朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -37ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

 

歴史を見ていると、いきなり事件は起きていない。調べてみると原因があった。

いくつかの「点」が繋がっていき、それが「線」となっていく。

我々の目の前に見える出来事は、原因から結果が生じたのだ。

 

ロシアのウクライナへの軍事侵攻やパレスチナの紛争など、まだまだ世界には争いが絶えない。宗教や資源、領土、思想、民族などさまざまな要因がある。また各国の国際関係が複雑に絡み合っている。

 

過去の対立に現在の争いの理由があり、過去の対立が現在の国際関係を形作っている。

 

歴史は、覚える科目ではない。学ぶ科目だ。

なぜどうしてそこでそれが起こるべきして起きたのか!

 

歴史を学んでいくと複雑そうに見える問題が「線」となり繋がっていき、日々報道される情報が徐々に理解できるようになる。

 

最終的には、各自、自分の頭で考えて良し悪しを判断して行動していければと思う。

 

 

 <目次>

本書の特長と見方

基本のことば

1 古代・中世(ペルシア戦争、アレクサンドロス大王の東方遠征 ほか)

2 近世(近世の大きな争点 カトリックとプロテスタントの対立、メキシコ征服 ほか)

3 近代(アヘン戦争、クリミア戦争 ほか)

4 20世紀前半(日露戦争、第一次世界大戦 ほか)

5 現代(20世紀後半の大きな争点 資本主義と社会主義の対立、中国国共内戦 ほか)

おもな参考文献

 

 

【No1633】歴史がわかる今とつながる 対立の世界史図鑑 かみゆ歴史編集部 西東社(2024/05)

やりたいことはやってきた、いつ死んでも悔いがない人生を歩んできた!と堂々と胸を張って言えるところが凄いし素晴らしい。

息子の森永康平さんのSNSで、卓郎さんといっしょにいる姿を拝見して、ご病気のために以前よりもだいぶ痩せておられたのを知っていた。

日航機墜落事故には隠された重要な事実があることを『書いてはいけない』のなかではっきりと書かれてあったのを読んですごい衝撃を受けた。しかしあれだけの衝撃を受けた内容の記事は、彼以外では全く取りあげておらず見たことがない!?

森永卓郎さんは、こんなことを書いても身の安全が、そもそも精神的にもダイジョブなのかと感じていたのだった。

ぼくは、本当のことを自由に言い続けているという森永さんのお話をこれからも聞きたい。

 

5P

特に本書で読者に伝えたいことは、私は「死んでもいい」と思っていないものの、延命にはこだわっていないということだ。

それは、いつ死んでも悔いのないように生きてきたし、いまもそうして生きているからだ。それが具体的にどういうことなのか。それをお伝えしたいというのが、本書のメインテーマだ。

 

気になったところを2つ引用してみた。

63P

ある医師が「免疫力の3割は患者の気持ちだ」と断言していることだ。「ダメだ、ダメだ」と言って暗くなっていると免疫力はどんどん落ちていく。がん治療のアドバイスで精神面を強調することは、それなりの根拠があらうことなのだ。

190P

「一億総農民化」は、生きがいの確保とともに、食糧安全保障にもつながる。敵基地を攻撃するミサイルを買うより、ずっと効果的な政策ではないかと、私は考えている。

 

199P

私の場合、人生でやり残したことがほとんどないということだ。

これまでの仕事で遊んで、遊んで、遊び尽くして、やりたいことはすべてやってきた。だから、朝から晩まで、泥んこになって遊んだ子供と一緒で、十分満たされて、「そろそろ家に帰ろう」と言われたら、すぐに家路につく気分なのだ。

 

203P

私は幸せだ。お金を稼ぐことや、テレビに出続けることよりも、本当のことを自由に言い続けることのほうがずっと面白くて、ずっと大切だと考えているからだ。

 

 <目次>

まえがき

第1章 突然のがん宣告

第2章 殺到する「がんの治し方」

第3章 がん治療とお金

第4章 私の選択

第5章 いまやる、すぐやる、好きなようにやる

第6章 素敵な仕事、自由な人生

あとがき

 

森永卓郎さん

1957年、東京都生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。1980年、東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社(現・JT)に入社。予算を握る大蔵省(現・財務省)の「奴隷」だった経験をもとに、カルト化する財務省を描いた『ザイム真理教』がベストセラーに

以前からちょっと気になっていたことが書かれてありました。

西洋の書物を読んでいると、聖書の一節からの引用が見受けられるし、彼らの言動にはそれをもとにして行われたであろう根拠がありました。

ウクライナ戦争、ガザ戦争ほか、外国人や世界の諸情勢を理解していくうえには、旧約聖書、新約聖書、コーランなどの知識も必要となってくるものなのでしょう。

285P アメリカの寄付文化も聖書から

アメリカになぜ寄付文化が根付いているか。聖書が関係しています。

キリスト教社会で天国へ行きたいと思う人は、最後は財産を手放すのです。

国際情勢を理解するうえで、聖書の知識が必須であることがわかるでしょう。

 

 <目次>

プロローグ 大衝突の時代、再び「戦争の世紀」へ

第1章 「赤いアメリカ」VS.「青いアメリカ」

第2章 終わらない戦争のゆくえ

第3章 ついに火を噴いた「パレスチナ問題」

第4章 中国の失速、習近平の迷走

第5章 地球沸騰化の時代に生きる

第6章 繰り返される「政治とカネ」の問題

エピローグ 2025年は「昭和100年」

おわりに

主要参考文献一覧

 

池上彰さん

1950年生まれ。ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授、東京大学客員教授、愛知学院大学特任教授、立教大学客員教授。信州大学などでも講義を担当。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。94年から11年間、『週刊こどもニュース』のお父さん役として活躍。2005年に独立。いまさら聞けないニュースの基本と本質をズバリ解説

 

【No1631】知らないと恥をかく世界の大問題15 21世紀も「戦争の世紀」となるのか? 池上 彰 KADOKAWA(2024/06)

役職定年や不本意な職場異動、仕事のやらされ感に悩むミドル・シニアがいると言われる現状下で、これまで働いてきた中で培った経験や知識、スキルを活用しながら職場や職種を転身しても自分が納得するキャリアを継続していけることが望ましいと考える。

 

いきいきとした組織風土づくりにつながる、組織の活性化につながる、働く人のワーク・エンゲージメントを高める、ウェルビーイングを高めるためにやる技法。学術的には全く知らなかったが、これまでやってことが人生を充実するために役に立つことを知り腑に落ちた。

 

ジョブ・クラフティングとは、「自らの仕事体験をよりよいものにするために、主体的に仕事そのものや仕事に関係する人たちとの関わり方に変化を加えていくプロセス」のことをいう。

 

1 業務クラフティング 業務内容や作業方法を自分で見直したり、自分の得意なことを業務に入れられるように工夫をする

2 関係性クラフティング 自分から積極的に挨拶する、声をかけるなど人との関係性や質を変化させる

3 認知的クラフティング 東京ディズニーランドのカストーディアル・キャスト(清掃スタッフ)などのように仕事に関するものの見方を変える。

クラフティングには、3つの形式があった。

 

また、過去の仕事経験や現在の仕事、アウェー体験などの越境体験から考えてみる、ストレングスファインダーなどの自己認識のためのツールを使う、他の人に聞いてみるなどから、仕事の中に自分にとってのひと匙のようなスパイスを探すことが必要であった。

 

さらに、この習慣化を図るためには、小さな成功を大事にする、目標、意義、トリガー、障壁、報酬、説明相手などが入ったテンプレートを利用する。始めるタイミングを選ぶ、記録を取る、公言して他者を巻き込むと言った方法を紹介されていた。

 

3つのクラフティングの形式のうち一つだけでなくそれぞれのよいところを入れクロスしながら、幸せな人生となるように、仕事をしながら働きがいを高めていく改善に取り組んでいきたいと思った。

 

 <目次>

はじめに 仕事に向き合い、働きがいを自ら高めていくために

第1章 ジョブ・クラフティングの基礎

第2章 ジョブ・クラフティング・マインドセット

第3章 最初の一歩を踏み出し、習慣化を図る

第4章 業務全体を俯瞰する

第5章 ジョブ・クラフティングを継続・発展させる

第6章 定年も見据えたジョブ・クラフティングの方策

第7章 職場や組織からのサポート

参考文献

おわりに

 

高尾義明さん

東京都立大学教授。博士(経済学、京都大学)。1967年生まれ。大阪市出身。京都大学教育学部を卒業後、大手素材メーカーに4年間勤務。その後、休職して京都大学大学院経済学研究科修士課程に入学。博士課程への編入試験合格を機に退職し、研究者の道に進む。九州国際大学経済学部専任講師などを経て、2007年4月から東京都立大学(旧名称:首都大学東京)大学院社会科学研究科経営学専攻准教授。2009年4月より同教授。2018年4月より同大学院経営学研究科教授

 

【No1630】50代からの幸せな働き方 働きがいを自ら高める「ジョブ・クラフティング」という技法 高尾義明 ダイヤモンド社(2024/06)

中東の諸情勢についてはよく知らない。

だから概要を摑むために手に取ってみた。

宗教や民族問題、石油などいろんな物事や思惑が雁字搦めに絡まっていた。

それらを単純に紐解くには、愛と勇気と人脈などが必要であり、時間もたくさんかかるだろう。

それと幸運のような偶然性が必要ではないかと感じた。

まずは、できること、やれることから。

 

 

 <目次>

はじめに 中東予測のカギは「宗教と民族」にある 髙山正之

第1章 イスラエルとハマスの戦争は、なぜ起きたのか?(イスラエルは、なぜ過剰攻撃を止めないのか、ハマスのテロ攻撃に正当性はあるのか ほか)

第2章 そもそもパレスチナ問題とは何か(イスラエル、パレスチナの由来は?3つの宗教の聖地が混在するエルサレム ほか)

第3章 イスラエル建国からオスロ合意の崩壊(国連のパレスチナ分割決議とイスラエル建国、第1次中東戦争でイスラエルが領土拡大 ほか)

第4章 対立の根源―民族・宗教を読み解く(アラブ人もユダヤ人も同じセム族、ユダヤ教とは、いったい何か ほか)

第5章 なぜアメリカはイスラエルを支援するのか(アメリカがイスラエルを軍事支援する理由、アメリカのユダヤ人口はわずか2.2% ほか)

髙山正之の中東巷論

参考文献

 

髙山正之さん

1942年東京生まれ。ジャーナリスト。1965年、東京都立大学卒業後、産経新聞社入社。社会部デスクを経て、テヘラン、ロサンゼルス各支局長。1998年より3年間、産経新聞夕刊一面にて時事コラム「異見自在」を担当し、その辛口ぶりが評判となる。2001年から2007年まで帝京大学教授。『週刊新潮』「変見自在」など名コラムニストとして知られる。

 

国会議員の朝沼侑子の自殺を論じていた前半を過ぎ、市議会議員の間橋みゆきが国政へ出馬をしていく「地方議員」や「選挙」のところから、それまでの生ぬるい空気感から風向きがしゅっと変わってきたと感じた。

市議会議員や県議会議員などの地方議員の方のなかで、将来において国会議員を目指す可能性を考えておられる人が読むと役に立つのではないかと思った。

魑魅魍魎が住んでいるような場所を垣間見れる表と裏の世界があった。それは、政界を知らない素人には考えられないような取引や言動など面白い展開があったと感じられたからだ。

政治家の世界に蔓延る女性差別から社会全体に蔓延る性差別、性同一性障害に対する偏見にさらされる人たちの苦悩まで、日頃あまり日のあたらない部分を赤裸々に描き出されていた。改善していくための未来につながる傑作だったと思う。

 

 <目次>

第一章 国会

第二章 政治記者

第三章 地方議員

第四章 選挙

 

新川帆立さん

1991年、アメリカ合衆国テキサス州ダラス生まれ、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2021年に『元彼の遺言状』でデビュー。ほかの著書に「競争の番人」「先祖探偵」など。

積み立て投資枠や成長投資枠のある新NISAの対応をどうかなと考えているところです。

金融機関が勧める商品だからよいのではなかった。

儲かるか!儲からないか!

自分で責任を持って選ばないといけない。

なにを今さらですが、目から鱗が落ちるような指摘と気づきです。

 

20P 銀行や証券会社を信じてはいけない!

お金を増やすために、お金を払う。

金融商品を販売する銀行や証券会社(金融機関)が、どうしても私たち投資家と利益相反関係になってしまうことを意味しています。

投資対象から得られるリターン(利益)を金融機関と投資家で分捕り合う関係になってしまうということです。

53P なぜ銀行や証券会社はインデックス投資をすすめないのか?理由は簡単、インデックスファンドが「低コスト」だからです。金融機関は低利益ということでもあります。金融機関はインデックスファンドをいくら販売してもあまり儲からないのです。

 

「本書は、日本国内のインデックス投資黎明期から20年以上にわたってドルコスト平均法の積み立てによるインデックス投資を実践してきたインデックス投資のバイブル的存在となったブログの著者がこれまでに体験のなかで得た叡智を惜しみなく公開したインデックス投資指南の珠玉の1冊です。」

 

 <目次>

プロローグ 私がたどり着いた「寝かせてお金を増やす方法」

第1章 金融のど素人でもプロと互角以上に戦える「インデックス投資」

第2章 寝かせて増やすインデックス投資の実践法

第3章 おすすめの金融機関とNISA・iDeCoの実践ガイド

第4章 始めるのはカンタンだけど続けるのは意外と難しい

第5章 涙と苦労のインデックス投資家20年実践記

第6章 貴重情報!インデックス投資の終わらせ方

エピローグ 寝かせて増やすことはつまり人の未来を信じるということ

改訂版あとがき

 

水瀬ケンイチさん

1973年、東京都生まれ。都内IT企業会社員にして下町の個人投資家。2005年より投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を執筆、現在ではインデックス投資家のバイブル的ブログに。日本経済新聞やマネー誌などに数多く取り上げられる。

 

【No1627】改訂版お金は寝かせて増やしなさい 水瀬ケンイチ フォレスト出版(2024/03)

 

国民・厚生年金や雇用保険、健康保険、退職金や税金、介護保険、相続など暮らし方から定年前後の手続きや届出、備えまで、絵や図を使って基本的なことをわかりやすく伝えています。

定年の前後には、自分のことだけではなく親や家族を含めてしなくてはいけないことが多くあります。

年金など知っておきたい事項や内容についてこの本に書かれてあったので、必要なときに参照していくこととして、さらに詳細を知りたければ、別途詳しい本で調べていければと思いました。

 

知っておきたい定年前後の手続きやお金の話を豊富な図解でわかりやすく解説。見開き完結の誌面でポイントがズバリわかる。

 

 

 <目次>

はじめに 

巻頭

プロローグ 定年後の暮らしを考える

第1章 年金の基本知識と手続き

第2章 雇用保険の基本知識と手続き

第3章 健康保険の基本知識と手続き

第4章 退職金・税金の基本知識と手続き

第5章 介護保険の基本知識と手続き

第6章 相続の基本知識と手続き

巻末資料

さくいん

 

【No1626】図解いちばんやさしく丁寧に書いた定年前後の本'24-'25年版 マネースマート監修 成美堂出版(2024/06)

全体を通してみるととても感動的なストーリーでした。

これまでのやりきれない気持ちで悩むよりも、これから将来のことを憂うよりも、今を楽しむことを。そしていまの自分の幸せに感謝するのです。気づかされました。有難い。

 

281P

がんばれ、という声が飛んだ。

千舟は深呼吸をするとノートを持ち直した

「すると女神は答えました。未来を知るよりも大事なこと、それは、今がどうかということです。あなたは今、生きています。豊かではないかもしれません。でも、生きています。病に苦しんでいるかもしれません。でも、生きています。食べ物があり、眠るところがあり、夢見ることができます。それが誰のおかげでしょうか。あなたひとりだけの力によるものでしょうか。そんなことはないはずです。何が今日のあなたの生を支えているのかを考えてみなさい。

(中略)

大切なのは今です。今、健全な心を持っていられるのなら、それで幸せなのです。今のあなたが存在することをありがたいと思い、感謝しなさい。そうすれば昨日までのことなど気にならず、明日のことも不安でなくなります」

 

東野圭吾さん

大阪府生まれ。大阪府立大学工学部卒業。「放課後」で江戸川乱歩賞、「秘密」で日本推理作家協会賞、「容疑者Xの献身」で直木賞、本格ミステリ大賞を受賞。

 

池上彰さんは、記者生活やテレビの仕事をしてきたことで、その時に何を思ったのか、これまで何を考えてきたのか、どのように行動してきたのか、いかに物事に対応してきたのかなどを振り返って赤裸々に語っていました。

彼は、むずかしいことをやさしくして話ができる人。中学生にもわかるように噛み砕いて伝えることができる人、内容をしっかり頭に入れて話し言葉でレポートできる人だ。人として尊敬できる人だ。これらは池上彰さん以外は簡単ではないだろう。

この本は、ジャーナリスト池上彰さん自身の総決算ともいうべき見事なほどに含蓄がある言葉が多くありました。

 

174P 記者レポートの方法を考えた

「人が死ぬと池上が顔を出す」と言われるように、大きな事件・災害が起きるたびに、ぼくはその現場に行った。

「どんなリポートをすれば、視聴者に届くのだろうか」と考えるようになっていた。

現場から伝えるというのは、現場にいないとわからない何かを伝えるためだろう。その場の雰囲気でもいい、熱さ・寒さ・臭いでもいい、何かを伝えられないのだったら、現場リポートの意味はない。ぼくはそんなことを考えるようになった。

まずは、現場にいる自分しか伝えられないものをリポートすることだ。次に大切なのは、伝える順番だ。視聴者の知りたい順番にリポートの内容を組み立てることだ。つかみを大切にするということだ。冒頭で視聴者の心をつかんでしまうことを言う。

内容をしっかり理解し、それを思い出しながらリポートすれば、そもそも原稿の棒読みにはならない。よくある「書き言葉」のリポートにはならない。「話し言葉」で伝えることができる。これが大事だ

 

216P わかりやすいニュースをみんな待っていた

「こどもニュース」を担当して一番驚いたのは、子どもより大人、とりわけ高齢者から絶大な支持を受けたことだ。番組あてに、お年寄りからのファンレターが殺到した。「普通のニュースはむずかしすぎて、このくらいがちょうどいいのです」という趣旨のものばかりだった。

「こどもニュース」は、むずかしい言葉は一切使わず、ニュースの背景を基礎から解説する。これが、高い支持を受けることになった理由だろう。

新人研修のとき、ぼくは「中学校を卒業して数年たった人にわかるレベルの原稿を書け」という指導を受けた。

むずかしい言葉をそのまま使って原稿を書くことは、実はたやすい。むずかしい内容を誰にでも理解できるようにやさしくすること、これが大層むずかしいのだ。

 

223P 現実は現実として伝えながら……

子どもたちだって、この現実社会で生きている以上、やがてさまざまな現実に直面する。いつまでもかくしておくことはできない。だったら、子どもに理解してもらえるような説明を付け加えて伝えてみよう。あるいは、「こう考えてみたどうだろう」というアドバイスを添えて伝えてみよう。

「こんな悲惨なニュース、子どもには伝えられない」ではなくて、「こんな悲惨なニュース、子どもにはどう伝えたらいいんだろう」というように考えるべきなのだ

これは、ぼくが子どもたちにニュースを伝える仕事を11年間続けた末にたどりついた結論だった。

 

1973年にNHKに入局して以来、半世紀にわたり報道の第一線を走り続ける池上彰。地方記者を振り出しに、警視庁担当、災害担当記者として、ホテルニュージャパン火災や御巣鷹山日航機墜落など数々の大事件を取材した。

「週刊こどもニュース」のお父さん役として、オウム真理教や9・11を子どもにどう伝えるか悩み抜いた。

NHKを退社して独立後は90の国と地域に赴き、激動の世界情勢をリポートし続けた。いま、過去の報道に学ぶべきこととは?

池上彰の視点で体感するスリリングな日本報道史。

 

 <目次>

はじめに 移り変わる報道の世界に身を置いて

第1章 新聞の時代から放送の時代へ

第2章 記者は国民の代理人

第3章 転機となった「ロッキード事件」

第4章 「被爆二世」と向きあって―呉通信部での日々

第5章 誘拐、落石、飛行機事故―社会部が扱ったさまざまなニュース

第6章 「人が死ぬと池上が顔を出す」―現場リポートの意味

第7章 「教育問題」の時代

第8章 平成へ、そしてキャスターへ―オウム真理教を子どもにどう伝えるか

第9章 独立、そして令和へ―過去の報道から学ぶべきこと

おわりに 

主要参考文献

 

池上彰さん

1950年生まれ。ジャーナリスト、名城大学教授、東京工業大学特命教授、東京大学客員教授、愛知学院大学特任教授、立教大学客員教授。信州大学などでも講義を担当。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。94年から11年間、「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年に独立。ニュースの基本と本質をわかりやすく解説する。