
必要な情報を自分にとって有益なものとして取り入れ、生き抜くためのスキルへと変えていくことが、今後の人生を切り拓く鍵となります。
さらに本書は、世界の常識は日本では非常識であり、日本の常識は世界では非常識であることを教えてくれました。
日本車は、多くの外交官以上に、国際社会で圧倒的な信頼を築いてきた存在です。
42ページより 日本人が知らない「世界の隠れ親日国たち」
南米のボリビアやパラグアイでは、日本への親近感が強く、独特の「日本びいき」の空気が漂っています。これは、かつて多くの日本人が移民として海を渡った歴史に由来します。
私の身内が日本の自動車メーカーに勤めていますが、海外から寄せられる不具合報告を地道に分析し、必要があれば現地で修理を手配するそうです。こうした誠実な対応こそが、世界の信頼を確かなものにしています。
他国メーカーでは報告がうやむやになったり、現地スタッフとの連携不足からトラブルになることも珍しくありません。その点、日本の「丁寧さ」は製品そのものに染み込んでいます。車が生活の足であり、命に直結する地域では、壊れにくく真面目な日本車が圧倒的に選ばれるのです。
こうした背景から「日本車=命を守る存在」という印象が根付き、国全体への好感度が高まっていきます。
60ページより 日本は世界一治安が良いことを自覚すべし
日常の安全は、もっと感謝すべきものです。日本の治安は「奇跡レベル」と言われます。例えば、女性が夜遅く街を一人歩きできる国は、日本以外ではほとんどありません。
日本では住居を借りる際、「このエリアは危ないから避けよう」といった治安の心配をあまりする必要がありません。しかし他国では違います。家賃の安さは命のリスクと直結し、安全を確保するにはそれなりの家賃を払わなければならないのです。
68ページより アメリカ人がフレンドリーな本当の理由
アメリカ人のフレンドリーさは、実は社交辞令です。
開拓地として多様な人々が流入し、ネイティブアメリカンを追い払い、貧困層や犯罪者、宗教的過激派、海賊まがいの人々が入り乱れる社会が形成されました。信用できない人間ばかりの環境だからこそ、「私は怪しくない」と示すために、笑顔で雑談を交わすフレンドリーさがサバイバルスキルとなったのです。
69ページより ヨーロッパの家がすっきりしているのはマウンティング文化のせい!?
ヨーロッパでは、家をきれいに保つことが「私はお金もセンスもある」というマウンティングの手段になります。
イベントは社交の名目ですが、実際には「オシャレな家でしょ」「家具は全部ブランド物」「私は上流階級」と見せびらかす場です。
住まいに対する評価は日本より厳しく、リビングだけでなく寝室や上階まで見られるのが当たり前。そのため家の中は常に片付いていなければならないのです。
130ページより マスクをしていると「ヤバい人」
英語圏では、マスクは弱者や病気の象徴であり、不気味と捉えられることもあります。
会話の際、人々は相手の口元を見て言葉を理解するだけでなく、感情や心を読み取ります。日本のように「目を見て判断する」文化とは大きく異なるのです。
目次
はじめに
第1章 日本人はなぜ世界のニュースを知らないのか
第2章 世界の「常識」を日本人は何も知らない
第3章 世界の「表と裏」を日本人は何も知らない
第4章 世界の「国民性」を日本人は何も知らない
第5章 世界の「マスク騒動」を日本人は何も知らない
第6章 世界の「オリンピック熱」を日本人は何も知らない
第7章 日本人は「ロシア」のことを何も知らない
第8章 世界の「イスラエル・ハマス戦争」を日本人は何も知らない
第9章 世界の「あるもの/ないもの」を日本人は何も知らない
第10章 世界の「日本の人気」を日本人は何も知らない
第11章 世界の「エンタメ事情」を日本人は何も知らない
第12章 世界の重大ニュースを知る方法
おわりに すべては日本人のこれからのために
著者略歴
谷本真由美さん
著述家。元国連職員。1975年神奈川県生まれ。シラキュース大学大学院にて国際関係論および情報管理学修士を取得。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。日本、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界各国での就労経験を持つ。X上では「May_Roma(めいろま)」として鋭い発信で好評を博している。
【No1952】世界のニュースを日本人は何も知らないBEST版 谷本真由美 ワニブックス(2025/06)