朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -37ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

「本を売るだけでない、本や本屋の魅力を多くの人に伝えていきたい」、

「日常的に本を読む習慣にない層に本の魅力を伝え本の世界に誘いたい」

本屋の未来について真面目に考えている本です。

 

書店や出版者などで働く人を狭義の本屋として、また業界外に身を置いて本や本屋を愛する人、本や本屋の魅力を広く伝えたい、応援したい人などを広義の本屋として定義されています。

広義の本屋としては、まずはいまの自分の持ち場で読書の魅力を発信していくなどできることをやっていきたいと。

25P 自分の持ち場で役割を果たす

書店に足を運んでくれる読者のニーズに応え、一般顧客をリピーターやファンに育てていくのは狭義の本屋の仕事で、未顧客(見込顧客や潜在顧客)に本の魅力を伝え顧客化していくのは広義の本屋の仕事です。狭義と広義の本屋とでは、ターゲットや果たすべき役割が異なります。出版社、取次、印刷会社、製本会社、著者、書評家、図書館で働く人、ブックディレクター(ブックコーディネーター)、読者らが、それぞれ楽しみながら自らの役割を果たしていくことで、本を読む人が増え、この業界はどんどん活性化していくはずです。本に関わる誰もが、自分の持ち場で役割を果たせばよいのです。

 

本だけを目的とせずになんとなく行きたくなるような策が必要です。

51P

何か面白いことがあるかもしてないから、あの書店に行ってみよう。暇つぶしにあの本屋に行ってみよう。

 

こういう姿勢や考えで読んでいけたらよいのではないかな。

◎73P 小説は最後のページまで読まなくたっていい

本を読む習慣がない人にとって、本を最初から最後まで読まなければならないという先入観が、読書を遠ざけている要因の一つではないかと思います。

私は必ずしも、本を最初から最後まで読む必要はないと考えています。読みたくなくなれば途中でやめればよいですし、気になる箇所だけ断片的につまみ読めばよいのです。また、世の中には自分が面白いと思う本や、自分の考え方にぴったり合う本ばかりが存在しているわけではありませんし、面白くない本との出合いや、こんなの読まなければよかったと思うような本との出合いも読書人生において大切です。「本」は「人」と同じようなものなので、合う・合わないはもちろんありますし、気の合わない人間との出会いを通じてしか自らを客観視できない側面もありますから、遠回りや時間の無駄遣いに思えるような読書こそ人生の糧になるのです。あまり気負わずにぱらっと適当に開いたページだけを読んでみるような気軽さが読書には必要です。

 

コアなユーザーは既にたくさん読んでいます。月に10冊読む人にもう10冊読んでくれって言っても……。全く読まない人がたくさんいるので、そういった方に対して、少なくとも月に1冊でも読んでもらえればこの業界は明るくなって活性化していきますよ。

99P 未顧客へのアプローチはなぜ重要か?

1 コアファンよりも未顧客(ノンユーザー・ライトユーザー)の方が多い。国民の約半数が1か月に1冊も本を読まない。

2 コアファンにこれ以上購入してもらうことは難しい。ライト・ユーザーを増やすことこそ業界を肥やしていく重要なアクション。

3 未顧客に対して本とのタッチポイントを創る仕事は「狭義の本屋」には難しい。書店では、本を売ることが最優先となる。本の魅力を伝えるだけではビジネスにはならない。

 

ただ問題を提起しているだけでなく、読者の創出策の具体的な案を提示していました。

153P 新たな読者を創出するための方法

1 ターゲットを拡大する。ECとオンラインを活用する

2 用途を拡大する。泊まれる本屋、自分の本棚がある、インテリア雑貨があるなど従来の用途とは異なる用途を提案する。

3 アンバサダー(インフルエンサー)を活用する

4 付加価値をつける。一万円で選書する、オリジナルブックカバーなど

5 ギフト需要を創出する。オリジナルカバーで巻いて販売するバースデー文庫など

6 掛け算思考で新たな価値を生む。本とビールとイベントを掛け算したもの。

 

読書は時限爆弾のようなもの。素晴らしい魅力です。

177P 本のコアな価値は何か

「本はいつ起動するかわからない時限爆弾のようなもの」で、いつ効力を発揮するのかわからないうえに、効力を発揮しないまま終わることもある一方で、予期せぬタイミングで効き目を発揮する遅効性を持ちます。この遅効性こそ、本というプロダクトの独自性であり価値です。

 

コアなファンやリピーターを増やすよりも、新規顧客やライト・ユーザー増やすことの方が業界を盛り上げていくことになります。

にわかファンを増やして、のちにコアなファンにしていったプロレス界のv字回復事例を取り上げていたので説得力がありました。

254P「本に興味がない人や普段本屋に足を運ばない人に本の魅を伝え、新規顧客を増やしていくことがこの業界にとって何より重要なことです。にわかファンを大事に出来ない業界にこれまで以上の発展は望めません。」

 

 <目次>

はじめに 

第1章 本屋とは誰か?(未顧客を顧客化していくために Interview―芹澤連(マーケティングサイエンティスト))

第2章 本への入口を創る(高校国語科教諭は本屋か?TikTokerは本屋か?)

第3章 本への入口を広げる(異業種から学ぶ「新規顧客創出法」、プロレス業界のV字回復と本屋の未来)

座談会(有地和毅、花田菜々子、森本萌乃、山下優)新たな読者を創るためにできることは何か

おわりに 

 

1984年神戸生まれ。大学卒業後、出版取次会社に入社し、2013年に本・雑貨・カフェの複合店「マルノウチリーディングスタイル」を立ち上げ、その後リーディングスタイル各店で店長を務める。2016年にひとり出版社「書肆汽水域」を立ち上げ、長く読み継がれるべき文学作品を刊行している。2016年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)入社。現在、梅田蔦屋書店で店長を務める傍ら、出版社としての活動を続けている。2020年には、本・音楽・食が一体となった本屋フェス「二子玉川本屋博」を企画・開催し、2日間で、3,300人が来場

 

<本書に登場する方々>

芹澤 連 マーケティングサイエンティスト

嘉登 隆 元・高校国語科教諭

田口幹人 未来読書研究所

けんご 小説紹介クリエイター

粕川ゆき いか文庫

瀬迫貴士 ページ薬局

内沼晋太郎 ブック・コーディネーター

高木三四郎 プロレスラー

伊野尾宏之 伊野尾書店

有地和毅 ひらく/日本出版販売

花田菜々子 蟹ブックス

森本萌乃 Chapters書店

山下 優 青山ブックセンター本店

 

【No1605】本屋のミライとカタチ 新たな読者を創るために 北田博充編著PHP研究所(2024/02)

コロナ禍で大学に進学し入学式がなく授業もオンラインのみ。

コンビニの店員以外、誰とも合わずに一日が過ぎていく、誰とも気持ちを分かち合えない。

あの時、主人公の瀬戸杏奈のような不安な日々を過ごす一人暮らしの人たちがたくさんいたのだ。

 

杏奈は、自宅から持ち込んだプリンセステレフォンに突如マリリンモンローからの電話を受けた。これをきっかけにしてマリリンモンローに想いを寄せていく。

 

100P

だけどあたしは知ってるよ。マリリンが努力家で、向上心にあふれた、見かけとは全然違う一面のある、素敵な女性だったってこと。

あたしは街でマリリンと遭遇するたび、友達とばったり再開したような気持ちになった。永遠に報われないわが友マリリン。孤独を分かち合えた、ただひとりの女性。あたしは手のひらを口元に押し当て、マスクの中でふうっと息を吹きかけて、彼女に投げキッスする。

マリリン大好き、お願い幸せになってと、叶えられない祈りを込めて。

 

マリリンモンローを題材にして、セックスシンボルやSexyなどのイメージで人を判断する危うさや性差別の罪深さを説いていた。

杏奈を通じてマリリンの不遇時代からスターになるまでの過程で売れる商品として扱われてきた不満を知りジェンダー問題に触れるよい機会となった。

 

 

 <目次>

2020年・春

プリンセス・テレフォン

ステイ・ホーム

オンライン授業の日々

ジェンダー社会論演習Ⅳ 松島ゼミ

ゼミランチ

あなたを研究したい ほか

 

 

1980年富山県生まれ。2008年に「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞。12年、受賞作を含む連作短編集『ここは退屈迎えに来て』を刊行してデビュー

著書に「あのこは貴族」「一心同体だった」など。

実家の土地や家屋、墓の管理、夫婦別姓問題、明日は我が身か!墓じまい狂詩曲。

人は何千年も前から、世のなかが変わっていくのを体験してきました。

だから「色即是空、諸行無常」であることを知り、それらの言葉が生まれてきたのです。

少子高齢社会の状況下、家の墓をどうしていくのかは避けて通れない問題です。

自分が亡くなったあと子孫が墓を世話していくことは簡単ではありません。

またいつか誰かが永代供養や合祀墓にすることを決断するにしても、世の中社会の一定の理解とコンセンサス、そして、それらを動かすためのシステム化が必要になるものだと思いました。

 

249P

「昨今の墓状況を考えますと、墓じまいやら永代供養やら合祀墓などをわざわざ選択しなくとも、日本全国の多くの墓が事実上の永代供養に移行しつつあると思うのです」

「つまりそれは、どの家もそのうち墓守がいなくなる、という意味ですね」と、俺は確認してみた。

「そうです。公営でも民営でも、管理料を滞納すれば通知が行きます。墓前と官報に『無縁墳墓改葬公告』が出されて、一年以内に申し出がなければ墓石は撤去されて、骨は合祀墓に移されるんです。都市部ではすぐに墓所を更地に戻して新規募集をしますが、過疎地では募集したところで応募はありません。山間部の町では、半数近くが無縁墓になっていると聞いたこともあります。そういった、墓地の需要がない場所では、無縁墓もそのままです。つまり、放っておいても、寺院の境内墓地では事実上の永代供養が進行しているんですよ」

「寂しいことですなあ。それにしても、こうも墓とは厄介なものだったとは」

 

257P

もしも墓じまいをするとなれば……この世のすべての柵から解き放たれる気がした。それを想像しただけで、いきなり開放的な気分になった。身体の中を風がひゅっと吹き抜けたような気分だ。

その風は、喜子が亡くなってからずっと胸に鎮座していた暗くて重いものを吹き飛ばしてくれた。喜子にはもうし分けないことだが。

 

親子や兄弟姉妹、夫婦など家族と言ってひと括っても関係性がいろいろとあります。引き継いだ墓への思い入れもそれぞれ違います。世代間や男女別の価値観を越えた現実的な意見をそれぞれの立場に寄り添って議論していければよいのだが。なかなか寄り添うことができない問題の落としどころは、関係者の意見を聞いて何度も何度も話し合いを重ねていくしかないのかなと。

自分事として対応しなければいけない。これらの直面する課題は、私たちの道程上に必ずあるものだから。

 

「夫の墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。それは親類や子供たちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく。「遺骨は燃えるゴミで」と言いたくなるほど面倒な、明日は我が身の墓騒動小説。

 

2005年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞しデビュー。ほかの著書に「老後の資金がありません」「懲役病棟」など。

書店は、その地域の文化の拠点であり、人の教養を高める重要な基盤だ。

書店閉店など日本全国にある街の書店が撤退していく記事を最近よく目にするようになってきた。実際に普段住んでいる近くの書店が無くなっていくことに危惧をしている。

人口減少と非婚化による少子化の場合と同様に、書店の撤退も負のスパイラルに入っているものだと思う。

書店は、薄利多売な商売だ。人口が減るなか本を読まない人が増えてきているのが続いていくと、リアルな書店で本を買わなくなってくる。そうすると、書店の経営がうまく回らなくなってくる。この書店が減ってくると、尚更、本を目にする機会がさらに減ってきて……。負のスパイラルが加速度的に増加していく。

「書店危機」は衝撃的だ。少子化対策のように焼け石に水や手遅れな状態ではなく、今から何かしら策を講ずることは遅くないかもしれない。

まずは、書店の経営者や書店員などの声を聴き、現状を把握するべくこれを読む事にしたのだった。

 

4P 

書店が街からなくなりつつある。書店が1店もない市町村は全国で26%にまで増えているという。その最大の理由は、書店の主力商品である書籍の売り上げの低迷だ。webメディアの台頭、原材料費や郵送コストによる書籍単価の高騰、人件費、家賃の固定費など理由は複合的である。

 

156P

現地で一様に聞かれるのは「書店がなくてもそれほど困らない」「Amazonがある」「電子書籍がある」という声だった。書店は若者から高齢者まで幅広い世代を引き付ける、文化発信の場でもあるのも事実である。県庁所在地であっても書店の閉店が相次ぐ現状を、このまま黙って見ているだけでいいのだろうか、と考えてしまうのだが。

 

232P

もともと芳しくなかった本の売れ行きが、コロナ騒動で完全にとどめを刺された。コロナが5類になり、世間の空気感が元に戻っても、本の売上は回復していないという。今後、電子書籍の普及や長引いたコロナ騒動の影響もあって書店の閉店は加速するものと思われる。

 

 

例えば、読書によって疑似体験ができる、総合的に人間力を高めることに役に立つなど、本を読む楽しさやメリットなどを、実際の本を取り上げてSNSや朝活で伝えていきたい。

わずかな前傾姿勢かもしれないが、読書文化のためにできること、やれることを継続していければ。

 

 

 <目次>

はじめに

総論:書店閉店の負の連鎖は断ち切れるのか

第一章  地方書店

コラム 地域で活躍する消しゴムハンコ作家に聞く 中小書店の御書印を制作した想いとは?

第二章 書店ルポ

コラム 中川淳一郎に聞く雑誌の未来 「ネットより雑誌のほうが自由な表現の場になっていく」

第三章 行政と書店

コラム 本屋での“立ち読み“は日本独自の風習だった? 知られざる江戸時代のルーツとは

第四章 本を売る場と出版 新たなる関係

 

 

1985年、秋田県出身。幅広い媒体で、建築、歴史、地方創生、科学技術などの取材・編集を行う。大学在学中に手掛けた秋田県羽後町のJAうご「美少女イラストあきたこまち」などの町おこし企画が大ヒットし、NHK「クローズアップ現代」ほか様々な番組で紹介された。商品開発やイベントの企画も多数手がけている。

公職選挙法が適用されない与党・民自党の総裁選挙において、当確師と呼ばれる聖達磨が活躍するストーリー。

 

総裁選中に22年前に起きた大疑獄の真相が新聞社の記者に追求されるとともに、総裁候補による中国やアメリカ等諸外国との繋がりの広がりがあったことなど、次々と新しい事実が明らかになっていく。今回はとてもスケールの大きい話に仕上がっていた。

 

政治家は、巷の一般人とは違った人種たちではないのか。腹の探り合い、騙し合い、傷つけ合い。軟な精神では到底生きていけない世界に住んでいる人たちと感じた。

 

続々と議員が候補に名乗り出る中で、派閥が瓦解した状態での総裁選の動きはなかなか読めなかった。

 

後半の動きがとても激しく、短い時間で総裁当確に向けて党内の票を獲得していく当確師聖達磨の行動力と話術には、まさに脱帽でありハートが鷲掴み状態で読み終えた。

ワクワクドキドキ震えるほどにぼくは面白かった。

 

 <目次>

プロローグ

第一章 求められたお男

第二章 担がれた女

第三章 頼まれた男

第四章 貶められた女

第五章 躊躇う男

第六章 暴走する女

第七章 憤る男

第八章 揺るがない男

エピローグ

 

1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な裏側を描いた『ハゲタカ』でデビュー

ほかの著書に「バラ色の未来」「オペレーションZ」など。

脳科学の観点から頭がいいことを説明した本だ。

頭の良さとは、記憶力やIQが高いことだけではなく、運動能力やアートの創造性、人の気持ちがわかる、困難に耐える能力など、人間の生活におけるすべてに関わることだった。

これらの能力を支えるのが「脳の持久力」であり、これは脳が集中力を維持し長時間情報を処理し続けることができる能力だ。

この脳の持久力は、後天的に鍛えることができて、良質な睡眠や適度な運動、新しいことに挑戦すること等が脳の持久力を高める効果があった。

頭の良さは、生まれつきのものではなく努力によって鍛えることができる。また、脳の持久力を高めるため、日々の生活習慣を意識することが重要であった。

 

 <目次>

はじめに

第1章 「頭がいい」ってどういうこと?

第2章 注意しなければ知覚できない

第3章 脳の働きがいいとは、どういうことか

第4章 記憶という不思議な仕組み

第5章 思い通りに身体を動かす

第6章 感受性と創造性

第7章 人の気持ちがわかる

第8章 脳の持久力を担うアストロサイト

最終章 AI時代に求められる真の“頭の良さ”

おわりに

 

お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。1984年、北海道函館市生まれ。2008年、東京薬科大学生命科学部卒業。2013年、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員を経て、2018年よりお茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。生体組織機能学研究室を主宰。脳に関する本を輪読する会「いんすぴ!ゼミ」代表。著書に『脳を司る「脳」―最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき(講談社ブルーバックス)で講談社科学出版賞受賞。

 

【No1600】「頭がいい」とはどういうことか 脳科学から考える 毛内 拡 筑摩書房(2024/04)

「終活」をしないとなぜいけないのか、「終活」をしないと何か問題あるのか。

人にやるように言われるまえに自主的にやりたいと思っています。

これまでの人生を振り返って何を大切にして生きてきたのか、これからの人生をどのようにして生きていきたいのかを立ち止まって考える貴重な機会だと受け止めました。

終活をする目的は、幸せな人生に気づけるためだと。

 

終活には、人生がもっと楽しくなるコツが詰まっている。「やらなければいけない」終活ではなく、「やりたくなる」終活への手ほどき書。

 

シニアの健康の重要ポイントは筋トレです。

保険をかけるよりも筋トレにお金をかけた方が将来にとっては得ということです。心よりも体から弱っていきます。健康的に長生きできるとよいのです。

お金に関して取り上げてみました。

97P 最優先事項は、限りある時間とお金よりも「健康」

お金と時間は有限です。健康でなければお金があっても人生を楽しむことはできません。リタイヤ後は健康を優先的に考えるのがよいでしょう。お金自体には何の価値もありません。お金はそれを使って人生を豊かにするためにあるのです。

 

112P 人生後半のお金は「今」使っておいた方がいいワケ

お金は使うことに意味がある。やりたいことができる期間は意外に短いからです。平均寿命と健康寿命との差は、男性で9年、女性で12年です。

 

266P 老後の資金三分法

1 残すお金 家族、葬儀費用、余裕を持って生きるためなど

2 備えるお金 病気や入院、介護等費用、災害やリフォーム用

3 使うお金 生活費、車、旅行、子孫の結婚教育費、当分の間は使わないお金

 

274P 老後の3つの波

1 定年退職から年金受給まで(60歳代前半) 出来るだけ長く安定して働く、収入の範囲内で家計をスリム化させる

2 配偶者に先立たれた後(80歳前後) 世帯の年金収入が一方的に減る。夫婦仲良く元気で長生きするのを目標に。

3 予想以降に長生きした場合(80歳代後半以降) 貯蓄が底をつき年金だけでで威喝できなくなった場合は、行政や福祉サービスに頼る

 

 <目次>

はじめに 終活1年目に、ようこそ

1章 「やらなければ」ではなく「やりたくなる」終活

2章 「生きててよかった」を味わいたい

3章 やりたいことを全部やりきりたい

4章 「絆」を感じたい

5章 人から認められたい

6章 心配事をなくしたい

おわりに

巻末資料 もっと知りたい!あなたはこちらもお読みください

 

CFP、1級FP技能士。CNJ認定乳がん体験者コーディネーター、消費生活専門相談員資格。富山県出身。大学卒業後、日本総合研究所入社。在職中にFP資格を取得。1998年FPとして独立。現在は、医療や介護、老後、消費者問題などに注力。一般社団法人患者家計サポート協会顧問や城西国際大学の非常勤講師もつとめる。がん告知を受けて以降、終活支援にも力を入れるようになった。著作に「お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか」などがある。

 

【No1599】終活1年目の教科書 後悔のない人生を送るための新しい終活法 黒田尚子 アスコム(2024/05)

 

近藤麻理恵さんのこんまり式「ときめき」法で断捨離をしてきました。

これと併せて古堅純子さんの片づけ術「稼動率」の極意も活用していきたい。

 

片づけようと思ったときがチャンス。

いつかやる、いつか捨てる、この「いつか」が曲者だ。

いつかはけっしてやって来ません。

だから今すぐ片づけしましょう。

 

物を増やさない整理整頓の肝ではないかと思います。

154P インプットとアウトプットは1対1

景色をすっきりさせたのなら、物の量は今の状態を保つこと。つまり、ひとつ増やすなら、ひとつ減らす。何か新しい物をひとつ手にいれたらら、古いものをひとつ減らして全体の総量を変えないようにしましょう。

186P 片づけるのではなく、元の景色に戻すと考える

 

古堅式片づけの説明です。

物が動くか!動かないか!で考える。こういう視点は勉強になりました。

20P

景色をキープするには稼動率という考え方を

稼動率とは、収納におさめた物がどれだけ動いているかです。

よく使う物、すなわちよく動く物は、すぐ動かせるような収納場所にスタンバイさせる。使わない物、つまり動かない物は、僻地のようなところに埋めておく。

物がどれだけ動くか、その頻度によって置き場所を考え、さらに動かしやすさを考えて仕組みを工夫する。これが「稼動率」にもとづく片づけです。

 23P

1 景色をキープしたい

2 今、外の出ている物を扉の中(収納)に隠す

3 隠すためには、収納が空いていなければならない(収納の中がパンパンだと物が入らない)

4 収納の中の物を見直す(収納力を上げる)

5 物を見直すときに、いる、いらないではなく、その物がどれくらい動いているか、「稼動率」で判断する。

6 よく動く物は、取り出しやすい収納の中に隠し、動かない物は僻地の収納の中に隠す

7 動いている物と動いている収納だけで暮らしの大半が回るので、片づけが楽になり、景色もキープできる

 

 <目次>

景色を保つために収納力を上げる

景色をキープするカギは稼働率という考え方

ルール1から3、ケース1から4

はじめに 

1 物はあっという間にたまる(「物が散らかる家」度チェック;片づいていない家の特徴は?片づけは思いやり、いちばん大切なのはリビングの景色)

2 暮らしやすさのポイントは「稼動率」(物が回らないと景色は維持できない、家には「動く物」と「動かない物」がある ほか)

3 「稼動率」を上げる収納とは(出し入れしにくいのは、稼動率100パーセントとは言わない、ゴールデンゾーンの容量を増やすという裏技 ほか)

4 片づけのいらない仕組みづくり(週末のたびに片づけていませんか?仕組み(1)ラインでそろえる考え方 ほか)

5 片づけ音痴のための処方箋(「片づけ音痴」度チェック、「片づけ音痴」という宿命? ほか)

おわりに

 

幸せ住空間セラピスト。1998年、老舗の家事支援サービス会社に入社。20年以上現場第一主義を貫き、お客様のもとへ通っている。5000軒以上のお宅に伺いサービスを重ね、独自の古堅式メソッドを確立。個人宅や企業内での整理収納コンサルティング、収納サービスを提供する傍ら、これまでの経験を生かして家事効率化支援事業を展開。著書累計は67万部を超える。テレビ、ラジオ、雑誌などメディア取材協力も多数。快適な住空間を構築するコツやノウハウ満載のYouTubeチャンネル『週末ビフォーアフター』は、登録者数25万人超。総再生回数は9800万回を突破(2024年2月時点)

 

【No1598】片づけ0ですっきり暮らす 稼働率が上がる収納術 古堅純子 大和書房(2024/03)

江戸川乱歩ばりのおどろおどろしい表紙絵が印象的だった。

「むかしむかしあるところに、死体がありました」とか「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」で有名な著者さん本。

 

警察庁の本庁地下4階に存在する「第二種未解決事件整理係」。

怪奇現象めいた未解決事件を再調査する部署「呪われ係」と呼ばれる部署に配属された、55歳になったベテラン刑事、只倉恵三が話を進めていく。

 

白髪のミイラのような眼帯男牛斧係長、髑髏を一生懸命磨いている鴛海、卒塔婆のような細い板に意味不明の漢字を書き続ける幕場など、新しい職場の同僚たちは怪しい人ばかりだった。

 

只倉は、怪談話などまったく信じない人だったが。

自分の娘日向の恋人であり怪談師の関内炎月の力も借りて、怪奇現象と言われていた諸事件を解決していくお話はお見事だった。

 

いずれも絡んできた生霊など不可解な怪奇現象も織り交ぜて背中にゾクッとし気持ちがこわごわとしながらも読み進め読み応えがある物語だった。

 

 <目次>

第1話 繰り返す男

第2話 猫に憑かれた女優

第3話 トンネルとマヨイガ

第4話 物の怪の出る廃校

第5話 対決・仏像怪談

第6話 生霊を追って

装画:市川友章

エピローグ

 

 

1980年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。早稲田大学クイズ研究会OB。『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞し、小説家デビュー

この時代の歴史は面白いです。

平家物語といえば、栄枯盛衰。盛者必衰の理。無常観。祇園精舎の鐘の声などが頭に浮かびます。那須与一。木曾義仲、源義経など有名な武将たちが登場してきます。

鎌倉時代から南北朝にかけて、史実をベースにして琵琶法師など多くの人たちによって練り上げられたものがたりです。

 

「源氏物語解剖図鑑」などの「解剖図鑑」シリーズは、イラストや図をふんだんに使って難しいことを分かりやすく上手に調べてあり取りまとめられています。

各ページの「あらすじ」だけを読んでいって興味があるページを深読みしています。

なお、「はみだし平家物語」などトリビアのような細かい情報が小さい字で書かれてあり内容が面白いです。

 

平家物語を噛み砕いて知ることで、平安末期の源氏や平家、朝廷との関係を知って当代の歴史を知る学ぶモチベーションが上がるきっかけとなります。

 

 <目次>

はじめに 

5分でつかむ平家物語

1章 平家の増長と政情不安(1131~71年)

2章 鹿の谷事件のてんまつ(1175~79年)

3章 治承三年の政変と頼政挙兵(1179~80年)

4章 頼朝挙兵と清盛死去(1180~81年)

5章 木曾義仲の栄光と挫折(1181~84年)

6章 源平の三大合戦(1184~85年)

7章 平家滅亡とその供養(1185~1221年)

『平家物語』系図

人名索引

おわりに 

 

國學院大學文学部教授。1961年、福岡県豊前市生まれ。早稲田大学教育学部卒、早稲田大学大学院文学研究科単位取得。博士(文学)。専門は軍記物語、歴史叙述

著書に「保元物語の成立」「那須与一の謎を解く」など。

 

【No1596】平家物語解剖図鑑 平安武士の生き様がマルわかり 野中哲照 エクスナレッジ(2024/04)