日帝残滓排除運動が行き過ぎ、やむなくホワイト国指定解除の措置を取ったものだが、彼の国では喧(かまびす)しい議論がわき起こり、不買運動やさらに徹底した残滓排除運動を行う動きがあるようだ。
不買運動という言葉が出る点がお馬鹿丸出しで、輸入に時間がかかりそうな高純度フッ化水素のような素材も不買運動の対象にしたら、騒ぐこともない理屈だが、製品と素材は別のような割り切り方なのか、こんな所にもスマートさに欠ける国民性が出る。
日帝残滓排除の方は年季が入っていて、国を挙げて日本帝国の悪行を論(あげつら)い、全国民が反日教というカルト宗教の信者の様相を呈している。
我々、近代の自由主義者から見れば、気持ちの悪い息苦しい国に見えるが、暮らす本人達は頭を人に預けて考えなくてもいいから楽なのだろう。
日帝残滓排除の総仕上げとして、言葉の中の残滓をあぶり出すことを考えた学者さんがいらして、学生へのアンケートも実施なさっているらしい。そもそもアンケートに使用されている言葉自体、日帝を排除したら成り立たない気がしますけど。
この辺りが未開の種族と思わざるを得ない所である。普通に考えれば分かることだが、近代化したのは日帝の〝お陰〟で、近代化というのは言葉も大量に入っているってことなの。それを日本は懸命に見事な造語で補い、朝鮮はそれを右から左に朝鮮読みで受け入れた。よって日帝残滓として言葉を排除すれば、中世の言葉しか残らないのではないかと、老婆心ながらご心配申し上げる。
今でも同音のハングルでどちらの意味で使われているのか、書いた本人に尋ねるほか無いという話を聞くが、これなど書き言葉として二流、三流ということに他ならない。
但し、我が国でも戦後、一時期、ひらがなで書くようにしようという運動が起き、詩などが書かれたが、詩だから名詞と助詞の間に一文字空けられるが、そもそもひらがなだけで文章を書こうとするこういう発想自体が誤っていると指摘した。
実は学校の教師でマルクス主義者が賛同してアルファベットと同じく日本語もひらがなで書くべきだという運動が巻き起こった。主張する人がマルクス主義者だと特に調べた訳ではないが、だいたいこんな国語を破壊しようとする改革は保守からは出ない。
それには前提として、欧米に比べて日本人は劣っている。その原因は漢字を習得するのに時間がかかりすぎるからだ。文字を覚える時間を短縮してその無駄な時間をほかの教科に振り向ければ、もっと優れた人間が誕生するはずだという仮説である。国字国語問題でローマ字表記を通常の日本語の中に入れるべきだ、いや全文ローマ字表記にすべきだという推進派の謬説である。
当時、おじさんは二十代前半だったけれども、表意文字であるところの漢字とひらがな・カタカナの混じる文書は非常に読みやすく、瞬時に理解でき誤読が少ない、と反対の主張をした。ちょうどハングルで書かれた文書が、著者に聞かなければ意味が分からないといった馬鹿げた事を、漢字仮名交じりではしなくて済むのである。オールひらがな表記ではハングルと同じ過ちを犯すだけだろう。
穿った見方かも知れないが、彼の国は中世に戻りたがっていると考えたらどうだろう。ふとそんなことすら思うのである。
韓国人の中にも考えている人はいて、韓国人作家の崔碩栄氏はこう指摘する。
「韓国の学校の中では、日本語由来の言葉が数多くあります。『教育(キョイク)』や『学校(ハッキョ)』がそもそも日本語由来で、『教師(キョシ)』『担任(タニム)』『教科書(キョグァソ)』『算数(サンス)』『数学(スハク)』『地理(チリ)』『美術(ミスル)』『音楽(ウムアック)』『班長(パンジャン)』など、日常的な言葉がたくさんあります。それを排除するなどほとんど不可能でしょう」
https://blogos.com/article/390992/
続く
by 考葦(-.-)y-~~~