『しのゼミ』 -53ページ目

『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

長女のちー(小4)が三日間ほど家を留守にしている。

残されたいっ君(長男)とみー(二女)は,家を空けるちーが羨まし半分妬まし半分。

最初は「は~,ちーがおらんとやっぱええなぁ」とほざいていたが,

そのうちにだんだん静かになってきた。

「はぁ~,ちーがいじめれんのでつまらん」といっ君。

「そうやそうや,ちーとケンカできんのでつまらん」とみー。

どうやらちーがいないので淋しくってしょうがないらしい。

しかし,けっして「淋しい」とは言わない二人。



一人の束の間の不在で静かになった我が家。

静かになったのは,普段絶えなかったケンカがないのが主な理由。

ならば試しに,いっ君がみーをいじめて,みーがいっ君に仕返しをすればどうなるか?

そう提案してみても二人は盛りあがらない。

そもそも小6と小1とでは,本格的なケンカにならない。

傍目にはケンカ相手が誰でも変わらんように思えるが,

当人達にしてみるとそうではない。

そこは分業と言うか役割分担というものがあって,

要はちーでないとダメなことがあるようだ。



考えてみると,3人兄弟って人間関係がややこしい。

それぞれの性格を含む相性と性差と年齢差が複雑に絡みあう。

その結果,

非常に仲良しな兄弟にもなるし,
一人だけ仲間はずれの兄弟にもなるし,
お互い無関心な兄弟にもなるし,
ケンカの絶えない兄弟にもなる。

シノ家の場合は「ケンカ絶えない」の典型。

特にその真中であるちーは,対年上(兄)では防戦一方,

かたや対年下(妹)にはその反動で攻撃的になるという,

複雑な役回りになる。

いっ君にいじめられて「ギャー,お兄ちゃんが〇〇した!」と泣き叫んだり,

そうかと思うとみーを「ウェ~ン」って泣かせて,

「あたし,悪くないもん!」と開き直るちー。



そんな中,待ちに待った?ちーが帰宅。

さっそくケンカが始まった。

「ちーだけズルイ,みーだって・・・行きたかった・・・ウェ~ン」

「みーなんてチビやし,チビは行けんし・・・」

「ちー,おまえだけいい所に行きやがって,自慢すんなクソアホ死ね」

「しょうがないやんか,お兄ちゃんだって・・・」

「ちーだけは,夏休み中はもうどっこへも行くの無しや!」

・・・・・・・・

うるさい我が家に元通り。
「国語の乱れに・・・」という新聞記事の見出しに目が止まる。

文化庁世論調査にて,「ぶぜん」とか「煮詰まり」とかの誤解が多いとの記事。

なになに・・・・・

自分もよく使う言葉なので,記事を読み進めていくと,次のような例示があった。

「煮詰まり」~議論され尽くして,結論が出る状態になること



▼否認

え~~~,うそやろ・・・・・

広辞苑にもそう書いてあるけど,ホントかよ~~?

「煮詰まる」って,「議論され尽くしても結論が出ないような状態」やないん?

このブログにも「煮詰まり=行き詰まり」として使っているところが複数箇所あるし。

みんなもそんな風に使ってるやん,でしょ?でしょ?。

そんなん当たり前の使い方やし,自分だけやあらへん。

ぜ~~ったいにうそや~~~



▼怒り

そう言えば,ちょうど前回の自分の記事にも,「そんな煮詰まったドン詰まり状態」なんて書いてある。

百歩譲ってそれが間違った用法とすると,なんちゅうタイミングの悪さ!。

わざわざ自分の記事で誤用した直後に新聞発表なんて,狙われたようで感じ悪いな~~

そんなもん調査して,果して何の意味があるん?

そもそも調査なんてすんなよボケっ!

意味無い調査して,意味無い報告して,意味無い議論を引き起こすのは,まったく意味無いっちゅうねん。

国語なんて乱れとらん!

誤用などで変わりゆくだけやん!



▼取引

千歩譲って誤用してたとすると,公開ページに「煮詰まって行き詰まり」なんてでかでかと書いてあるのはカッコ悪いっていうか。

ちょっと訂正しといてもええやろか?

まぁ誰もそんな細かいところまで読んどらんし。

訂正しても気づかれる可能性限りなくゼロやし。

万が一気付かれても,「あれ?そうやったっけ?」ってしらばっくれればええことやし。

誰か「訂正してもええんちゃう」って言ってくれたら,訂正してもええけどな・・・・・



▼抑うつ

・・・やっぱ,オレってアホやな。

「煮詰まり」なんて使うんなら,意味調べてからにせーや。

はぁ~,やんなるなもう。

ブログなんてやるの10年早いっちゅうねん,自分。

誰も読んでくれんブログなんてさっさとやめとけって。

はぁ~,疲れるわ・・・



▼受容

でも・・・・・

考えてみればそんなちっぽけな間違えなんてどうでもええんちゃう?

煮詰まろうが憮然としようが,何となく言いたいことは分かるし。

まぁ間違えたんなら,素直に訂正しとくけど・・・・・

ブログの失敗に教えてもらったワケやし,これも勉強やな。





告知されたガン患者さんが死を受け入れるのに「否認→怒り→取引→抑うつ→受容」という心の変遷を辿るように,

自分も「煮詰まり誤用」を指摘されて類似の過程を辿った。

ようやく落ち着いた未熟な自分。

それにしてもハズカシイ・・・・・
「デコンペる」

意味:もうこれ以上代償できなくなった心不全の状態。

非代償=decompensationから転じており,主に循環器系の医師によって使われる言葉。



我々の心臓は「がんばる」臓器である。

少々血圧が高かろうと,弁に問題があろうと,血を体中に送り続けなければならない。

不断の働きを期待される心臓クンは,少々のことではヘバラない。

そうじゃないと,我々の生命が簡単に脅かされる。

だから,がんばってがんばってがんばり抜く。

しかし何事も限度というものがある。

一睡もせずに徹夜を1週間以上続けたり,吉野家牛丼を一気に20杯食べ続けることがムリなように。

がんばり続けた心臓が「もうこれ以上はできません・・・」と悲鳴を上げた状態。

こんないわゆる「非代償性心不全」の状態に陥ることを,「デコンペる」という。



ある企画の準備中。

演者の人選にいろいろ思案するが,なかなか決まらない。

この「ネタ」だったら,このヒトが専門というのがある。

それに則って,「その道専門」の偉い先生に演者を頼んでみる。

どの先生も有名かつ大先輩の偉い方ばかり。

「ゴメン・・・悪いけど,お願いね」と気軽に頼めるような先生はいない。

いろんな機会を捕まえて,恐るおそる話しかけにいく。

ほとんど初対面に近い方々ばかり。

まず自己紹介から始まって,企画の趣旨説明と演者の依頼をしてみるが・・・・・

ほとんどの方はお忙しく,「ちょっと先約が・・・」とか「あんまり興味ないな~」とか「ボクにはちょっと関係ないな~」とか。

なかなか「うん,いいよ」と言ってくれる適当な先生が見つからない。



最後には,目が会ったヒトすべてに声をかけてるような状態。

しかし,やはり色好い返事は頂けない。

自棄になった果ては,後輩のアミに「やってみるか」と言ってみる。

が,「へへへ・・・いや~,けっこうです」との返事。

どうにかしたいがどうにもならん・・・・・

そんな煮詰まったドン詰まり状態。

まさに「デコンペった」って感じ。



人選が済まないと,企画準備など具体的な所に進めない。

無力感と焦りで心は晴れない。

こんなイヤな思いをするのなら,いっそのこと自分でやってしまおうか。

シノによる自作自演企画。

最悪,それでもええかもしれん。

しかしそんな中。

とある先生から「ぜひ自分にやらせていただきたい」とのご返事があった。

そんなに親しくさせて頂いていない先生からの突然の朗報。

煮詰まり状態からのいとも簡単なる脱却。

デコンペった心の劇的な機能回復。

とにかくやたらにうれしい。

何はともあれ,お陰様。

「ホルミシス効果」

意味:人体に対して有害とされる物質の微量曝露は,かえって人体に良い効果をもたらすとする説

ごく微量な放射線を浴び続けると,かえって寿命が延びるなどの有益な作用が報告されている。

放射線に限らず,他の有害なものにもその考えは応用できると思われるが,現状ではしっかりと確立された考えとは言えない。



出張で特急にて出かけなければならない。

特急の指定席を予約しようとするが,出足が遅く既にソールドアウト。

但し,喫煙席とグリーン席(プラス3千円)は空いているという。

大体3時間ほどの長旅になるので,自由席を当てにして座れなかったらちょっとつらい。

次の時間に遅らせると時間的に間に合わないし,一本前だと3時間ほど早すぎる。

今から思えば,3千円でグリーン席の快適さを買えばよかったんだが・・・・・・・

何を思ったか判断を誤って,喫煙席を予約した(ちなみに自分は煙草吸わない)。

こんな判断ミス,鬱手前かもしれん・・・・・



出張前日は深夜まで「全英オープン」を観戦する。

最後の輝きを思わせるグレッグ・ノーマンの活躍に思わず心が熱くなる。

観戦の余韻と興奮で,明け方4時近くまでなかなか寝付けず。

翌朝には何とか目覚めることができたが,頭が痛い。

この歳になると,寝不足は有害で体に堪える。

こんな有害な夜更かしからも,ホルミシス効果が期待できるかもしれん。



乗り込んだ喫煙車内は当たり前だが煙モクモク。

副流煙というより,主流煙そのまんまって感じ。

Zippoで「ピンッ,シャッ」と火をつける音が,そこかしこから聞こえてくる。

少し経てば慣れるだろうと思ったが,そのうちにのどがいがらっぽくなってくる。

この副流煙の曝露が微量かどうかが問題になるが,

「これもホルミシスかな」と思って自分を慰める。



結局「ホルミシス効果」満載の出張列車の旅は,

直に眠りへと落ちて夢の旅となる。

単に熟睡ができたからかもしれんが,

出張先では空気がおいしく,気分スッキリ,頭も冴えた。

ホントにホルミシスがあろうとなかろうと,

ポジティブシンキングにはもってこいの「キラーワード」と言えよう。
「シノ先生,お邪魔してます」

「お~,Cさんやないか」

後輩のC先生が大学病院病理部に来ている。

Cさんは学生時代によく病理に遊びに来てくれた。

大学卒業後しばらく研究していたが,今や医師不足で有名な某臨床科の若手女性医師。

現在は市中病院でがんばっている。

そんなCさんが久しぶりに顔を見せてくれた。

しかし,こんな真昼間から一体どうしたんだろう?

「どうしたCさん,夏休みか?」

「いえ・・・・・ちょっと体調を崩しまして」

「体調って・・・・・ひょっとしてツワリか?相手は誰や?式はいつや?」

しかしCさん,会話の食い付きがいつもより悪い。



よくよく話を聞いてみると,どうやらデプレッションで休んでいるらしい。

デプレッション=鬱状態。

医師不足は,特に地方で深刻な問題になっている。

あまりの業務過多で,耐えきれずに去っていったり燃え尽きたり鬱になったり・・・・・

そんな話が周りに転がっていても不思議ではなくなった。

それにしても,まさか自分の知るCさんがその仲間入りをしようとは・・・・・

しかしCさんは一時の危機を乗り超えて,今はだいぶん復活しているようだ。



「うちの部長に言われたんです,これくらいならできるやろって」とCさん。

「要求キツイな」

「そんなら4時間睡眠で,やれるとこまでやったれって気になりまして・・・」

「ナポレオンやな」

「そうですよ,ナポレオンにでもなったるわって2か月半は4時間睡眠でがんばりましたが,それ以上は無理でした」

「そりゃそうやろ」

「あまりに腹がたって,精神科で診てもらった「鬱」の診断書を,部長に叩きつけてやりました」

「戦うねえ」

「やっぱり,ナポレオンみたいにはいきませんでした・・・」



「鬱になる前って,どうなるの?」と参考までに聞いてみる。

「だんだん判断力が鈍ってくるんです」とCさん。

「判断力か」

「今まで簡単に決めてたものが,決めれなくなったり判断ミスしたりします」

「自分も夕方の疲れ切った時はそうかもしれん・・・それから?」

「それから,真夜中に理由もなしに悲しくなって泣いてしまうんです」

「へえ~,それはないな」

「さすがに自分でもおかしいなって思いまして・・・」

「もう少し我慢してたら,引き返せなくなってたかもしれんな」

「そうですね・・・・・シノ先生は大丈夫ですか?」

う~~ん・・・もう少し持つかもしれん・・・・・