映画「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」 | 酔いどれぐっちの酒と映画と音楽と…

映画「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」

を観てきました。

はっきり言ってワケが分かりませんでしたが(笑)、「やっと俺のクローネンバーグが帰ってきた!」という感じです。

この映画の監督デヴィッド・クローネンバーグは、鬼才の呼び名に相応しい才気溢れる作風(もしくはワケが分からないとも言いますが)で知られていまして、人間とハエが遺伝子レベルで融合してドロドログチャグチャになる映画「ザ・フライ」は観た事のある方も多いのではないでしょうか。

一応、あらすじを思いっ切り端折って述べておきますと、
そう遠くない未来、進化した人間の中には新たな臓器を生み出す者が現れだして、アーティストである主人公はパートナーと共に自らの身体から生み出される新たな臓器にタトゥーを施し、それを取り出すというアートパフォーマンスを行っていまして、その主人公に生前プラスチックばっかり食べていた少年の遺体をパフォーマンスに使ったくれないかという相談が持ち込まれて…
って全然分からないですよね(笑)

初期のクローネンバーグは「頭がバーン!と破裂する」とか「自分の腹に手を突っ込んで拳銃を取り出す」とかドロドログチャグチャみたいな作風が多かったのですが、ここ10年くらいは抑えた作風と言うかヴィジュアル的には地味な感じだったんですよね。

ですが、今回はやってくれましたよ!

主人公が寝てるベッドが肉の塊みたいだし、座っている椅子も生き物みたいなヌメヌメした感じで、初めてクローネンバーグを観る方は置いてけぼりになること請け合いです(笑)

ホラーではないんですが、あらすじでも述べたように主人公の仕事(?)が自分の内蔵を取り出すと言うものなので、そういうのが苦手な方にはまず無理でしょうね。

どうやら”食”が裏テーマとしてあるようで食べるシーンは多いんですが、どれもこれも全く旨そうに見えないのが流石クローネンバーグです(笑)

この感想で観に行きたくなる人はあまりいないと思いますが、配信などで見放題になった時にでも観て頂ければと思います。