『しのゼミ』 -40ページ目

『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

講師と講演内容に惹かれて,とある勉強会に参加する。

その講演者は,けっこう名の知れた先生。

と言っても,自分の興味のある狭い世界の中での話なので,一般にはなじみはない。

いわゆる「知るヒトぞ知る」というんだろうか?

その実力は(この世界のヒトなら)誰もが認めるところ。

専門書の共同著者にも度々名を連ねている。

学会への貢献も大だ。

いつの頃からか自分は,密かに思ってこの先生を目標にしている。



あんな感じのヒトになりたい・・・

こういうことができるヒトになりたい・・・

だれにもそんなあこがれのヒトがいるだろう。

夢ほど遠くはない,頑張れば手が届きそうな目標と言い換えてもいい。

自分の場合は,以下の点を重視してあこがれているようだ。

まず,出身や業績だけではない「実」がたわわにあること。

実があるかどうかは,たとえば講演内容で伝わってくる。

実は一日にして成らず。

日々の努力の賜物だ。

たわわな実は,豊富な実地の経験に根ざしている。

なので,知識が薄っぺらではない。

時に,自分が感じたことのあるような素朴な疑問に触れて,さらりとその答えを教えてくれたりする。

それから,おもしろいこと。

ギャハギャハと笑うのもキライじゃないが,それよりも話の切り口とか展開とか焦点の当て方が洒落ている。

奇を衒うのではなく,案外シンプル・理路整然で分かりやすい。

一言で言ってみれば「打てば響き渡るような感じ」か。

漫画「浮浪雲」のような「底知れない」感じか。

そんなものにあこがれる。



その後の懇親会で,楽しくお話を伺う。

この先生とのこんな接近遭遇は初めてだが,想像していたとおりの先生だ。

実り多い研究会だったが,帰宅後になってあこがれの先生から頂いた名刺が見当らないのに気付く。

確かに財布と一緒にポケットに入れたハズだが・・・・・

どっかへ落としてしまったのかもしれん。

受け取った時には,話に夢中だったし・・・・・

その後には財布は触ってないし・・・・・

やっぱ受け取った直後が一番怪しい。

名刺がポケットではなく,懇親会会場の床に落ちていくイメージが浮かぶ。

落とした名刺は,次から次へと通り過ぎるいろんな靴に踏まれていく・・・・・

まるでゴミのように・・・・・

自分のあこがれが汚され踏みにじられる・・・・・

最悪だ。

なんたる不覚。

信じられん失態。

罰として,次の日の朝食抜きとする。

温すぎか?



「経鼻内視鏡」

上部消化管内視鏡検査をする際に使用する新しい内視鏡。

通常は経口的だが,先頃より経鼻的に使用する内視鏡が使われ出している。

簡単に言えば,「鼻から入れる胃カメラ」。

最近なにかと話題だ。



▼効能は?

通常の胃内視鏡検査の場合,内視鏡は口から入れる。

そうすると,喉元が刺激されて誰もがオエ~ッとなる。

いわゆる咽頭反射がおこる。

それは生理現象,しょうがないと言えばしょうがない。

この苦痛を軽減するために,鼻から入れるという工夫を凝らした内視鏡。

それが経鼻内視鏡だ。

喉元を刺激しないので,不快な反射が起こりにくい。

同級生の開業医「ラン・クリニック」でも使用中。

評判はすこぶるいいらしい。


とある患者さんの大腸内視鏡下生検の病理オーダーに。

「・・・・・S状結腸に狭窄が見られ,経鼻内視鏡にて試みるも通過せず」

と書いてあった。

経鼻内視鏡の特徴は,鼻を通すため内視鏡の管が細い。

その「細さ」はなにかと利用価値がある。

たとえば病変で細くなった胃や腸の部分にも,細さを生かしてその狭窄へ「ねじ込む」ことができる。

そうすれば,うまくすると狭窄の向こうまで内視鏡が挿入できる。

そうなったら,奥の奥まで観察できるという利点になる。

S状結腸の病変に経鼻内視鏡が試しに使われた今回のケースもそうだ。

今後はこのような応用がもっと増えてくるに違いない。

しか~し・・・・・

これは経鼻内視鏡をおしりから入れているコトになる。

それがどうしたと言われるかもしれないが,それに抵抗というか違和感を感じるのは自分だけか?



▼右よりな共和党員の場合

これってはっきり言えば,おしりに入れたものを,次に鼻に入れるってことでしょ?

もちろんその経鼻内視鏡の器具は,使う度にピカピカに洗浄され滅菌消毒される。

なので,衛生上の問題はないだろうけど。

そう言われても,鼻とおしりがゴッチャになると・・・イヤなもんはイヤ。

鼻,あるいは口という入口。

おしり,特に肛門という出口。

これらの区別というか管理はしっかりしなければいかん。

特に入口は重要だ。

それは国防上から言っても,最重要課題だと言っていい。

気を抜くと,体に悪い余計なものまで入ってくる。

たとえ入れる前にしっかり洗ってると言われても・・・・・

これは衛生上の問題というよりも,軍事的というか国家戦略の問題だ。

そういう政府の姿勢が,空気のように広がって社会不安を引き起こす。

とにかく・・・・・

おしりに入れる経鼻内視鏡はそれ専用にするなどの何らかの予算措置が必要だ。



▼ラジカルな民主党員(なぜか関西弁)の場合

じゃあ,どうしろっちゅーねん?

経鼻を大腸で使うのはやめろとでも?

そもそも移民の国であるところの米国。

門戸開放,来る者拒まずでやってきた歴史がある。

ならば,おしりに入れたものだけを不当に差別して受け入れないのはヘンやん!

その歴史というか原則を今更放棄せよっちゅーの?

そもそも考えてもみなはれ。

経鼻を大腸で使うことで,医療上のメリットが得られるやん。

見えなかったものが見えたり,分からなかったことが分かったりするかもしれん。

それは,より質の高い医療につながるんやねん。

それはエエことやろ?

なので,考えを入れ換えましょ。

経鼻をおしりから入れてもええやんって。

自分が経鼻を入れてもらう患者だったら,この器具は直前の検査ではおしりに入れるようなことはしなかった・・・・・ゼッタイに!

そう思いこんだらええねん。

そうやねん。

Changeやねん。

Yes, we canやねん。



長女のちーは真面目だ。

なんでもカッチリしたことが好き。

定められた道を,きちんと進むのが好き。

ちょっとぶきっちょで頑固者。

決められたことは,みんなも守ってくれることを望む。



家族で車に乗って外出する。

回数は少なくなったが,シノ家にとって珍しいことではない。

道中,パトカーとすれ違うことがある。

これもまた別段,珍しいことではない。

そうすると・・・

後部座席のちーは何やらごそごそし始める。

そそくさと。

落ち着きなさげに。

まるで,何か隠れて悪いことしてたのがバレたが如く。

何してるかと思えば,シートベルトを装着している。

別に「捕まるぞ~」と脅した訳でもない。

「ベルトしなさいっ」と諭した訳でもない。

なぜだかわからんが,パトカーに促されて模範的後部座席同乗者たらんとするちー。



細道を散歩中にパトカーが追い越していったことがある。

追い越していったパトカーに,ハッと気付いたちーは立ち止まる。

しかも気をつけをして。

手はまっすぐ,おしりの横だ。

その指は,つま先までピーンと伸びている。

それから,軽く会釈する。

ふざけているのかと思ったので,

「なんで礼してんねん?ちー,知り合いか?」と聞いてみる。

「え~わからん・・・あたし,知らん間に礼してたわ,アハハハ」

どうやらホントに無意識に体が動いたらしい。

なぜだかわからんが,パトカーに対して礼儀正しいちー。



そんなちーを見て,父は考える。

特に個人的に警察にお世話になった訳でも無し。

知り合いや近い親戚に警察関係者が居る訳でも無し。

その意味するところって・・・・・???

将来はミニパト婦警さん?

まさか連行される渡世人?

真面目なのは良いけど,なんでパトカーやねん?

よくわからん。



中学の同窓会に久し振りに出席する。

数年に一度程度の間隔で開かれていたようだが,遠くに居たり仕事と重なったりで,ず~っと出席できず。

なので約15年ぶりくらいの再会になる。



ちょっと照れくささを感じつつ受付へ出向く。

「お久しぶり!」と声をかけても,幹事はしばし無言。

「え~,ひょっとしてシノ?」と気付いてもらって事なきを得たが・・・・・

そうとう変わり果てた自分の姿。

体重にして20キロ増。

度の強いメガネに無精ヒゲ。

確かに見てくれは15年で変わったかもしれん。

けど,驚きの目をして「分からへんわ~」ちゅーのは,こちらも少し傷つくっちゅーねん。



クジでは7の席に当たる。

その席は,昔マドンナだったヒトが隣だ。

反対の隣が,看護婦さんをしている子。

ラッキー7。

どうやら席には恵まれたらしい。

着席すると,すかさず元マドンナから「シノ君だよね」と声をかけられる。

元マドンナは相変わらずきれいだが,目の周りにはシワが目立つ。

「そうです,お久しぶり」と正座して丁重に答えてしまう。

久し振りな面々に元マドンナからの急襲で,ちょっと調子が出ない。

「あれ?お医者さんだったよね」と今度は看護婦さん。

「そうそう」

「何科だっけ?」

「病理」

「へ~~病理か・・・大変ね,術中迅速とか」と,関係者然としたコメントをもらう。

すると元マドンナから「ねぇ,病理ってなに?」との質問が・・・

また,きたか・・・・・



病理を知るヒトは少ない。

なので,何科か?と質問されると,概略を説明しなければならぬ。

「たとえば,皮膚のこの辺にデキモノができたとすると・・・・・・・顕微鏡で覗いて・・・・・・・診断する人が必要で・・・・・・・患者さんを診察することはないけど・・・・・・・時には病理解剖なんかもして・・・・・・・」

ざっと病理の説明すること約3分X10回ほど。

確か15年前の同窓会でも,延々とこの質問を受けた気がする。

疲れるわ~。



結論としては・・・・・同窓会は間隔を空けずに出席するに限る!。


▼後出しじゃんけん じゃんけん ぽん!

後出しじゃんけんは,後から出したヒトが勝つ。

これは当たり前だ。

相手の手の内が,すでに目の前に出されている。

それを見た後で,自分の出すものを選ぶ。

うっかりミスでもしない限り,この勝負は完全にこちらの手中。

って言うか,これで勝負をつけるのは筋違いだ。



▼正直者ラン

忘年会でのラン先生(同級生の外科医で開業中)。

いつもにも増して饒舌だ。

「なぁ~シノ,オレは真面目に開業医やってるワケよ」

「そうらしいな」

「この前も,隣の○○医院から患者さんが流れてきてさ」

「へえ~,そりゃまたどうして?」

「○○先生のところで薬もらっても,痛みがちっとも取れんって言うワケさ」

「まぁお年寄りの場合,そんなのよくあるね」

「ところがオレの痛み止めの処方でバッチリよ」

「ふんふん」

「痛みがパッタリと無くなってさ,してやったりってとこよ」

「ほ~よかったね」

「もちろん○○先生の診断と処方があったから,オレの診断が当たったのはちゃんと分かってる。それもちゃ~んと患者さんに説明してさ」

「おっ,エライエライ」

「○○先生の診断は間違ってはいないよってさ」

・・・・・

意外に真面目で筋を通す,正直者なラン先生。



▼診断って,後出しじゃんけん?

ちょっとややこしい病気の診断。

こういう場合には,複数の医師の意見が求められることが多い。

っで,往々にして「最後に」エライ先生が・・・である!と診断して,それで決まってしまう。

さ~すが,エライ先生だけのことはある,となるワケだが・・・

実はこれにはトリックがある。

一般的に言って,後から診断した方が有利だ。

なぜなら,前に診断した時の情報に乗っかって診断ができる。

なので,情報量としては,後になるに連れて格段に多くなる。

たくさんの情報を持った上で診断できるなら,正しい診断に至る確立が高い。

なので,後から診断した方が正しくなる。

つまりは,「後出しじゃんけん」的な要素がある。



▼マナーを守ろう,後出しじゃんけん

まれにこんなことを耳にする。

「なんでこんな薬出してんの」とか,

「なんでこの検査がしてないの」とか,

「なんでこんな診断なの」とか。

これは,後出しじゃんけんのマナーに違反している可能性がある。

後出しじゃんけんのマナーとは何か?

それは,前出ししたヒトをアホとか弱いと言わないこと。

もちろん前医が(うっかりミスなどで)批判されて然るべき場合もあって,絶対そうだとは言えないが。

もしも上記の言葉を口にしたり耳にすることがあれば,この視点で再考してみたらいかが?