映像制作者の映像レビュー
★★★★☆


物語の背景と、何かが欠落した主人公と、目指すべきゴールが、開始20分~30分で設定され・・・というハリウッドテンプレートのシナリオは、もういい加減うんざりしてきたので、多くは語るまい。


長年の試行錯誤の末に編み出された、観客を120分飽きさせない方程式であることはわかるが、こうもワンパターンだと、もはや感情移入できん。


この映画で見るべきところは、美しいCG。

元々SFとCGは相性がいいが、これは特にクオリティ高い。


あの懐かしのエンタープライズ号は、今の技術で再現すると、こんなにもカッコイイのか。。と驚くばかり。

それはつまり、ン十年前の元のデザインが、それだけ先進的だったということ。


大好きな「2001年宇宙の旅」もそうだが、”未来のデザイン”は、もうとっくの昔に完成されていたのかもしれない。

あの時代に作られたSF、全部リメイクしてもいいと思う。



映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


3Dノウハウに関して言うと、ディズニーは一歩抜きんでている。


もう「3Dを見せる」段階は過ぎていて、「よりナチュラルに見せるための3D」というステージへ行っている印象。


追跡とか、花火とか、3Dを活かすシーンを効果的に散りばめながらも、ベースは空間の奥行きを出す画面構成で作りこんでいる。


だから別に気持ち悪くもならず、2Dよりも迫力は増している。

こういう「映画」が、これからのスタンダードになっていくのかもしれない。


未だに「大画面の必要性」を作り出せない邦画との差は開くばかり。ヤバイぞ。



映像制作者の映像レビュー
★★★★☆


昨年、横浜で行われた開国博Y150。

あまりイイ話を聞かなかったので、結局見に行かなかったんだけれど、この映画だけは気になっていた。


岩井俊二脚本、北村龍平監督のアニメーション??

どんなことになってるんだ?と。


流石、クオリティは高いっす。


「心を持ったロボットと人間、その境界は何だ」という手垢のついたテーマを、「バトン」というコンセプトで見せる企画力は見事だし、


アクションもカット割も、アニメだからごまかしようはあるのに、

実写撮影を本気でやってるもんだから見ごたえがある。

桜庭出てるし。


市原隼人の鬱陶しい熱い台詞回しも、アニメにアフレコだと気にならない。むしろ表情を補って丁度いい感じ(笑)。


3話まで行って、いよいよこれから本格的に話が盛り上がるのか?と期待したんだけど、続篇の情報がどこにもない。

オフィシャルサイトもなくなっている。


開国博失敗したみたいだし、あの本気度で続篇作っていったら幾らあっても足りないし、プロジェクト止まっちゃったのかな~?

どなたか知っている方がいたら教えてください。





映像制作者の映像レビュー
★★★★☆


バラエティに富む登場人物のキャラクター設定。

特急列車という限定されたシチュエーション。

その中で起こる事件と、意外な種明かし。


プロットの企画完成度が高いので、

90分と映画としては短いながら、充分楽しめる。


偉大なり。ヒッチコック。





映像制作者の映像レビュー
★☆☆☆☆


ハリウッドテンプレートのヒーロー物。

ストーリーは全くと言っていいほどヒネリも何もない。


CGは良く出来ているので、何も考えないで済む映画が

好きな人にはいいかもしれない。


一番印象に残ったのが、主人公が乗るアウディ。

カッコイイんだ。

完全なるプレースメントとわかりつつ、そこに目がいってしまう映画ってどうなんだろうか・・・?


金を集めて作るわけだから、当然リターンが見込める企画になるわけだけど、その結果、無難な企画ばかりになるということは、金を集める側、出す側に「画を想像できる力」がないということで。


邦画も終わってるけど、ハリウッドもキツイな。



映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


映画の現場は知らないが、CMの場合、タレント撮影は大変だ。

控え室に好物のお菓子や花束を用意するところから始まり、

待ちの時間が長くならないように段取りを組み、

「○○さん入りまーす!」の掛け声とともに、

スタッフが一斉にスタンバイする。


気持ち良く演じてもらうための環境づくりは重要だけど、

あそこまで「過剰な丁重さ」でもてなすのもどうなんだろうか、、と、

心の中で思っていたりはする。

とにかく気を遣わないといけない空気が充満していて、制作現場の人間としては、正直、面倒くさいことが多い。


その意味で、この映画はすごいと思うのだ。


とにかく豪華キャスティング。

単にビッグネームということではなく、原作を知っている人なら誰しも膝を打つであろう人選。小池栄子とかドンピシャすぎて笑ってしまった。


原作を忠実に再現するための「夢のキャスティング」を実現させていることもすごいが、タレント撮影の大変さを知っている者から言うと、これだけの役者陣を使った撮影現場なんて考えたくもない。本当にお疲れ様でした(笑)。


シナリオもキャストも、原作を知らないと何一つ楽しめない代物だけど、ここまで潔く割り切ってくれるなら、ある意味、心地よい。




映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


実は、宮崎駿作品が苦手だ。


もちろん、アニメーションのクオリティは抜群に高いし、

独特なデザインや世界観を作り出す技はすごいと思う。

サイケデリックなカットなんかは好みだったりもする。


何が苦手かというと、公然と「嫌い」と言えない世の中の空気

子供も大好き。大人も楽しめる。

深いメッセージもある。これぞ日本のアニメーション。

嫌いという奴は日本人に非ず、的な雰囲気。


「かわいい~!」と無条件に大橋のぞみをスターにしてしまい、

どのチャンネルを見てもあの歌が流れてくる、あの公開時の

熱狂を、冷めた目で見ていた。異常だと思った。


で、ひとしきりブームも過ぎ去った今頃ようやく見て、

映画館に並んで見なくて良かったと思った。

良く出来てるけど、DVDで充分。


やっぱり俺は「メジャー」が好きじゃないらしい。





映像制作者の映像レビュー
★☆☆☆☆


あいにく原作は読んでないのだが、

元となっているであろう物語の企画は、抜群に面白い。

さすが稀代のストーリーテラー、手塚治虫である。


それが、何でこんな仕上がりになってしまったのか。

映像制作の大変さは知っているし、映画ともなれば色んな人が色んなこと言うだろうから、純粋に制作者が望むものにならないこともたくさんあるのだろう。

だとしても、あまりにもったいない。


前半のタイのシーン。日本人刑事が、電車に乗った犯人を車で追いかけまくる。土地勘まったくない場所なのに。舞台の背景がまだ語られていないから、登場人物にも感情移入していないのに。

その、リアリティが全くないカーチェイスのシーケンスに20分使っている。あり得ない。


監督も不本意でこうなってしまったのなら不幸だし、

満足して作ってこれなら、能力がない。


面白いアイディアの原作だけに、それを全く活かせていない制作者たちに腹が立つ。


名のある原作と名のあるキャスト。

邦画の場合、それが企画が決まる必須条件だという。

で、これ?

玉木と山田を見に来た観客は満足する?

なめるな。



映像制作者の映像レビュー
★★★★☆


いわゆる「団塊世代」向け映画なんで、

あまり期待していなかったのだが、意外に良かった。


大枠では展開が読めるシーケンスの構成なので、

その意味ではわかりやすすぎて退屈なところもあるが、

この年代の役者陣の演技は流石。


60代になっても悩みは変わらずにあって、

それは、「どう自分の人生を締めくくるか」という、

もしかしたら、どの年代よりもシリアスな悩みなのかもしれない。

その感情が、ものすごくリアルに伝わってくる。


彼らの葛藤をわかるようになってしまった自分に

半ば驚きつつ、きっと、あっという間にそういう年代に

なってしまうのだろう。


良作。


映像制作者の映像レビュー
★★★★☆


断片的にしか語られない、物語の背景。

間延びギリギリの、淡々とした台詞回し。

凝った美術と陰影のきついライティング。


好みは分かれるのかもしれないが、

押井作品でしか味わえない「空気感」というものが確かにあって、

「絵」であるアニメーションなのに、そこに流れている風の温度とか、

タバコの匂いとかが伝わってくるのは、さすがとしか言いようがない。


こういう、その人しか作れないワールドを持てるかどうかが、

クリエイターとしてサバイブするための要件なんだろうと思う。


それって結局、自分が経験したことや考えたこと、

好きなことや感じること、個人的な全てをぶち込んで、

獲得していくものなんだろう。


口で言うのは簡単だが、多くの人が関わり、色々なしがらみがあり、

予算や時間の制約もある商業映像制作の中でそれを実現するのは、

相当にたくさんのハードルがある。


それらを全部突破するほどのエネルギー。

自己の世界に対するこだわり。

その情熱に、頭が下がる。