母が死んだ
母が死んだ 2
最後に、今後、相続放棄をされる人が間違われると困るので大急ぎで付け加えるが、基本的には死亡と相続開始はほぼイコールである。おじさんのように一緒に 暮らしたことがなく、どういう生活をしていたのかまるで知らない人間が、多額の負の遺産を継承しなければならなくなったような場合、つまり被相続人が生前、お金を借りていて、その金融機関が承継人として相続人に返済を求めてきたときなどは、それが死亡を知ったときであり、かつ相続が開始したときであると 考えられ、死亡から3ヶ月以上経過していても、915条第1項の例外として、受理されるとおじさんは理解した。
参考条文 民法
母が死んだ 2
母が最後まで読んでいた佐伯泰英の『居眠り磐音江戸双紙』
タイトルは忘れたので、新刊を……
先に結果を述べておくと、数日後、裁判所から封書が届き、申述が受理されたという書類が入っていた。そこで何か書類を送付する必要があるかと調停の担当書記官に電話すると、何も送って頂かなくて結構と言われ、その瞬間、2千数百万の理不尽な債務を免れた次第である。タイトルは忘れたので、新刊を……
最後に、今後、相続放棄をされる人が間違われると困るので大急ぎで付け加えるが、基本的には死亡と相続開始はほぼイコールである。おじさんのように一緒に 暮らしたことがなく、どういう生活をしていたのかまるで知らない人間が、多額の負の遺産を継承しなければならなくなったような場合、つまり被相続人が生前、お金を借りていて、その金融機関が承継人として相続人に返済を求めてきたときなどは、それが死亡を知ったときであり、かつ相続が開始したときであると 考えられ、死亡から3ヶ月以上経過していても、915条第1項の例外として、受理されるとおじさんは理解した。
参考条文 民法
第九百十五条
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。
おじさんの場合 は、葬儀に参列しているので、死亡を知ったのと相続開始を知った事とのタイムラグが生じたのである。一時は、おじさんに放棄させないために葬儀を知らせた のかと勘ぐりもしたが、兄が今後、母親の負債が相続人にかかってきても、おじさんの分は自分が引き受けるからと、印鑑証明書も付けて一筆書いてくれ、ひと まずは大丈夫な形を作ってはいたが、やはり相続放棄ほど確実なものではない。
母の人生を思うと、一人の女の生き様として、ハー ト重視で男性遍歴を重ね、最後にゴミのような男に引っかかり、結婚後、人形の様に男に言われるまま動き、老いては子に言われるまま生きてきた人生、おじさん のように愛情も受けないで借金だけを遺されて、下手をするとこれから先、死ぬまで借金に追われて生きていかなければならなかったかも知れないような状況を 作り、その事の重大性に気付きもしないで逝った人生。子供を放置したり、虐待しなかったのが、唯一とも言えるプラス評価だった。
母自身は父親を早く亡くし、4人兄弟の上3人が親戚に預けられる中、一人母親の愛情を一身に受けて育った。もちろん裕福であった筈はなく、肩身の狭い思いもしただろう。それでも何かに反抗したのか真逆の人生を歩んだ。自分の人生が第一、自分の手で子供を育てないという方針を皮肉っているのだが、やがて何処が良かったのか、DV亭主の命令で、裕福ではなかったおじさんが住んでいた実家に現れ、祖母や伯母の着物や貴金属を持ち去った女。どこまでも自分勝手だった女。今更恨みも憎みもしない、本当に馬鹿な一生だっ たと思うだけだ。そんな自己への蔑みか、横を向いたり帽子を半ばまで被ったり、葬儀の際、顔がまともに写った写真が一枚もなかったそうだ。ちゃんと送られる人間ではないという事が分かっていたのだろう。
腹立たしい、完全に忘れてしまいたい存在だと言いたいが、今はすべてを赦し、冥福を祈ろう。
長文をお読みいただき有り難うございました。
以上
おじさんの場合 は、葬儀に参列しているので、死亡を知ったのと相続開始を知った事とのタイムラグが生じたのである。一時は、おじさんに放棄させないために葬儀を知らせた のかと勘ぐりもしたが、兄が今後、母親の負債が相続人にかかってきても、おじさんの分は自分が引き受けるからと、印鑑証明書も付けて一筆書いてくれ、ひと まずは大丈夫な形を作ってはいたが、やはり相続放棄ほど確実なものではない。
母の人生を思うと、一人の女の生き様として、ハー ト重視で男性遍歴を重ね、最後にゴミのような男に引っかかり、結婚後、人形の様に男に言われるまま動き、老いては子に言われるまま生きてきた人生、おじさん のように愛情も受けないで借金だけを遺されて、下手をするとこれから先、死ぬまで借金に追われて生きていかなければならなかったかも知れないような状況を 作り、その事の重大性に気付きもしないで逝った人生。子供を放置したり、虐待しなかったのが、唯一とも言えるプラス評価だった。
母自身は父親を早く亡くし、4人兄弟の上3人が親戚に預けられる中、一人母親の愛情を一身に受けて育った。もちろん裕福であった筈はなく、肩身の狭い思いもしただろう。それでも何かに反抗したのか真逆の人生を歩んだ。自分の人生が第一、自分の手で子供を育てないという方針を皮肉っているのだが、やがて何処が良かったのか、DV亭主の命令で、裕福ではなかったおじさんが住んでいた実家に現れ、祖母や伯母の着物や貴金属を持ち去った女。どこまでも自分勝手だった女。今更恨みも憎みもしない、本当に馬鹿な一生だっ たと思うだけだ。そんな自己への蔑みか、横を向いたり帽子を半ばまで被ったり、葬儀の際、顔がまともに写った写真が一枚もなかったそうだ。ちゃんと送られる人間ではないという事が分かっていたのだろう。
腹立たしい、完全に忘れてしまいたい存在だと言いたいが、今はすべてを赦し、冥福を祈ろう。
終
長文をお読みいただき有り難うございました。










