「gravida」 「para」
意味:gravida~妊娠回数,para~出産回数
妊娠経験が二回あって,出産回数が一回の女性の場合,gravida2,para1などと表示する。
昨年度に縁があって初期研修科として病理を選択してくれたSさん。
医師になって三年目の彼女は,今は某臨床科にて修行中。
その彼女が,ひょこっと病理に顔を出してくれた。
なにやら話したいことがある様子。
聞いてみると,念願かなって妊娠したらしい。
他大学卒業後に医学部再入学している彼女。
それなりに歳はとっている(推定35歳くらい)し,学生結婚している。
初期研修中に一緒に飲みに行った際にも,「私,子ども欲しいんです」と言っていた。
とうとうと言うか待ちに待った授かりもの。
月に当直を7~8回こなすような激務の中,すこぶる妊娠経過は順調らしい。
女医S,とりあえず念願のGravida1。
「ホントよかったなぁ,体大事にしな」
そんな言葉が心から自然に出てくる。
かたや病理医6年目のアミ(推定30歳くらい)。
いつも意地悪な上司に文句を言われながら修行中。
実は彼女は結婚してすでに4年ほどが経っている。
その彼女,「最近ちょっと気持ちが悪くって・・・」とこぼしていた。
ひょっとして・・・と市販の検査薬で調べたところ,妊娠反応陽性と出たらしい。
「お伝えしにくいんですが,どうやら妊娠したかも・・・」と上司に報告してきた。
「妊娠って・・・・・・・・・」と思わず絶句する自分。
今,この病理部には,常勤病理医として自分とアミしかいない。
そのアミが妊娠っとなって一人抜けたとなると・・・・・
そのツケはすべて自動的に自分にまわってくることになる。
こので~っかい大学病院の,このた~くさんの病理の仕事が,たった一人の自分に向って殺到してくる殺伐としたイメージが浮かぶ。
無理無理無理無理,ゼッタイにムリ!
女医アミ,なんでこんな時にGravida1。
「ホントかよ・・・仕事が持たんぞ」
祝福の言葉を言うべきなんだが,思わず口をついて出た本音。
・・・まだまだ人間ができていない。