生きづらい時代のキャリアデザインの教科書 大垣尚司 日経BP 日本経済新聞出版(2024/08) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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332P 弱いからこそ自助を

自分自身のキャリアは「他人と闘わず、昨日、今日の自分とだけ比較する」強気の生き方で自分を尺度にして伸ばしていこう。

やたら長い人生のキャリアは目の前の会社人生だけでは終わらない。むしろ、後半のキャリアこそが幸せと直結したものだと考えて、前半の高みがほどほどで終わってもそこからこそが、だれでも可能な違った充実をめざして虎視眈々と好きなことを伸ばそう。もし、前半がうまくいっているなら、その中に空虚さがないかを少し冷静に確認して、実体がある成長を大切にしよう。もし、企業が村社会の序列争いに疲れたら経営者ではなく職人を目指してみよう。

 

「自助」を目的として、これからのキャリアと人生を考え一歩ずつ築いていく若手の働き手が読むべき対象であったが、キャリアをとりまくこれまでの社会・構造・経済・情勢の変化について、メンバーシップ型からジョブ型への動き方などを改めて確認し学び知ることができた納得できる内容が多かった。

ミドル以降の人にもこれからのキャリアデザインを考えていくための前提や考えるための教材としてはよい本だった。

 

 

42P 複線型キャリアデザイン

後半のキャリアは前半のようにお金を稼ぐことを最優先にする必要はない。少ないなりに年金もあるし、現役時代のように子どもにお金がかかるわけでもない。物欲もほどほどになる一方、薬や病院に頼ることなく健康であり続けることが一番大切になる。前半のキャリアをペースダウンして丁寧に続けることもあってもよいし、お金優先ではできなかったことを始めてみるのもよいだろう。

しかし、いずれにしてもできるだけ早い時期から「後半」を意識しておかないと選択肢が恐ろしく少なくなってしまう。新しい時代のキャリアデザインは目先のキャリアと人生後半のキャリアの両方を見据えた複線型のキャリアデザインでなければならないのだ。

ところが、これまでのキャリアデザインは、前半のキャリアでできるだけ稼いで後半のために金融投資をし、後半はそのリターンや取り崩しで不足を埋めるという発想しかなかった。しかし、金融投資だけで十分な蓄えを確保することは難しくなっている。

むしろ、後半にもキャリアが必要なら、金融商品ではなく、できるだけ「細く・長く・楽しく・生きがいを持って」稼ぎ続けられるように早い時期から「自分に投資」することが最も重要である。

 

 

 

 <目次>

はじめに 

1 キャリアをとりまく社会構造の変化(キャリアをデザインするということ、キャリアを考える出発点―人生100年時代、メンバーシップ型からジョブ型へ―働き方改革ではなく雇い方改革 ほか)

2 キャリアを考えるためのヒント(会社選びをどうするか、宮仕えのヒント、転職で気をつけること ほか)

3 プチ幸福論―何のために働くのか(幸せの尺度をお金から時間へ、働く場所と住む場所―職住分離の時代、家と住宅ローンに縛られない ほか)

おわりに 弱いからこそ自助を

 

 

大垣尚司 さん

青山学院大学法科大学院教授・金融技術研究所長。京都市生まれ。1982年東京大学法学部卒、1985年米国コロンビア大学LL.M、2011年博士(法学)。日本興業銀行、興銀フィナンシャルテクノロジー株式会社取締役、アクサ生命保険専務執行役員、日本住宅ローン代表執行役社長、立命館大学教授を経て2017年より現職。一般社団法人移住・住みかえ支援機構代表理事等を兼務

 

【No1681】生きづらい時代のキャリアデザインの教科書 大垣尚司 日経BP 日本経済新聞出版(2024/08)