125P 日本人は「絶滅危惧種」である。
出生率が1.5を長期にわたって切ると、特に移民を受け入れていない日本のような国は人口回復が難しい。
日本の出生数は半世紀で6割減少している。日本人は、絶滅が危惧されているとは驚きだった。
天野さんからエビデンス(証拠)に基づく説明力があった。
男女別の婚姻数などの統計を取り上げた分析力があった。
少子化対策の解説をしてそれに対する意見がなされていたのでわかりやすく納得がいくものであった。
政府は、少子化対策を推進する前に、立ち止まって思い込みの強さからくる無意識の女性への偏見を浮き彫りにし明らかにほしい。また少子化の要因が非婚化であるので、それを打ち破る対策をさらに精査して実施してほしい。さらに既婚者への子育て政策ばかりに予算を割くのではなく、男女の結婚に向けた各種対策にも充実した予算配分を実施していってほしいと思った。
〇16P 夫婦当たりの出席数は微減だが、婚姻数が激減
「初婚同士のカップル成立なくして、出生なし」
未婚女性の割合の上昇が日本における少子化の決定的な要因となっている。
夫婦当たりの子どもの数は半世紀の約9割水準をいまだに維持できているのに、日本の出生数は4割水準まで落ち込んでいる。日本の出生数大幅減、すなわち深刻な少子化の主因は「婚姻数の大幅減」、いわゆる「未婚化」である。
〇20P 女性人口減の倍速で進む婚姻減
子育て支援発想こそが未婚化によって出生数が大幅減している少子化社会において、伝家の宝刀として、少子化対策を根本的に解決する手段とならないことを社会全体で認知しない限り、統計的にみて日本の出生減が止まることはない。
〇128P シルバー民主主義の弊害
中高年の社会保障関連サービスに予算が費やされやすくなり、若年層の価値観で豊かに感じられるような・幸福感が増すような政策が二の次になる傾向が現れる。
既存の家族価値観に親和性の高い男女にフィットした既婚者への「子育て支援」を前面に押し出した予算ばかりが通過する背景には、シルバー民主主義がある。少数派となっている若年人口の価値観への想像力の欠如と配慮のなさによる政策が優先される。
〇198P 誤解に満ちた日本の少子化対策議論
カップルなくして出生なしであるにもかかわらず、カップル成立後の既婚者政策ばかりに大きな予算が少子化対策として割かれてきた。昨今の異次元といわれる少子化政策についても、既定路線の金額充実バージョンとなっている。
<目次>
第1章 少子化が進む本当の理由
第2章 古い価値観が招くアンコンシャス・バイアスの蔓延
第3章 統計的誤解がもたらす地方少子化加速の罠
第4章 地方から流出する結婚適齢期前人口
第5章 「シルバー民主主義」がもたらすリスク
第6章 「子育て支援」最優先国家が苦しめるのは誰なのか
第7章 世界からみた「異次元ぶり」への対策こそが少子化対策
終わりに
天野馨南子さん
ニッセイ基礎研究所生活研究部人口動態シニアリサーチャー。東京大学経済学部卒。1995年日本生命保険相互会社入社、1999年よりニッセイ基礎研究所出向。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・経済団体等の人口関連施策アドバイザーを務める。人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)関連の講演実績多数。1年先まで講演予約が入る人気ぶりで、エビデンスデータに基づく分析、提言を精力的に行っている
【No1652】まちがいだらけの少子化対策 激減する婚姻数になぜ向き合わないのか 天野馨南子 金融財政事情研究会(2024/07)









