映画『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』 | 酔いどれぐっちの酒と映画と音楽と…

映画『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』

を見てきました。

「今さらロッキー4かよ」とお思いの向きもあるかと思いますが、今回の「ロッキー4」はスタローンが長い間自分が理想とする作品に作り直したいという想いを、コロナ禍で時間が出来たことから42分間の未公開シーンを加えて音声なども再構成した映画です。

ストーリーとしてはご存知の方が多いと思われますのでサラっと流しますが、ロッキーと死闘を繰り広げ今では親友となったアポロが、ソ連のボクサー・ドラゴとのエキシビションマッチで殺されてしまい、ロッキーは復讐のため単身ソ連に乗り込みドラゴと対戦する、というものです。

いつもなら内容がどうこうと感想を述べるのですが、今回はオリジナル版と新編集版との違いを気付いただけ述べていこうかと思います。


①ロッキー3の回想シーンから始まるのは同じだが、ロッキー3の時間が長い
(オリジナルは2、3分だが今回は10分くらい。「あれ、俺はロッキー3を見に来たんだっけ?」と勘違いするくらい長い)

②ポーリー(ロッキーの義兄)の誕生日のシーンやロボットが出てくるシーンは全てカット
(ロボットのシーンを全カットした関係か、ロッキーの息子もほとんど映らない)

③アポロがドラゴと戦うまでの時間が短い。
(戦いに至るまでに結構なシーンをカットしてる。
でもジェームス・ブラウンのシーンはさすがにカットしてない笑)

④試合開始前にアポロがドラゴの手を叩き落とそうとしたら、ドラゴの手がビクともしなかったシーンはカットされて、手が叩き落とされるシーンに差し替わってた。

⑤ロッキーがソ連の山小屋に行くシーンでは小屋で寛いだり会話するシーンは全てカットしてトレーニングのシーンのみ。
(但しエイドリアンがやって来るところはそのまま)

⑥試合終了後にロッキーがコメントした後に、ゴルバチョフみたいな政府高官がロッキーに拍手するシーンをカット。

⑦ロッキーのコメントで「息子にメリークリスマス」というシーンをカット。

⑧ラストシーンはオリジナルではアメリカ国旗を掲げたロッキーのアップで終わるが、今回は淡々とリングをエイドリアンと降りて去るシーンで終わる。


この日記を書くに当たって改めてオリジナル版のロッキー4を観たんですが、何度も観ている割には覚えていないシーンも多く、自分の記憶力が落ちているのを実感します(笑)

②はロボットが出てこなかったのは気付きましたが、誕生日のシーンとか全然記憶にありませんでした。
⑤はオリジナル版を見直すまで全く気付きませんでした。
⑦は新編集版を観ていた時に「何かクリスマスを強調してなかったっけ?」と漠然を思っていたんですが、オリジナル版を観て「そういえばこんな事言ってたわ~」と思い出した次第です。

オリジナル版だとロッキーの家で息子とその友達がロボットと一緒にテレビで試合を観ているんですが、ロボットを全てカットした関係で息子へのセリフもカットせざるを得なかったか、息子との関係はあまり前に出さないようにしたかと言うところでしょうか。


実はこの新編集版はこの日記の冒頭でも述べたように「42分間の未公開シーンを加えて」いるんですが、上映時間は94分でオリジナル版より3分ほど長いだけなんですよ。
上映時間の三分の一以上が未公開シーンに差し替わっている訳ですが、観ていて全く違和感が無かったです。
ホント編集が上手いんだなあと思いますね。

そもそもスタローンの映画は上映時間が短い傾向(というより今の映画の上映時間が長すぎるんですが)にありますが、単なるエクステンデッド・バージョンにしなかったのはスタローンのこだわりなんだと思います。

オリジナル版は時代もあってか国威掲揚映画みたいなところもありましたが、新編集版ではその辺はフラットになっている感じですね。

この新編集版ロッキー4はただ観に行くと違いが分からないかもしれないので、オリジナル版を観てから行く事をオススメします。