朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

フリーライターの景子から届いた一通のメール──「助けて」。

婚活サイトで出会った夫と郊外のニュータウンで幸せに暮らしているはずだった彼女の身に、いったい何が起きたのか。

 

真梨幸子さんらしい“イヤミス”の世界。

正気と狂気の境目を揺らしながら進む物語に、いまの私はすっかり魅了されてしまっている。

ページをめくる手が止まらなかった。

過去と現在の殺人事件が巧みに絡み合い、読者を翻弄する構成は見事。

一見華やかに見える人の不幸が、どこか甘い蜜のように感じられてしまう。

嫉妬や絶望の描き方がとても上手く、次の展開を早く知りたくなる安定した筆力があった。

恐ろしいというより、女たちの辿る“末路”はどこか哀れで、そして滑稽でもあった。

 

✦ 目次

1. パワーカップルの末路

2. ニュータウンの末路

3. おひとり様の末路

4. 女子高生の末路

5. 嫌な女の末路

6. 復讐の末路

7. 初恋の末路

 

✦ 著者紹介

真梨幸子san

1964年宮崎県生まれ。多摩芸術学園映画科卒業。

2005年『孤虫症』で第32回メフィスト賞を受賞しデビュー。

2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』が口コミで広がり、シリーズ累計72万部を突破するベストセラーとなる。

石原家を見ていて感じたのは、親を思う子の気持ちも、子を思う親の気持ちも、立場は違っても根っこは同じなのだということだった。

どんな親でも、子どもが成人し大きくなっても、たとえ還暦を迎えても、いつまでも悩み、心配し続ける。

一方で子どもは、かつての親の晴れ姿や輝く栄光を知っていても、やがて衰えゆく姿を受け止め、最後には死をも受け入れざるを得ない。その心の準備を、少しずつしていくのだと思った。

 

偉大な父・石原慎太郎さん、奔放な夫を支え続けた母・典子さん、そして4人の息子たち―伸晃さん、良純さん、宏高さん、延啓さん。

それぞれの立場から振り返られるエピソードは、彼らにしか語れない心震えるものばかりだった。

わずか1ヶ月違いで亡くなった両親。大俳優であり叔父の石原裕次郎さん。

華やかな一家でありながら、家族の絆の強さが随所に感じられた。

母、父、叔父、家、海、お正月、教育、仕事、結婚、介護、相続。

テーマは多岐にわたるのに、よくぞこの11章にまとめられたものだと素直に思った。

 

同じ家族でも、立場によって見える景色が違う。異なる意見もあれば、重なる世界観もある。その対比が読んでいてとても面白かった。

 

目次

1 母 典子に寄せて

2 父 慎太郎が逝った日

3 叔父 裕次郎の思い出

4 家

5 海

6 お正月

7 教育

8 仕事

9 結婚

10 介護

11 相続

執筆を終えて

東大や京大で最も読まれた本として知られる一冊。先日、知人から紹介されてようやく手に取った。

本書では、習得した知識に従うだけ、学校で教わることを素直に受け取るだけでは「グライダー人間」になってしまうと説く。自ら考え、行動し、自分の力で飛び立つ「飛行機人間」にはなれないという指摘が印象に残った。

また、記憶力偏重の社会にあって、「忘れる」ことの大切さを改めて教えてくれる。

 

40ページ「寝させる」より

努力すれば何でも成就するという考えは思い上がりであり、努力してもできないことはある。そうしたときは、時間に委ねるしかない。

幸運は“寝て待つ”のが賢明であり、一夜漬けのように突然できあがることもあれば、何十年という沈潜の末に形を整えることもある。

いずれにしても、無意識の時間を使って考えを育てることに、もっと関心を向けるべきだという言葉が深く響いた。

 

目次
1 グライダー/不幸な逆説/朝飯前
2 醗酵/寝させる/カクテル/エディターシップ/触媒/アナロジー/セレンディピティ
3 情報の“メタ”化/スクラップ/カード・ノート/つんどく法/手帖とノート/メタ・ノート
4 整理/忘却のさまざま/時の試練/すてる/とにかく書いてみる/テーマと題名/ホメテヤラネバ
5 しゃべる/談笑の間/垣根を越えて/三上・三中/知恵/ことわざの世界
6 第一次的現実/既知・未知/拡散と収斂/コンピューター
あとがき
文庫本のあとがきにかえて「思われる」と「考える」
東大特別講義 新しい頭の考え方「思考の整理学」を読んだみなさんへ伝えたいこと

 

著者紹介
外山滋比古(1923–2020)
愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業後、「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。
英文学、日本語、教育、意味論など幅広い分野で評論・エッセイを多数執筆。『思考の整理学』は四十年以上にわたり学生やビジネスパーソンから支持され続けている。

池上彰さんが、なぜ読書を愛してやまないのか。

その理由として語られる、

「1冊1冊の小さな入れ物に広大な宇宙が詰まっていて、ページを紐解くことで宇宙が少しずつ姿を現し、そのワクワク感がたまらないから。自分がいかにものを知らないかも自覚できる」

という言葉がとても印象に残った。

 

池上さんの読書に向き合う姿勢や考え方には、共感するところが多い。

305ページにある「生涯にわたって成長し、成熟する人生を歩みましょう」では、

「人間は死に向かって成長し、成熟するという言葉があります。生涯にわたって学び続けることがいかに大事かということです。決して好奇心を失うことなく、本を読み、本の魅力について語り合う。そういう毎日を送っていれば、人生はきっとより良いものになるでしょう。」

という言葉が紹介され、生涯学び続けることの大切さが語られている。

好奇心を失わず、本を読み、本の魅力について語り合う。そんな日々を積み重ねていけば、人生はきっとより良いものになる—その確信が静かに胸に響いた。

また、池上さんは「すぐに役に立つ本は、すぐに役に立たなくなる」と述べる。

一度読んで終わりの本よりも、小説、論説、歴史書、哲学・思想、現代社会を読み解く本など、一見“すぐには役に立たない”ように見える本をじっくり読み返すことで、長い時間をかけて効いてくる知があるという指摘に深くうなずいた。

読書は能動的な行為だ。

自らの意志で文字を追い、イメージを膨らませ、文と文のつながりを考え、書き手の意図を探る。

著者と対話するように読むことができれば、読書はさらに豊かな時間になる。

忙しい毎日の中でも、隙間時間を使えば本を読むことはできる。

この本を読み終えた今、これからもずっと本を読み続けていきたいという思いがいっそう強くなった。

 

 <目次>

はじめに どんなに忙しくても本を読むことはやめられない

第1章 ぼくはこんなふうに本を読んできた

第1節 私の本との出合い

第2節 若いうちに読んでおきたい本がある

第2章 本を読んでも頭はよくならない

第1節 読書を通じて著者と対話する

第2節 視野を広げ、思索を深める本

第3章 世界の複雑さ、怖さを知る

第1節 知性に反感を持つ人々

第2節 世界の複雑さ、怖さがわかる本

第4章 忙しくて本が読めないあなたへ

第1節 私の「読書時間の捻出法」

第2節 「なんのために学ぶのか」を問う本

第5章 ぼくは読書を通じて世界を見ている

第1節 世界の実態を本で知る

第2節 国際的な視野を養う本

第6章 本を読むと人生は確実に良くなる

第1節 私の人生は読書に助けられた

第2節 知を磨き、心を耕す本

おわりに もっともっと本を読みたい

 

著者等紹介

池上彰さん

1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、NHKに記者として入局。さまざまな事件、災害、教育問題、消費者問題などを担当する。

1994年4月から11年間にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年3月、NHK退職を機にフリーランスのジャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍など幅広くメディアで活動。

名城大学教授、東京科学大学(旧・東京工業大学)特命教授など、6大学で教鞭を執る。

考える力を身につけるための、心に響く名言や格言が数多く紹介されていました。

池上さんを形づくってきた、知的探求心に満ちた姿勢が随所に感じられます。

「考える力」とは、難しい学問や特別な才能のことではなく、身の回りで起きている出来事を整理し、正しく理解し、自分なりの答えを見つけていく力のことです。

たとえば「なぜ?」と問いかける習慣を持つこと。情報の裏側を探ってみること。異なる立場の意見に触れてみること。そうした小さな積み重ねが、確かな“考える力”へとつながっていきます。

 

知らなかったことを知ること、分からなかったことが分かってくることは本当に楽しい。

その言葉が、自分の思いを代弁してくれているようで、うれしく感じました。

知りたいという欲求に従うのもよし、知らなかったことに興味を持って乗ってみるのもよし。自分の心が動くままに足を運んでみる。そうすると、予期せぬ「わかった」に出会い、その出会いが人生をより豊かにしてくれるかもしれません。

思いがけない出会いが、自分の見聞を広げてくれる。

その積み重ねによって、今まで見えなかったものが見えてくる。

これほど楽しいことはありません。

 

 

 目次
     はじめに
     第1章 「わからない」は「わかる」のはじまり
(ノーベル賞を受賞しても「まだまだ」。
「わからない」からこそ人類は発展してきた ほか)
     第2章 「わからない」を「わかる」に変える思考法
(「わからない」にもいろいろある、
なぜ「日本人ファースト」が支持を集めたのか ほか)
     第3章 職場での「わからない」をどう解決するか
(なぜ疲れていると本が読めないのか、
読解力と表現力を奪うチャットアプリ ほか)
     第4章 先のわからない時代をどう生きるか
(宗教・哲学の問いにどう向き合うか、
こんなに長生きするのは想定外だった現代人 ほか)
     おわりに
 

著者紹介
池上彰さん
ジャーナリスト。名城大学教授、東京科学大学(旧東京工業大学)特命教授など6つの大学で教える。
1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、1973年NHK入局。松江放送局、広島放送局呉通信部を経て東京・報道局社会部へ。警視庁、気象庁、文部省(現・文部科学省)、宮内庁などを担当。
1994年11月から11年間、NHK「週刊こどもニュース」で“お父さん役”を務める。2005年にNHKを退社し、現在はフリージャーナリストとして活躍。2016年、テレビ東京選挙特番チームとともに菊池寛賞受賞。

温泉の効能や医学的に正しい入浴方法についてわかりやすく紹介している一冊でした。

世界的に見ても、入浴文化がここまで発達しているのは日本だけであり、温泉地の数は2857か所と世界一を誇ります。

低血糖を防ぐために「温泉まんじゅうを食べてから入浴する」という昔ながらの習慣にも、きちんとした医学的根拠があることを知りました。入浴前後に500mlの水分をとることも大切です。

医学的に正しい入浴法は「毎日、40℃、10分間、全身浴」。短期間の滞在でも温泉の効果は十分に期待できると述べられていました。

また、温泉は副交感神経だけでなく、あえて交感神経を少し刺激することで自律神経のバランスを整える働きもあるそうです。これは近所の銭湯やスーパー銭湯でも実感できるとのことでした。

著者が述べる「温泉の総合的生体調整作用」は、温泉そのものの効能に加え、転地効果も大きな要素です。

 

新しい土地に行ってワクワクする、きれいな景色に心が動く、普段出会わない人や料理に触れる――こうした体験が交感神経を刺激し、ホルモンバランスを整えてくれるのです。

日常から少し離れるだけで、心身に良い影響が生まれることを改めて感じました。

 

目次

はじめに 疲労が溜まるばかりの生活をしている人へ ほか

本書で紹介する疲労回復の極意18

序章 日本が誇る温泉文化は入浴にあり

温泉の基礎知識 そもそも温泉とは?

第1章 初の大規模調査「新・湯治プロジェクト」でわかった健康効果

第2章 血管年齢が若返り、冷え性、不眠、自律神経不安定症にも効く「適応症」それぞれのエビデンス

第3章 温泉の温まり方は何が違うのか?痛みの軽減、血液循環を良くする、新陳代謝を高める

第4章 知らずに入ると疲れが増してしまう!10の泉質と適応症を理解して自分に合った温泉入浴を

第5章 温泉宿の理想的な過ごし方・タイムスケジュール

泉質がわかる全国の主な温泉地リスト 271

おわりに

 

著者等紹介

早坂信哉さん

東京都市大学人間科学部教授・医師。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。温泉療法専門医、博士(医学)。浜松医科大学医学部准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授などを経て、現職。公益財団法人中央温泉研究所理事、一般社団法人日本銭湯文化協会理事、一般社団法人日本温泉気候物理医学会理事、日本入浴協会理事。環境省の「新・湯治効果測定調査プロジェクト」の調査の研究責任者を務める。

 

【No1991】医師が教える温泉の教科書 日帰りでも「湯治」はできる!疲労回復の極意18 早坂信哉 朝日新聞出版(2025/08)

タクシー運転手の川西青吾が仕事を終えて帰宅すると、そこにいるはずの恋人・中園多実の姿がなかった。翌日になっても戻らず、不安が募る中、青吾のもとに「多実が見知らぬ男性・出口波留彦と五島列島の遠鹿島で海難事故に遭い、行方不明になった」という知らせが届く。

事故の真相を求め、波留彦の妻・出口沙都子とともに遠鹿島へ向かう青吾。

多実の人生のかけらを拾い集める旅は、青吾自身の過去をも照らし出し、ふたりを思いも寄らぬ場所へ導いていく。

「喪失」と「不在」を描いた大人の恋愛小説であり、知らないままでも人生は続くが、それでも真実を知りたいと思う気持ちが丁寧に描かれていた。

突然失踪した同居女性と、夫を探す二人の男女。

互いに秘密を抱えながら暮らしてきた関係に、ある日突然訪れる不在。

なぜ多実は、妻のいる男性と遠鹿島へ行かなければならなかったのか。

その逆もまた、なぜ波留彦は多実とともにいたのか。

青吾は多実と長く暮らしてきたにもかかわらず、彼女の過去をほとんど知らなかった。

物語が進むにつれ、多実の歩んできた道と、青吾自身の母親を含む複雑な背景が少しずつ浮かび上がってくる。

散りばめられた疑問は、読み進めるほどに静かに輪郭を帯び、やがてひとつの真実へと収束していく。

読み終えたとき、切なさの余韻が長く残るなか、残された人たちがこれからも幸せでいられるようにと、強く願わずにはいられなかった。

 

著者紹介

一穂ミチさん

大阪府生まれ。2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。

2022年『スモールワールズ』で吉川英治文学新人賞、2024年『光のとこにいてね』で島清恋愛文学賞、『ツミデミック』で直木賞を受賞。

繊細な心理描写と静かな余韻を残す作風に定評がある。

 

神経衰弱の気鬱から逃れるように、井原真拆は森の深奥を彷徨う。

蛇毒に倒れたところを僧に救われ、山寺に逗留することになる。

俗世から切り離された奇妙な時空の中で、真拆はいつしか現実と夢幻の境を踏み越え、一人の女と出逢う。

 

泉鏡花『高野聖』を思わせる、耽美で妖気を帯びた文体。

現実と幻想の境界がさっと揺らぎ、溶けていくような感覚があった。

読む側の感覚までもふっと揺さぶられる、独特の気配が作品全体に漂っている。

山の湿った空気、闇の奥から忍び寄る妖しさ、人の心の底に潜む魔物。

そのすべてが想像の余白に委ねられ、より深い余韻を残してくれた。

拒む愛と求める愛。

筋は異なっていても、どちらも同じような不思議な魅力へと読者を誘い込んだ。

インセスト・タブー(近親性交の禁忌)。

倫理的にも道徳的にも、常識的にも到底共感できるものではない。

本書は性的な興味本位の内容ではなく、家族という最も身近な関係の中で起こる性暴力の実態を、静かに、しかし確かに照らし出している。

家族は被害者であり、同時に加害者にもなりうる。

日本では加害者側だけでなく、その家族である“被疑者家族”への風当たりも強い。

本書で描かれるのは、社会の影に潜む、デリケートで深い家族の闇である。

著者は、加害者家庭の支援の過程で知り得た事例を、当事者の許可を得たうえで匿名性を確保しながら紹介している。

 

「監護者等性交罪」「監護者わいせつ罪」「不同意性交等罪」などにより性暴力は告発されやすくなったものの、密室で行われる行為をどう防ぐのかという根本的な課題は残されたままだ。

 

こういった事実を知ることで少しでも物の見方を変えるきっかけになればと。

 

幸福の形は人によって異なる。

何が幸せかを決めるのは自分自身であり、自分を幸せにできるのも自分だけだという著者の言葉が胸に残った。

 

p.227

近親性交を引き起こす家族の“親密化”は、家族の中に個人が不在となり、「家族は一体である」という幻想から生まれているのではないか。

p.235

多くの家庭で密かに行われる近親性交という現実、そして家族が抱える性の認知の歪みは、性教育の欠如の表れである。

性とは本来、人格と深く結びついた尊厳にかかわる事柄であり、茶化したり恥ずべきものとして扱うべきではない。

性教育の基本は「私の身体は私のものだ」と理解すること。胸や性器などのプライベートゾーンは、たとえ家族であっても侵してはならない。

 

目次

はじめに

第一章 父という権力(息子が殺人犯となった理由/家族の敵は家族/父と娘の対立/子性交の実態)

第二章 母という暴力(無期囚と家族/息子の子を出産した母/性犯罪者の母の責任/母子性交の実態)

第三章 長男という呪い(姉による性暴力/傷ついた者たち/きょうだい性交の実態)

第四章 近親性交で生まれた子どもたち(近親性交による妊娠/出自を知る権利)

第五章 近親性交が生じる背景(家族による性の束縛/家族の孤立と親密化 ほか)

おわりに 共犯者から被害者へ

 

著者紹介

阿部恭子さん

1977年、宮城県仙台市生まれ。

特定非営利活動法人 World Open Heart 理事長。

東北大学大学院法学研究科博士課程前期修了(法学修士)。

2008年、大学院在学中に日本で初めて犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。

近年はノンフィクションライターとして「現代ビジネス」「プレジデントオンライン」などで事件に関する記事を発信。日本文藝家協会会員。

モスクワ音楽院で学部長が殺害されるという密室殺人事件が発生する。

かつてショパンコンクールのファイナリスト同士として親交のある客員教授ヴァレリーを、日本人ピアニスト・岬洋介が海外巡業の合間にモスクワ音楽院を訪れることになった。

そこで岬だけが気づいた“事件の真実”が静かに姿を現していく。

今回は、消去法による推理で犯人を追い詰め、謎を解き明かしていく展開が印象的だった。

気づけばまた岬シリーズを読みたくなる――それはもう「中山七里愛」と呼ぶべき性質なのだと思う。

 

 

目次

1. ソッフォカート ブラーヴェ 息を詰めたように重々しく

2. アルティエロ アニマンド 堂々と、生気に満ちて

3. スラルガンド ストレット 徐々に緊迫して

4. コン・ブリオ グランディオーソ 生き生きと、雄大に

 

著者紹介

中山七里さん

1961年、岐阜県生まれ。

『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞〈大賞〉を受賞し、2010年にデビュー。