
キーワードは「違和感」。モヤッとなにかが頭に引っかかったときがないですか。
読み応えのある内容でした。
他人による指示や思考、意見ではなく、自分の頭で考えて行動するのです。
217P 日常の中でふと抱く違和感を行動に変えることで、本来の力を取り戻して社会を変え始めた、たくさんの普通の人々のように、私たちが、今この瞬間に意識を向け、自分の頭で考え、次の現実を決める力を手放さないかぎり、未来はいくらでも創り出してゆけるのです。
ガザ周辺の海に膨大な石油と天然ガスの天然資源の産出が見込まれているという。
ジェノサイド。なぜガザ地区を徹底的に攻撃し破壊するのか。それ自体を見るだけでなくその裏まで見ることができたら……。イスラエルとハマスの戦いの陰には、巨大なエネルギー金脈を巡る攻防があったことが窺えました。
69P 戦争は、入り口ではなく出口を見る 独印がイスラエルを支持する裏
「金の流れと出口を見るんだ。一目瞭然だよ」
誰が利益を得たのかがわかり、表には出ないそれぞれの思惑につながります。
宗教や民族、領土といった、感情がからむ要素を一旦除外して、お金という色のつかない切り口だけから全体を捉える、すると、メディアが差し出す一方向からの情報だけを鵜呑みにせずに、自分の頭と目で世界を見る力がついてくるのがわかるでしょう。
世の中のニュースを見て、背筋にぞわっとちょっとした違和感を抱いたら要注意しましょう。
87P ソーセージと法律は作っているところを見せてはいけない
災害や芸能ニュース、政治家のスキャンダルなどでニュースが一色になった時は、あれ?と違和感を持ってください。
すかさず衆議院と参議院のホームページを見てください。
かなりの確率で、怪しげな閣議決定がされていたり、政府が私たち国民に作っているところを見られたくないような、問題法案が国会で通過しているからです。
よからぬ政策を進めるためにスキャンダルを出させるのか?
誰かのスキャンダルやショックなニュースが出そうなタイミングに乗っかかって、国民に反対されるような政策を実行するのか?
いの一番、人の命は一番大事だ。それを繋いでいくためには食べないと生きていけない。有事のときには、輸出入は平時とは全く違ってうまく機能しないと簡単に想像ができた。だから当然として自国で生産し食糧を確保できる仕組みにしておかないといけないことは自明の理ではないかと。
116P 新しい農業基本法 日本を降伏させるには海上封鎖だけで十分だ
「有事に海外から食べ物を輸入できるよう、輸出国への投資を増やす」
コロナやウクライナ紛争で、食を輸入に頼ることがいかに危険なことか、有事の時に国内で食料確保できる体制を作ることがいかに急務であるかを世界中が実感したばかりです。
それを今までと同じ発想で、緊急時に食料を回してもらえるよう、アメリカの農業に投資しておきましょうと言うのは、いったい誰が考えたのでしょう?
そもそも輸出国の農産物の生産に投資したら、当然輸入しなければならず、ますますアメリカに胃袋を握られてしまうではありませんか。
有事になった時、本当に確実に輸出してくれる保証はありません。
第一輸出してくれたとしても、有事の時に輸送経路が安全とは限らないのです。
多方面からの情報を仕入れて、最終的に自分の頭でじっくりと考えて物事の正否を判断すべきだと言っているものだと理解しました。
184P
メディアが横並びに、同じセンセーショナルなニュースを流す時は、何が正しいか、正しくないかを判断するための物差しは、揺すぶられる感情に遮られて、見えにくくなってしまいます。
そんな時は、結論を焦らず、価値判断を一時停止して、そこに至る時系列や、関わった人物、お金の流れなど、できるだけ多くの情報を集めてください。
そして、自分の中のフィルターを一枚一枚剝がしながら、自分軸に戻すのです。
<目次>
はじめに
第1章 災害の違和感―立ち止まれますか?(能登半島地震初日に鳴り響いたアラーム、国民への情報公開が、どんどん悪くなっている ほか)
第2章 「戦争と平和」の違和感―お金はを嘘をつかない(なぜジェノサイドを止めないのですか?「ガザにある宝の山をみんな狙ってる」 ほか)
第3章 いのちは大切の違和感―虫の声が聞こえますか?(「この政府、日本の農業をつぶす気だ」ゲノム編集魚ビジネスで、世界に勝負をかけたい経団連 ほか)
第4章 真実とウソの違和感―先入観を外せますか?(「裏金は秘書のせい」は偽情報に入るんですか?EUの公式見解に反するものはすべて偽情報 ほか)
第5章 民は愚かで弱いの違和感―未来は選べる(EU版農民一揆の勝利、(緊急事態法)を、政府の私物にさせてはなりません ほか)
参考文献
国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連、米国野村證券などを経て現職。政治、経済、医療、教育、農政、食、エネルギーなど、徹底した取材と公文書分析に基づく調査報道を続ける。『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書)で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞受賞。『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』(新潮文庫)で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞受賞。WEB番組「月刊アンダーワールド」キャスター