)

映画を観て驚いたのが、ランディの記録映像の豊富さです。

夭折してしまったせいか、映像が数える程しか無い印象でしたが、オジーの前に在籍していたクワイエット・ライオット時代の映像がバンバン出てきます。

ランディ在籍時のクワイエット・ライオットは日本でしかアルバムが出せなかった不遇のバンドというイメージでしたが、向こうでは契約は取れないものの、ライブでの客動員数がスゴくてファンクラブもある程のバンドだったらしいのが映画で語られていきます。

「だから、こんなに映像が残ってるのね」と納得した次第です。
(蛇足ですが、クワイエット・ライオットもメンバーチェンジ後の「Cum On Feel The Noise」が大ヒットして世界的なバンドになっていく訳ですが)

意外に思ったのが、ランディとクワイエット・ライオットのボーカルであるケビン・ダブロウとの友情ですね。

中学生当時でもケビン・ダブロウはビッグマウスであんまり良い人間では無い、と言うのを漏れ聞いていたので、ランディがそんな風に言われている人間と深い友情で結ばれていたと言うのが本当に意外でしたね。

まだまだいくらでも書きたいところですが、流石に長くなりすぎるのでこの辺で。

ランディ・ローズに興味がある方はもちろん、当時のロック業界事情に興味がある方も楽しめるかと思います。

ただ、オジー時代の記録映像がクワイエット・ライオット時代と比べると驚くほど少ないので、オジー時代のランディしか興味の無い人は避けた方が良いかもです。

ちなみにこの日記は歌舞伎町の居酒屋で飲みながら書いてました(笑)
元旦の昼にわざわざ新宿まで来て映画を観て、昼間っから歌舞伎町で飲んでるなんて、何て良い新年の過ごし方でしょうか(笑)

映画『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』

を見てきました。

「今さらロッキー4かよ」とお思いの向きもあるかと思いますが、今回の「ロッキー4」はスタローンが長い間自分が理想とする作品に作り直したいという想いを、コロナ禍で時間が出来たことから42分間の未公開シーンを加えて音声なども再構成した映画です。

ストーリーとしてはご存知の方が多いと思われますのでサラっと流しますが、ロッキーと死闘を繰り広げ今では親友となったアポロが、ソ連のボクサー・ドラゴとのエキシビションマッチで殺されてしまい、ロッキーは復讐のため単身ソ連に乗り込みドラゴと対戦する、というものです。

いつもなら内容がどうこうと感想を述べるのですが、今回はオリジナル版と新編集版との違いを気付いただけ述べていこうかと思います。


①ロッキー3の回想シーンから始まるのは同じだが、ロッキー3の時間が長い
(オリジナルは2、3分だが今回は10分くらい。「あれ、俺はロッキー3を見に来たんだっけ?」と勘違いするくらい長い)

②ポーリー(ロッキーの義兄)の誕生日のシーンやロボットが出てくるシーンは全てカット
(ロボットのシーンを全カットした関係か、ロッキーの息子もほとんど映らない)

③アポロがドラゴと戦うまでの時間が短い。
(戦いに至るまでに結構なシーンをカットしてる。
でもジェームス・ブラウンのシーンはさすがにカットしてない笑)

④試合開始前にアポロがドラゴの手を叩き落とそうとしたら、ドラゴの手がビクともしなかったシーンはカットされて、手が叩き落とされるシーンに差し替わってた。

⑤ロッキーがソ連の山小屋に行くシーンでは小屋で寛いだり会話するシーンは全てカットしてトレーニングのシーンのみ。
(但しエイドリアンがやって来るところはそのまま)

⑥試合終了後にロッキーがコメントした後に、ゴルバチョフみたいな政府高官がロッキーに拍手するシーンをカット。

⑦ロッキーのコメントで「息子にメリークリスマス」というシーンをカット。

⑧ラストシーンはオリジナルではアメリカ国旗を掲げたロッキーのアップで終わるが、今回は淡々とリングをエイドリアンと降りて去るシーンで終わる。


この日記を書くに当たって改めてオリジナル版のロッキー4を観たんですが、何度も観ている割には覚えていないシーンも多く、自分の記憶力が落ちているのを実感します(笑)

②はロボットが出てこなかったのは気付きましたが、誕生日のシーンとか全然記憶にありませんでした。
⑤はオリジナル版を見直すまで全く気付きませんでした。
⑦は新編集版を観ていた時に「何かクリスマスを強調してなかったっけ?」と漠然を思っていたんですが、オリジナル版を観て「そういえばこんな事言ってたわ~」と思い出した次第です。

オリジナル版だとロッキーの家で息子とその友達がロボットと一緒にテレビで試合を観ているんですが、ロボットを全てカットした関係で息子へのセリフもカットせざるを得なかったか、息子との関係はあまり前に出さないようにしたかと言うところでしょうか。


実はこの新編集版はこの日記の冒頭でも述べたように「42分間の未公開シーンを加えて」いるんですが、上映時間は94分でオリジナル版より3分ほど長いだけなんですよ。
上映時間の三分の一以上が未公開シーンに差し替わっている訳ですが、観ていて全く違和感が無かったです。
ホント編集が上手いんだなあと思いますね。

そもそもスタローンの映画は上映時間が短い傾向(というより今の映画の上映時間が長すぎるんですが)にありますが、単なるエクステンデッド・バージョンにしなかったのはスタローンのこだわりなんだと思います。

オリジナル版は時代もあってか国威掲揚映画みたいなところもありましたが、新編集版ではその辺はフラットになっている感じですね。

この新編集版ロッキー4はただ観に行くと違いが分からないかもしれないので、オリジナル版を観てから行く事をオススメします。

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