【No1127】一心同体だった 山内マリコ 光文社(2022/05) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

これを↓加えるのが失念していました。ごめんなさい!

「この本については、一切妥協したくない、そろそろまたデビュー作「ここは退屈迎えに来て」のようなアマチュアリズム全開の作品を書きたい」という山内マリコさん思いがたっぷりと詰まった素敵な連作短編集です

「今度こそ、悔いのないものが書けました」という山内さんの声が聞こえてきました。

これは映画にもなるだろうし、何か素晴らしい賞を取るだろう。

これもまた彼女の代表作になる予感がしています。

読んでおいてよかったと思える小説です。

 

「この関係は、濃くて、繊細で、尊い。」

山内マリコさんの著者デビュー10周年で約4年ぶりの小説。

物語の主人公が出会った人は、次の物語の主人公となる。

10歳の千紗から40歳の千紗へ至るまでのロンド形式でバトンを繋ぐ短編集。

サンリオ鉛筆や交換ノート、幽遊白書、セブンティーン雑誌、アナ雪など時代の流行を取り入れていた。

とくに「あなたは三十歳になる」の筒井麗子さん。彼女が正社員で入った会社を辞めフリーターとなりヨガを始めインストラクターになるまで、彼女が失敗し成長してきた歴史を語る口調や内容に、「エルサ、フェリオサ」の小林里美さん。東京から地方に転勤してきた落胆度やひとり片田舎で浮きながらも活躍している仕事しているところ、一杯のビールを飲むようにして映画館で開放した気持ちに浸っている時間などには、男ながらにもそれはわかるぞ、わかるなとうなずきながら彼女らに気持ちを重ねていた。

「ここは退屈迎えに来て」や「さみしくなったら名前を呼んで」と同様、地方にいる女子の気持ちを上手く代弁していた。

全般的には、女性同士の友情の複雑さや繊細さ、生き様などをうまく描き出していた良本だと思う。

 

 <目次>

1 女の子たち

2 アイラブユー、フォーエバー

3 写ルンですとプリクラの青春

4 白いワンピース殺人事件

5 ある少女の死

6 あなたは三十歳になる

7 エルサ、フュリオサ

8 会話とつぶやき

 

1980年生まれ。2012年「ここは退屈迎えに来て」でデビュー。ほかの著書に「アズミ・ハルコは行方不明」「あのこは貴族」など。