『しのゼミ』 -51ページ目

『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

朝起きたら,左の人差し指付け根あたりが痛かった。

人差し指を曲げようとすると,鈍い痛みが走る。

ちょうど「突き指」した後のような感じ。

特にどこかにぶつけたりした記憶はない。

付け根あたりの皮膚の色調も正常。

何が原因か分からない。



アミ(病理部の若手病理医で妊娠中)の調子が悪い。

待ちに待った「妊娠発表」後,顔色が悪い日々が続いていた。

そして先日に。

「ツワリがひどくって動けません」と連絡が入った。

それからず~っと出勤せず。

「はぁ~,参ったなぁ」とシノ妻に愚痴をこぼす。

ツワリって吐いたらちょっとは楽になるんちゃう?顕微鏡くらい覗けるんちゃう?と聞いてみる。

すると「そんなもんムリに決まっとる!」と完全にアミの味方なシノ妻。

「吐いても吐いても楽にならんあの苦しさは分からんやろね・・・」
「お酒飲んだ後に吐くのとは全然違うんだからね・・・」

何だか雲行きが怪しくなってくる。

そう言えばシノ妻もツワリはひどかったっけ。



おかげでアミの診断分が自分に押し寄せ中。

日々の診断するスライドガラス枚数が倍増している。

さ~てと・・・・・今日も気張って診るか・・・

一枚目のスライド標本を顕微鏡のステージに乗せて,ステージを動かそうとすると・・・

あっ・・・これか!

痛めた人差し指の原因がわかった。

標本を隈なく見るために,顕微鏡のステージを縦横に動かさねばならぬ。

ステージを動かすハンドルは,顕微鏡の左側についている。

標本数が多いと,ハンドルを左指でひっきりなしに捻らねばならぬ。

自己診断=左指で激しくハンドル捻りすぎによる「腱鞘炎」。

労災,通るかな・・・
依頼主「すいません・・・写真をお願いしたいんですけど・・・」

写真撮影の依頼がひっきりなしにある。

と言っても,ここはカメラ屋ではない。

これは病院病理の話で,引き受け手は病理医の自分。

依頼主は大学病院臨床医。

被写体はきれいな風景ではなく「ガン細胞」。

写真の用途は,たとえば珍しい症例を研究会や学会や論文で発表するので,その典型的な病理組織像が欲しいなど。



シノ「・・・ちょっと今は手が離せんけど・・・」 

病理写真と言っても,要はガン細胞をパチリと撮るだけの簡単なこと。

医療従事者ならば少なくとも学生時代に病理教育は受けている。

だから典型的なガン細胞くらいは,自力で見つけてもらわなきゃ困る。

それに,そもそも病理医の本務は病理診断すること。

写真を撮る義務はない。

ならば必要なヒト(=臨床医)が自分で撮ればええやん・・・

そういう意地悪も言おうと思えば言える。



依頼主「・・・いつでもいいので,何とかお願いします・・・」

被写体=細胞は気を使って選ばなければならぬ。

被写体選びのポイントは客観性重視。

客観性と言うか,「最大公約数」的な考え方ができる経験が必要。

つまり,ほとんどのヒトがガンだと同意してくれる細胞を探さねばならぬ。

主観的に「あぁいいな~」とか「うわ~きれい」という理由で決めるものではない。

そこには喜びは少なく,妥協と戦う努力がいるし時間がかかる。

例えれば,「とびっきりの美女」ではなく,「証明写真」を撮る感じ。

そんなこんなで,病理写真(=こんな面倒な仕事)なら専門の病理医にとなる。



シノ「・・・しょうがねーなー・・・」 

実は絵的なものを扱うのは,元来苦手な自分。

別にこんなこと,改まって告白せんでもええとは思うが・・・・・

たとえば美術館で。

名作と言われるものを見てもあまり感動しない。

むしろ,絵の下のプレートばかり見ている。

「へえ~,これがマチスか・・・」とか「おー,セザンヌやん・・・」とか。

画家の名前ばっか気になって,肝心の絵を見ていない。

たとえば,スケッチ。

シェーマや絵的なもので,何かを説明しようとすることがあるが,その書く絵がヘタクソ。

似顔絵を描いたりするセンス=ゼロ。

たとえば,小学生時代の写生大会。

入選というか佳作に引っかかった回数すらほとんどナシ。

少なくとも自分は,写真屋の「適性」はあまりないと言えるか?



シノ「・・・まぁどうしてもって言うんなら,撮ってもええけど・・・」 

こんな適性無しだが,ボランティア精神溢れる写真屋シノ。

撮る写真はツマランけど,ツボは外さず無難。

撮影一回に付きポテチ一袋と格安。

最近は原油高に便乗して,ポッキ-一箱に値上げを検討中だが・・・

お蔭様で・・・というか困ったことに繁盛している。
「食い合わせ」

2種以上の食材を同食する際に,体に悪い(あるいは良い)と言われる組み合わせ。

一般的に,その取り合わせは消化に良くないとされる場合が多い。



▼マドンナの模範解答

学生時代の講義で。

我がクラスのマドンナがある質問をされたことを断片的に覚えている。

質問は「食べ合わせについて具体的に答えなさい」という内容。

多分,生化学かなにかの講義だったか?

当てられたマドンナ,したり顔で「スイカと天ぷら」と即答した。

はぁ~?

スイカと天ぷらだ~あ~?

プップップッ(失笑)・・・何やねんそれ?

そのおかしな食べ物の組み合わせを平気な顔をして答えたマドンナに,どうリアクションすればええか迷う。

ギャハハという笑いで煙に巻けば傷は浅くなる?

聞こえなかったフリして時が去るのを待つ?

さ~てどうしたモンかと思案するも,「ハイ,そうですね」という先生のコメント。

「オイオイ・・・スイカと天ぷらが正解かよ?」と驚くとともに,自分の無知を恥じる。

それ以来,「食い合わせ=スイカと天ぷら」は記憶にこびり付いている。



▼たまたま試してみました

先日の我が家の夕食はエビの天ぷら。

ビールを飲んで遅い食事をとる。

次女みーの食べ残しと思われる一口かじってある天ぷら。

残飯整理も父の仕事である。

食後のフルーツとして,もらいもののスイカが冷やしてある。

これまたみーの食べ残しと思われる一口かじってあるスイカ。

冷え冷えのやや甘で,むしゃむしゃ食す。

どれもおいしかったが,少し経ってから食い合わせであることに気づく。

スイカ+天ぷら=消化不良

スイカ+ビール=急性アル中

食い合わせた結果だが,腹痛(-),嘔吐(-),下痢(-),便秘(-)。

残念ながら自分には何も起きず。

ちなみにみーも元気。

少々食い合わせたところで,大丈夫らしい。



▼食い合わせ現代版

以前,米国のスーパーマーケットで偶然に緑茶を見つけた。

これ買い!と思い,手に入れてさっそく試飲する。

米国で売られている緑茶って,どんな味やろ?

とても興味がある。

実際に飲んでみると,吹き出しそうになるくらい「オエ~」って感じ。

何がヘンって緑茶に砂糖が入っている。

よくもまあこんなもん飲めるな・・・というかこんなもん商品化するなっちゅ-ねん。

砂糖の甘みで,緑茶本来の苦みがきれいに消してある。

且つ,砂糖添加でカロリーアップ。

日本人には発想できない「甘~い緑茶」。

このアバンギャルドな組み合わせは,現代版「食い合わせ」かもしれん。
「gravida」 「para」

意味:gravida~妊娠回数,para~出産回数

妊娠経験が二回あって,出産回数が一回の女性の場合,gravida2,para1などと表示する。



昨年度に縁があって初期研修科として病理を選択してくれたSさん。

医師になって三年目の彼女は,今は某臨床科にて修行中。

その彼女が,ひょこっと病理に顔を出してくれた。

なにやら話したいことがある様子。



聞いてみると,念願かなって妊娠したらしい。

他大学卒業後に医学部再入学している彼女。

それなりに歳はとっている(推定35歳くらい)し,学生結婚している。

初期研修中に一緒に飲みに行った際にも,「私,子ども欲しいんです」と言っていた。

とうとうと言うか待ちに待った授かりもの。

月に当直を7~8回こなすような激務の中,すこぶる妊娠経過は順調らしい。

女医S,とりあえず念願のGravida1。

「ホントよかったなぁ,体大事にしな」

そんな言葉が心から自然に出てくる。



かたや病理医6年目のアミ(推定30歳くらい)。

いつも意地悪な上司に文句を言われながら修行中。

実は彼女は結婚してすでに4年ほどが経っている。

その彼女,「最近ちょっと気持ちが悪くって・・・」とこぼしていた。

ひょっとして・・・と市販の検査薬で調べたところ,妊娠反応陽性と出たらしい。

「お伝えしにくいんですが,どうやら妊娠したかも・・・」と上司に報告してきた。



「妊娠って・・・・・・・・・」と思わず絶句する自分。

今,この病理部には,常勤病理医として自分とアミしかいない。

そのアミが妊娠っとなって一人抜けたとなると・・・・・

そのツケはすべて自動的に自分にまわってくることになる。

こので~っかい大学病院の,このた~くさんの病理の仕事が,たった一人の自分に向って殺到してくる殺伐としたイメージが浮かぶ。

無理無理無理無理,ゼッタイにムリ!

女医アミ,なんでこんな時にGravida1。

「ホントかよ・・・仕事が持たんぞ」

祝福の言葉を言うべきなんだが,思わず口をついて出た本音。

・・・まだまだ人間ができていない。
エアコンの効きが悪い。

最も頻繁に使われるリビングのエアコン。

冷房の設定温度を18℃くらいにしても,モワ~とした暖気が出てくる。

「暑~いなぁ,エアコン壊れとる?」
「〇◇△社製はアカンわ」

夏場に最も活躍してくれなきゃアカンのに,まったくの期待はずれ。

恨みが募る。



▼多彩機能に八つ当たり

「ちっとも冷えんし・・・・・どうしよ?」とシノ妻。

「ちょっと貸して」と手に取ったエアコンのリモコン。

ディスプレー下に,いろんなボタンがついている。

「運転切替」とか「風量」とか「風向」とか「省エネ」とかの基本的な機能が並んでいる。

それ以外にも,あるわあるわたくさんの機能が。

「イオンボタン」
「脱臭ボタン」
「メンテボタン」
「セルフガード」
・・・・・

一体なんやねん,この機能のオンパレード!

ほとんど一回も利用したことないわ。

果ては「あなたのボタン」なんてものもある。

何のボタンやねん,それ・・・

そんな機能を作る前に,空気を冷やす基本をしっかりせえー。



▼家電ショップの盛況に八つ当たり

エアコン修理(もしくは買い替え?)依頼のために,大手家電ショップへ。

エアコンのコーナーに出向くも,カスタマーブースの周囲に人だかり。

どうやらエアコンの購入・修理などの依頼のため,何十人というヒトが並んでいるようだ。

列の最後尾に並ぶと,推定2~3時間待ちか?

「アホくさっ,帰ろう!」

とにかく並ぶのが大嫌いな習性。

そんなことを棚に上げて,更にエアコンへの恨みが倍増する。



▼素早い対応にも八つ当たり

こうなったら,メーカーに直接電話してやれ。

シノ妻がメーカーのカスタマーサービスに電話すると,なんと明日に伺いますとのこと。

シンジラレナイ素早い対応に感謝すべきなのに,

「よっぽど暇なん?」
「そんなら今日来いちゅうねん」

・・・ハーシュな言葉のみ飛び交う。



▼直してくれても八つ当たり

約束通りにエアコン修理にやってきてくれたメーカーの技術者。

30分ほどちょこちょこっと修理して完了。

さすがにプロ!

修理後は,ひんやりとした冷たい風がスーっと吹き下りてくる。

「ちょっと調整しておきましたから」と技術者。

しかも修理代徴収せず。

こういったアフターサービスの重要さを,メ-カー側も認識し始めたのか?

しかしシノ家では,

「なんかおかしい・・・」
「ものすごい基本的な設計ミスちゃう?」
「リコール隠しちゃう?」
・・・・・

疑いはさらに渦巻く。



▼総括

エアコンに限らず日常的に使う家電は,

日常生活に密着
割高感がある
代替手段が限られる
それがないと不快になる

などの特徴がある。

こういった家電で基本性能の「ヘタリ」があると,カスタマーの愛想尽かしは速い。

走らない車が使えんのと同じで,冷えないエアコンは致命的。

製品のメーカー名を見上げて,もう二度とおまえんとこのものは買わん!となる。

エアコンの恨みはこわい・・・