
役職定年や不本意な職場異動、仕事のやらされ感に悩むミドル・シニアがいると言われる現状下で、これまで働いてきた中で培った経験や知識、スキルを活用しながら職場や職種を転身しても自分が納得するキャリアを継続していけることが望ましいと考える。
いきいきとした組織風土づくりにつながる、組織の活性化につながる、働く人のワーク・エンゲージメントを高める、ウェルビーイングを高めるためにやる技法。学術的には全く知らなかったが、これまでやってことが人生を充実するために役に立つことを知り腑に落ちた。
ジョブ・クラフティングとは、「自らの仕事体験をよりよいものにするために、主体的に仕事そのものや仕事に関係する人たちとの関わり方に変化を加えていくプロセス」のことをいう。
1 業務クラフティング 業務内容や作業方法を自分で見直したり、自分の得意なことを業務に入れられるように工夫をする
2 関係性クラフティング 自分から積極的に挨拶する、声をかけるなど人との関係性や質を変化させる
3 認知的クラフティング 東京ディズニーランドのカストーディアル・キャスト(清掃スタッフ)などのように仕事に関するものの見方を変える。
クラフティングには、3つの形式があった。
また、過去の仕事経験や現在の仕事、アウェー体験などの越境体験から考えてみる、ストレングスファインダーなどの自己認識のためのツールを使う、他の人に聞いてみるなどから、仕事の中に自分にとってのひと匙のようなスパイスを探すことが必要であった。
さらに、この習慣化を図るためには、小さな成功を大事にする、目標、意義、トリガー、障壁、報酬、説明相手などが入ったテンプレートを利用する。始めるタイミングを選ぶ、記録を取る、公言して他者を巻き込むと言った方法を紹介されていた。
3つのクラフティングの形式のうち一つだけでなくそれぞれのよいところを入れクロスしながら、幸せな人生となるように、仕事をしながら働きがいを高めていく改善に取り組んでいきたいと思った。
<目次>
はじめに 仕事に向き合い、働きがいを自ら高めていくために
第1章 ジョブ・クラフティングの基礎
第2章 ジョブ・クラフティング・マインドセット
第3章 最初の一歩を踏み出し、習慣化を図る
第4章 業務全体を俯瞰する
第5章 ジョブ・クラフティングを継続・発展させる
第6章 定年も見据えたジョブ・クラフティングの方策
第7章 職場や組織からのサポート
参考文献
おわりに
高尾義明さん
東京都立大学教授。博士(経済学、京都大学)。1967年生まれ。大阪市出身。京都大学教育学部を卒業後、大手素材メーカーに4年間勤務。その後、休職して京都大学大学院経済学研究科修士課程に入学。博士課程への編入試験合格を機に退職し、研究者の道に進む。九州国際大学経済学部専任講師などを経て、2007年4月から東京都立大学(旧名称:首都大学東京)大学院社会科学研究科経営学専攻准教授。2009年4月より同教授。2018年4月より同大学院経営学研究科教授
【No1630】50代からの幸せな働き方 働きがいを自ら高める「ジョブ・クラフティング」という技法 高尾義明 ダイヤモンド社(2024/06)