朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

 

■120ページ 五感に利くライフスタイルを取り戻せ

著者は、現代人の五感は便利さの中で磨滅しつつあり、意識的に使わなければ衰えていくと述べている。

そのためには、人工的な空間ばかりに身を置くのではなく、あえて自然の中に身を置き、五感を効率よく使う生活を取り戻すことが大切だという。

 

五感とは、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚のこと。

自然に触れながら、これらを意識して働かせることで、人は本来の感覚を取り戻していくのだと思う。

 

季節の移ろいは、白・緑・赤・茶などの色として目に飛び込んでくる。

耳を澄ませば、小鳥のさえずりやカラスの声が季節を知らせてくれる。

味覚からも記憶はよみがえり、例えばオリオンビールを飲むと、沖縄の海辺を歩いた日の風景がふっと蘇る。

鼻孔をくすぐる金木犀の香りは、「ああ、またこの季節が来た」と心に知らせてくれる。

神社で大木に触れれば、長い年月を生き抜いてきた木の生命力が手のひらに伝わってくる。

 

こうして五感を研ぎ澄ませていくと、自分も自然の一部として生きているという感覚が静かに戻ってくる。

老いを愉しむためには、この「自然とつながる感覚」を取り戻すことが、実はとても大切なのだと感じた。

 

✦ 目次

まえがき

第1章 老けない人はここが違う

 (もっとわがままに生きていい/老後の信用は大きな財産 ほか)

第2章 アテにしない生き方

 (いつまでも「してもらえる」と思うな/何でも年のせいにするな ほか)

第3章 定年後を愉しめる人、愉しめない人

 (「読書はもっとも簡単な若返りの法である」/手書きの効用を忘れてはいけない ほか)

第4章 死ぬまで自分を見失わない

 (誘われてばかりいてはダメだ/プラス思考のクセをつけなさい ほか)

 

✦ 著者紹介

川北義則さん

1935年大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。文化部長、出版部長を経て、日本クリエート社を設立。

著作は100冊を超え、エッセイを中心に執筆。講演活動も精力的に行っている。

 

 

【No2034】60歳から下手な生き方はしたくない 老いを愉しめる人、愉しめない人 川北義則 大和書房(2013/08)

読み進める中で、まず心に残ったのは「どんな時間にも意味を見いだし、愉しもうとする姿勢」の大切さだった。

たとえば、挨拶が長くてうんざりするような場面でも、それもまた自分の人生の一部であり、主観的な意味づけ次第で肯定的に受け止められる。そう考えることで、嫌な時間さえも“味わおう”とする余裕が生まれるのだと感じた。

20ページ 嫌なことも楽しもうと努力してみる 

レセプションやパーティでの長広舌も、現実として受け止めれば、そこに人間性や論理のかけらを見つけることができる。そうした視点の転換が、時間を「面白い流れ」として肯定的に捉える力になる。

 

熱中できる趣味があることは、人生を豊かにする。

私にとってはやはり読書だろうか。ひとりで読む楽しみはもちろん、課題本を決めて感想を語り合う場では、読む前の期待、語り合う時間の刺激、終わった後に得られる新しい視点など、三段階の愉しみがある。

24ページ 無趣味を楽しむ 

稽古事、絵、写真、美術館巡り、碁や将棋、読書、旅行など、興味を惹かれるものがあればそれが趣味になる。

長く仕事中心で生きてきたため、つい「結果」を求めてしまう癖がついているが、年齢を重ねた今こそ、過程そのものを味わう姿勢を取り戻したい。

 

量より質へと価値観が変わってきたことにも気づく。

若い頃は食べ放題や飲み放題の“お得感”に惹かれていたが、今は少量でも美味しいものをゆっくり味わいたい。健康を意識し、薄味でも満足できるようになったのは、年齢を重ねたからこその変化だと思う。

28ページ 年を取ったから楽しめる世界がある 

五欲(財・色・飲食・名・睡眠)は、年齢とともにギラギラしたものから“ほどほど”へと変わっていく。

欲が少なくなることで量への執着が薄れ、気持ちが楽になる。その分、質を追求する余裕が生まれ、人生に深い味わいが出てくる。

 

会社を辞めた当初は、束縛から解き放たれた開放感に満たされる。しかし、自由な時間が続くと、思っていたほど“完全な自由”ではないことにも気づく。

それでも、読書や旅行など、これまで続けてきたことを深めたり、やりたくてもできなかったことに取り組める時間が生まれたと考えると、自由の価値は大きい。

36ページ 働かないということ 

自由を最も強く感じるのは、束縛から抜け出した瞬間である。

組織は個人を守る一方で、忠誠を求め、自由を制限する側面もある。そこから離れた今、自由の本質を改めて考えさせられる。

 

世のため人のために役立ちたいという思いは、寄付やボランティアだけでなく、日々の仕事や生活の中で「自分にできることはないか」と心がけることから始まるのだと思う。

96ページ 分相応に生きるとは 

分相応とは「身の丈以上を望まない」だけでなく、「自分の力でできることはする」ことでもある。

自分の余裕の一部を、家族や友人、身近な人のために使う。その前提として、自分自身という“本尊”を大切にし、自分の分を見極めておく必要がある。

 

家族との縁も、偶然ではなく必然だったのかもしれない。そう考えると、心が揺さぶられる。

172ページ 感動する心を忘れない 

感動は与えられるものではなく、自分で探しにいくもの。

遠くへ行かなくても、身近なところに材料はいくらでもある。

注意深く観察し、その背後にある仕組みや原理に思いを巡らせると、宇宙の力のような大きな存在を感じることがある。

その感動が、生きていくエネルギーになる。

年齢を重ねた今こそ、科学的な観察と哲学的な考察を組み合わせ、前向きに世界を味わっていきたい。

 

目次

はじめに―新しい世界へ、積極的に踏み出す時

第1章 人生で一番楽しい時が、やってくる―自由を楽しめる人、楽しめない人

第2章 「スローライフ」という新しい考え方を持つ―すべては、この考え方次第!

第3章 金はあってもなくても、最期は同じ―「金に振り回されない」生き方

第4章 「六十歳」 年を取っても強い生き方―たとえば「ひとりの時間」を楽しめるか?

第5章 「六十歳」の魅力を周りに見せる―「包容力」と「年輪」があなたを輝かせる

第6章 自分にとっての「最高の贅沢」を見つける―堂々と胸を張って歩く人生

 

 

著者等紹介

山崎武也さん

1935年広島県生まれ。1959年東京大学法学部卒業。株式会社インタナショナル・アイ社長。ビジネスコンサルタントとして国際関連業務に幅広く携わるかたわら、茶道裏千家などの文化面でも活躍中。卓越した人間観察力から生まれたビジネス関連書には定評があり、ベストセラー、ロングセラーが多数ある

犯罪に巻き込まれないためには、日ごろから知識と考え方を身につけておくことが大切だと感じた。

そのためにも、日常の中で少し意識を向けたり、本を読んで心の準備をしておく必要がある。

 

目次を見てもわかるように、犯罪は「自分とは無縁のもの」と思いがちだが、実際にはそうではない。

むしろ、すぐ近くに潜んでいるもののように思える。

法的な視点で日常を見つめ直すと、生活の中には「犯罪になりうる」「犯罪になりそうな」ケースが数多く存在している。

 

本書は、こうした身近な事例を手がかりにしながら、「罪とは何か?」を考えるための教養としての刑法学を身につける一冊。

「なくなればいいのに、なくならない」──そんな罪について、立ち止まって考えるきっかけを与えてくれる。

 

知らないうちに被害者にも加害者にもならないために、大人として持っておきたい基礎的な教養だと感じた。

 

 

✦ 目次

はじめに

本書の使い方

第1編 日常編

おつりを多くもらったらどうなる?/誤って振り込まれたお金を使うと?/落とし物は拾っていいのか? ほか

第2編 お仕事編

借金返済のために会社のお金に手を付けると?/企業トップが越えてはいけない一線とは?/企業秘密を持って同業他社に転職すると? ほか

第3編 刑法の世界編

犯罪が成立するには?(罪刑法定主義)/「やってはいけない行為」とは何か?(実行行為) ほか

おわりに

 

✦ 著者紹介

穴沢大輔さん

明治学院大学法学部・消費情報環境法学科教授。

消費生活アドバイザーとしての実務経験も持ち、消費者問題や法教育の分野で幅広く発信している。

 

 

【No2032】なくなればいいのに。「罪って何?」を考える教養としての刑法学 穴沢大輔 自由国民社(2025/11)

キッチンや仕事まわりで、勝間和代さんが実際に使っている家電が、具体的な商品名とともに紹介されている一冊。

「自動的に貯まる仕組みを作れ」という彼女の持論は、約20年前からドルコスト平均法で投資信託を続けてきた経験に裏打ちされており、その考え方を知って私も取り入れてきた。

 

本書の大きなテーマは、AIをはじめとするテクノロジーをどれだけ使いこなせるかという点にある。

日常生活で使う調理家電や掃除家電を適切に選ぶことで、生活の質が上がり、時間が生まれ、心と体が軽くなる。

 

たとえば照明。

昔ながらの電熱線ではなくLEDを使えば省エネになり、電気料金も下がって家計に優しい。

こうした「できるところから変える」積み重ねが、暮らし全体を大きく変えていくのだと感じた。私自身も、自宅で少しずつ取り入れていきたいと思う。

 

✦ 本書の概要(目次より)

プロローグ 勝間家電をはじめる前に

第1章 ベースを整える 

 服は「サブスク一択」。テクノロジーでムダな資産ゼロへ。

第2章 「ムダな仕事」をしてはいけない 

 スマホを最強の武器に。格安SIMなら「5台で月4000円」。

第3章 キッチン仕事を軽くする 

 冷蔵庫は「片開き」「400L」「野菜室が真ん中」。探さない仕組みづくり。

第4章 生産性の高い家を作る 

 洗濯機に服を合わせる。外干し・クリーニング不要の体制へ。

第5章 健康をキープする 

 買ってよかった家電第2位「VR」。自分専用にカスタマイズすればジムいらず。

エピローグ おわりに

 

✦ 著者紹介

勝間和代さん(1968年東京都生まれ)。

経済評論家。早稲田大学ファイナンスMBA。

監査法人、アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。

合理的な暮らし方の提案でも支持を集め、家電の選定・活用にも精通。

複数の家電を組み合わせ、時間と手間を最小限にする生活を実践している。

「勉強とは生きるための目的ではなく手段です。

学んだことを自分の強みとして、いかに人生を豊かにしていくか。

そのために使ってこそ価値があるのです。」(78ページ)

 

本書は、60歳以降の学びは「知識を増やすこと」よりも、

思考力とアウトプットを中心に据えるべきだと説いています。

中高年にはすでに豊富な経験と知識があり、それをどう活かすかが重要。

多様な視点に触れながら、自分の頭で考え、柔軟に判断する力こそが、

定年後の人生を豊かにする“勉強”だと述べています。

 

読んでいて、

「学ぶことは“増やす”より“使う”へ」

という転換が、今の私にとってとても腑に落ちました。

 

これまで積み重ねてきた読書や経験を、

ただ蓄えるだけでなく、

自分の視野を広げるために使うこと。

そして、異なる意見にも耳を傾けながら、

最終的には自分の頭で考えて選択していくこと。

 

ブログを書いたり、読書メモを残したりする行為そのものが、

まさに「アウトプット重視の勉強」なのだと感じました。

これから定年後に向けて、

“柔らかい頭”で生きていくためのヒントをもらえた一冊でした。

 

 

中高年になると、それまでに培ってきた知識や経験という大きな蓄積があります。本書では、そのリソースを活かしながら学んでいくという方向性が示されており、私自身も大いに納得できました。人生の選択肢を広げ、より広い視野で物事を考えるために学び続ける姿勢の大切さにも共感します。

 

また、多様なものの見方や他者の意見に触れながらも、最終的には「自分の頭でしっかり考えて判断する」ことが欠かせないと改めて感じました。

 

〈78ページ 新時代は思考重視・アウトプット重視に切り替える〉 

勉強とは本来、生きる目的ではなく人生を豊かにするための手段です。学んだことを自分の強みとして活かし、人生をより楽しく、幸福なものにしていくために使ってこそ価値があります。

 

勉強を通じて、多様な視点や考え方が存在することを知り、自分自身も幅広い可能性を思い描けるようになる。これこそが勉強の意義であり、得られる最大の果実だと著者は述べています。

 

幅広い視野で物事を捉えられる人は、それだけ人生の選択肢も豊かになります。異論や反論を排除せず、「なるほど、そういう見方もあるのか」と耳を傾けられる柔軟さこそが、頭のよさにつながるのだと思います。既存の知識にとらわれない姿勢は、精神の自由にもつながるのでしょう。

 

✦ 目次

はじめに

序章 なぜ「勉強しない勉強」が必要になるのか

第1章 新時代に知識依存型人間はもういらない

第2章 思考とアウトプットを重視する新しい勉強法

第3章 定年後を充実させる「思考」の極意

第4章 定年後を充実させる「アウトプット」の極意

第5章 前頭葉を意識しながら生きる習慣

 

 

✦ 著者紹介

和田秀樹さん 

1960年大阪府生まれ。和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学心理学科教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師。

1985年東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローなどを経て現職。

 

 

 

再読 【No2030】60歳からの勉強法 定年後を充実させる勉強しない勉強のすすめ 和田秀樹 SBクリエイティブ (2018/11)

世相を皮肉りながらも、どこかクスッと笑わせてくれる短編集。SF、コミカル、風刺と幅広いのに、どの作品にもきちんとした落としどころがあって、読後にふっと肩の力が抜けるような安心感があった。

 

なかでも「モンクコング対ゴネラ2021」はとくに印象に残った。

飲食店で注意されても頑なにマスクを拒む“ゴネラ”。

一方で、公園で遊ぶ小さな子どもにまで不織布マスクを強制し、声高に糾弾する“モンクコング”。

あの頃、実際にこういう人たちがいたよなあ……と、思わず記憶の底がざわっとする。

 

コロナ禍で、社会全体が精神的に追い込まれていた時期の空気が、ユーモラスな筆致の中にそっと滲んでいる。

重くなりすぎず、でもどこか切ない。まさしく荻原さんらしい作品だと感じた。

 

目次 

陰謀論百物語

ハードボイルド・ルール

サクマ型ロボット2号

パスワードを入れてください

ああ美しき忖度の村

モンクコング対ゴネラ2021

戦争過敏シンドローム

 

著者紹介 

荻原浩さん

1956年埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業。広告制作会社勤務を経てフリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木三十五賞、24年『笑う森』で中央公論文芸賞受賞。20年『人生がそんなにも美しいのなら』では漫画家としてもデビュー。

物事には必ず悪い面と良い面の両方がある。その両面を見る習慣を持つことで、「自分の心の持ちよう」で安心感が生まれてくる。

本書では、不安の多くは外側の出来事ではなく、自分の受け止め方によって大きく左右されると述べている。

 

■ 5ページ

「不安感」のほとんどは物事の考え方や心の持ち方をちょっと変えてみるだけで、少しずつ解消していくものです。

 

不安の原因は、実は自分の中にあることが多い。

しかし同時に、解決策もまた自分の心の中にある。

外の世界を変えることは難しいが、心の向け方を少し変えるだけで、不安は和らぎ、状況の見え方も変わっていく。

 

だからこそ、自分が好きなように生きられる方向へ、少しずつ舵を切る努力をしたい。

年齢を重ねたからこそ、心の自由度を高めることができる。

 

■ 92ページ 「人がどう思うかを考えても意味がない」

他人や世間の目を気にして生きていると、心はいつまでも落ち着かない。

著者は、第二の人生ではその視線を外し、「自分がやりたいこと」「自分が心地よいこと」だけに焦点を当てていいと言う。

 

人はそれぞれ違う価値観で生きている。

だから、他人の評価を気にしても答えは出ないし、そもそも他人は自分が思うほど自分のことを見ていない。

むしろ、自分の人生を自分のために使うことこそ、60歳以降の生き方の基本になる。

 

目次

はじめに

第1章 60歳からの合言葉は「頑張らない」「無理をしない」(定年後も途方もない時間が残されている、努力するのは「どうにかなること」だけでいい ほか)

第2章 人間関係は「いい加減」なくらいがちょうどいい(いくつになって何をめざそうが恥ずかしいなんてことはない、とにかく取り越し苦労はやめよう。いいことはひとつもない ほか)

第3章 「老後うつ」の危険信号を見逃さないためにできること(気が晴れないときはどう対処したらいいのか、「ひとり老後」だからといって怖がる必要はない ほか)

第4章 軽い運動と食事で元気な暮らしをあと20年!(「計るだけダイエット」はこんな効果も期待できる、シニアにうってつけの入浴方法とは ほか)

第5章 気をつけたいお金への対し方「老後の落とし穴」にご用心(経済的不安とどう向き合うべきか、「退職後に数千万円必要」という言葉に惑わされない ほか)

 

 

著者等紹介

保坂隆さん

1952年山梨県生まれ。保坂サイコオンコロジー・クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学へ留学。東海大学医学部教授(精神医学)、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授を経て、現職。また実際に高野山大学大学院で密教学修士号を取得するなど仏教に造詣が深い

 

 

【No2028】60歳からは悩まない・迷わない・へこまない 精神科医だから知っている「老後うつ」とは無縁の暮らし方 保坂 隆 主婦と生活社(2024/06)

「死ぬまで読書、死んでも読書だ!」

この一言に、思わず胸を打たれました。自分自身を鼓舞するような、強い心意気が感じられます。

 

読書に関する著者の考え方――「おすすめ本」「多読」「理解できない本」など――は、私自身が日頃感じていることと重なる部分が多く、深く共感しました。これからは迷わず、自分の読書を信じて進んでいきたいと思います。

 

■ 67ページ 読みたい本は自分で見つける

「おすすめの本はありますか?」と聞かれたとき、著者はこう答えると言います。

「そんな本はありません。あなたが面白そうだと思う本を読めばいいんですよ」

 

人の価値観は、年齢や立場、考え方や感じ方によって大きく異なります。私が面白いと思う本でも、他の人には響かないかもしれない。逆に、世間で高く評価されている本でも、私にとっては良いとも悪いとも言えないこともある。

 

著者自身は、誰かに勧められた本ではなく、「今読んでいる本」から次に読みたい本を探していくそうです。

50代になったら、人の評価に左右されず、自分の趣味に合う本、「これはよさそうだ」と思える本だけを選べばいい。

60代になったら、読むたびに「次に読みたい1冊」を探していく。その積み重ねで関心のあるテーマを深めてもいいし、別のテーマへ広げていくのも楽しい――そんな読書の自由さが語られています。

 

■ 83ページ 多読にこだわらなくていい

冊数を競うように読む必要はありません。人生の持ち時間は限られているのだから、読みたい本だけ読めばいい。

 

すべての本を精読する必要もなく、内容によっては飛ばし読みでも構わない。必然的に精読すべき本もある。読み方は本に応じて自分で決めればいいという、肩の力が抜ける言葉です。

 

■ 84ページ 理解できない本には見切りをつける

いくら読んでも理解できない本は、書き手の伝える技術や配慮が足りない場合がある。

ある程度読書経験がある人が読んでも理解できないなら、著者や翻訳者に問題があることも多い。

 

歳を重ねるほど読める本の数は限られてくるのだから、時間は大切にしたい。評判だからといって無理に読み続ける必要はない、という姿勢に強くうなずきました。

 

■ 99ページ 好奇心や知識欲に蓋をしない

既成事実であっても疑ってみることが大切。

情報を受け身で取り続けていると、自分の頭で考え、吟味し、判断する力が弱くなり、フェイク情報に振り回される危険もある。

 

誰かの意見を安易に取り入れてしまうのは、若い世代だけの問題ではない――という指摘は、年齢を問わず響く言葉です。

 

■ 目次

はじめに 六〇歳からは「自由自在の人生」だ

第1章 老いの変化を受け入れる

第2章 身体はマイナスになる、でも頭はプラスにできる!

第3章 最大の悩み―定年退職後をどう生きるか

第4章 私たちはどう働くのか

第5章 人生の価値は最後に決まる

おわりに Do your best!

主な参考文献

 

■ 著者紹介

丹羽宇一郎さん

1939年、愛知県生まれ。名古屋大学法学部卒業後、伊藤忠商事に入社。

1998年社長、2004年会長に就任。

不良資産約4000億円の一括処理や最高益更新など、経営改革で知られる。

その後、内閣府の諮問会議委員、日本郵政取締役、WFP協会会長などを歴任。

2010年、民間出身として初の駐中国大使に就任。

現在は日本中国友好協会会長、福井県立大学客員教授などを務める。

「実るほど頭が下がる稲穂かな」

この言葉に象徴される“謙虚さ”は、歳を重ねても大切にしていきたい姿勢だと感じました。

 

■ 181ページ 謙虚で損をすることはない

著者のポリシーは「年齢や立場に関係なく、ふだんから敬語を使う」こと。

相手が自分より若くても、むしろ積極的に敬語を使う――その理由は、「謙虚な心」の大切さを痛感しているからだといいます。

 

弘兼さんは、第二の人生のスタートを“小学一年生”にたとえています。

一年生はみんな対等で、どんな境遇の子も同じ机を並べる。そこで協調性や連帯感を学び、周囲と良い関係を築こうとする。

そのときに必要なのは、やはり謙虚さ。

 

「人間、謙虚になって損をすることはない」

この言葉は、人生の後半をどう生きるかを考えるうえで、静かに心に残ります。

 

■ 目次

はじめに 「老春時代」という考え方

1 人生後半「愉しく、快適」こそが最大のテーマ

2 人生後半「自分は自分、家族は家族」で生きてみる

3 人生後半「死ぬまで床に働く」ための11のポイント

4 人生後半「なりたい自分」と他人との新しい関係

5 人生後半「愉快なフィナーレ」まで覚えておきたいこと

 

人は老い、そして必ず死を迎える。もし延命治療で苦しみながら最期を迎えるのだとしたら、病院ではなく、自宅で静かに眠るように逝きたいと思う。

家族と同じ空間で過ごし、看取られることができれば、家族は「死」をより身近に感じるだろう。「ありがとう、いい人生だったよ」と穏やかに旅立つ姿を見れば、死生観は大きく変わる。死は、そこまで恐れるものではないのかもしれない。

 

歳を重ねると、治療が必ずしも最善とは限らない。治療したからといって長生きできるとは言えず、治療中は入院や生活制限が伴う。好きなものを食べられず、行きたい場所にも行けない。

人は「がんが大きくなって死ぬ」のではなく、老いて弱っていき、やがて老衰で亡くなるのだと著者は語る。

 

信頼できる在宅医を見つけるのは簡単ではないが、本書には、がん患者を中心とした緩和ケアの経験、延命治療を望まない患者が穏やかに亡くなるまでの過程、そして家族の姿が丁寧に記されている。

「病は気から」という言葉があるように、気持ちが大きな要因になることを改めて感じた。

 

心に残った箇所(4ページ)

歩くために必要な力は、実は「根性」と「気力」です。決して筋力だけの問題ではなく、自分の頑張りで歩くことができるのです。「がんばれる」ことは気力があること、つまり脳の若さです。

歩けるうちは、人は死にません。人間は気力によって、弱っていくのを遅らせることができる、余命を延ばせるのです。

 

歩くという行為が、単なる身体能力ではなく「生きる力」そのものだと示されている。老いと向き合う上で、気力の重要性を強く感じた。

 

✦ 目次

はじめに

第一章 歩ける人は死なない

第二章 がんばって背筋を伸ばそう

第三章 人は病気ではなく老化して死ぬ

第四章 「がんと闘うな」はほんとうか?

第五章 一人でも、いや一人のほうが大往生できます

おわりに

 

✦ 著者紹介

萬田緑平さん

「緩和ケア 萬田診療所」院長。1964年生まれ。群馬大学医学部卒業後、同大学附属病院第一外科に勤務し、手術・抗がん剤治療・胃ろう造設などに携わる中で医療のあり方に疑問を抱く。

2008年から9年間、緩和ケア診療所に勤務し、在宅緩和ケア医として2000人以上の看取りに関わる。現在は自身の診療所を運営しながら、「最期まで目一杯生きる」をテーマに全国で年間50回以上の講演を行っている。