▼後出しじゃんけん じゃんけん ぽん!
後出しじゃんけんは,後から出したヒトが勝つ。
これは当たり前だ。
相手の手の内が,すでに目の前に出されている。
それを見た後で,自分の出すものを選ぶ。
うっかりミスでもしない限り,この勝負は完全にこちらの手中。
って言うか,これで勝負をつけるのは筋違いだ。
▼正直者ラン
忘年会でのラン先生(同級生の外科医で開業中)。
いつもにも増して饒舌だ。
「なぁ~シノ,オレは真面目に開業医やってるワケよ」
「そうらしいな」
「この前も,隣の○○医院から患者さんが流れてきてさ」
「へえ~,そりゃまたどうして?」
「○○先生のところで薬もらっても,痛みがちっとも取れんって言うワケさ」
「まぁお年寄りの場合,そんなのよくあるね」
「ところがオレの痛み止めの処方でバッチリよ」
「ふんふん」
「痛みがパッタリと無くなってさ,してやったりってとこよ」
「ほ~よかったね」
「もちろん○○先生の診断と処方があったから,オレの診断が当たったのはちゃんと分かってる。それもちゃ~んと患者さんに説明してさ」
「おっ,エライエライ」
「○○先生の診断は間違ってはいないよってさ」
・・・・・
意外に真面目で筋を通す,正直者なラン先生。
▼診断って,後出しじゃんけん?
ちょっとややこしい病気の診断。
こういう場合には,複数の医師の意見が求められることが多い。
っで,往々にして「最後に」エライ先生が・・・である!と診断して,それで決まってしまう。
さ~すが,エライ先生だけのことはある,となるワケだが・・・
実はこれにはトリックがある。
一般的に言って,後から診断した方が有利だ。
なぜなら,前に診断した時の情報に乗っかって診断ができる。
なので,情報量としては,後になるに連れて格段に多くなる。
たくさんの情報を持った上で診断できるなら,正しい診断に至る確立が高い。
なので,後から診断した方が正しくなる。
つまりは,「後出しじゃんけん」的な要素がある。
▼マナーを守ろう,後出しじゃんけん
まれにこんなことを耳にする。
「なんでこんな薬出してんの」とか,
「なんでこの検査がしてないの」とか,
「なんでこんな診断なの」とか。
これは,後出しじゃんけんのマナーに違反している可能性がある。
後出しじゃんけんのマナーとは何か?
それは,前出ししたヒトをアホとか弱いと言わないこと。
もちろん前医が(うっかりミスなどで)批判されて然るべき場合もあって,絶対そうだとは言えないが。
もしも上記の言葉を口にしたり耳にすることがあれば,この視点で再考してみたらいかが?