知の巨人佐藤優さんの還暦人生指南本です。
目標にして積極的に受け入れるべきことから、ちょっと消極的になる内容もありました。
還暦後の人生は基本的に人生の撤退戦と考えていく方向で、よい意味で背負ってきた荷物を下ろして、肩の力を抜いて楽に生きることです。
人生を豊かにできるかどうかのポイントとなります。
要として、健康第一に考えていき、自分がしたくないことはしないことです。
例えば、夜のお酒の付き合いはしない、誘われても興味がないイベントにはいかないなど。
次に、仕事を通じて世の中に貢献していく、読書会に参加するなど、自分がやりたいと思うことを積極的にしていけばよいと思います。
35P 積極的に消極主義を推し進める
社会も経済も色々な意味で厳しい時代に突入します。今後も少子高齢化が加速する日本では、経済が縮小するのを止めることはもはや難しいでしょう。
生活保守主義を徹底しながら、守りを固める。そのなかで新しい生活の仕方や人間関係のあり方を模索する。守りを徹底するのは、必ずしも消極的に生きるということではありません。しっかり守るためには、新しい価値観や生活を前向きに受け入れる姿勢も欠かせない。つまり、「積極的消極主義」とも呼ぶべきフロンティア精神が必要なのです。
39P 人間関係はコミュニティに移行する
ある目的に沿ってつくられた大学、NPO、会社などのアソシエーションから、血縁と地域の人たちなど地縁に基づく友人たちのつながりのコミュニティへ移行する。
39P 職場の人間関係には「引いた目線」を持つ
役職定年した人や再雇用者に求められるのは、引いた目線です。
仕事や組織に対して少し距離を置き、当事者というよりは部外者としてのスタンスで会社と向き合うことです。脇役は主役が輝くような演技を心がける。前に前に出るのではなく、一歩下がった演技をする。それには全体を見渡して今の状況がどうなっているか、自分がそこで何を求められているかをしっかり認識する必要があります。
46P 昔の友人が各分野のスペシャリストに
学生時代の仲間の存在は大きい。利害関係のない青春時代に同じ空間、同じ時代を共有してきた友人は、何十年たっても昔の感覚のまま付き合うことができる貴重な存在。まさに気の置けない仲間です。
社会で長年の経験を積んできていますから、それぞれの業種、職種でスペシャリストになっていることが多い。そういう人たちの助けが、還暦以降の人生では大きな力となるのです。保険、不動産、医者、弁護士など。
下手に異業種交流会などで人脈を広げるよりはるかに簡単に、強固なつながりを持つことができるのが昔の仲間、同窓なのです。
93P 還暦からの仕事にこそ働く喜びがある
単純労働、肉体労働などとバカにすると、評価を誤るかもしれません。得られるお金は少なくても、体を動かしてものをつくったり、何かを達成する喜びを素直に感じることができたりするかもしれません。また、お客さんや地域の人たちの喜ぶ顔を見て、人と接する楽しさをあらためて感じるかもしれない。
競争の激しいビジネス社会で、ノルマや成果を上げるべく、心身をすり減らしていた仕事とは違います。
還暦後は目線を変えて仕事と向き合うことで、かつては感じることのできなかった仕事の楽しみや喜びを味わうことができる。実はそれこそが本当の労働の喜びであり、仕事の本質なのかもしれません。
収入は減ったとしても、それよりはるかに大きなものを手に入れることができる。これこそが、還暦からの仕事の醍醐味だと言えるのではないでしょうか。
<目次>
まえがき
第1章 還暦からの「孤独」と「不安」
第2章 還暦からの人間関係とメンタル
第3章 還暦からの働くことの意味
第4章 還暦からのお金とのつき合い方
第5章 還暦からの学びと教養
第6章 還暦からの死との向き合い方
付録 池上彰×佐藤優―リタイア後、「悪くない仕事人生だった」と言えるかどうか
1960年東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。85年、同志社大学大学院神学研究科修了。外務省に入省し、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、09年6月有罪確定。『国家の罠』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞
【No1133】還暦からの人生戦略 最高の人生に仕上げる“超実践的”ヒント 佐藤 優 青春出版社(2021/06)









