「いっ君にこれ,おみやげ」
「なんじゃこれ?」
「釣り竿じゃん・・・こう見えても高いんだぞ~,コンピューター一台は余裕で買えるぞ」
夏休みに,いっ君のおじさん家族がやってきた。
おじさんはシノ妻の兄にあたり,3~4年振りの再会である。
中日本に住むおじさん家族と前回に顔を合わせたのは,いっ君がまだ小学校低学年のころ。
今や小6のいっ君が,その頃に比べて相当に変わったのは当たり前。
だが,余りのいっ君の変わり様におじさんは驚いてびっくりしている。
おじさんの今の趣味は釣り。
休みになると,朝早くというか未明から一人で海に出かける。
「釣りバカ」の常で,道具もかなりの気合の入れよう。
いくつもある釣り竿のうち,もう使わなくなった(と言っても新品同様)モノを,いっ君へのおみやげに持ってきてくれた。
聞けば十万円は下らないという竿+リールのセット。
その道のヒトにとっては,喉から手が出るほどのものかもしれん。
しかしいっ君,釣りなんてやったことがない。
経験あるのはせいぜい金魚すくい程度。
もらって「ありがとう」とは言ったものの,正直それ程うれしくない。
まだゲームソフトのほうがよかったと思っている。
実はこのおじさん,大きな声では言えない遊び遍歴がある。
学生時代はパチンコ狂。
パチンコで大学を一年留年しているという「ツワモノ」。
なにしろパチンコで大当たりになると,よく妹のシノ妻に電話がかかったらしい。
「すぐにパチンコ屋まで来てくれ」と。
大当たりになると,座ってハンドルを持ってればドンドン玉が出てくるので,代わりにやっといてくれというワケ。
自分はというと,別の台でパチンコし始めるというのめり込みよう。
とにかくハマったら底なしと言うか,なかなか抜け出しにくい性格なのか?
今度おじさんっちへ遊びに行ったら,一緒に釣りに行く約束をしたいっ君。
釣りがいっ君にどのような影響を与えるかはわからないが,何事も経験が大切。
おじさんみたいじゃなく,そこそこな付き合いをしてくれるといいんだが。
それにしても今のところちーとみーの遊び道具になっている釣り竿。
次回の釣り本番までに,この竿セットが壊れなければいいんだけれど。
たかが釣り竿だが心配は尽きぬ。