『しのゼミ』 -52ページ目

『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

酔ったらあなたはどうなる? ブログネタ:酔ったらあなたはどうなる? 参加中
本文はここから


若かりし頃は,自分がどれだけお酒が飲めるかがわからない。

少し飲みすぎて辛い思いをしたりして,自分の限界を知るようになる。

自分の場合も大学サークルのコンパでそんな経験をした。

大学サークルに入ってすぐの6月頃。

親睦目的の一泊旅行があって,電車で近くの海辺の民宿に向かう。

その夜には,気合の入ったコンパがあると聞いていた。



コンパでは,新入生の芸大会などが終わって無礼講になる。

先輩後輩入り混じって,親睦という名の飲ませ合い。

新入生の身なので,先輩に話しかけるごとにコップ酒を飲まなければならない。

ビールならばある程度は耐えられるが,日本酒じゃなきゃダメと言われるムチャクチャさ。

すぐに酔っぱらって異様に陽気且つ社交的になり,いろんな先輩に話しかける。

当時は「イッキ飲み」全盛の時代背景もあって,飲んだお酒の量は半端じゃなかった気がする。

最後は憧れの女子先輩のところで話し込み,しこたま飲まされた挙句に「沈没」。

完全に意識を無くしたが,しばらくは楽しく歓談していたらしい。

それから噴水のように辺り構わず吐いて,皆に迷惑を掛けたらしい。

そして面倒見のいい友人や先輩に介抱されて,出すもの全部を出し尽くした後に寝かされた。

「沈没」後は後日の友人談。



翌朝からの二日酔いが最悪であった。

寝ていようと起きていようと立っていようと座っていようと気持ちが悪い。

とにかく「お酒」を想像するだけで吐いてしまう。

コンパの後片付けで,お酒の残り香を嗅いだだけで「オエ~」となる。

一升ビンを見ただけで連想して「オエ~」。

空ビン同士がカツンとぶつかった音を聞くだけで「オエ~」。

何度もトイレに駆け込むと,そのうちに吐くべき固形物が無くなる。

しかし吐き気はやまず,黄色い胃液少量を搾り出すように吐く。

そんな風に吐き続けると,次第に吐くモノにやや緑色がかったものが混じってくる。

どうやら「胆汁」までが出てきたようだ。

親睦旅行の帰りになっても吐き続ける。

電車に乗っても,お酒の宣伝の宙吊りを見て駅のトイレで「オエ~」。

最寄駅に着いて,アパート近くの酒屋前で連想的に「オエ~」。

ようやく帰り着いたアパートでは死んだように眠った。



次の日には吐き気は止まったが,胃が痛くて何も食べたくない。

その日の午後になって,ようやくモノが少しずつ食べれるようになった。

その週はお酒を飲む気がせず,翌週くらいからビールを少しずつ嗜むようになった。

今思えば,かなり重篤な「急性アル中」。

病院で点滴でもしないと結構際どかったように思うけれど,お酒を覚えるのに昔はこんなムチャをしたもんだ。

今になってもお酒の席では相変わらずで,アホなことをすることしょっちゅうである。

しかし若かりし頃のトラウマは意外に根深いようで,今でも「日本酒」はどうもダメ。

まぁ「日本酒飲めない」くらいの方が,自分にとってちょうどええかもしれん。
「奇形腫 teratoma」

卵巣などによく発生する腫瘍病変で,皮膚をはじめとする体中のいろいろな成熟した組織が混在する。



奇形腫と言えば,昔は「ピノコ」。

漫画ブラックジャックで,「奇形腫」の組織を継ぎ接ぎしてできた女の子。

実際に「ピノコ」はできるのかと問われれば,現状では出来はしないのは明らか。

しかし奇形腫を顕微鏡で覗くと,体中のいろんな組織を見つけることができる。

骨・軟骨・皮膚・甲状腺・気管支上皮・腸管上皮・毛髪・・・・・

時には立派な歯ができる時もある。

教科書には奇形腫内の歯が虫歯になっていることもあると書いてあったが,残念ながら「虫歯」には出会ったことがない。



奇形腫と言えば,今は「iPS細胞」。

今や時のヒトになった京都大学・山中先生グループの作った細胞。

いろんな組織に分化(=成熟)する可能性を秘めた「夢の細胞」。

このノーベル賞級の細胞から,いろんな組織(例えば皮膚とか心臓とか肝臓とか)を再生させて,医療に応用しよう・・・ということで注目される。

しかし,実際にはこの細胞を例えばマウスの体に植え付けても,いろんな組織がごちゃまぜになった「奇形腫」が出来てしまう。

この細胞をどのようにコントロールすれば,目的の細胞の集まり=組織が得られるのかがまだ分かっていない。

要は,原材料は用意出来たんかもしれんが,どのように料理すれば良い料理(=組織)ができるのかはまだ研究段階といったところ。



そんな「奇形腫」の未来はどうなるんだろう・・・・・

20XX年の地球。

再生医療が日常的に行われている。

iPS細胞から再生してできた肝臓や腎臓や心臓や膵臓や皮膚を移植して,難治と言われていたいろんな疾患が治療される世の中。

この夢のような治療法が現実となり,同時に「女性の腋の皮膚移植」や「中年男性の頭皮移植」といった手軽な移植美容も大流行り。

が,こんな最新且つ最先端の治療法といえども,すべてに於いて完璧とは限らない。

実は再生組織の移植に伴って,「奇形腫」発生という副作用が問題になってくる。

たとえば再生肝組織を移植すると,移植後しばらくすると移植組織の中に奇形腫が少ない確率で発生してくる。

それを放っておくと,肝臓の用を成さなくなるほどに奇形腫が大きくなってしまう。

それならば,新品の再生肝臓をもう一回移植すればいいのにと思うかもしれない。

しかしそうはうまくはいかないのがこの世の常。

メカニズムはわからないが,二回目の移植をしたとすると,その移植組織に奇形腫のできる確率が桁違いに上がってしまう。

三回目の移植では,ほぼ必発で奇形腫の餌食になる。

さらに,すでに移植を受けているヒトが新たに別の移植を受けた際にも,奇形腫の発生が有意に高くなることがわかる。

科学者たちは,いかに「奇形腫」の発生を食い止めるかの研究に没頭するが,なかなか解決策は見つからない。

・・・・・このように,「奇形腫」が忌み嫌われる時代がくるかもしれん。



(蛇足ながら,上記の「未来編」は完全なるフィクションであり,再生医療の発展を妨害せんとするようなことを意図していないというか何も考えていない)
手術室の看護師さんによる「人気外科医ランキング」がある。

看護師さんなので多くが女性による投票で,最も人気のある先生を決めるという非公式な大学病院内の催し。

聞けば,毎年定期的に投票が行われて,手術部にその結果が貼り出されるらしい。

外科医にとってみれば,実はその結果をけっこう気にして参考にしてたりする(by ラン)。

しかし選ぶヒトが手術室看護師さんなので,選ばれるヒトは手術室に出入りする外科系医師に限られる。

内科系の先生や病理医は残念ながら対象外。

病理医は術中迅速で手術には貢献してるし,参加資格あるんちゃう?と思ったが,

「このシノって誰?」って言われて傷つきそうなので,やっぱやめとこう。



ちなみにランキングのトップは,某マイナー外科准教授先生。

某科の臨床を,ものすごいリーダーシップで引っ張っている。

外科医としての腕は確かで,その専門領域では名の知れた先生。

物腰柔らかで確かに女性受けはするか?

「まぁ〇〇先生が一位なのはしょうがないか・・・」と誰もが認める存在。



二位は某外科講師先生。

この先生は自分のクラブの先輩なので,その人気の理由は何となくわかる。

やはり物腰やわらかくひょうひょうとしている。

依頼する時の言葉に荒々しい感じがない

腹腔鏡手術が得意で,外科の腕は確か。

学生時代から女性にはもてたので,この結果も納得という感じ。



三位は某マイナー外科講師の△△先生。

この先生も自分のクラブの先輩にあたる。

腰の低い丁寧な先生で,人当たりがとてもいい。

臨床も研究も与えられたものはソツなく確実にこなしていくタイプ。

静かな外見とは裏腹に,熱く秘めるものがある。

そんなところが,看護師さんの心をくすぐるのか?



この三位の△△先生の結果にクレームをつける外科の先輩N先生。

「一位・二位は納得やが,なんで三位が△△やねん・・・・・おかしいんちゃうか?」

自分が三位までに入っていないのに,公然と不満を表明するN先生。

そこまで気合い入れんでもええんちゃう?とは思うけど。

「△△なんて,髪の毛あらへんしどこがええんやって思うけどな」とN先生の不満は続く。

「・・・これはイケメン・ランキングじゃないので,髪の毛は関係ない思うんですけど」

「まぁそうやけど・・・△△が三位ならオレが僅差の四位やろな」

「看護師さんはよく見てるんですよ,髪の毛以外にもいろいろと・・・」

「△△の髪の毛を全部むしり取ったら,来年はゼッタイに三位や」

「まぁがんばってください(何をや?)」



そんな何かと気になる「人気外科医ランキング」。

最近になってこのランキングが中止になったと聞いた。

何故かは何となく察しがつくが・・・・・

遊びが無くなってきてちょっとつまらん気もするが如何?
先日の胆管ガン手術での術中迅速で。

胆管の切除断端が手術室から病理に提出されてきた。

胆管ガンであるから,肝臓と十二指腸の間の胆管のどこかにガンが存在する。

それを取り残しの無いように,少し余裕を持って切除する。

但し,余裕を持ちすぎてたくさん切るのもよくない。

必要且つ十分な範囲を切除するのが外科医の腕の見せ所。



そんな時に威力を発揮するのが術中迅速。

外科医がだいたいこの辺だったら大丈夫(=ガンがいない)と思われる辺りの組織を少し切り取る。

それを「術中迅速検体」(たとえば胆管断端)として,病理に提出する。

病理では,その検体を急速に凍結して切片を作製し,顕微鏡で覗く。

その結果,ガン細胞がいなければ,そこを断端として切除範囲を決めればよい。

ガン細胞がいるのなら,もう少し広い切除範囲が必要ということになる。

ちなみに術中迅速に要する時間(検体提出から顕微鏡で覗いた結果報告まで)は約20分ほど。

こんな時間の拘束の中,よくやってるよ自分!(誰もしてくれないので,自分で褒めてみました)。



っで,今回は胆管の断端。

実はこの胆管という組織では,ガンかどうかがとても分かりにくい場合がある。

ガンか良性かが分からんとはどういうこっちゃ?もっと勉強せいっ!と叱られるかもしれない。

しかし分からんもんは分からんし,「良悪の鑑別が困難な場合がある」などと教科書にも書いてある。

ある意味,胆管断端の術中迅速は「病理医泣かせ」とも言える。

どこの世界にもそのような「実務者しかわからない事情」がある。

今回の胆管断端も,ご多分に漏れず炎症がひどくって分かりにくい。

ぱっと見は,炎症でよく分からんけどガンはなさそう。

しかし検体の端っこに変な細胞の塊が1ヶあった。



ん~~~どうしよう・・・・・

気になる細胞集塊。

でも見れば見るほど悪く(=悪性に)見える。

念のためもう数枚切片を作ってもらったが,やっぱり変な細胞がいる。

インターホンで外科医に聞いてみても,提出検体はガン本体の近くでけっこう怪しい(=断端にガンいるかも?)らしい。

結局「断端にガン細胞あり」ということで拡大切除になった。

後日に検体を固定しなおして作製した切片にもガンが確認できて,やれやれである。

それにしても,うっかりすると見逃してしまうような小さなガン細胞の塊。

よくもまあ「あれ?」って思えたなぁというような頼りない,でもやっかいな存在。

自分の経験の中でも一・二を争うようなファインプレーだったのかもしれん。



こんな「超美技」をした時は病理医冥利に尽きる。

自分の場合は,周囲の目が無いのを確認してから軽く「ガッツポーズ」をする。

でもそれだけ。

たとえ「超美技」をしようとも,それを提示し共感しあう場所や文化がない。

一般に「褒められない=感謝されない」環境が病理にはあるような気がする。

少しは「褒められ感謝される」ことがあったほうがいいんじゃなかろうか?

そんなもんを求めるのはまちがっとる!とどなたかに叱られそうであるが・・・・・



慣れていないのでくすぐったいが,「こんな細胞をよくガンと診断できたねぇ~スゴイ」と言われてみたい。

別に「珍プレー好プレー」みたく,みのもんたの解説付で紹介してもらいたいとは思わんが・・・・・
「いっ君にこれ,おみやげ」

「なんじゃこれ?」

「釣り竿じゃん・・・こう見えても高いんだぞ~,コンピューター一台は余裕で買えるぞ」

夏休みに,いっ君のおじさん家族がやってきた。

おじさんはシノ妻の兄にあたり,3~4年振りの再会である。

中日本に住むおじさん家族と前回に顔を合わせたのは,いっ君がまだ小学校低学年のころ。

今や小6のいっ君が,その頃に比べて相当に変わったのは当たり前。

だが,余りのいっ君の変わり様におじさんは驚いてびっくりしている。



おじさんの今の趣味は釣り。

休みになると,朝早くというか未明から一人で海に出かける。

「釣りバカ」の常で,道具もかなりの気合の入れよう。

いくつもある釣り竿のうち,もう使わなくなった(と言っても新品同様)モノを,いっ君へのおみやげに持ってきてくれた。

聞けば十万円は下らないという竿+リールのセット。

その道のヒトにとっては,喉から手が出るほどのものかもしれん。

しかしいっ君,釣りなんてやったことがない。

経験あるのはせいぜい金魚すくい程度。

もらって「ありがとう」とは言ったものの,正直それ程うれしくない。

まだゲームソフトのほうがよかったと思っている。



実はこのおじさん,大きな声では言えない遊び遍歴がある。

学生時代はパチンコ狂。

パチンコで大学を一年留年しているという「ツワモノ」。

なにしろパチンコで大当たりになると,よく妹のシノ妻に電話がかかったらしい。

「すぐにパチンコ屋まで来てくれ」と。

大当たりになると,座ってハンドルを持ってればドンドン玉が出てくるので,代わりにやっといてくれというワケ。

自分はというと,別の台でパチンコし始めるというのめり込みよう。

とにかくハマったら底なしと言うか,なかなか抜け出しにくい性格なのか?



今度おじさんっちへ遊びに行ったら,一緒に釣りに行く約束をしたいっ君。

釣りがいっ君にどのような影響を与えるかはわからないが,何事も経験が大切。

おじさんみたいじゃなく,そこそこな付き合いをしてくれるといいんだが。

それにしても今のところちーとみーの遊び道具になっている釣り竿。

次回の釣り本番までに,この竿セットが壊れなければいいんだけれど。

たかが釣り竿だが心配は尽きぬ。