夕べ外国人グループが、
「ぺらぺらもちゃもちゃJapaneseぺらぺら、ハハ~ンっ」

「シー!」

と話していたのが、気になる!!

何となく小バカにされた予感がする!!

ここは日本だああ!


それ以後は静かにしてくれて良かった。


朝、引き続き霧雨。

でも木の下にテントを張ってたから、ほとんど濡れなかった。

守ってくれてありがと。

パッキングを済ませて、あずまやに行くと、ライダーさんが支度してた。

ナンバーは湘南。

話し掛けたら、東北大好き!とな!?

うれすぃ~☆

旅慣れた感じで、「雨で寒いとめげますよね~」としみじみ語り合う。

これから大間に向かうそう。

私ゃ尻屋崎も回るから、お先~。

出発すると、霧雨も止んでいた。

薬研渓谷の岩を削った美しい川がお見送りしてくれた。
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尻屋崎まで駆け抜ける。

すごい。

北海道だよここ。

県道266号に乗ってからは、本当に素敵な道だった。

道幅が急に狭くなったり、緩くカーブしてたり、一面の畑。

楽しい!!

さらに県道6号に乗り換えると、来ちゃいけない所みたいに荒涼としてた。

ゲートをくぐり、灯台へ。

馬がいる!

大きくて綺麗な馬。

毛が長くて、寒さ対応している。

その馬の後ろ、海岸線は、一味違かった。
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例えるなら、文明が荒廃して数年後、生き残った人達がたどり着く果て…みたいな。

来ていいの…?と抗えない不安感。

灯台には入れなかったから、写真だけ。
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海を眺めに行くと、流れ着いた昆布を拾う家族が。

私に何か言ってるような…。

ほっといてたら、おじさんが近づいて来た。

訛りすぎて何を言っているか分からん!

「ここの係か!?」

ようやく聞き取れた。

「いや、観光客。」

「昆布落ちてるから、拾うぐらいはいいだろう。」

はい?

なにゆってんだ?

その答えはすぐ横の看板にあった。

『海藻や貝は採らないで下さい!』

ああ、そゆこと。

そのおじさん達は、ものすごい急いで車で走り去って行った。

悪いと思ってるならやめたらいいのに…。

私もバイクに乗って走り出す。

が、馬が。

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本当に綺麗な馬。

見とれちゃう。

さらに先に行くと、水場にすんごく集まってた。

道路を歩き、水場へぞくぞくと集まってく来る。

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色んな色の馬がいる。

白馬は、ユニコーンみたいな美しさ。

子馬もたくさん居て、群れになってる。

ゆったりとした動作、伏し目がちの目が、私をファンタジーの世界にいざなった。

キャンプ場に着いたら、すでに何人かのライダーがテントを張っていた。

ワーイ♪一人じゃない♪

受付にいたおじさんはとてもいい人で、人恋しくなるこの山中に燈った明かりみたいだった。

ケータイを見たら圏外だったけれど、緊急避難所まであるこのキャンプ場なら大丈夫!

一番よさ気な場所はもう先客さんがいたから、ちょいと離れた所にテントを張った。

テントを張ったら体が温まった。

もう一度温泉に入ろうかと思っていたけど、あったまったし面倒だったからやめた。

近くのホテルからビールを買い出し、ラーメンを茹でる。
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ん~!キャンプらしい!!

ライダーの多さは、知床の国設野営場みたい。

おかげで、何となく初々しい気持ちになった。

ある意味、こんなに設備の整ったキャンプ場は珍しい。

¥1000以上出したってなかなか無いよ。

来てみて良かった~☆


ビールも飲み干し、後は寝るだけ…とごろごろしてたら、隣に外国人が数名来た。

英語でペチャクチャ話してて、うるさい…。

うるさいけど、注意する勇気は無い。


ま、寝れるでしょ。と放置。


つか、むしろテントに入り込んだ虫の方が気になる…。
温泉パワーのおかげで、寒さも多少平気。

寒いけど全然違う。

ただ、グローブがぐしょ濡れで、冷たい風+水で、カッチカチ。

三沢基地の辺りはとにかくだだっ広くて、道が真っ直ぐで北海道みたい。

風車がブンブン回ってて、霧で見通しが悪くて、現実感の無い感じ。

ぼんやりしてると、ここがどこか忘れちゃう。


寒さが平気なのは最初だけだった。

すぐに芯まで冷えてくる。

こんな寒さは久しぶり。

ガチガチ震える…と言うより、ガチっと固まってしまう寒さ。

スピードは出したくないけど、早く進みたい。

寒いー寒いー!

むつ市までがんばろうと思ったけど挫折。

途中のコンビニであったか~いお茶を飲み、体を動かす。


当初の予定は、尻屋崎に行ってから、時間見て恐山、そんで薬研でキャンプ。

しかし、温泉でゆっくりしちゃったから、尻屋崎は明日にして、恐山を通って薬研まで一気に行く事にした。

むつ市にネットカフェがあれば泊まりたかったけど、私のお得意サイトには載ってなかった。

あんまり寒いし、天気が悪くて不安な空色だから、ホテルとかに泊まっちゃおうかとも目論んだ。

しかし、しかし…。

まあ、まずは薬研に向かってみよう。

コンビニからは、自分にムチ打って休まず走る。

寒い~ひ~!!!

ジャケットくらはい…。

むつ市に着いても何にも寄らず、恐山方面へ。

山の中は霧が満ちて真っ白。

次第に、お自蔵さんがたくさん現れ出す。

霊場に入った。

霧で宇曽利山湖の周りは何も見えない。

いたこの看板。硫黄の匂いが立ち込める。
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川に流れ込んでいるようで、水がソーダ色。

ソーダ色の三途の川!!
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怖くて渡れません。

三途の手前に留まる。


温泉のある所の川は不思議な色になる。

ここも、不思議な色。

周りの荒涼な景色と裏腹に、爽やかな水色。
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その川を後ろに見送りながら、薬研へ。

また白く包まれる。

霊場の近くだからか、精霊が出てきそうに思う。

幻想的。

昨日の国道よりずっと、幻想的。

峠は狭く、曲がり曲がっていたけど、そんなのは平気。

この寒さに比べたら。

でも、あまりに人気が無くて、違う世界に迷い込んだかと思った。

『キャンプ場』と言う、人の気配が恋しくなった。

夕べの雨は止まなかった。

けれど、粒はずっと小さく、霧雨。

北へ。

走り出す前から、予感はしてたが、寒い!

ものすごい寒い!

霧雨はくまなく私を濡らすし、寒風が刺すように貫く。

道にあった温度計は、14℃。

私の装備は、20℃以下に対応してないんだよー…。

一応、昨日長袖を出してはいたけど、全然足りない。

渇かなかった靴は足を冷やし、腕から首からどんどん体温が奪われていく。

「さび~~~!!!」

何か温もりをー!!

コンビニでホットの何かを食べるか!?

いや、道の駅で一度靴下を変えるか。

いっそネットカフェ?!

ぐるぐると温もりを考える。

が、八戸から三沢方面へ来ると、何も無い。

アゴが冷えすぎていてー。

温もり~~っ!

すると、神様は、見捨ててなかった!

温泉があったのだ!!!

「これだ!入るしかないっ!!」

源泉掛け流しののぼりはイコール天国。

息も絶え絶えの様に温泉に飛び込んだ。

お湯ー!!

ドブーン!!!

あ、あ、あ、あ~……。

ぬくい…

冷え切った体はなかなか温まらず、しばらく浸かってた。

2階に展望風呂があったので、何が見えるのかな~?と行ったら、ガラス張りの浴場からは目の前の国道…。

まる見えじゃないっスか…。

「このガラスは、外から見えにくい作りになってます。」

『にくい』て。まあいいけど。


薄黄緑色の濁り湯は、私をじゅうぶん過ぎるほど暖めてくれた。

湯上がりにカップ麺を食べたら、急に眠くなった。

まだ雨が降ってるし、ちょいと横に…。

畳に横になった。

クー、カー、と、自分の小さなイビキが聞こえる。

寝返り。

スカー…。

ふと目覚めると、お昼過ぎだった。

ま、予想通り。

雨も止んでいた。

さーて、多少の予定変更をせねばな。

コーヒー飲んで目を覚ましてたら、受付のおばちゃんが、
「バイクでしょ?寒いから、もっかいお風呂入ってから行けば?」

ありあとーっす!!

再びトプン。

あー、何かまた寝たい…。

いやいや、行くぞ!

旅中に、もう一度温泉宿に泊まりたいなー。

ほかほかになって出発!!


安いのに快適な施設!偶然通り掛かったのがここで良かった。

琥珀博物館へ入る前に、すでに眠気の限界点が近い。


博物館をさっさと見て、一人車で休もうと目論む。



なのに、博物館が面白いなんて酷いじゃないか!



『太陽の卵』の内部。
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細かな琥珀が埋め込まれている。


この『太陽の卵』の他にも、琥珀の出てくる神話が説明してあったり、

虫眼鏡や顕微鏡で、琥珀内に取り残された虫が見れたり、面白いんですけど。


けど、とにかく少しでも休んどかなきゃ。


半分くらい見てから、一人足早に車に戻って休んだ。


すぐにみんな戻ってきてしまったけど、みんな眠かったから休憩。


かわいこちゃんが乗っかって来たり、寝入った誰かが(多分母)変な呼吸音を出したりして、ちっとも寝られやしない!


けど、もう行くのだ。



家族は自宅へ。



私は北へ!!



旅はまだ終わらない!


本州最北端にまだ行っていないのだ!



「それじゃあ気をつけて!」



一時の『安心』をありがとう。


旅の仕上げをしに行ってきます!!




国道で二手に分かれた。


雨の中走る。


次第に霧がかり、視界は白くなった。


白く、白く、幻想的な道。


霧は視界が悪くなるから苦手だったのに、今日はとても霧が楽しい。


余計な物が何も見えず、対向車のライトが光る。


いい。


そんな中、岩手を通過し、青森県に突入した。


けれど、雨がどんどん強くなるから、たまらなくなって道の駅はしかみで休んだ。


屋根のある駐輪場が無かったので、お花屋さんの軒下に乗り込んだ。


と言ってもお店はもう終わっていたから、花を置くベニヤ板の台が無造作にあるだけ。


早めに避難したから、被害は最小限。


しばし弱まるのを待つ。


つか、なんかここ、寝れそうな気がする…。


ま、寝ないけどーん。



だいぶ弱まってきたから、出発。八戸まであと少し。


八戸に入ったら、今夜のお宿へ入る。


今夜はネットカフェ。



後何度ネットカフェに泊まるかな。


毎日でもいいくらい好きなんだけどね…。