マンガの話
マンガ、最近読んでないなぁ、と子どもの部屋に入って、トイレで読む用マンガを探していました。
注:マンガについては、http://ameblo.jp/janic/entry-10169445197.html で一度書きました。読者の方から、オススメマンガ「お父さんは心配症(岡田あーみん)」「こいつら100%伝説(岡田あーみん)」「天使なんかじゃない(矢沢あい 超名作)」「レベルE(冨樫義博)」がサイコーに面白いとご紹介いただきました。ありがとう。が、まだ読んでいません、すいません。
すると昨年買った、吉田秋生の「蝉時雨のやむ頃」が出てきたので、読みました。吉田秋生は、BANANA FHISHや夜叉なんかで有名ですよね。
この「蝉時雨のやむ頃」は、これまでの吉田秋生とはまったく違う印象で、鎌倉に住む3人娘と腹違いの娘、4人の生活を淡々と描いています。
やさしいだけがとりえで、人の借金を抱え、他の女の人と逃げてしまった父親の葬式から物語が始まります。そこで腹違いのすず(当時中学生)、と会うのです。やがてそのすずと3人娘が一緒に生活を始めるのです。3人娘はそれぞれキャラが面白くたっていて、彼らのコンビネーションが非常にいいです。
へぇ。吉田秋生、こんなの描くんだと、見直したマンガでした。
年度決算
NGOの事務局長の立場をもう8年くらい体験してきていますが、事務局長が一番に気にするのはなんだと思いますか?
私は収支決算の数字じゃないかと思っています。赤字か黒字か・・・、まるで学校で成績表ももらうような感覚になってしまいます。不景気のせいか、今年も赤字決算になったNGOが出てきています。
皆さんもわかるように、赤字はやっぱりマズイですよね。これが続くと活動費はもちろん、ボーナスはとまるし、サラリーも払えません。
じゃあ、黒字なのはいいことでしょうか。
NGOはそもそも予算を使って、多くの人のためになることをする組織ですから、「たくさんお金が残ったぞ」って黒字決算を喜ぶのはちょっと違うと思います。年度の繰越金が少ないと、日常の資金繰りも大変になりますから、ある程度の繰越金が残るような運営体制が望ましいとは思います。
繰越金ってどのくらい残した方がいいでしょうか。
以前、公益法人は予算を正確にたて、それをしっかり使い切って、収支ゼロで終わるのが理想、なんて言われたことがありました。これは、補助金が公益法人に安定的に出ていた頃の時代の価値観で、今はどうも違うようです。NGOとって重要な活動が急展開したとき、財政上のリスクがたかまったときに、資金提供を受けていたドナーと価値観がぶつかったとき、柔軟に財政構造を変更したり、自分たちの価値観を守るために、繰越金は多い方がいい、年度予算額同等かそれ以上あっていいという方が増えてきました。NGOは儲けることばかりを考えてはいけませんが、自分たちの価値観を訴え、持続的な活動をするためには、ある程度資金的豊かさを組織内にもつ必要があるようです。
JANICの今年の決算予想????お楽しみに。
国際協力に未来はあるか
以前も何度か「国際協力」に対して、疑問を書いたことがあります。たとえば
国際協力に変わる名称(2009年01月10日) http://ameblo.jp/janic/entry-10190348417.html
国際協力という名称は、今は外務省もJICAも使っています。JANICの団体名称も「国際協力」がついているので、同じなのですが。
最近、この国際協力にこめられているいろいろなニュアンスに、ちょっと複雑な思いが増えてきています。まず、
(1) 国際協力は、「国」を単位とする協力なのか。つまり、「日本人の国際協力なのか」
(2) 国際協力は、日本国内の問題はまったくやらないのか
(3) 国際協力は、環境や人権とは関係ないのか、経済向上が目標なのか
(4) 国際協力は、お金と使わないとできないのか、経験だけの交流ではありえないのか
(5) 国際協力は、開発途上国の人のものなのか、日本のものなのか
これらについては、もちろんすぐ答えはないのですが、今の国際協力は、上記の(1)~(5)を超えられない、または超えにくい状態にあるような気がしています。
しかし、私たちの住む場所、開発途上国で課題を抱えて生活する人の問題は、(1)から(5)を包含的に含んでいるように思います。「国際協力」という言葉で語るほど、ここから遠くなると感じるのはなぜでしょうか。
もっと「国際協力」じゃない、何かあたらしいグローバルな視点から議論してみたいです。
(犬の写真はないです)
やわらかいネットワーク
5月1日、連休直前に、一時帰国されていた今田克司さんにお願いして、(特活)国際協力NGOセンター内部の勉強会を実施しました。スタッフと理事が12,3名参加する勉強会でした。
今田さんは、世界のNGOをネットワークするCIVICUS(http://www.civicus.org/ )という団体で働いています。事務所はヨハネスブルクにあるのです。以下、彼の簡単な略歴です。
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1991年、米国サンフランシスコ・ベイ・エリアで大学院留学中にNPO活動を始め、1994年、現地NPOで事務局長。1996年、米国で日米NPOセクターの人材交流を推進する日米コミュニティ・エクスチェンジ(JUCEE)を立ち上げて事務局長に就く。2000年に帰国し、2003年3月まで、国際協力・開発の分野でCSO(市民社会組織)のグローバルなネットワーク化を進めるCSO連絡会の事務局長を務めた。2004年4月よりこれを発展・継承するCSOネットワークの共同事業責任者。現在、「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンの事務局統括担当も務める。2007年よりCIVICUSに勤める。
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さて、彼はの話で一番面白かったところ。それは、「束ねるネットワーク」ではなく、「やわらかいネットワーク」という点でした。
「束ねるネットワーク」は、結構カチッとしたネットワーク組織のことです。民主的運営で透明性が高く、正統性は高いのですが、なかなかスピーディな決定や行動ができず、場合によっては利害関係を誘導に反応してしまう危うさもあるネットワークです。
「やわらかいネットワーク」は、出会ったNGO同士が勝手につながったり、共同作業を始めたりする場のことで、誰が代表とか、全員一緒のことをすることにこだわらない方法です。CIVICUSはこちらの方法をとる団体で、「場をつくる」ことが大事で、「NGOの代表」になることを望んでいないということです。
(特活)国際協力NGOセンターはどちらかというと、「束ねるネットワーク」的な感じがします。ただ、「束ね系」と「柔らか系」が一緒にできることもあるのでは、両方あった方がいいのでは、と思ったりもしました。
(犬の写真ネタギレです。)
次世代リーダー研修のこと
JANICでは庭野平和財団の支援で「次世代リーダー研修」を続けています。2009年度は5年目にあたります。
毎年11月頃に20名の全国各地の「次世代リーダー」に集まってもらい、3泊4日の研修を受けてもらっています。ビジネスマナーもありますが、研修の大半は組織拡大のための具体的なアクションプランを作ってもらうもので、様々なワークショップを通して、互いに競い、学びあってもらっています。そのうち新たに組織拡大計画を申請をしてもらい、2つの団体に、2年間、毎年100万円づつの支援をしています。この100万円に使途は特に定めていないので、組織拡大計画の人件費に充てることができ、組織としてはねがったりかなったりの支援になるものです。
先週、4月23日にこれらの支援を受けている団体の発表会がJANIC事務所でありました。若い人たちの努力を聞くのはやはり楽しです。成長が緩慢な組織もあれば、急成長をしている組織もあり、様々です。私はコメントをいくつか出しましたが、それを今日は簡単に紹介します。
(1) 資金獲得が成功している例は会員拡大より、寄付者拡大と収益事業に成果が見られる
(2) 資金を出してくれる側のニーズをよく把握し、具体的な魅力を作った企画が成功している
(3) 若い人にしか思いつかないアイデアがたくさんあり、いくつかは可能性を感じる
注意事項としてですが、
(1) 関東圏の事例は、そのまま地域の都市のNGOに通用しない。地域の資金獲得のあり方をもっと考えるべきではないか
(2) スタッフの中には、燃え尽き症候群(バーンアウト)傾向の人がおり、特に小さい組織ほど、スタッフのメンタルケアが重要である。
とにかく、若い人から学ぶ日でした。
ボランティア対応は難しい?
最近は、企業や民間の会社に勤めたのち、NGOに転職する方は普通というか、珍しくなくなりました。
「即戦力」を求めるNGOにとっては、企業である一定の社会常識と経験を積んだ人はまさしく相性がいいといえると思います。企業で勤めた人がすべて同じではないと思いますが、やはり仕事のやり方を知っていて、成果を出す必要性、上司や部下との接し方、来客と営業のマナーなど、経験は豊富ですよね。
ただ、これまで企業で勤めてこられた方で、結構苦手なNGOの仕事があります。それは「ボランティア対応」です。(もちろんこれも得意な方がおられますが)
ボランティアって、自分の意思で、意義に賛同して、無給で参加していますから、アルバイトのように命令したり、指示しにくいですよね。「はい、これコピーして」なんてわけにいかないのです。
かといって、「どうもありがとうございます」「お茶でも入れましょうか」なんて、お客様扱いすると返ってボランティアの人はやりにくいはずです。
ボランティアの人たちは、やったことに社会的な意義が見出せ、働く場で対等な人間関係や仲間が築け、新しい学びを求めています。だから、命令したり、接客されたりすることを望んではいないのです。こうした「同じ目的を目指す対等な仲間の関係」という人間関係は、NGOの方が強いようで、企業から来た方は最初、ちょっととまどうようですね。
でも、ボランティアの感覚を読み取れる人は、すぐに要領を心得ますから、もちろん心配ないですが。
シナジーが完成
以前JANICは毎月、会報誌を出していたときがありましたが、ウェブの普及もあり、情報を毎月印刷した会報誌で普及する必要が弱くなったこともあり、2005年から年4回発行を行なうようになりました。当時の会報誌の名称は「地球市民」でした。
2006年から、ブックレットサイズで背表紙がつく体裁に変え、冊子名称も「シナジー」と変えました。131号から始めましたから、現在141号。11冊目を発行しました。
141号は特集号で、「CSRの潮流とNGO」です。通常の48Pを64pにアップし、事例もたくさん載せています。
会報誌をつくる側は、いろんな人に読んでもらおうと張り切るものです。しかし、どんなに苦労してつくっても、読む方からはいろいろとお叱りを受けやすいもので、パーフェクトな会報誌づくりは、なかなか難しいのが実態です。
今回はちょっとカタイところはありますが、最初の座談会「CSRからSRへ」はおもしろいですよ。
詳しくはここからご覧ください。
http://www.janic.org/book/synergy/
SRを話す
実は3月27日、墨田区で活動するNPOの合同勉強会で「NPOの社会的責任」といったテーマで話をしました。実はご存知かと思いますが、2007年から日本規格協会のISO26000の国内委員をやっており、いろいろとSR(Social Responsibility)の議論をやっていました。また「組織の社会的責任NPO/NGOネットワーク」の立ち上げにもかかわりました。
といった経緯で、ある方から「わかりやすいSRの話をして」と要請を受けたのでした。
う~ん。ただでさえ、難しい単語が多く(例えば「マルチ・ステークホルダー」「サプライチェーン」「ガイダンス」「共謀」・・・)、その上、組織の自己規制を訴える話なので、なんか「もっとしっかりしなきゃいけない」といったトーンになるし、いやだなぁ、わかり易く、楽しく話すなんて、難しいよ・・・・、と思ってました。
当日は、地元でNPO活動する年配者の方が多かったように思います。「頼むから、寝ないで・・・」と思って話を始めました。
すると、みんな真剣に聞いてくれるんです。少なくとも寝ている方はいなかったと思います。中には自分の組織の振り返りができたとか、新しい時代が来ていることを実感した、といったコメントをくださり、胸をなでおろしたのでした。
SRのこと、NPO関係者の皆さん、関心があるのでしょうか。
「おくりびと」を観る
日曜日、レンタルDVDの「おくりびと」をかりて、家族でみました。この数日は全部貸し出し中で、なかなか手に入らなかったのが、偶然返却された一本を見つけ、観ることにしたのでした。
正直、よかったです。家族じゅう泣きながらの鑑賞会になりました。
役者・本木雅弘の演技が、またよかった。やさしく、我慢づよい主人公の役をよく演じていたと思います。
観たあとしみじみ感じたこと。
(1) 自分が死んだときも、あんな風にきれいにしてほしい。できれば、ロック歌手風に。
(2) 母親の葬式の場合、どうしてあげようと考えました。もちろん生前にできることも。
(3) 山形で暮らしてみたい。(たそがれ清兵衛のときも思いました)
(4) 石文をやってみたい。
通算、2回見てしまいました。
NPO学会のセミナーに出ました
3月23日、名古屋大学で行なわれたNPO学会の「21世紀における国際NGOの役割」のパネリストとして参加しました。ファリシテーターは日本福祉大の雨森さん、他のパネリストはACEの岩附さん、I CANの井川さんでした。
この中で私のプレゼンは、国際的なNGOの動向を問題提起することでした。私の結論としては、南北NGOの役割分担が変わり、パートナーシップ連携をしている。しかし、「NGO組織内部の変化」「NGOのネットワーク促進」「NGO以外のアクター」によって、「南北」にNGOを分けて考えること事態が次第に難しくなるのかもしれない、といったことを訴えました。
井川さんの事例は、フィリピンの事務所スタッフが多国籍化しており、「日本のNGO」とはもう言えないことを訴え「NGO組織内部の多国籍化」により、南北に分ける考え方が難しくなりつつあることを紹介していました。
私は、NGOのグローバル・ネットワーク化が進行しており、そのネットワーク形態も多様であり、国ごとにNGOがネットワークされているとは限らず、個々のNGOがつながるグローバルネットワークも増えていること、世界社会フォーラムのように、個人やグループがもっと強調された人々のつながりも増えていることを伝えました。つまり「NGO」といった組織だけがアクターのようにとらえること事態が難しい状態があるのです。
またもうひとつ。
バングラデシュのBRACのように財政的に自立し、しかもアフガニスタンやスリランカに自前の資金で活動を展開する力をもつ南のNGOも現れ、彼らは北のNGOと競争する存在にまで成長しています。まさしく「南北」でNGOを語れない状況があります。







