朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -86ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

知の巨人佐藤優さんの還暦人生指南本です。

目標にして積極的に受け入れるべきことから、ちょっと消極的になる内容もありました。

還暦後の人生は基本的に人生の撤退戦と考えていく方向で、よい意味で背負ってきた荷物を下ろして、肩の力を抜いて楽に生きることです。

人生を豊かにできるかどうかのポイントとなります。

 

要として、健康第一に考えていき、自分がしたくないことはしないことです。

例えば、夜のお酒の付き合いはしない、誘われても興味がないイベントにはいかないなど。

次に、仕事を通じて世の中に貢献していく、読書会に参加するなど、自分がやりたいと思うことを積極的にしていけばよいと思います。

 

35P 積極的に消極主義を推し進める

社会も経済も色々な意味で厳しい時代に突入します。今後も少子高齢化が加速する日本では、経済が縮小するのを止めることはもはや難しいでしょう。

生活保守主義を徹底しながら、守りを固める。そのなかで新しい生活の仕方や人間関係のあり方を模索する。守りを徹底するのは、必ずしも消極的に生きるということではありません。しっかり守るためには、新しい価値観や生活を前向きに受け入れる姿勢も欠かせない。つまり、「積極的消極主義」とも呼ぶべきフロンティア精神が必要なのです。

 

39P 人間関係はコミュニティに移行する

ある目的に沿ってつくられた大学、NPO、会社などのアソシエーションから、血縁と地域の人たちなど地縁に基づく友人たちのつながりのコミュニティへ移行する。

 

39P 職場の人間関係には「引いた目線」を持つ

役職定年した人や再雇用者に求められるのは、引いた目線です。

仕事や組織に対して少し距離を置き、当事者というよりは部外者としてのスタンスで会社と向き合うことです。脇役は主役が輝くような演技を心がける。前に前に出るのではなく、一歩下がった演技をする。それには全体を見渡して今の状況がどうなっているか、自分がそこで何を求められているかをしっかり認識する必要があります。

 

46P 昔の友人が各分野のスペシャリストに

学生時代の仲間の存在は大きい。利害関係のない青春時代に同じ空間、同じ時代を共有してきた友人は、何十年たっても昔の感覚のまま付き合うことができる貴重な存在。まさに気の置けない仲間です。

社会で長年の経験を積んできていますから、それぞれの業種、職種でスペシャリストになっていることが多い。そういう人たちの助けが、還暦以降の人生では大きな力となるのです。保険、不動産、医者、弁護士など。

下手に異業種交流会などで人脈を広げるよりはるかに簡単に、強固なつながりを持つことができるのが昔の仲間、同窓なのです。

 

93P 還暦からの仕事にこそ働く喜びがある

単純労働、肉体労働などとバカにすると、評価を誤るかもしれません。得られるお金は少なくても、体を動かしてものをつくったり、何かを達成する喜びを素直に感じることができたりするかもしれません。また、お客さんや地域の人たちの喜ぶ顔を見て、人と接する楽しさをあらためて感じるかもしれない。

競争の激しいビジネス社会で、ノルマや成果を上げるべく、心身をすり減らしていた仕事とは違います。

還暦後は目線を変えて仕事と向き合うことで、かつては感じることのできなかった仕事の楽しみや喜びを味わうことができる。実はそれこそが本当の労働の喜びであり、仕事の本質なのかもしれません。

収入は減ったとしても、それよりはるかに大きなものを手に入れることができる。これこそが、還暦からの仕事の醍醐味だと言えるのではないでしょうか。

 

 <目次>

まえがき

第1章 還暦からの「孤独」と「不安」

第2章 還暦からの人間関係とメンタル

第3章 還暦からの働くことの意味

第4章 還暦からのお金とのつき合い方

第5章 還暦からの学びと教養

第6章 還暦からの死との向き合い方

付録 池上彰×佐藤優―リタイア後、「悪くない仕事人生だった」と言えるかどうか

 

1960年東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。85年、同志社大学大学院神学研究科修了。外務省に入省し、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、09年6月有罪確定。『国家の罠』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞

 

【No1133】還暦からの人生戦略 最高の人生に仕上げる“超実践的”ヒント 佐藤 優 青春出版社(2021/06)

「高年齢者のフリーランス(1人社長)の時代がやってくる」

これは、注目すべき点です。

2021年4月に改正された高年齢雇用安定法によって、65歳から70歳までの雇用確保措置が施行されました。

したがって、65歳以上でその会社に残るか、フリーランスで個人事業主として独立するかどうかを70歳までの会社の努力義務としたことです。

日本の総人口の約29パーセントが65歳以上です。

少子高齢化社会における人員不足・求人難の解消のため、否応がなく高齢者を活用していかねばならない機会が増えてきています。

ベテランには、身体的に盛りは過ぎていますが、若者にはない知識・社会経験の蓄積やお客様に対するマナーや態度などに安心感を与えることできます。

 

人生100年時代と呼ばれて久しい。経済評論家の勝間和代さんによると、人生は120年時代だそうです。

終身現役をモットーとする者にとっては、いわゆる「定年」で社会に貢献するための仕事を終わりにするのではなく、今回のよなフリーランスなど定年がなく年金がもらえて現役で働き続けるおいしい人生を選択することを、頭の中心に置いて行動していくべきではないかと思います。

 

 <目次>

プロローグ

序章 コロナ禍の時代、多様な定年制度で高年齢者雇用の見直しが必要な時代がきた

1章 多様な定年制度の導入方法と高年齢者の賃金のあり方

2章 多様な定年制度における高年齢者の賃金の決め方

3章 働き方改革を意識した同一労働・同一賃金にのっとった賃金制度の考え方

4章 多様な定年制度のもと考えるべき高年齢者の退職金制度

5章 人生100年時代、定年後はやがてフリーランス(1人社長)の時代か

あとがき

 

株式会社三村式経営労務研究所代表取締役、三村社会保険労務士事務所所長。福井県福井市生まれ。芝浦工業大学卒業後、昭和55年日本生命保険相互会社に入社し、販売関係の仕事に22年間従事。平成13年、金沢で社会保険労務士として独立開業。

ランチェスター戦略社長塾を北陸で初めて開催するなど、独自の労務管理を展開している。モットーは、「社員は一個の天才、会社は天才の集まりだ」で、社長は社員の可能性を信じてほしいと訴える。同郷の五木ひろしの大ファン。歴史の町・金沢をこよなく愛す。寿司と日本酒が何より。死ぬまで働く覚悟。信念は「人生は、自分の思い描いたとおりになる」。特定社会保険労務士、行政書士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナー(CFP)など22種類の資格を取得。

 

【No1132】やがて高年齢者のフリーランス(1人社長)の時代がやってくる!多様な定年制度と高年齢者再雇用の賃金・退職金の見直し方 三村正夫 セルバ出版(2022/05)

ロシアとウクライナとの戦いは、結構根深いものだと思う。

2月に起きたロシアによるウクライナへの侵攻は大変な驚きだった。

プーチン大統領はこう思っていたそうだ。

「ロシアとウクライナは同じ民族で一体のものだ」、ソ連の時代には報道の自由はなかった。

ロシアになってから報道に自由はあるが報道の自由を行使したあとに身の安全が保障されないという。

 

他国からの侵略を受けたことがある東欧の国々、リトアニア、エストニア、ラトビアのバルト三国、カザフスタン、トルクメニスタンなどのスタンの名がつくイスラム諸国、ベラルーシやウクライナ、ポーランド、ハンガリーなどの東ヨーロッパや旧ソ連の国々の歴史を知ることで、過去から現在までに起きた事件の理由を知ることとになった。

遠い他国の話ではなく自国に置き換えて考えてみて、日本の国防や民主主義のあり方などを考える機会となった。

例えば、ウクライナ侵攻の背景を知るなど、物事を多角的に捉えて判断し行動していくことが肝要だと思った。

 

 <目次>

はじめに

第1章 ソ連中央に支配された連邦の国々と東欧

第2章 ソ連が崩壊し、15の共和国が誕生した

第3章 ロシアの脅威に身構えるバルト三国

第4章 「スタン」の名がつくイスラム諸国

第5章 ロシアにすり寄ったベラルーシ、侵攻されたウクライナ

第6章 EUとの溝が深まるポーランドとハンガリー

おわりに 

 

1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。報道局社会部記者などを経て、94年4月から11年間にわたり、『週刊こどもニュース』のお父さん役を務め、わかりやすい解説で人気を集める。2005年NHKを退職し、フリージャーナリストに。現在、名城大学教授、東京工業大学特命教授。愛知学院大学、立教大学、信州大学、関西学院大学、日本大学、順天堂大学、東京大学などでも講義する。

 

【No1131】池上彰の世界の見方 東欧・旧ソ連の国々 ロシアに服属するか、敵となるか 池上 彰 小学館(2022/04)

まさしく昭和レトロだった。

娯楽が大きく花を咲かせていたころ。土曜日がまだ休みでなかったころ。

例えば、屋上遊園地。かつてはデパートの定番だった。

貴重な休みの日曜日に、家族全員一張羅を着て某デパートの屋上の遊園地で遊び、帰りには最上階にあるファミリーレストランで(お子さま)ランチをいただいたものだった。

高度成長期の昭和の娯楽には、その記憶と情緒が色濃く反映されている。

労働の成果が娯楽のためだけに費やされたと言って過言じゃないくらい、家族でその時間を思いっきり遊んでいた。それしかわからなくて夢中になってあまり深く考えず、純粋に時間を楽しんでいたのだった。

懐かしくてそのときの情景がすぐに浮かんできて心がそこに戻ってしまった。

景色も記憶も鮮明で時間がいまよりゆっくりと流れていたと思う。

もうなくなってしまったものやすでにないもの、いまはできないことが多いが、記憶だけでもアナログ的な自分を大切にしていきたいと思った。

 

 <目次>

写真で見る 失われゆく娯楽

まえがき

フォークジャンボリー

ソノシート

カセットテープ

ゲーム&ウオッチ

川崎球場

スーパーカーブーム

ポルノ映画

トリスバー

駄菓子屋

都市伝説

地上波のお色気番組

ダイアルQ2

ラジオドラマ

ダッコちゃん

フラフープ

ヨーヨー

団体旅行

使い捨てカメラ

ジャズ喫茶

名画座

カフェー

ゴーゴー喫茶

ノーパン喫茶

秘宝舘

ビニ本

赤線

銭湯

貸本屋

お伊勢参り

紙芝居

人はなぜ娯楽をもとめるのか

昭和のおばけ番組 ほか

さくいん 写真提供 参考文献 あとがき 

 

1962年生まれ。ライター。映画、庶民史、酒場ルポ等のテーマを中心に雑誌・書籍に執筆している。

歴史は面楽白い。

794年、泣くよ鶯平安京、1192年、いい国創ろう鎌倉幕府(本当は1185年か!?)などと学んでいた学生時代には思えなかったのは、暗記科目としての文字の理解だけだったからです。

 

成功者の行動を見ているとスッキリとして気持ちが良いものですが、特に歴史は失敗事例から得られるものが大きいものと思います。

関ケ原の戦いで西軍の石田三成勢が負けるべくして負けたし、本能寺の変で明智光秀の謀反により織田信長は亡くなるべくして亡くなってしまった。

つまり、歴史を学んでいくと、失敗するべくして失敗することがわかってくるのです。

 

失敗の原因と結果に至る過程を学びながら、後世のぼくたちは今後の社会にその普遍的な意味を活かしていけばよいのです。

 

歴史家の呉座勇一さんのほか、磯田道史さんや小和田哲男さん、城郭考古学者の千田嘉博さんなどそれぞれの方がそれぞれの手法で調べ考え抜いた推論から、日記、手紙、城壁の証拠・事実や結論に至った経緯などを聞いているのはとても楽しい。

 

例えば、鎌倉殿の13人の大河ドラマを見ていますが、これは大局的な見地からは、概ね歴史の流れや結果からは逸れてないのでしょう。

しかし、国民あてに制作している立場として視聴率を上げたいのかどうか、呉座さんが言われるような「大衆的歴史観」を加味して作っていないのかどうか、ある程度娯楽的フィクションになるのではと思いながら見ています。

 

歴史家として調べ抜いた歴史、歴史小説家として大衆向けに書いた歴史など、それぞれの立場と状況等が違います。小説にはフィクション的推論はあります。

 

「大衆的歴史観」から、立場や経緯など踏まえて、例えば歌舞伎や時代劇等を見ていくとか、歴史を考えていくような必要があるのではないかと思いました。

 

4P

世間一般の人が抱く「日本の歴史はこういうものだ」という認識、つまり「大衆的歴史観」は、専ら歴史小説や時代劇といった娯楽作品を通じて形成されてきた。これは戦後になって始まった現象ではなく、江戸時代の庶民も講談や歌舞伎を通じて歴史を学んでいたのである。

 

6P

要するに、「大衆的歴史観」の変遷を追うことは、日本人の価値観、日本人の自己認識、さらに言えば日本人の(理想化された)自画像の変遷を明らかにすることなのだ。それを知らずして、日本社会の未来を描くことはできないだろう。

 

122P

戦前は勤王家扱いだったのに、戦後には天皇の権威に挑戦する革命児へと180度転換したことに典型的に見られるように、織田信長の評価は、その時代時代の価値観に大きく左右されていた。そうした先入観を振り払って、等身大の信長の姿を見極める作業は緒に就いたばかりである。

 

298P

こうした人物像の変化は、必ずしも新史料の発見や、史料解釈の訂正といった研究の進展によってもたらされたものではない。最大の要因は、社会の価値観の変化である。勤王を至上の価値とみなした戦前においては、信長や秀吉は勤王家として位置づけられた。戦後になって革命や社会変革を肯定的に捉える風潮が強まると、信長や秀吉は天皇の権威を利用しただけで、本質的には既存の権威を解体する革新者であると評価されるに至った。「狸親父」と呼ばれて評判の悪かった徳川家康も、戦後の平和主義の観点からは、天下泰平を実現した聖人と称賛された。

新しい歴史的事実が解明されたからではなく、歴史上の人物を評価する尺度が変わったから、人物像が変わるのである。その時代、時代の理想の英雄像を信長や秀吉らに当てはめているだけだから、彼らのイメージがコロコロ変わることになる。

 

302P

歴史小説から人生の指針を得ようという人は、そこに書かれてあることが概ね事実であると思っているのだから、歴史小説家には一定の責任が求められる。事実に基づいているが、あくまでフィクションである、と公言するか、史実か否かを徹底的に検証するか、の二つに一つである。真偽が定かではない逸話を史実のように語り、そこから教訓や日本社会論を導き出す司馬遼太郎のような態度には、やはり問題がある。

 

 

 <目次>

はじめに

第1章 明智光秀―常識人だったのか?

第2章 斎藤道三―「美濃のマムシ」は本当か?

第3章 織田信長―革命児だったのか?

第4章 豊臣秀吉―人たらしだったのか?

第5章 石田三成―君側の奸だったのか?

第6章 真田信繁―名軍師だったのか?

第7章 徳川家康―狸親父だったのか?

終章 大衆的歴史観の変遷

あとがき

参考文献

 

1980年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は日本中世史。現在、信州大学特任助教。2014年、『戦争の日本中世史』(新潮選書)で第12回角川財団学芸賞受賞。『陰謀の日本中世史』(角川新書)で新書大賞2019第3位受賞

「すぐに役立つものは、すぐに役に立たなくなる」

いわゆるハウツー本は、まさにそう思います。

すぐには役立たないとしても、知っていると自分の発想を豊かにしてくれます。

じっくりと時間をかけて学んで身につけた知識は、じわっと体に効いてきて後々自分のために役に立つものです。

 

人生や仕事上で起こる出来事のなかで何か的確な判断できるために、まず多くの本を読んでたくさんの情報や知識を得ることが必要と思い込んでいました。

しかし、厳密にはそうではありません。

 

教養とは何かヒントが得られます。

 

文系であれば理系を学ぶ、理系ならば文系などの専門外を学ぶのです。

知識や論理の左脳でなく、イメージの右脳を使うようにする。逆もまた同じ。

一元的ではなく、宗教などを取り入れて二元的複線的な考え方を取り入れるのです。

 

現代に求められている教養について、池上彰と東工大リベラルアーツセンターの教授達との対談をまとめた本です。

 

教養=リベラルアーツのリベラルとは、与えられた問題の解を出すのではなく、自ら自由に問題を設定して、新しい解を探していくことにありました。

 

300P

なぜ大学で教養教育が必要なのか、改めてお話しします。

東工大のような偏差値の高い大学で、少ない専門科目だけを勉強するようになるとどうなるか。学生がみんな目先の100点だけを追い求めるようになるんです。

でも、テストで計れるのは過去の知識の量にすぎない。未来への創造につなげる創意や工夫は図ることができないんです。

一見ムダに見える、一見自分と関係ない「教養」こそが、今はない新しい何かを生み出す糧になるかもしれない。

教養課程をないがしろにする教育には、こうした視点が欠けています。

 

4P 

慶應義塾大学の中興の祖といわれ、今上天皇にご進講した小泉信三は、かつて学問についてこんな言葉を残しています。「すぐに役立つものは、すぐに役に立たなくなる」

 

34P 未来に必要なのは、「いまはまだないもの」を生むことです。逆にいえば、みんなが使っている「いま役に立つ道具」では、未来を生むことができません。一見「役に立たない」「関係ない」教養こそが、未来を生む創造的な力になるのです。

 

76P 

教養とは、課題を探し出し、考えていくプロセス。そのプロセスを血肉化していることが、現代の教養なのです。

 

215P 

金儲けもするし、一方で、徳も高める。複線の社会を生きているから。

 

217P

鬱の社員を救うのは会社の人ではありません。会社で出世しなくたって、うまくいかなくたって、生きる価値は誰にでもあると教えてくれる存在です。間違いなく会社の外の人です。人事担当者にカウンセラーや精神科医や宗教者の役目を負わせては鬱が伝播するだけです。

 

229P

いろいろな角度からものを見て考える。複線思考で生きる。これができるようになるには「教養」が必要です。その意味で宗教を学ぶ、というのもまさに教養の一つだと思うのですが。

 

238P

だから理系も文系もお互いの言葉を学ぶ必要があるわけです。論理の言葉とイメージの言葉、両方使えること。それこそが「教養がある」ということです。

 

277P

そっけないが明晰で論理的で、わかりやすい文章の書き方

 

 

311P 教養があれば、言葉に説得力が増すのです。

 

 <目次>

はじめに 一生使える「知の道具」を手に入れよう

1限目 教養について知っておくべき12の意味。

2限目 ニッポンが弱くなったのは、「教養」が足りないからです。

3限目 哲学の力で公共事業の問題も解決できるのです。

4限目 ニッポンの会社の神さま仏さまとオウム事件と靖國問題と

5限目 人間は、「ひと」であるまえに生きものです。

あとがきにかえて

 

ジャーナリスト・東京工業大学リベラルアーツセンター教授。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。地方記者から科学・文化部記者を経て、報道局記者主幹に。94年4月より11年間「週刊こどもニュース」の「お父さん」役として、子供から大人までが理解できるよう、さまざまなニュースをわかりやすく解説、人気を博す。2005年3月、NHKを退局、以後フリージャーナリストとして、テレビ、新聞、雑誌、書籍など幅広いメディアで活躍中。2012年2月から東京工業大学リベラルアーツセンター教授に就任、理系の大学生に現代史などの「教養」を教える。

 

【No1128】池上彰の教養のススメ 仕事で、人生で、生き抜くための最強の武器になる 東京工業大学リベラルアーツセンター篇 池上 彰 日経BP社(2016/08)

これを↓加えるのが失念していました。ごめんなさい!

「この本については、一切妥協したくない、そろそろまたデビュー作「ここは退屈迎えに来て」のようなアマチュアリズム全開の作品を書きたい」という山内マリコさん思いがたっぷりと詰まった素敵な連作短編集です

「今度こそ、悔いのないものが書けました」という山内さんの声が聞こえてきました。

これは映画にもなるだろうし、何か素晴らしい賞を取るだろう。

これもまた彼女の代表作になる予感がしています。

読んでおいてよかったと思える小説です。

 

「この関係は、濃くて、繊細で、尊い。」

山内マリコさんの著者デビュー10周年で約4年ぶりの小説。

物語の主人公が出会った人は、次の物語の主人公となる。

10歳の千紗から40歳の千紗へ至るまでのロンド形式でバトンを繋ぐ短編集。

サンリオ鉛筆や交換ノート、幽遊白書、セブンティーン雑誌、アナ雪など時代の流行を取り入れていた。

とくに「あなたは三十歳になる」の筒井麗子さん。彼女が正社員で入った会社を辞めフリーターとなりヨガを始めインストラクターになるまで、彼女が失敗し成長してきた歴史を語る口調や内容に、「エルサ、フェリオサ」の小林里美さん。東京から地方に転勤してきた落胆度やひとり片田舎で浮きながらも活躍している仕事しているところ、一杯のビールを飲むようにして映画館で開放した気持ちに浸っている時間などには、男ながらにもそれはわかるぞ、わかるなとうなずきながら彼女らに気持ちを重ねていた。

「ここは退屈迎えに来て」や「さみしくなったら名前を呼んで」と同様、地方にいる女子の気持ちを上手く代弁していた。

全般的には、女性同士の友情の複雑さや繊細さ、生き様などをうまく描き出していた良本だと思う。

 

 <目次>

1 女の子たち

2 アイラブユー、フォーエバー

3 写ルンですとプリクラの青春

4 白いワンピース殺人事件

5 ある少女の死

6 あなたは三十歳になる

7 エルサ、フュリオサ

8 会話とつぶやき

 

1980年生まれ。2012年「ここは退屈迎えに来て」でデビュー。ほかの著書に「アズミ・ハルコは行方不明」「あのこは貴族」など。

相続鑑定士の三津木六兵の肩には人面瘡が寄生していた。

毒舌ながら頭脳明晰なその怪異を六兵はジンさんと呼び、頼れる友人としてきたのだ。

 

人口数百人の隠れキリシタンの島。通称「人面島」

村の大地主である村長鴇川行平が亡くなり、島の多くを占める土地が相続されることになったことから財産鑑定のため三津木が呼ばれた。

 

母親がそれぞれ違う相続人の兄弟は、島を統べる神社の宮司と一大産業である漁業組合長をそれぞれバックに持っていた。

 

財産と権力を欲する骨肉の争いの中、さらに密室の祈祷所のなかで殺人が起きた。

嵐のなか電気も通信も断たれた絶海の孤島で、やがて連続殺人へとつながっていくのだった。

 

終わりには、中山七里さんらしく御白い展開でまたも意外な人物が犯人だった。

 

164P

「これはあくまでもわたしの経験則で喋るのですけどね。諸先輩の中に、殺人の動機は色か欲か、さもなければ異常心理だという人がいる。まあ昭和の時代まではそうだったんでしょうが、平成・令和の時代には新しいかたちの動機、今までは思いもよらなかった欲も見えてくる。はっきり言ってしまえば、他人の不幸を眺める快感ですよ」

 

「遺産を巡る骨肉の争い、他人同士の諍いを眺めるのを至上の喜びと考える、人間のクズみたいなヤツが本当に多くなった。ネットを覗いてご覧なさい。そういう昏い情念に囚われたヤツがごろごろ見つけられる」

 

 <目次>

忘れられた島

継承者死す

女傑死す

闇の中の悪意

大伽藍の鬼

 

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー

「終身現役 一生勉強」

楽しそうなこと、面白そうなことを知りたい、見たい、経験したいのです。

だから、健康で長生きしたいと思っています。

人生100年時代であり、健康寿命の平均は男性が72歳、女性75歳だ。

80歳になると、なにか障壁があるのかどうかわかりません。

和田秀樹さんから人生の先輩に対するアドバイスのなかで、できることや気をつけること、目標とすることのうち、取り入れてやっていけばよいものをいまから取り入れてやっていこうと思っています。

 

気になった箇所や表現、印象に残った言葉を取りあげてみました。

 

23P 老いを受け入れできることを大事にする

「幸せ」とは、本人の主観によるものです。自分がどう考えるかによって決まってくるのです。

 

24P 80歳を過ぎたらガンがある。それに気づかない人も多い

 

27P 認知症は必ずやってくる。ならばいまのうちにしたいことをする

新しいことや好きなことをすると、脳は刺激を受け、活性化します。これによって認知症の発症を遅らせることは可能だ。

 

101P 脳の前頭葉を刺激する。したいことをすると脳は喜び若返る

 

202P 学びをやめたら年老いる。行動は学びの先生だ。

20歳であろうが80歳であろうが、学ぶことを止めてしまった人は年老いる。学び続ける人はいつまでも若い。「自動車王」ヘンリー・フォード

 

226P 人生とは何か。幸せとは何か

何でも楽しんでしまう能力。究極の幸せは、やっぱり楽しむ能力だ。

 

 <目次>

プロローグ 80歳の壁を超えていく

第1章 医者・薬・病院の壁を超えていく(幸齢者になったら健康診断はしなくていい、医療に頼るなかれ。医師には「健康」という視点がない ほか)

第2章 老化の壁を超えていく(浴風会病院の高齢者医療。私が自信を持って話せる理由、明日死んでも後悔しない人生の時間の過ごし方。三つのムリをやめる ほか)

第3章 ボケ・認知症の壁を超えていく(認知症への誤解。思い込みがみんなを不幸にする、知らない不幸。生きる知恵は残っている ほか)

第4章 高い壁を低くするヒント 50音カルタ(長生きが大事なのか。残りの人生が大事なのか、寝たきりは終わりではない。だからこそできることもある ほか)

エピローグ 人生100年の壁も超えていく

 

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、三十年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。著者多数

和田秀樹さんと中野信子さん。

著者二人の知識や教養から繰り出される話題と分野の多さに凄みを感じました。

精神科医の両巨頭の頭のよさの話は全般的に興味津々で面白い対話でした。

 

20P 本当の知性を強化しないとヤバい

目先の問題を解決するために単純に「やり方」を暗記して使う能力と、たいていの人が無批判に受け入れてしまっている現実の不条理を整理し、問題点を洗い出して、それを解決するために数ある手段から適切な方法を導きす。いわば、システムハックができる能力。この2つはまったく別物です。後者が本当の知性というべきものと私は考えていますが、それがないがしろにされているため、多くの問題が起きていると感じます。「本当の知性」を強化しないとヤバい。これから来る不確実性の時代に生き残っていくことが難しくなります。

 

31P 情報より加工能力や応用能力が大事

 

過去の輝いていた自慢的な話は、いまだにあるものと思います。

人を序列し判断したいのかどうか。

学生からずっと努力を続けている人、そうでない人。

いろんな人がいますが、いまどうなのかが重要だと思うのですが。

65P 20歳から進歩しない日本人

日本人は、ある時期まで進歩を信じたかもしれませんが、わりと進歩を信じない国民性なんですね。学歴が非常に重要で、「どこの大学を出たか」で人間の頭のよさを決めるというのも、「人間は20歳から進歩しない」という無意識の前提があるからではないでしょうか。

(中略)

20年前のミスコンで優勝したって知り合いの女性に自慢されたとしたら、ちょっと戸惑ってしまうかもしれません。なのに、学歴ではそれが盲目的に賞賛されるのは不思議です。20年もあれば、以前は冴えなかった人だってけっこう輝いていることも多いと思うんですけど。

大学に入って以降20年間のその人の頑張りとか-20年ですよ?-発見した何かというのは、割と無視され、なかったことにされてしまいがちだという風潮が日本にありますよね。

 

多面的、長期、グレー的に考えるなどここに書かれてあるようなことができれば、楽しく面白く生きていけると思います。

74P ひとつの答えではなく、複数の選択肢を持つ

例えば本書を読んで、「自分は頭がよくなることを目指す」「そのために行動する」と、はっきり意識を持ったほうがいいと思います。その結果、以前と比べて多面的な考え方ができるようになったとか、将来予測をしながら長いスパンで物事を考えることができるようになったとか、認知的成熟度がたかまって、物事を白か黒かで捉えずにある種グレーがいっぱいあるようなものの見方ができるようになった-といったことを目指してほしい。

 

面白い人と一緒にいたいものです。

もちろん面白いから。

138P 面白い人は無敵の人

結論から言うと、旧来のものの見方や考え方をスイッチできると、たぶん「頭がいい」という状態に近づけると思う。そういう「頭がよくなるための方法」を身につけて、歳をとっても周囲の人が自分の話を面白がって聞いてくれるような人物になるほうが、生きていてずっと幸せですよ。

そういう事物は、周りに次々人が寄ってきて、面白い経験もたくさん増えていく。そうやって人生を生き切って、死ぬ前がいちばん楽しいだろうと思います。

「会社で出世できなくても、『この人は頭いいな』とか『面白い』って思われる人になる」、この本の結論はここかな。

 

 <目次>

はじめに 「知」は孤独なヒトのただひとつだけの武器 中野信子

序章 本物の「頭のよさ」を考える

第1章 「ど根性勉強」は学歴の高いバカしか生まない

第2章 女性・若者が絶望する国ニッポン

第3章 「知ること」は武器になる、「知らない」と騙される

第4章 知性とは、誰も知らないことを知ろうとする熱意である

第5章 愚かな知識人より、飢えた知恵者を目指せ

おわりに 頭のよさとは、能力でなく態度である 和田秀樹

 

中野信子

脳科学者・医学博士・認知科学者。1975年東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。脳科学や心理学をテーマに、人間社会に生じる事象を科学の視点をとおして明快に解説し、多くの支持を得ている。現在、東日本国際大学教授、京都芸術大学客員教授

 

和田秀樹

1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院・浴風会病院の精神科医師を経て、現在、国際医療福祉大学赤坂心理学科教授、川崎幸病院顧問、一橋大学・東京医科歯科大学非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長