【01】
<first impression>

葛西秀行。50歳。
本皮スウェードショートドレープブーツ
ベージュのブーツカットパンツ
黒の5分袖テーラードジャケット
その下の開いたカットソーから見える鎖骨。
小麦色の肌と黒々とした髪が年齢を感じさせない。

すっきりとした鼻梁、少し野性味ある凛とした瞳。整った眉に長めの睫毛。
笑うと目じりに出来る皺。
ゴツゴツした手だが細く長い指先。

注文した品が運ばれてきた
視線をあわせ軽く会釈し「ありがとう」と告げる

低く通るような声が、またいい味を出している。

LARKに火を付け、吸い込み
そのまま吐き出すと紫煙を広げる。注文した珈琲に口をつける。
ゴクリと喉の奥底へ落ちていく。
咥内で広がる苦味、僅かに残る独特の甘み。
それが葛西を落ち着かせた。

$ミラーズ(仮)

この歳まで、これといって出会いがなかったわけではない。
現に今も待ち合わせだ。

ちょっと変わった子。それが俺が感じた彼女へのfirst impression
つまり第一印象だった。もっともこれはあの会話があったからだが・・

テーブル隅に置かれたキーを握る。750CCバイクのキーだ。
SE(システムエンジニア)として成功し、今では小さいながらも事務所をかまえている。

待ち人の名は前嶋彩希(マエジマサキ)24歳
二回り以上も年が離れている。
実際問題このくらいの娘がいても不思議ではない。

彼女とは駅前の書店で知り合った。
まだ雪がちらつく時期だった。
ふと目についた本。

『心鏡』とう題名が印象的だった。

平台に一冊だけ残っていた。俺はその本を取ろうと腰をかがめた。
ふいに影が重なり、俺の目の前に白く透き通ったような指先が現れた。
そう思った瞬間指先同士が交錯した。
俺はその指先を辿りその主を見つめた。

固まったという表現が適切かもしれない。
良い歳してどうなんだと思うが、
この久しく凍りついたような気持ちがまた燃えたような気にもなる。

一昔前のような出会いだ。
俺はきっと目をしばたたかせていたと思う。

彼女はクスっと微笑んだ。

俺はどうぞと会釈し、その場を離れた。
目当ての本を見つけ会計を済ませ店を後にした。
数メートルも歩かぬうちに

「あの。。すいません」

と後ろから呼び止められた。

【02】<first impression>→こちら

※藤堂さまの記事を見て
書きたくなった50代ハイスペックおじさま
これでいいのかと思いつつも書いてみました
しかも続くという無謀(笑)
どうでしょうか?

AKI'sミステリー→こちら
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