朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -36ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

京都の人にとっては、先の大戦とは、第二次世界大戦ではなく「応仁の乱」を指すという。

この応仁の乱は、身分や土地のあり方など、それまでの社会から変わり新しく戦国時代を迎えるきっかけとなった戦でした。

10年以上もだらだらと続いていて、東西両軍に分かれていても、勝敗ははっきりとしていません。

例えば、足利義政の妻、日野富子は悪女として語られます。実際のところはどうであったのでしょうか。

歴史は、残された古文書などの資料から分かってきます。

勝者が作った歴史ではなく、中間的な立場や敗者側で書かれた資料があれば客観視しやすいと思われます。

一つ応仁の乱から、歴史を学ぶ楽しさの一端を知りました。

 

 <目次>

一章    大乱前夜

二章    燃え上がる都

三章    勝者なき戦い

四章    そして戦国へ

応仁の乱について

 

小前亮

1976年、島根県生まれ。東京大学大学院修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。2005年に歴史小説『李世民』(講談社)でデビュー

斎賀時人

兵庫県出身。嵯峨美術短期大学非常勤講師。フリーランスのイラストレーターとして活動。書籍の装画を中心にCD、広告、ゲーム等のアートワークを手掛けている

わりといい加減に生きていくのだ!

老後うつとは無縁の暮らし方をするために、なすべきことが書かれてありました。

たとえシニアにならなくても、人生半ばを過ぎるとやっていけば良いのではないかと。参考にしていきたい。

 

60P 競争社会の真っ只中にいる人たちは、頑張らざるを得ないのかもしれませんが、シニアになったのなら肩の力を抜いて、少し適当に、ゆるゆると頑張らない生き方をするのもいいでしょう。

93P 還暦をむかえる年齢になって、本当の自分が見えてきたはずです。それならば、他人や世間に向けていた目線は外し、自部がやりたいことだけをやり、生きたいように生きればいいと思います。

102P 自分の好き嫌いを最優先して、気の合う人だけ付き合えばいいと思います。それ以外の人から誘われたら、きっぱり断っていいのです。

119P これからは本当に付き合いたいと思う人だけ付き合えばよい。

 

 <目次>

はじめに 認知症より怖い?幸福感のない「老後うつ」が急増中!

あなたは大丈夫? 「老後うつ」チェックリスト

第1章 60歳からの合言葉は「頑張らない」「無理をしない」(定年後も途方もない時間が残されている、努力するのは「どうにかなること」だけでいい ほか)

第2章 人間関係は「いい加減」なくらいがちょうどいい(いくつになって何をめざそうが恥ずかしいなんてことはない、とにかく取り越し苦労はやめよう。いいことはひとつもない ほか)

第3章 「老後うつ」の危険信号を見逃さないためにできること(気が晴れないときはどう対処したらいいのか、「ひとり老後」だからといって怖がる必要はない ほか)

第4章 軽い運動と食事で元気な暮らしをあと20年!(「計るだけダイエット」はこんな効果も期待できる、シニアにうってつけの入浴方法とは ほか)

第5章 気をつけたいお金への対し方「老後の落とし穴」にご用心(経済的不安とどう向き合うべきか、「退職後に数千万円必要」という言葉に惑わされない ほか)

主要参考文献

 

1952年山梨県生まれ。保坂サイコオンコロジー・クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学へ留学。東海大学医学部教授(精神医学)、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授を経て、現職。また実際に高野山大学大学院で密教学修士号を取得するなど仏教に造詣が深い。

 

【No1614】60歳からは悩まない・迷わない・へこまない 精神科医だから知っている「老後うつ」とは無縁の暮らし方 保坂 隆 主婦と生活社(2024/06)

この物語には、二人の「私」があった。

「第一部 昼のはなし」から「第二部 夜のはなし」に進んだときに空気感が変わった。

昼の部分と夜の部分とは人格が違う解離性同一性障害者で少女の茜。

彼女は交通事故で身体が不自由でのどに呼吸器をつけ寝たきりの女性、咲子のおはなしボランティアを始めていく。

お互いの交通事故の件や少女茜の人格、女性咲子の秘密などが点から線で繋がっていった。常に伏線が敷かれていて、中にヒントがたくさん散りばめられていた。

この物語には、二つの「真実」があった。

二つの真実が終わりにちゃんと回収してくれたので読後はすっきりした気分であった。

予想できない真相を知り、あの結城真一郎さんが絶賛したのはよくわかる良い作品だった。

 

 <目次>

プロローグ

第一部    昼のはなし

第二部    夜のはなし

エピローグ

 

1992年神奈川県生まれ。東京大学卒。第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し『いなくなった私へ』でデビュー。『トリカゴ』で第24回大藪春彦賞受賞。

 

狂気的な愛があった。真梨幸子さんはやはりイヤミスの女王だわ。

バラバラ死体があったりしてオカルトもの。

真梨さんのいつもよりちょっと軽め、弱めでやわらかめだったかもしれない。

ストーリー全体の発端となった過去のバラバラ殺人事件。それと幾つもの繋がりが明らかになっていく。話が巧妙に入り組んでいた。予想を超えて人も入り組んできたので人物相関図があればわかりやすくなるものだと思った。

ひきこもりの息子がYouTuberだった。多くの収入を得ていたことから所得税の支払いを求められて、困り果てた母がすがろうとしたのは宗教法人を受け継ぐという同級生弁護士!?からの提案だった。宗教法人になると税金の支払いから逃れることができるという。でもそんな簡単なものじゃなくって。それに至るまでには深い洞察が必要だった。

終わりに、裏で糸を引いているヤツがやっとわかってきた。

この物語を締めくくる総元締め的な人物だ。

それは、ずっとこの物語に関わってきた意外な人だった。

 

 <目次>

一章から八章、最終章

 

1964年宮崎県生まれ。2005年『孤虫症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー

あるCMはクライアントの好みで出演者が決まっていたのか!

バブル時代の電通入社時から退職までの回想録だった。

若手でも給料が1千万円超え!

広告業界の一端を知り暴露本的な実話の生々しさが目に沁みた。内容はぼかしてあったが、関係者が読んだならば仮名やイニシャルであっても事実は難しくなくわかるだろう。

 

知っていることとして、高橋まつりさんの過労死事件、読売ヴェルディのユニフォームロゴ入りのスポンサー問題、ジャパネットたかたか!?ある通販会社のテレビ広報問題なども書かれてあった。

 

親として夫として人生の悲喜交々があって、電通マンとしてこれまで書いてもいいのか的電通自体の暗部を赤裸々に語っていた。

 

「鬼の十則」やブラックと名高いと聞いていたが、その想像の上を行くくらい異常な仕事の激務さ。上司やクライアントらからのブラック企業のような扱いは、いまではなかなか出来ない遺物ものだと感じたが……。

 

これまでの日記シリーズのなかでは、業界用語の意味を理解することができず内容を読み解くのは難しかった。

テレビなどのメディア、新聞社などのマスコミ、広告代理店の利害関係、博報堂も含めた広告業界の実態に触れた面白い読み物だったと思う。

 

 <目次>

まえがき 「クリエイティブ」はエラいのか?

第1章 知られざる電通の内幕(土下座、クライアントは神さまです、24時間、戦えますか?繰り返された悲劇 ほか)

第2章 電通マンの修業時代(内定者パーティー、「ねえねえ、僕と一緒に来ない?」、新入社員研修、「ニュースステーション」の裏側 ほか)

第3章 ビッグプロジェクト(主導権争い、「俺は降りるぞ!」、大物セレブ、1人1年1億 ほか)

第4章 クライアントにバレてはいけない(僕とキミだけの秘密、そして出向、ラグジュアリーブランド、詰め腹を切る ほか)

あとがき 退職後の日常

 

1960年代生まれ。バブルの少し前に電通に入社。営業局に配属され、電機メーカー、外資系飲料メーカー、衛星放送局、通販会社などのクライアントを担当し、約30年にわたって業界の第一線で奮闘。

 

お金や時間があっても、こころとからだが健康でなければ行動することができません。

自分がやりたいことを我慢している人よりも、朝活をしたり、旅行に行ったり、趣味に没頭したりして、なにかしら好きなことで自由に楽しんでいる人のほうが元気ということがだんだんとわかってきました。こういう風になれるように目指していきたい。

 

新しいことにチャレンジし、実験し、楽しむことで脳の前頭葉という部分が活性化します。これこそが、若々しさの秘訣なのです。刺激の積み重ねが前頭葉を刺激し、心身に活力をもたらすのです。

 

みなさんは大丈夫でしょうか。こういったことにチェックが多い人は要注意です。

人生を楽しむために改善された方がよいのではないかとお節介気味にそう思いますが。

 

コミュニケーションを妨げる思考の癖

・白か黒かで判断する

・妥協を許さない

・たった一度のことで判断する

・決めつける、レッテルを貼る

・思い込む

・欠点ばかり見る

・長所を過小評価して卑下する

・ちょっとしたことで絶望する

・その場の感情に支配される

・~すべきと考える

・関係ないのに自分と関連づける

 

やりたくないことやしたくないことはしない。

新しいことにチャレンジしワクワクドキドキしながら前頭葉を活性化していきます。

これからの人生はさらにもっと楽しんでいきたいので。

 

「おわりに」

人生は楽しんだもん勝ちです。

日々の小さな実験で、失敗したからといって大したことはありません。むしろ、失敗を次への活力にしてください。

失敗を避けてマンネリの道にうずくまっているより、ワクワクしながら実験し、成功した!と喜んだり、失敗した!と悔しがったり、刺激的な道を歩むほうが断然若々しく、元気でいられるのです。

失敗も、面白おかしくネタにして笑い飛ばしてください。それこそ、ますます前頭葉が活性化するでしょう。自分のために楽しんで、ご機嫌に過ごす毎日が、これからの人生を彩ってくれることを願っています。

 

 

 <目次>

はじめに 

春(3月 4月 5月)

夏(6月 7月 8月)

秋(9月 10月 11月)

冬(12月 1月 2月)

おわりに

 

1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として30年以上高齢者医療の現場に携わる。

 

【No1610】60歳からはわたしらしく若返る 一生、元気に美しく年を重ねられる365のヒント 和田秀樹 日本文芸社(2024/04)

 

健康は一日してならず。

毎日の積み重ねだ。

食事と運動と生活の3つが重なり合わないと改善ができない。

コレステロールよりも、中性脂肪に気をつけていきたいなと。

 

2P 本当に悪いのは、中性脂肪

コレステロールは、高くてもさほど心配はいりません。とくに善玉といわれるHDLコレステロールは、むしろ高くなくてはいけません。低いと確実に動脈硬化を発症します。またLDLコレステロールも、低くなっている必要はありません。HDLコレステロールが高ければ、LDLが高くても全く問題ありませんし、逆に低いと、がんにかかりやすいことも分かり始めてきました。悪玉といわれるLDLコレステロールは、酸化しなければさほど悪さはしません。つまりコレステロールに関しては、あまり心配がないのです。

しかし、中性脂肪には注意が必要です。中性脂肪は、血液中に増えると、HDLコレステロールを減らし、LDLコレステロールを酸化させます。また動脈硬化の原因ともなります。本当に悪いのは、中性脂肪だったのです。

 

128P コレステロールや中性脂肪を整える食べ物は、「オサカナスキヤネ」

お茶、魚、海藻、納豆、酢、きのこ、野菜、ネギ類の8品目

和食の献立に出てくる食べもの。

 

157P 中性脂肪とコレステロールに効果的な運動

1 筋力運動 筋肉を増やすための運動、ダンベル体操

2 有酸素運動 脂肪を燃やすための運動、ウオーキング、スロージョギング、サイクリング、水中歩行、エアロビクスなど

3 ストレッチ運動 血液の循環を促すための運動、受難体操やストレッチ体操

ちょっときつめの運動の強度がよい。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 コレステロールと中性脂肪

第2章 コレステロールや中性脂肪の異常が病気を招く

第3章 コレステロールや中性脂肪を改善させる食生活

第4章 コレステロールや中性脂肪を改善させるおすすめ食材

第5章 コレステロールや中性脂肪を改善させる運動

第6章 コレステロールや中性脂肪を改善させる生活習慣

 

北里大学医学部卒。栗原クリニック東京・日本橋院長。前東京女子医科大学教授、前慶應義塾大学特任教授

 

【No1609】自分で無理なくコレステロール・中性脂肪を下げる!名医が教える人生100年時代の新常識 栗原 毅 日東書院(2024/04)

駐オーストラリア大使などを歴任された外交官として矜持があった。

またこれまでの外交の反省や体質改善に向けた問題提起や解決策の追求があって、閉鎖的な社会から開陳されたプライドが詰まった遺書であった。

325P 外務省を劣化させてきたのは、無責任体質とともに、組織内における自省、自己批判の欠如だと私は確信している。

(中略)

現在直面している外務省の問題は、外交上の失態や政策判断のミスに加え、それ以前の士気の低下や規律の弛緩にある。そうした問題にきちんと責任が問われ、改善に向けた措置が取られことがないまま放置されてきたことだ。

 

 <目次>

はじめに 

第1部 日本外交劣化の現実(動乱の二〇二四年、なし崩しの北方領土交渉、腰の引けた対中外交 ほか)

第2部 なぜここまで劣化したのか?(ロビイング力の決定的不足、惨憺たる対外発信力、歴史問題での事なかれ主義 ほか)

第3部 再生への道(精強な組織づくり、情報収集力の強化、対外発信力の強化 ほか)

終わりに

 

前駐オーストラリア特命全権大使。アボット元豪首相をして、「豪州人の心に永遠の印象を残した桁外れの大使」と言わしめた。1961年東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、1984年外務省入省。コロンビア大学大学院留学を経て、2000年在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官、その後同参事官。北米二課長、条約課長を務めた後、07年茨城県警本部警務部長という異色の経歴を経て、09年には在英国日本国大使館政務担当公使。国際法局審議官、総合外交政策局審議官(政策企画・国際安全保障担当大使)、日本国際問題研究所所長代行を歴任。現在は、TMI総合法律事務所特別顧問等を務めつつ、外交評論活動を展開中。

「おろろろろろおお、おろろろろろお」

異様な呻き声のような音が鬼哭山から聞えてくる。

かつて村人6人を惨殺した巌尾利兵衛の祟りなのか、呪いなのか。

過去に起こった殺戮の怨念が現代にも継続しているのかどうか。

人口300人ほどが暮らす岡山県津山市姫野村。

咆哮が響くと村人が亡くなるのだった。

村外との世界を断ち切り村の因習に支配されてよそ者を排除しようとする村人たち。

新型コロナウイルスが蔓延していた頃、この村に一人の男が東京から移住してきた。その後犠牲者と思われる死者が出てしまう。この村に移住してきた男の真の目的とは何か。

横溝正史さんの「八つ墓村」のような感じ!?

中山七里作品として、これまでのテイストとは変わったホラーと思わせるおどろおどろしい内容だった。

 

 <目次>

一 鬼の棲む家

二 鬼の聲

三 鬼の末裔

四 鬼の眷属

五 鬼の住処

 

岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。他の著書に「能面検事の死闘」など多数。

キーワードは「違和感」。モヤッとなにかが頭に引っかかったときがないですか。

読み応えのある内容でした。

他人による指示や思考、意見ではなく、自分の頭で考えて行動するのです。

217P 日常の中でふと抱く違和感を行動に変えることで、本来の力を取り戻して社会を変え始めた、たくさんの普通の人々のように、私たちが、今この瞬間に意識を向け、自分の頭で考え、次の現実を決める力を手放さないかぎり、未来はいくらでも創り出してゆけるのです。

 

ガザ周辺の海に膨大な石油と天然ガスの天然資源の産出が見込まれているという。

ジェノサイド。なぜガザ地区を徹底的に攻撃し破壊するのか。それ自体を見るだけでなくその裏まで見ることができたら……。イスラエルとハマスの戦いの陰には、巨大なエネルギー金脈を巡る攻防があったことが窺えました。

69P 戦争は、入り口ではなく出口を見る 独印がイスラエルを支持する裏

「金の流れと出口を見るんだ。一目瞭然だよ」

誰が利益を得たのかがわかり、表には出ないそれぞれの思惑につながります。

宗教や民族、領土といった、感情がからむ要素を一旦除外して、お金という色のつかない切り口だけから全体を捉える、すると、メディアが差し出す一方向からの情報だけを鵜呑みにせずに、自分の頭と目で世界を見る力がついてくるのがわかるでしょう。

 

世の中のニュースを見て、背筋にぞわっとちょっとした違和感を抱いたら要注意しましょう。

87P ソーセージと法律は作っているところを見せてはいけない

災害や芸能ニュース、政治家のスキャンダルなどでニュースが一色になった時は、あれ?と違和感を持ってください。

すかさず衆議院と参議院のホームページを見てください。

かなりの確率で、怪しげな閣議決定がされていたり、政府が私たち国民に作っているところを見られたくないような、問題法案が国会で通過しているからです。

よからぬ政策を進めるためにスキャンダルを出させるのか?

誰かのスキャンダルやショックなニュースが出そうなタイミングに乗っかかって、国民に反対されるような政策を実行するのか?

 

いの一番、人の命は一番大事だ。それを繋いでいくためには食べないと生きていけない。有事のときには、輸出入は平時とは全く違ってうまく機能しないと簡単に想像ができた。だから当然として自国で生産し食糧を確保できる仕組みにしておかないといけないことは自明の理ではないかと。

116P 新しい農業基本法 日本を降伏させるには海上封鎖だけで十分だ

「有事に海外から食べ物を輸入できるよう、輸出国への投資を増やす」

コロナやウクライナ紛争で、食を輸入に頼ることがいかに危険なことか、有事の時に国内で食料確保できる体制を作ることがいかに急務であるかを世界中が実感したばかりです。

それを今までと同じ発想で、緊急時に食料を回してもらえるよう、アメリカの農業に投資しておきましょうと言うのは、いったい誰が考えたのでしょう?

そもそも輸出国の農産物の生産に投資したら、当然輸入しなければならず、ますますアメリカに胃袋を握られてしまうではありませんか。

有事になった時、本当に確実に輸出してくれる保証はありません。

第一輸出してくれたとしても、有事の時に輸送経路が安全とは限らないのです。

 

多方面からの情報を仕入れて、最終的に自分の頭でじっくりと考えて物事の正否を判断すべきだと言っているものだと理解しました。

184P

メディアが横並びに、同じセンセーショナルなニュースを流す時は、何が正しいか、正しくないかを判断するための物差しは、揺すぶられる感情に遮られて、見えにくくなってしまいます。

そんな時は、結論を焦らず、価値判断を一時停止して、そこに至る時系列や、関わった人物、お金の流れなど、できるだけ多くの情報を集めてください。

そして、自分の中のフィルターを一枚一枚剝がしながら、自分軸に戻すのです。

 

 <目次>

はじめに

第1章 災害の違和感―立ち止まれますか?(能登半島地震初日に鳴り響いたアラーム、国民への情報公開が、どんどん悪くなっている ほか)

第2章 「戦争と平和」の違和感―お金はを嘘をつかない(なぜジェノサイドを止めないのですか?「ガザにある宝の山をみんな狙ってる」 ほか)

第3章 いのちは大切の違和感―虫の声が聞こえますか?(「この政府、日本の農業をつぶす気だ」ゲノム編集魚ビジネスで、世界に勝負をかけたい経団連 ほか)

第4章 真実とウソの違和感―先入観を外せますか?(「裏金は秘書のせい」は偽情報に入るんですか?EUの公式見解に反するものはすべて偽情報 ほか)

第5章 民は愚かで弱いの違和感―未来は選べる(EU版農民一揆の勝利、(緊急事態法)を、政府の私物にさせてはなりません ほか)

参考文献

 

国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連、米国野村證券などを経て現職。政治、経済、医療、教育、農政、食、エネルギーなど、徹底した取材と公文書分析に基づく調査報道を続ける。『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書)で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞受賞。『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』(新潮文庫)で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞受賞。WEB番組「月刊アンダーワールド」キャスター